俺はさり気なく、雨矢上と葉山に近付き聞き耳を立てる。
さっきの葉山が妙に落ち着いていたのも気になるし…、何の話をしてるんだ…?
「雨矢上、君と少し話したい事がある」
「ん? 此処じゃ話せない事か?」
「………あぁ」
「……そうか、じゃあ昼休みあたりに話そうか。あと、俺はこの学校について詳しくは無いから、葉山が話しやすい場所に俺を連れて行ってくれ」
「分かった」
……嫌な予感がする。
昔から、俺のこう言う勘はよく当たる。そういう時はすぐに、危険を回避する行動を取るのだが……、どうするか…正直面倒事は避けたい、だが、その面倒事に友達が関わるとしたら、俺はどうするべきなんだ? 長い間ボッチ生活を送ってきた俺にはどうすればいいか、全く分からない。
こう言う時は、漫画とかドラマみたいに、二人の後をつけてみるか。
こう言う事するのは気が引けるが、友達の為だ、仕方が無いが話を盗み聞きしよう。
「うし✕はやキターー!!」
「ちょっ、擬態しろし!」
……あれは、葉山グループの…名前は確か…海老名さんと三浦…だったっけな。雨矢上…ネタにされてるぞ…。
葉山がネタにされるのは何とも思わないが…いや、何なら少しスカッとした気分なる。
スカッとジャパン…胸糞悪い展開が多くてあまり好きではなかったな…。
キーンコーンカーンコーン
勉強に勤しむ学生達ちの耳に、昼休みが訪れる合図のチャイムの音が届く。その音ど同時に授業が終わり、待ちに待った昼休みが始まる。
教科の先生が授業の終わりを告げると同時に、生徒数名が席を立ち、購買へ向かう。
他の生徒は、持参した弁当や、登校中にコンビニで買っておいた惣菜パンなどを、仲のいい生徒達で集まって、無駄話をしながら食べるのだろう。
そういや、あいつは昼飯何食うのだろうか。…まぁあいつの事だ、何かしら用意してるだろう。
「…………お」
葉山が、席を立ち、雨矢上に声を掛ける。
雨矢上は、葉山に声を掛けられると、席を立って、葉山の後をついていく。 あぁ、何処かで鼻血が噴き出す音が聞こえる…。
「さて、あいつ等の後をつけるか…」
小声でヤバイ事を言いながら、俺も席を立つ。そして、少し距離を開けて、二人の後をつける。
二人が向った先は屋上だった。
屋上はいつも開いているから、授業中でなければ何時でも出入り可能だ。さらに、海に近いこの学校の屋上は、そこそこ風が強くて、休み時間人がいる事はまず無いだろう。
俺は二人が屋上に入った後に、扉の近くに立ち聞き耳を立てる…。