「さて、と……ご主人には申し訳ないが少々休ませてもらうワン」
レイシフト内での休憩(スタン)が実質的に無くなってからはほぼ毎日のように種火と顔を合わせている。マスターと長い時間一緒に居られるのは嬉しいのだがいかんせん疲れが取れないのだ。
そのため今日は普段のメイド服からクイックTシャツに着替えダラける準備万端でマスターのところへ行ったのだ。そして、エミヤの口添えもあって1日の休みをもぎ取ったのであった。
「確かこの辺りに……おお!まだボロボロにされてなくて良かったぞ」
アマゾネス・ドットコムにて買ったキャットを駄目にするソファはうまい具合に座りやすくなっていた。使おうとする度にちびっ子サーヴァント達が遊んでいたので心配だったが、どうやら杞憂だったようだ。
「それじゃまだ日も高いが一足先にひと眠りするとしよう。グッモーニン……」
倒れるように埋もれるとソファは草臥れたアタシを優しく包み込んでくれ、そのままスゥっと眠りへと向かったのだった。
番外編
〜メルトリリスとアスクレピオス 〜
「ふぅん、つまりお前はアルテミス叔母さんの血が入ってるようなものか」
「痛いところ突くわね貴方……あら?あそこにいるのはリップのお友達じゃない」
「おい、あんなところで寝てたら風邪引くぞ……すっかり夢の中だな。仕方ない」
「あら随分と優しいのね」
「こいつに世話になってるサーヴァントは多いからな。お前もそのうちの1人だろう」
「まあ、否定はしないけども……」
「そういう訳だ、まあこれで良いだろう」
〜ベオウルフとアキレウス〜
「しっかしお前さん強いな!久々にいい汗かいたぜ」
「てめぇも中々だったぞ。このあと一杯どうだ?」
「おっ良いねぇ!……おっと、こんなところにキャットが転がっているじゃねぇか」
「ん?どうしたアキレウス……おお、これはこれは」
「なんか久々に見たな、しかしグッスリ眠ってるな」
「邪魔しないようにしないとな。そうだ、立札でも立てとくのはどうだ?」
「おお、そりゃ良いな」
〜アナスタシアとアビゲイル〜
「ヴィイってとても素敵なのね!」
「ふふ、ありがとう…あら、可愛らしいコックさんがこんなところで眠っているみたいね」
「皇女様どうしたの?って看板?があるわ?」
「“お疲れみたいだし静かに歩こうな!”ですって、私たちもそうしましょうか」
「ええ、そうね!っていけないいけない」
「お互いに気をつけましょ。そうだ、折角だしこれも置いておきましょうか」
「ふぅ、よく寝たワン」
欠伸を一つし、伸びをする。近くで見知った顔が「おはよう」と口を動かした。
「おやエミヤ、もう夕食の時間か?」
「しかし…君は愛されているな」
「むむ?」
彼の言っていることがわからず辺りを見回すと毛布や立札、そして何故かウォッカが置かれていた。
「これは……ハハッ、キャットは幸せ者だな。さぁて、今日は腕によりをかけて豪華な食卓にしようじゃないか!エミヤ、たっぷり手伝ってもらうぞ」
「勿論そのつもりだよ」