今回キャラ崩壊が著しいです。
上司の屋敷を荒らし回る剣劇RTA、はーじまーるよー。
前回は折神邸でステ振りをしながら襲撃待ちをする所で終わったので、そのまま可奈美ちゃん達を待ちましょう。
本来なら可奈美ちゃん達がいつ来るか分からない以上、体力はなるべく最大値を維持しておきたいですが、タギツヒメ戦より厄介な御刀奪還に備えて筋トレでNPを稼ぎます。
何故御刀奪還が厄介なのかと言うと、襲撃発生直後に御刀が管理されている倉庫に向かう必要があります。御刀が無ければホモちゃんもただのクソザコナメクジなので仕方ないですね。
しかしこの道中の一般刀使がクッソ強く、かつ多彩な戦闘パターンと配置が用意されているので正面突破は至難の技です。
よって進行に邪魔な刀使を不意打ちで無力化するチャートを採用しているのですが、ここでは筋力値と敏捷値が物を言うので時間が許す限り鍛えましょう。
夜見ちゃんから配置を聞き出せたら大幅に楽になるのですが、今回はダメみたいですね……(ホモ特有の屑運)
お、来たわね。
親衛隊の皆様が動き出すのを確認したら此方も直ぐ様行動を始めましょう。
倉庫までの経路も脳味噌に刻みこんであるので、脇目も振らずインコースを駆け抜けます。
右! 右! 次の突き当たりを左!
3つ目の扉に駆け込んで一旦敵をやり過ごしてから直進し、次の曲がり角で出会い頭にボディブローで沈めます。
次の曲がり角は左折直後に待ち伏せがあるので、ガードされ辛い飛び回し蹴りを叩き込んでさしあげろ。
……よし。ここまではガバも無くタイムも良好ですね。
後はそのまま道なりに進めばゴォォォォォォ────
「やはり来ましたね、百重奈さん」
……
……
…………? (チャートガン見)
どうして夜見ちゃんがこんな所にいるんですかねぇ……いや、しかしまだ諦めるには早すぎます。
以前の検証で判明したのですが、ここの夜見ちゃんは足下からのアプローチに極端に弱い事が発見されました。慢心からなのでしょうが、非常に助かります。
よってスライディングですり抜ければどうにかなる……筈!
どちらにせよここを突破出来なければ先はありません。覚悟を決めて、行きますよー、行く行く。
「やはり来ましたね、百重奈さん」
「あれ? 夜見ちゃん?」
こんな状況でも百重奈のすっとぼけた態度は変わらないらしい。しかし隙を窺いながらじりじりとこちらににじり寄る辺り、やはりすっとぼけた振りをしているだけなのだろう。
──まあ、予想はついていましたが
やたらと折神邸の人員配置を聞いてくるので怪しいとは思っていたが、やはり百重奈は此処に現れた。
百重奈は親衛隊に入隊してからも討伐にでずっぱりだったので此処に出入りした事は無い。ましてや危険物を保管する倉庫など、並の刀使では近付く事すら無いだろう。しかし襲撃発生から殆ど間を置かず現れたと言う事は、百重奈はそこに
奪還の可能性を考えた結果、敢えて刀剣類管理局に返納しなかったのが完全に仇となった訳だ。
「それも、ここで貴方を斬れば無意味になりますが」
「……どうかな。生憎、まだ斬られるつもりは無いよ」
そう言いはなった百重奈は、拳を構えた。私は格闘技に詳しくないが、それは百重奈も同様の筈だ。ならば御刀を持つ私が負けるなどあり得ない。
──なんて油断をすれば足下を掬われる事は間違いない
これまで百重奈は何度も私の予想を上回る行動を繰り返して来た。今回だって、私の想像の上を行く『何か』があるに違いない。だが、負ける訳にはいかない。
改めて百重奈を正面に捉える。
御刀を鞘から抜き、上段で構える。
「夜見ちゃんも加減してくれると嬉しいなー、なんて」
「そうですか。容赦はしませんよ」
「ケチ」
軽口を叩きながらも百重奈は此方の間合いを探っている。抜け目が無いと言えばそうだし、立派な戦術と言ってもそうだろう。
──踏み込めない
百重奈は既にこちらの間合いに入っている。しかし早々に斬りかかれない理由があった。
御刀を手放せば百重奈と同様に無力な一般人となるのは間違いない。そして彼女が狙うとすればただ一点、御刀を握る手以外には有り得ない。軽率に踏み込めば迎撃される可能性は高いのだ。
加えて私自身の戦闘スタイルが攻撃を躊躇させる。私が自ら攻めれば危機を迎えると言うなら荒魂を生み出して襲わせれば良い、とは考えたもののこれも上手くはいかないだろう。荒魂を使役するには、自傷行為によって血中のノロを体外に排出する必要があるのだ。彼女がその隙を見逃すとは思えない。
「あれ? 写シ展開しないんだ」
「必要無いので。あなたなら何がしたいのか分かっているのでは?」
「……ふぅん」
──だが、ブラフにはなる。
百重奈に対しては、自らの意図を読ませない事が重要だ。マイペースだけど他者の心情に敏い彼女は、戦闘でも遺憾無くそれを発揮してくる。親衛隊時代に戦績を放棄してサポートに徹し続けたのがその最たる例だろう。
だから動かず、相手を待つ。それしか勝ち目は無い。
「行くよ」
「……ええ」
──勝ち目は無い?
それは可笑しいだろう。百重奈は私を倒して先に進まねばならない。彼女は御刀を持っていない。戦術も読んだ。
だったら負けない筈だ。どうして──
「はああああああッ!」
「────!?」
気を取り直した時には百重奈は眼前に迫っていた。反射的に構えた剣を振り下ろす。
例え降り遅れたとしても頭を2つに裂く筈の一撃は、百重奈が倒れ込む様に前傾姿勢を取った事で空を斬った。
「く、おおおッ!」
「──外した?」
そのまま倉庫に転がり込む百重奈を背に、私は呆然とした。そもそも彼女は、私を倒すべき相手としてすら見ていなかったのだ。
──いや、本来はそれが自然だ。御刀も持たずに私と戦おうと言う想定自体が馬鹿らしい。どうやら私は思った以上に「対決」に固執しているようだ。
「認めますよ、百重奈さん。私は貴方と戦いたくて仕方がない」
返事は返ってこないだろうが、倉庫の中に向かって呼びかける。何の事は無い、ただの決意表明だ。
「いつも私の先を行く貴方が、刀使として活躍する貴方が羨ましかった」
「その癖私に無駄な気遣いをするのが堪らなく悔しかった。いつまで経っても私は貴方の背中を追いかけるだけ」
「でも、それも今日で終わりです」
「──此処で貴方を越えてみせる」
制服のポケットを漁り
躊躇い無く首に突き刺す。異物が針の先から不快感を伴って液状のノロが流れ込む。
役目を終え空っぽになったアンプルを投げ棄てれば、変化はすぐに始まった。
「がっ……ああああああああああああッ!!!」
全身が痙攣する。右目を突き破って新たな『目』が形成される。
もしかしたら自分で制御出来る代物では無いかもしれない。けど、それでも構わない。私の望みは百重奈を越える事。それさえ叶えば死んだって良い。
震える足に鞭打って、倉庫の中に踏み入れる。
──今までよりずっと景色が良く見える
黴臭くて薄暗い倉庫だって真昼の様に明瞭に見える。気分は上々、障害物だらけのこの倉庫も
ガリガリと引き摺っていた御刀を振り上げる。
「決着を付けましょう、百重奈さん」
・覚醒夜見(第2形態)
ーー彼女の全ては決着の為に
見た目は原作終盤での半分位ノロに侵食された夜見ちゃん。常にスリップダメージを受けているがノロの力で自動回復もする。能力は全部高水準だが、荒魂を生み出す事は出来ない。
大量のノロを取り込んだ影響で精神に異常をきたしている。
原作での高津学長への忠臣振りを全部嫉妬に突っ込んだらこうもなるかもしれない。