IS〜女オリ主と弾の恋模様   作:シリカ@雫推し

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第13話

8月中旬になり、世間はモンドグロッソ一色に染まっている。千冬さんの大会2連覇がかかっているので特に日本の盛り上がり方は凄まじい様子だった。

そんな中で、私は弾にしか許したのことないキスをしていた。

 

 

7月末日、この日は土曜日で訓練生として最後の日であった。試験はすでに終えており、明日からいよいよ代表候補生としてISに乗って訓練に入ると言うことで、私とかんちゃんは訓練施設に連れていかれた。日本支部からすこし離れた場所にあり、とても広い体育館のような所である。案内してくれた橘さんと共に私たちも体育館に入って行く。すると5台のISが縦横無尽に動き回り、銃やビーム兵器を撃ちまくっている。刀奈さんもいて、ハイパーセンサーで見えているだろうと思いつつも邪魔にならないように頭をペコっと下げるだけにとどめた。しばらく訓練を見ていると「明日から君たちもここで訓練に入るんだよ」と言われ、私は付いていけるか不安な気持ちになった。橘さんは「ここにいる人たちは何年も候補生として頑張ってる上に専用機持ちも3人いるんだよ。だからすぐに同じ動きが出来るわけないよ」と言ってくれた。

 

 

翌日、訓練施設に入ると受付のお姉さんに待合室に連れていかれた。数分後、受付のお姉さんとかんちゃんが来て、更衣室へ案内された。更衣室に入るとISスーツが置いてあり、着替えるように指示された。着替えが終わると施設の案内が行われた。次に先輩方への挨拶のために訓練所へと向かった。

 

訓練所に入ると先輩方が待っていてくれたらしく、一列に並んでいた。私たちは所長からの合図で

 

「栗原美樹、中学1年生です。本日付けで代表候補生となりました。よろしくお願いします」

 

「更織簪、中学1年生です。同じく本日付けで代表候補生になりました。よろしくお願いします」

 

 

先輩方の自己紹介も終わり、私たちはさっそく訓練に入った。まずは暮桜に乗り歩行から始まった。一応歩けはしたけど、スムーズとは言えない歩き方だった。途中先輩の「ISを装着した状態が自分の体だと思って歩いてみたらどうかしら?」と言うアドバイスを頂いて何とかマシにはなってきた。

 

多少スムーズに歩けるようになると、銃での射撃機訓練を行った。この訓練はISを装着しての訓練と未装着での訓練を行ったが、どうやら私に射撃はセンスの欠片もないみたい。IS装着時に10発中5発、未装着時に10発中1発しか当てれないのだから。むしろ20、30と増えるごとに、まったく当たらなくなってくる始末なのだ。先輩もこれには呆れてたよ•••

 

射撃ができなくても訓練は厳しくなっていく。今度はサークルロンドをすることになった。私とかんちゃんで反時計周りに回って、お互いに銃口を向けながら円起動を描いていく。徐々にスピードを上げつつ、射撃に回避しながら円軌道に戻っていく。慣れてきた頃に上下移動もプラスされるようになり体力、精神的にもキツくなってきたが、下手な私に付き合っているかんちゃんの方が疲れているだろけど。

 

週に一度は休みはあるけど、ほぼ毎日と言ってもいいくらい帰るとすぐにシャワーだけ済ませてお布団と仲良くしている。

 

そんな生活が2週間ほど続いたが、モンドグロッソも近いと言うこともあり、しばらく訓練は午前中だけになった。それで気を緩めた私は中庭で眠るように倒れてしまった。この時、枕を抜かすと弾にしか許したことのない唇を中庭の草に許してしまった•••気にしないけど•••

 

 

モンドグロッソが開催された。

一夏は応援のために開催国のドイツへと観戦に行っている。前回大会の覇者である日本代表である千冬さんが姉なのだから当然なのかな。

 

開会式が始まると訓練所の大型モニターにテレビ中継の映像が映し出された。今回は前回大会の1位と2位の国は2人、それ以外の国は1人が出場となっている。前回優勝した千冬さんを先頭に次々と各国の代表が出てきた。まずは格闘、射撃、近接、飛行部門からスタートされた。千冬さんと前回2位のイタリア代表のアリーシャさんはシードのために出場しないようだ。各部門が開始され、日本からは射撃部門に代表候補生ながら、かなりの射撃の腕前を持つと言われている山田真耶さんが出場し、結果は他国の代表を相手に2位と素晴らしい成績を収めた。

 

 

各部門のヴァルキリーが選出された翌日、決勝トーナメントが行われることとなり、組み合わせ抽選会が行われた。千冬さんとイタリア代表のアリーシャさんはシードの為に出場は確定となっており、順当に勝ち進めば、また決勝の舞台での対戦が見れるようになっていた。

 

圧勝で終わらせる千冬さんに対してアリーシャさんはキレのある技や格闘ゲームのようなコンボ技で勝利していた。このように2人に違いはあれど、各試合で観客を魅了していた。

そして、ついに決勝が行われることになった。まず千冬さんの名がコールされたが、出てこなかった。何度もコールしても結果は同じだった。そして千冬さんを飛ばしてアリーシャさんの名がコールされた。アリーシャさんは各方向に手を振っているが、顔が笑っていなかった。その後何度か千冬さんの名がコールされたが出てくることはなかった。

 

私たちも不思議に思っていたが、現地の情報が無いので何も出来ないでいた。

 

やがてドイツの大会本部でもこれ以上待てないらしく、決勝はアリーシャさんの不戦勝となってしまった。表彰式でアリーシャさんの「私は千冬に勝つまでブリュンヒルデは名乗れないわ」の一言に、全女性が惚れたことだろう。この一言に私は、本当のプライドの意味を知った。

翌日の閉会式でも千冬さんの姿を見ることはなく、日本選手団は帰国することとなった。

 

帰国後すぐに記者会見が開かれたが、久しぶりに千冬さんを見るとだいぶやつれていた。そして決勝のあらましを聞くことが出来た。日本支部長さんは

 

「決勝に織斑千冬君が出なかったのは、千冬君の家族が事件にあったからなのです。詳しい事は話せませんが、この事故により決勝の出場を見送りました。この決定は委員会が決めたことであり、千冬君とその家族に何の責任もないことをお伝えします」

 

そして次の千冬さんの発言

 

「私、織斑千冬は国家代表を引退します」

 

世界が震撼した。が、それを無視するように話の続きが始まった。

 

「元々第2回大会が終わり次第引退して、後進の育成の道に進むつもりでした。それに今回の事故で、もうこれ以上家族を失いたくないので、すぐ近くにいたいと思ってます。あと個人的にアリーシャに伝えたいことがあります。近いうちに、どちらかの国で決勝の続きをして欲しい。それだけが心残りだから•••」

 

その後、しばらく質疑応答が続いて会見が終わった。

 

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