IS〜女オリ主と弾の恋模様   作:シリカ@雫推し

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第27話

11月になり受験シーズン真っ只中の私たち。8月から基本的に平日は一夏の家で勉強会を行っている。弾と一夏の志望校は藍越学園で、一夏はA判定だったが弾はB判定だった。B判定でも悪くはないが、万全を期す為にもA判定にのせたいところだ。なので私と一夏で弾の勉強を見ることにしている。勉強会を終え帰宅中に公園に寄った。

 

「11日誕生日だよね。プレゼントは何が良い?」

 

「特にない•••。あ、またコスプレしてほしい」

 

「えっ•••?」

 

「ダメならいいんだ•••」

 

「まぁいいけど•••。一夏の家で?」

 

「あぁ、そうか。一夏に美樹のコスプレ見せたくねぇしな」

 

「ふふ。なら藍越に受かったら旅行にでも行く?卒業旅行ってことで。と言ってもネズミーランドだけど」

 

「おお!ちなみにアッチの方は?•••」

 

「受かったらね///」

 

「うおおおおお!!絶対受かってやるううう」

 

「はいはい。それまではこれで我慢してね」

 

とお互いの唇を触れ合わせたのであった。

 

 

 

冬休みになりISの訓練に精を出して取り組んでいる。そんな時、かんちゃんに倉持技研から専用機の話が来たようだ。倉持技研が今の打鉄をベースにして第3世代機を作るためのパイロットとしてかんちゃんが選ばれたみたい。

 

「かんちゃん、やったね! おめでとう♪」

 

「うん!ありがとう」

 

「それで、どんな機体になるの?」

 

「それはこれから決めていくみたい」

 

「そっかー。かんちゃんには『ツクヨミ』に乗って欲しかったんだけどな〜。でも伊勢技研より先に倉持技研がかんちゃんをスカウトしてるんだから仕方ないよね」

 

『ツクヨミ』とは伊勢技研で作られた私の『アマテラス』の兄弟機で、中〜遠距離型の機体に仕上げようとしているらしい。

 

「そうだね。美樹より大分遅れての専用機だから頑張らないと!」

 

「私の場合は千冬さんのお陰だからね。千冬さんの推薦がなかったら、まだもらえてなかったかもだし」

 

「そんなことないよ。美樹頑張ってるもん」

 

「ありがとう。専用機完成したら模擬戦しようね」

 

「うん!負けないからね!」

 

 

冬休みが明けて3学期が始まった週の土曜、私は受験のためIS学園に来ていた。正直なんでこんな早い時期に受験なのか疑問に思っていたので以前橘さんに聞いたところ、日本以外の受験者は代表候補生が多いらしく、その候補生の専用機を入学式に待ち合うように制作や調整の為に受験日を早目に設定したようだ。納得した。

最初は筆記試験ということで指定の教室に向かった。教室には2人分の机しか無く疑問に思っていると、後ろから

 

「筆記試験に関しては各国で行われるからな。そしてこの教室は代表候補生用の教室だ」

 

と言われた。えっ!と思って振り返ると千冬さんが立っていた。

 

「候補生は筆記試験が終わり次第すぐに実技試験に入るからその為だ」

 

「なるほど」

 

しばらくするとかんちゃんも来たようだ。そして筆記試験が始まった。筆記は数学と理科、IS理論の3教科だ。苦手な教科でも無いのでスムーズに終えることができた。

そして午後からの実技試験では学園の教師との模擬戦と言うことでロッカールームに案内されISスーツへ着替え私は第2アリーナへと向かった。そこで

 

「来たか。この仕事をしていると身体を動かす機会なんて無いからな。充分楽しませてくれよ?」

 

と千冬さんが打鉄に乗って待っていた。『勝てる訳ないじゃん!』と思いながらアマテラスを起動させ模擬戦の準備をした。そして『始め!』のアナウンスと共に2人の刃が交差した。

 

5分後、千冬さんのSEが7割を切ったことろで私のSEが無くなり模擬戦を終えた。

 

「ここまで楽しめたのはアリーシャ以来だな。今なら吉田にも勝てるかもしれんぞ」

 

「いえ、まだまだですよ•••。それより、私は不合格ですか?」

 

「ん?そんな訳ないだろ。私に勝てなんて言った覚えはないぞ」

 

「え?じゃぁこの模擬戦は?•••」

 

「動きを見るためのものだ。まぁ一般組よりも辛口に採点はするがな」

 

「な〜んだ〜」

 

と緊張が解れた。

 

「栗原の試験はこれで終わりだ。そう言えば更織姉が終わったら生徒会室に来てほしいと言っていた。地図を渡すから行ってこい」

 

「ありがとうございます」

 

と千冬さんから地図をもらうと制服に着替えて生徒会室へと向かった。

生徒会室に着くとノックをして「どうぞ〜」と言われたので入ると、楯無さんと虚さんに出迎えられた。

 

「お久しぶりです。楯無さん、虚さん」

 

「美樹ちゃんも久しぶり〜♪」

 

「お久しぶりです。美樹さん」

 

虚さんからソファーに座るように促され、楯無さんも向かいに座った。

 

「実は美樹ちゃんに生徒会に入ってもらいたいのよ」

 

「え?まだ合否も決まってないのにですか?」

 

「代表候補生を落とすって国のメンツに関わることだから滅多にないわよ」

 

「ああ、なるほど•••」

 

「という訳で入ってくれるかな?」

 

「え、ええ。それは構いませんが、1年生でもいいんですか?」

 

「構わないわよ。任命権は生徒会長にあるの。つまり私ね」

 

「え!今1年生の楯無さんが生徒会長なんですか?」

 

「ええ、そうよ。IS学園の生徒会長は『学園最強であれ』って言われてるからね。実力で奪っちゃった♪」

 

そう言いながら扇子を開き、扇子には『学園最強』の文字が書かれていた。

 

「じゃぁそういうことで、新学期からお願いね。栗原副会長♪」

 

何というかいきなり副会長と言うのもどうかと思ったが、言われるがまま受け入れることにした。

 

因みに虚さんから出されたケーキと紅茶は今まで食べたことのないくらい美味しかった。

 


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