1月に受けたIS学園への入試も合格した。あとは弾と一夏が2月にある藍越学園の入試に受かるだけだ。私はIS学園に通うのだが、記念として藍越学園も受けようとしている。私と一夏は余裕だろうけど、弾はまだまだB判定なので後の公立のこともあるし、勉強は続けていた。
2月中旬、ついに藍越学園の受験日がきた。が、藍越学園の試験の為に4駅離れた、とある多目的ホールへ向かった。何故かと言うと去年起きたカンニング事件のせいで各学校が2日前に入試会場を通知することになったからだ。
そして多目的ホールに到着し、中に入り私たちのテスト部屋を探すが、2階へ行くための階段が見当たらない•••。と言うか、先程から違和感がある。が、それよりも緊張のためかオシッコしたい•••。私は2人に
「ごめん。トイレ行ってくるね」
「「おー。いっトイレ〜」」
••••••
聞かなかったことにしよう••。
ともかくトイレを見つけ、用を足した。
余計な雑念がなくなりスッキリしたことにより、手を洗っている時に違和感の正体に気付いた。そう『受験生がいない』ことに。
私は慌てて2人を探し出したが、弾は近くで見つかったが一夏は階段を探しに行ったらしい。私は弾に
「ねぇ、入試会場ってここで合ってるのかな?さっきから受験生の姿が見えないけど•••」
「えっ!? そういえば•••」
その時
(君!そこで何してるの!? えっ、まさか•••)
(えっ!あの••• その•••)
「一夏の声だよな?」
「うん。一夏の声だったね」
私たちは声がした方へ走り出した。すると大きな部屋にIS(打鉄)があり、そのすぐそばに一夏がいた。
私は勘違いをしていた。一夏が打鉄を触ろうとした時に注意されたのだと。そして受付っぽいお姉さんに謝り一夏を連れて部屋を出ようとした。するとお姉さんが
「ちょっと待って!あなた男よね?なんでISを起動できたの?!」
「えっ!?」
「いやいや、あれに触ったら『キンッ』って金属音みたいなのが鳴って、何か色々頭の中に入ってきただけだって!」
「「それを起動したって言うの!」」
私とお姉さんのツッコミに一夏はたじろいだ。
ただ、それだけで終われる問題ではないことは確かだ。今まではコアの数が少ない上に女性しか動かせないと言う欠陥のお陰でISはスポーツとして受け入れれていたが、動かした男性を研究し、男性も動かせるようになると、米と書く自称国家警察の国がコアを独占しようとしてもおかしくない。私は千冬さんに連絡しようと携帯を取り出し、コールボタンを押した。
すると、そこへ趣味の悪いケバい化粧をしたおばさん2人が入ってきた。
「見てたわよ。男の癖にISを動かせるなんて生意気よね〜。ねぇ宮根部さん?」
「ええ、まったくですね。和田地さん」
名前を聞いて思い出した。この2人は女性権利団体から支持を受けて当選した国会議員だと。そして、おばさん達は私達に
「その男をこちらに渡してもらえるかしら?」
「何のためにですか?」
「ふふ、その男を研究所に送るのよ。研究者達からの莫大な礼金を貰えたらあなた達にも分けてあげるわよ?」
「あり得ませんね。そんな事のために友達を売る気はありません」
「ふふ。後悔しても知らないわよ。 あんた達、行きなさい!」
おばさんの1人がそういうと、厳つい黒服達が5.6人出てきた。おばさんの
「あの3人を殺さない様に痛めつけてやりなさい」
の言葉に私は意を決して専用機、アマテラスを起動させた。
「2人には指一本触れさせない!」
「「「なっ!」」」
黒服達は動きを止めた。生身でISに立ち向かう程愚かなことはない。
「あの小娘、代表候補生だったとはね。あんた達!あの小娘ははこっちで何とかするから、あんた達は男の方を何とかしな!更織の意地を見せなさい!」
おばさんが黒服達に発破をかけたようだが、それは悪手だろう。
「へぇ〜、黒服さん達って更織の人だったんだ。依頼かもしれないけど人身売買のこと、刀奈さん••じゃなかった。現当主の楯無さんや簪さんに報告させてもらってもいいのかな?」
「!?」
「楯無さんには以前プライベートビーチに誘ってもらったり、来年IS学園の生徒会長の楯無から副会長に任命される程度の関係でしかないですが」
黒服のリーダーっぽい人は一瞬何かを考えるかのように目をつむり
「失礼しました。我々は今回の依頼から手を引きますので、どうか当主様には内密に•••」
「だったら2人の護衛をしてもらえる?依頼料なら払うから」
「かしこまりました」
黒服さん達の行動に、おばさん達が苛立ちながら
「もういいわ!咲良、あいつらを痛めつけてやりな!」
そう言うと、ラファール•リヴァイブを纏った人が出てきた。そして大剣を振りかざしこちらに向かってきた。私は迎え撃つために草薙の剣を構えてると、『ガキンッ』と音がした。
「ほう。私の弟やその友人、そして弟子を痛めつけるのか。許さんぞ!」
の声と共に、ある女性が持っていた剣を一閃させた。すると咲良と言う女性が纏っていたラファールは量子化され、待機状態へと戻ってしまった。
「「ブ、フリュンヒルデ!?」」
えっ!何で千冬さんが?•••
「私をその名前で呼ぶな!」
おおぅ、一喝で静かになった。と言うかガクブル震えてる。そう言えば
「千冬さん。何故ここに?」
「ん?栗原が電話してきたんだろ?まぁ途中からだったが一夏が危険な感じがしたからな。まぁ栗原がISを起動したから場所がわかったよ。まぁ最初からこの場所にいたがな」
「え?それはどういう•••」
「それは後で説明するとして。更織、この3人を任せる。あと後ろの2人の護衛料は私に回せ」
「わかりました♪」
ええーっ!楯無さんもいたの!?
あ、後ろの護衛さん達がガクブルしてる•••
「今回のことは一応不問にするけど、ちゃ〜んと美樹ちゃんに感謝しなさい!」
「「はい!」」
あ〜よかった!これで一件落着だね。
あれ?何か忘れてるような•••
「そう言えば一夏、今日入試じゃなかったか?」
えっ•••
「「「ああーーっ!!!」」」
「と言うか、ここはIS学園主催のイベント会場だぞ?」
「「「へっ?!」」」
あぁ、千冬がこの会場にいた理由ってそういう事か。って!
「「い〜ち〜か〜(笑)」」
「すまん!『あいえつ』と『あいえす』を間違えたみたい•••。 ほら1文字違いだし•••」
「はぁ•••」
「まぁ一夏はISを起動したと言うことで、また狙われるかもしれんからIS学園に通うことになるかもしれんが、五反田は公立に掛けるしかないな」
「「「ですよね〜」」」
「五反田、ウチの愚弟がすまんな」
「いえ!一夏には勉強も見てもらいましたし成績も上がったので親も喜んでくれてますので」
「まぁ私達も確認しなかったからね。一夏だけのせいじゃないから、気にしすぎるのも良くないよ」
「本当にすまん•••」
その後、男性がISを起動したとニュースなどで話題になり、初の男性IS操縦者として取り上げられたが、ブリュンヒルデの千冬さんと天災の篠ノ之束さんと言う強力な後ろ盾もありつつも、一夏の周りには沢山の報道陣が詰めかけた。そのため、外出も出来ないまま残りの1月半を家で過ごすことになった。
そして一夏の安全確保のためにIS学園に入学することになり、卒業後の進路も決まってしまった。
一夏が外出出来ないので、代わりに私と弾で買い出しをしている。
「そう言えば鈴もIS学園に通う事になったみたいね。新年度からまた同じ学校に通えるね」
「そうだな。鈴もビックリしてたよ」
「だね。でも弾だけ別の学校か•••」
「まぁ仕方ないか。たまに遊びにきてくれよ」
「うん♪」