IS〜女オリ主と弾の恋模様   作:シリカ@雫推し

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第5話

GWが終わり教室に入ると、普段と変わらない日常。

HRまでまだ時間もある中で、私と弾の距離は今までよりも少し遠く感じる。

もちろん喧嘩をしたわけではない。ただ、お互い気恥ずかしくて距離のとりかたを測れないでいるだけなのだった。

 

そのことに気づいているのは鈴だけで、一夏は気づいてないようだ。

 

 

しばらくして担任が来てHRの時間になった。

「みんなおはよう。GWはいっぱい遊べたか?次の長い休みは夏休みだから、夏休みまでに中間、期末テストがあるからしっかり勉強するようにな」

 

テストか〜 と思っていると、

 

「あと今週の土曜日にISの適性検査があるから土曜は授業が終わると女子は残ってくれ。その際は体操服着用だから忘れるなよ。着替えは教室ですることになるから男子はすぐ、」

 

すると数人の男子が

 

「先生俺も受けたいで〜す」

「俺も俺も〜」

「そうか。ならお前たちは女子に性転換しなきゃな」

 

皆、冗談で言っている事が分かっているので笑い声が起きた。

 

 

 

昼休みになり、4人でお弁当を食べていると鈴が

 

「適性検査ってどんなことするんだろうね」

 

と聞いてきた。

 

「正直何をするかわかんないけど、女子生徒全員を検査するって時間かかりそうだよね」

 

「だよね〜」

 

と肩を落とした。

 

土曜日は男子2人は先に帰り、終わったら合流することにした。

 

 

 

土曜日になり、検査当日

授業を終え、女子生徒全員が体育館に集められた。

体育館に入ると、みんな驚愕していた。

それはそうだろう、なんといっても日本の量産機「打鉄」が3体もあったのだ。

 

生徒全員が学年、クラスごとに並ばされ、白衣を着た検査員から説明を受けた。

 

「皆さんには学年ごとにISを触っていただきます。起動できた生徒さんは舞台側に集まっていたたきます。起動できなかった生徒さんは帰っていただいても大丈夫です。ただし友達を待つ場合は体育館の外でお待ちください。そして起動できた生徒さんには全員の検査が終了次第、説明をさせていただきます。何が質問はありませんか?」

 

「では質問がないようなので、検査に入ります。皆さん、先生方の指示に従って下さい」

 

各学年主任が一組から出席番号順に並ばせ、検査場に案内した。

 

私の番まで時間があるので舞台の方を見てみると、各学年2.3人しかいないようだ。

 

 

10分後、私の番になり打鉄を触った。

すると『キンッ!』と金属音が頭に響いた。

そしておびただしい情報が頭の中に入ってきた。

ふと手を離すと、検査員の人から

 

「おめでとうございます。舞台の側でお待ち下さい」

 

後ろからら オォー! という声が聞こえ、なんだか気恥ずかしくなり、そそくさと舞台の方へ向かった。

 

その直後また歓声が上がり、見てみると鈴も起動したようだ。

鈴が走って来たので「おめでとう」と言うと「当然でしょ!」とドヤ顔で言うので、頭を撫でておいた。

 

鈴を含めて起動できた1年生数名と「この後、どんなことするのかな?」と話していると、全員の検査が終わったようだ。

 

最初に説明をしていた検査員さんが来て、クラスや出席番号は気にしないので各学年で一列に並ぶように言われた。

 

弾たちの事を待たせてるし前に並びたかったが、遅かったようで仕方なく鈴と後ろにならんだ。

 

並び終えると検査員さんに、これからの説明を受けた。

 

「これから皆さんには実際にISに乗っていただきます。ただし乗るだけなので動かす事は出来ません。皆さんが乗っている間に横にある機械で適性ランクを調べさせていただきます。このランクは個人情報に当たります。皆さんが友達に言うのは問題ありませんが、自己責任になりますので気をつけてくださいね。何が質問はありますか?」

 

説明を聞いた生徒が一人手を上げた。

 

「適性ランクの詳しい説明をしていただいてもよろしいですか?」

あ、私も気になるなぁ。

 

検査員さんが答えてくれた。

「適性ランクにはSABCDがあり、5段ピラミッドで上から順にSABCDとなります。ピラミッドのようにDランクの人が一番多くて、逆にSランクの人が一番少ないですね。そしてランクが高いほどISとの親和性が高く、操縦がしやすいとされています。ちなみにB以上の人はIS学園への受験も可能ですよ。これで分かってもらえましたか?」

 

「はい。ありがとうございます」

 

「他に質問はありませんか? ないようなので検査に入りますね。では先程触れていただいたISの周辺に集まってもらい、名前を呼ばれたらISに乗っていただきます。皆さん移動して下さい」

 

 

そして触れたISの周辺に行き、名前が呼ばれるのを待った。

 

ついに私の番になり、ドキドキしながらISに乗った。

 

検査終了直後に検査員の方が小声で「えっ!」と言ったのが聞こえた。

壊しちゃったのかと心配していたが、検査員の方から結果表をもらい、「A +とはすごいですね。おめでとうございます」と言われた。

結果表を見ると確かにA +と書かれていた。

ランクはSからDの五段階しかないんじゃないのかな?と思ったが結果が出ている以上、何も言えないでいた。

次は鈴の番かな〜 と見ていると、

 

「おおとりすずねさ〜ん」

 

と呼んでいた。

それを聞いて『あぁ、確かに知らない人が読めばそうなっちゃうか〜』と思っていた。

 

呼ばれた鈴は

 

「私は、ファン リンインです。」

 

と言った。

するとザワザワとした空気になり、検査員は鈴に

 

「国籍は日本ですか?」

 

「いえ、中国ですけど」

 

と鈴が答えると余計にザワザワしだした。

検査員は携帯電話を取り出し、どこかへ電話をしていた。

 

『えっ?えっ?』と戸惑っている鈴に私は近づき「大丈夫だよ」と励ました。

そして最初に説明をしていた検査員が近くに来たので、どういうかとか聞いてみた。

すると

 

「他の国の人に対して適性検査をすることはアラスカ条約に違反するんだ」

 

それを聞いた私は頭にハテナのマークが浮かんだ。よく分かっていない私に説明を続けてくれた。

 

「例えば君が他の国で検査をして今の結果を出した。A +なんて結果を出したんだから、その国は躍起になって君だけでなく、君の家族をもその国に勧誘するだろう。つまり、他国の人に迷惑をかけないように条約で決まっているんだ」

 

「じゃぁ、鈴は日本では検査は出来ないんですか?」

 

「えぇ、申し訳ないけどそうですね」

 

納得はしたけど、何とも言えないまま私と鈴は教室へと向かった。

 

 

余談だが鈴の検査についてランク検査をしていないということで検査員達に罰則はなかったが厳重注意を受けた。

 


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