異世界の航路に祝福を   作:サモアオランウータン

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天城イベ復刻に新KAN-SEN…花月から正統派ヒロインの波動を感じる!

あと開発艦3期はまだみたいですね
どんな娘が来るのやら…


99.ワーカーホリック

──中央暦1640年2月1日午前4時、サモア基地──

 

指揮官の朝は早い。

太陽が顔を出す前に起床する。

 

──ピピッ…ピピッ…ピピッ…

 

「ん……あぁ……」

 

小さな窓に簡素な扉、スチールデスクとキャスター付きの椅子。そして、壁際に取り付けられた小さな洗面台。

そんな独房のような部屋こそが、指揮官の私室であった。

ベッドも無いため椅子に座ったまま眠る。

 

──ジャー…バシャバシャ…キュッ

 

顔を洗い、私室を後にする。

誰もいない静かな廊下を執務室に向かってゆっくりと歩く。

 

「ご主人様、おはようございます。」

 

廊下を歩いていると、前方からメイドが此方に向かって歩いてきた。

紫色のボリュームのあるボブカットに、金色の瞳。左目は前髪で若干隠れている。

KAN-SEN『グロスター』だ。

 

「あぁ、おはようグロスター。夜間哨戒任務ご苦労だったな。ゆっくり休め。」

 

「ご厚意感謝します。ですが、ご主人様もしっかり休息をとりなさい。」

 

「大丈夫だよ。気にするな。」

 

グロスターから向けられる呆れたような視線を受け流し、手をヒラヒラと振って執務室に入る。

 

「さて…」

 

執務室に備え付けられている湯沸し器で湯を作っている間に、マグカップにインスタントコーヒーの粉末をテキトーに入れる。

少し量が多い気がするが気にしない。

沸いた湯をマグカップに注げば、雑なコーヒーの完成だ。

そんなコーヒーが入ったマグカップを持ってデスクに着くと、今日の予定を確認しつつ各種資源や機材の割り振り等々を行う。

 

──コンコンッ

 

そうこうしていると、執務室の扉がノックされた。

 

「入れ。」

 

「Hey、指揮官!今日もいい朝だね、朝食の時間だよ!」

 

薄紫色の髪に、大きなリボン付きのカチューシャを着用したKAN-SEN『ケント』が勢い良く扉を開けて入ってきた。

活発な性格からそうは思えないが、彼女もまた先ほどのグロスターと同じく、ロイヤルメイド隊の一人だ。

 

「…あぁ、もうそんな時間か。」

 

チラッと時計を見ると午前7時になろうとしている。

冷めきった苦過ぎるコーヒーを一気に飲み干し、ケントの後を追って食堂へ向かう。

 

「同志指揮官。同席しても?」

 

多数のKAN-SENや基地運営スタッフが朝食を食べている中、目についたボックス席に座った指揮官の元に一人のKAN-SENが現れた。

長い銀髪に赤い瞳。180cm程ある長身を丈の短いタンクトップとスキニージーンズで包んでいる。

北連最強戦艦と名高い『ソビエツカヤ・ロシア』だ。

 

「ロシア…?あぁ、今は戻ってるんだったな。トーパ王国はどんなだ?」

 

「時折魔物が出現するが…平和だな。各家庭には暖房器具が行き渡り、運河の建設も9割方完了している。だが…」

 

「リーム王国か?何やら不穏な動きをしているようだが…」

 

「うむ。だからこそ、重火力形態でかの国の領海スレスレを航行してきた。」

 

「ふっ…大層驚いただろうな。」

 

そんな他愛の無い話を交わしながらロイヤル式の朝食を完食すると、ソビエツカヤ・ロシアに別れを告げて食堂を後にした。

朝食をとった指揮官が次に向かったのは、演習管理室と呼ばれる部屋だった。

演習海域や演習場で行われている演習をモニターや各種通信機を用いてモニタリング出来る施設だ。

今行われているのは、KAN-SEN『チェイサー』率いる対潜艦隊による対潜戦闘演習のようだ。

 

「チェイサー、陣形が崩れてるぞ。」

 

《あら、指揮官。ごきげんよう。》

 

通信機で呼び掛けた指揮官にチェイサーが応答した。

 

「今、指揮しているのはロデニウス連邦海軍の護衛駆逐艦隊か?」

 

《えぇ、そうなのよ。あの子達ったら潜水艦を探知すると我先に…》

 

「闘争心があるのはいいが…考えなしに突っ込むのはいかんな。座学からやり直しだな。」

 

そうやって3時間ほど演習を視察した後、演習管理室を後にし司令部の建物から出て行くと、バイクに跨がり学園があるマノノ島へと向かう。

学園に到着すると、勉学やクラブ活動に励むKAN-SEN達を見て回る。

その途中、正午になった。

学園の中にある学食で何か食べようか…そんな事を考えていると、中庭に屋台が建っていた。

 

「……アイツらか。」

 

心当たりがあるのか、屋台を覗き込む。

 

「指揮官、いらっしゃい。肉まんでいいわよね?」

 

黒髪を特徴的な形に纏めたKAN-SEN『寧海』と…

 

「あむあむ……」

 

売り物であるはずの肉まんを食べている、茶髪をツインテールにしたKAN-SEN『平海』だった。

 

「勝手な事を…まあ、別にいいが。そういえば、逸仙は?」

 

「ムーの…何とかって人と春節に出掛ける予定がある、って言って色々準備しているみたいよ?」

 

「あむあむ…」

 

「そいつはお熱い事で。」

 

寧海の言葉に満足そうに頷きつつ、肉まんを受け取ると近くのベンチに腰をおろして肉まんを齧る。

食べ終わると、再び一通り学園を見回りして次は隣の島であるアポリマ島へ向かった。

 

「やっほー、指揮官。丁度よかった、報告したい事があったんだよねー」

 

橋を渡って直ぐの所で一人のKAN-SENに出会った。

一部を小さなサイドテールにした長い黒髪の鉄血KAN-SEN『U-73』だった。

 

「おう、どうした?」

「パールネウスについての調査結果なんだけど…地下に大規模な施設が発見されたのは知ってるよね?」

 

「あぁ、相当古い施設…というよりは遺跡のような物らしいな。」

 

バイクを停めると、U-73と共に研究施設へ向かいつつ話を続ける。

 

「そう、遺跡みたいなんだけど…つい最近まで稼働していたみたいなんだよね。」

 

「ほう?」

 

「動力はおそらく魔力…みたいなんだけど、今は魔力が枯渇して停止しているよ。多分、『トラペゾヘドロン』の影響かな?」

 

「何でも、辺りの魔力すら吸い付くして破壊力にするらしいじゃないか。その遺跡の魔力も吸い付くされたんだろう。……で?その遺跡が何なのかは分かったか?」

 

「それなんだけど…驚かないでね?」

 

U-73が真剣な表情で前置きする。

 

「多少の事じゃ驚かん。」

 

「…バイオテクノロジー関連らしいの。」

 

「バイオテクノロジー…品種改良とか遺伝子組み換えの話か?」

 

「そう、民間のバイオテクノロジー企業…『パラソル』の研究員がバイオテクノロジー関連施設とよく似ている、って…」

 

U-73の話を聞いた指揮官は少し考え、チラッと彼女に目を向けた。

 

「パールネウスはアズールレーン駐屯地として自由フィシャヌス帝国から提供されている。今まで通り内密に調査を。」

 

「うん、分かったよ。」

 

そんな話や新技術開発の打ち合わせ等を行い、研究施設を後にする指揮官。

現在、午後5時を回った所だ。

打ち合わせや報告が長引いてしまった。

 

「さて…」

 

今日の夕食は重桜寮に招待されている。

一日中あちこち回っていた為、汗や埃を洗い流す意味でもシャワーを浴びてから出向いた方がいいだろう。

そう考えた指揮官は一旦、司令部に戻ってシャワーを浴びた。

そうして、重桜寮に向かう。

 

「指揮官様、ようこそおいで下さいました。」

 

広大な敷地を持つ木造平屋の重桜寮…まるで温泉旅館のようなその建物の玄関口で赤城が指揮官を出迎えた。

「わざわざすまんな。」

 

「うふふ、指揮官様ぁ~お待ちしておりました~」

 

出迎えてくれた赤城に対して感謝の言葉を口にする指揮官。

しかし、そんな指揮官の背後に大鳳が忍び寄り抱き付いてきた。

 

「あらあら…大鳳何をしているのかしら?」

 

「何って…愛しの指揮官様を私の身体で癒して差し上げているだけですわ~」

 

「…指揮官様、先に行かれて下さいませ。赤城は少し、オジャマ虫を駆除して…」

 

「赤城、大鳳。」

 

一触即発な雰囲気の二人に、冷静沈着そのものな声をかける指揮官。

 

「お前ら二人が遅れると食事の時間が遅くなる。他の奴等を待たせるのは悪いだろう?」

 

デジタル腕時計を人差し指でコツコツと突っつきながら時刻を示す。

時刻は午後7時…夕食にはいい時間だろう。

 

「……そうですわね。和を乱しては後輩への示しがつきませんもの。」

 

「指揮官様がそうおっしゃるのでしたら、大鳳はそれに従いますわ~」

 

なんとかその場を治めた指揮官は、両手に花な状態で重桜寮の大広間へと向かった。

因みにメニューは、スッポン鍋やら鰻やら山芋やら…とにかく何かしらの意図を感じさせるものだった。

 

「よし、また報告が溜まってんなぁ…」

 

色々とあった重桜寮での会食だったが、午後9時には執務室に戻ってくる事が出来た。

 

「あー…ノーザンプトンの改装か…かなり大規模だが…基本はボルチモア級から設計を流用するのか。これは優先的に進めよう。」

 

様々な部署から集まってきた報告や要望。それらを確認しているとあっという間に時間は過ぎる。

 

「……もうこんな時間か。」

 

現在の時刻は午前1時…既に日付を跨いでいる。

仕事もキリのいい所だ。切り上げて睡眠を取る事にしよう。

そう考えた指揮官は私室に向かい横になる事はせず、椅子に座ったまま浅い眠りにつく……

それが指揮官の一日だ。

 

 

──中央暦1640年2月4日午前10時、ロデニウス連邦大統領府──

 

その日、指揮官は大統領府に呼び出されていた。

目の前にはロデニウス連邦大統領カナタと首相アルヴ、副首相ハーク…ロデニウス連邦トップ3勢揃いだ。

そんな三人と指揮官の間にある大統領の執務机の上には二枚の上質な紙が置かれていた。

内一枚は辞令だった。

 

──クリストファー・フレッツァを上級大将へと特進させる。

 

昇進の知らせだった。

上級大将…扱い上では一階級上の元帥と同じ扱いになる、という話だ。

それは別に構わない。出世欲が殆どない指揮官からすれば階級なぞどうでもいい。

問題はもう一枚の方だった。

 

「大統領、これはどういった意味で?」

 

「指揮官殿、そのままの意味だよ。」

 

穏やかな笑みでカナタが答える。

続いてアルヴに目を向ける指揮官。

 

「あんなべっぴんさん揃いなんだ。たまには"楽しめ"ばいいじゃないか。ハッハッハッハッ!」

 

豪快に笑い、何やら意味深な言葉を発するアルヴ。

続いてはハークに目を向けるが…

 

「指揮官殿…貴方は少々…いや、著しく"働き過ぎ"だ。このままでは身体を壊し、最悪、死んでしまう。」

 

そう、彼ら…いや、ロデニウス連邦上層部は指揮官の働きぶりを良く知っていた。

だからこそ、このままだと指揮官が過労死しかねないと判断した。

 

「いえ、心配には及びませんよ。転移前からこんな風に仕事していましたし…」

 

「指揮官殿。」

 

カナタが指揮官の言葉を遮った。

いつも穏やかな表情のカナタだが、今日ばかりは目が笑っていない。

 

「大統領命令ですよ。」

 

「……承知、しました。」

 

──クリストファー・フレッツァ上級大将に一ヶ月の休暇を与える。

 

指揮官はそんな辞令を渋々受け入れる事となった。

 




アズールレーンをやった事がないというそこの君!
今ならログインするだけでSSR巡洋戦艦フッドと装備一式か貰えるぞ!

今後、お色気シーンは…

  • 今より増やせ
  • このぐらいでいい
  • もう少し減らしていい
  • もっと減らして
  • 無くていい
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