時折、書き方が変わったりして違和感があるかもしれませんが、色々模索中なためです
──中央暦1638年4月12日午前10時、国境の街ギム ──
「どういう事だこれはぁぁぁぁぁあ!」
無人の街に怒号が響き渡る。それも無理は無い。意気揚々とギムへ進軍した3万のロウリア軍先遣隊は、各々がクワ・トイネ国民という獲物をどのように嬲ろうか舌舐めずりをしていた。
しかし、いざ攻勢を掛けるためワイバーンを飛ばしたが迎撃が来ない。低空を飛んで地上を確認したところ、ギムは猫の子一匹居ないという有り様だった。
歩兵によりギムに乗り込んでも、竜騎士からの報告通り無人の街並みがあるのみだった。さらに、呆然としているロウリア兵を嘲笑うかのように井戸は埋められ、街路は石畳ごと捲られガタガタ、食糧庫は空っぽという有り様だった。
これでは、ギムを侵攻拠点に利用する為には様々な復旧作業の必要がある上、クワ・トイネはギムを死守するために大量の備蓄をしているだろうと予想し、それを略奪する事で補給とする手筈だったのだがそれも叶わない。先ほどの怒号は、それを悟った先遣隊長アデムの怒りの雄叫びであった。
「おのれ…クワ・トイネの亜人共め!小癪な真似を!」
苛立ちを隠そうともしないアデムは、放置されていた水瓶を剣で叩いて八つ当たりし始める。
そんなアデムの様子に兵士達は出来るだけ関わらないように、復旧作業をしているふりをしていた。
「本隊のパンドール将軍に報告しろ!輜重隊と工兵をすぐに此方に派遣してくれ、とな!」
手近に居た兵士の尻を蹴り上げて高圧的に命令すると、既に砕け散った水瓶の破片を踏みにじりながら歯をギリギリと鳴らして吠えた。
「クワ・トイネめ!男は奴隷、女は夫の前で犯して魔獣の餌にしてくれるわぁぁぁぁぁあ!」
──中央暦1638年4月25日午前9時、マイハーク港 ──
その日のマイハーク港はどこか浮き足だった雰囲気だった。
予定では今夜、出港し明日の午前中にはロウリア海軍との海戦に突入するはずだ。初の実戦となる者も少なくはない
し、経験者であっても今回から投入された新兵器を使いこなせるのか、という不安を抱えている者も多い。
「指揮官殿は現状でも十分に勝てる、と仰っていたが…やはり兵は不安であろうな…」
マイハーク港の海軍司令部の最上階の窓から港を見下ろして呟くパンカーレ提督。彼の視線の先には100m以上もある、少なくともクワ・トイネ基準で言えば巨大船の幕下級警備駆逐艦が7隻、そして従来通りのガレー船があった。
だが、ガレー船には前後の甲板に黒い金属の塊から棒が生えたような物が搭載されている。そのガレー船はサモアの手によって改装された機械動力ガレー船であった。武装にクラップ社製37mm機銃を2基、動力にGAMAHA製クルーザー用ディーゼルエンジンを搭載したものであり、速力凡そ20ノットで走り回り2km先の敵船を攻撃出来る。
今までのガレー船よりも乗組員を少なく出来る上に、小回りが効くため沿岸警備用に20隻程を改造し配備されていた。
コンコン、とノックの音が響く。
「入れ。」
パンカーレが入室を許可すると、副官のブルーアイが入ってきた。
「ブルーアイ、出頭致しました!」
「うむ、待っていたぞ。とりあえず座ってくれ。」
敬礼をするブルーアイに敬礼を返し、ソファーを指して座るように指示する。
「失礼します。」
指示に従い腰を下ろしたブルーアイの真向かいに座ったパンカーレは早速、彼を呼び出した用件を話す。
「ブルーアイよ、君にはこれからやって来るサモア艦隊の旗艦に観戦武官として乗り込んで欲しいのだ。」
「観戦武官…ですか。」
「うむ。我々にサモアの兵器がもたらされて早一年…しかし、我々はまだ未熟。合格点は貰えるかも知れぬが、まだまだ満点は貰えぬ。」
「確かに…サモアの指揮官殿からは、魚雷や更なる大口径砲等は、まだ扱えないと判断されていますからね。事実そうなのですが…」
「うむ、そこでだ。サモアから長距離砲撃を得意とする戦艦が派遣されるそうだ。少しでも、彼らの戦術を学ぶために観戦武官を派遣する事となったのだ。」
「なるほど…承知しました。観戦武官の任、喜んでお受けします。」
「ブルーアイ君であればそう言ってくれると思った。午後3時…15時にはサモアの戦艦とその随伴艦が到着する予定となっている。それまで待機しておいてくれ。」
「はっ!」
パンカーレの命令にブルーアイは敬礼で返した。
──同日午後2時半頃、戦艦『ウォースパイト』艦上──
天を衝くように聳え立つマスト、水平線を睨むような重厚長大な連装砲、海を征す鋼鉄の城…戦艦とは正に海の王者だ。
そんな事を考えながらブルーアイは、よく磨かれた木材が貼られた甲板上を饅頭に案内されていた。
「観戦武官のブルーアイ殿ですね?お待ちしておりました。」
主砲塔の脇で3人のKAN-SENと談笑していた指揮官がブルーアイに気づくと、挨拶をしながら歩み寄ってくる。
3人のKAN-SENの内、2人はメイド、もう1人は幼い見た目に身の丈程もあるような大剣を携えていた。
「紹介しましょう。今作戦の旗艦、スゴ技の持ち主。戦艦ウォースパイトです。」
「ウォースパイトよ、よろしく頼むわ。」
「こっちのメイドが…片目隠してるのが、シェフィールド。」
「ロイヤルメイド隊、シェフィールドです。」
「こっちの丸眼鏡がエディンバラ。」
「ある意味、一番高価な軽巡洋艦ことエディンバラです!」
「ウォースパイト殿にシェフィールド殿、エディンバラ殿ですね。私は、パンカーレ提督の副官を務めているブルーアイと申します。」
「とりあえず、今作戦の概要を説明します。艦橋へ行きましょう。」
ウォースパイトを紹介した瞬間、ブルーアイが戸惑ったような表情を浮かべていたが敢えてスルーして、3人のKAN-SENを連れてブルーアイと共にウォースパイトの艦橋へ向かった。
──同日午後3時頃、ウォースパイト艦橋内部──
「と、纏めるとウォースパイトの長距離砲撃により敵艦隊中央への奇襲を仕掛けます。その後、中央から離れる為に左右へ散開した敵艦隊をシェフィールド及びエディンバラ、クワ・トイネ海軍の幕下級警備駆逐艦及び改装ガレー船により各個撃破します。敵艦隊が組織だった撤退を開始した場合はそのまま逃がします。」
「散り散りになった敵艦隊が海賊になる事を防ぐためでしたね?」
「えぇ、根拠地に戻ってくれるのであればそちらの方が叩き易いですから。」
艦橋に運び込まれていたガーデンセットの椅子に腰掛け、エディンバラが淹れた紅茶でティータイムを楽しみながら作戦の説明を聴くブルーアイ。
しかし、彼の視線はチラチラとウォースパイトの方に何度も向けられていた。
亜人の獣耳のような形に跳ねた癖毛に、幼い顔付きと体つきに似合わぬ大剣と風格。剣の道を行くブルーアイとしては彼女は、数々の戦場を潜り抜けてきた強者だと見抜く事が出来た。
だが…一つだけブルーアイには気になる事があった。だが、指揮官もメイド2人も気にしている様子は無いし、ウォースパイト本人も堂々としている。この疑問を投げ掛けるべきか否か…だが、このままでは気になり過ぎて観戦武官としての任務を遂行出来ないかもしれない。
「あの…指揮官殿。」
「何か?」
だから、思い切って質問する事にした。
指揮官の耳元に顔を近付け、耳打ちするように問いかける。
「何故、ウォースパイト殿はスカートを履いていないですか?」
そう、ウォースパイトはスカートなりズボンなりを履いていない…端的に言うなら、パンツ丸出しの状態だ。
「本人に聞いてみては?」
「えぇ…」
指揮官の言葉に思わず声が漏れる。
そんな質問を本人、しかも女性に聞くなんて出来るはずもない。だが、指揮官が本人に聞けと言うのであれば、何かしら特殊な事情があるのかもしれない。
「あの、ウォースパイト殿」
「なにかしら?ブルーアイ殿」
「あの…失礼かも知れませんが…スカート等は…?」
ブルーアイからの質問を聞いたウォースパイトはフッ、と不敵な笑みを浮かべ薄い胸を張り堂々と答えた。
「その質問をされるのは久しぶりね。いいわ、答えましょう。……『オールドレディでもスカートを上げれば走れるものだ』、ならばスカートを履かなければさらに速く走れるのは道理ではなくって?」
「…は…はぁ…?」
余りにも堂々とした答えにブルーアイの常識が崩れそうになる。どうにか、常識を取り戻そうと傍に控えていたシェフィールドに問いかける。
「ロ…ロイヤルの方にはそのような風習があるのですか?」
「いえ、あれはウォースパイト様だけですよ。少なくとも私はしません。」
「で…ですよね…」
「パンツ履いていないので。」
「……え?」
「機動力確保の為です。」
「……」
「もうっ、シェフィ!そういう事はあまり人に言っちゃダメだって言ってるでしょ!」
常識が完全に崩壊したブルーアイは呆然としながらシェフィールドに対するエディンバラの説教を聞いていた。
──後に、ブルーアイは海軍の剣術大会で審判ですら見切れない程の体捌きで驚異の30人抜きを果たす事になる。
その体捌きのコツを聞かれた彼は、こう応えた…
ロイヤルの真髄を見た、と
次回こそドンパチパートです
今後、お色気シーンは…
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今より増やせ
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このぐらいでいい
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もう少し減らしていい
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もっと減らして
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無くていい