量産型例のアレ様・ヴェノム様より評価8を頂きました!
今回から辺境の魔王編スタートです
今回のイベントでも顔出しのみKAN-SENが出ましたね…
ル・テリブル、なかなか好きな性格です
111.神話の復活
──中央暦1640年3月29日午前8時、トーパ王国世界の扉──
第三文明圏フィルアデス大陸の北東部、そこにトーパ王国はある。
最北の大陸と称されるグラメウス大陸と、フィルアデス大陸を結ぶ幅100m、長さ40kmの地峡を領土とする文明圏外国だ。
二つの大陸を結ぶ地峡…本来なら交通の要所として発展するか、他国から侵略される運命にあっただろう。
しかし、そうはならなかった。
何故なら、グラメウス大陸には『魔物』と呼ばれる危険生物の楽園であり、好き好んで出向くような者はいないからだ。
そして、そんな魔物がフィルアデス大陸に侵入する事を防ぐ為の要塞…『世界の扉』の上で二人の男が双眼鏡を持って、延々と広がる未開の地を監視していた。
「ふぃー…今日も冷えるなぁ…」
「だな。朝飯のカーシャ(蕎麦の実と牛肉の粥)で暖まった体が、キンッキンに冷えてやがる…ッ!」
高さ20mにも及ぶ壁のような要塞の上で監視任務を行っているのはエルフの騎士モアと、かつて非常勤として雇われていた元傭兵にして現『アズールレーン北方航路防衛陸戦旅団』小隊長ガイだった。
二人は幼馴染であり、所属が違うにも関わらずよく二人で任務にあたっていた。
「しかし、俺達がこんなに寒い思いをしてまで監視する意味はあるのかねぇ…ここ10年で来た最大の群れでも、道に迷ったゴブリンが10匹程度。ゴブリンなら100匹…いや、1000匹来たってこの要塞はびくともしないぜ?」
ガイが要塞の外壁を拳でガツガツと叩く。
彼がそう思うのも無理は無いだろう。
ゴブリンと言えば最弱の魔物…大した力も知能も無く、一対一なら間違いなく負けない。
数で押されればその限りではないが、世界の扉ほど強固な防備ならそれも問題にはならない。
「おいおい、アズールレーンの小隊長様がそんな不真面目な事言っていいのか?グラメウス大陸の魔物の監視は人類の存亡に関わる重要な任務だ。そうやって油断している時に、オークやゴブリンロードが来たら大変な事になるぞ。まあ、でも…」
不真面目なガイの言葉を嗜めつつ、肩を竦めるモア。
しかし、その目はグラメウス大陸の反対側へと向けられる。
「あんな"運河"があるのなら、世界の扉が突破されても市街地に魔物が来る事は無いだろうな。」
モアの視線の先、城塞都市トルメスへ続く街道が延びている。
しかし、その街道は途中から深い渓谷により分断されており、街道の続きは鉄橋となっている。
「それにしても、ロデニウス連邦は凄いなぁ…1年で地峡を海峡に変えるんだから。」
ガイもモアと同じ方向に目を向ける。
そう、幅100mの地峡はダイナマイトや重機を駆使して掘り下げられ、幅80mもの運河となっていた。
これは、第四文明圏構想の一環として造られたものだ。
ロデニウス連邦の主要な交易路…アルタラス海峡のバックアップとして。また、アズールレーン艦隊がフィルアデス大陸北方に展開するため…何よりも友好国トーパ王国の防衛力強化の全てを実現するための手段が運河の建造だったのだ。
「あの運河のお陰で国の財政はウハウハ、運河防衛の為にアズールレーン艦隊も常駐してるから海賊なんかも出ない。いい国になったもんだ。」
遠くに見えるトルメスを眺めながら楽しげに話すガイ。
トルメスの街並みには幾つもの高層建築物が建設されつつあり、自動車が何台も走っている。
運河の所有権はロデニウス連邦とトーパ王国が共同保有しており、ロデニウス連邦が通行許可の発行権を、トーパ王国が通行料の徴収権をそれぞれ保有している。
故にトーパ王国は通行する船舶から払われる通行料や、港の使用料等で莫大な収入を得ていた。
「確かにな。道は良くなったし、ゴブリンが破裂するぐらい強力な兵器も…」
ガイの言葉にモアが同意していた時だった。
暗雲立ち込めるグラメウス大陸の空。そこに白い点が見えた。
「ガイ…今日、この辺りを飛行する飛行機はあったか?」
「いや、そういう話は聞いてないが…」
ガイの言葉を聞いたモアは、要塞の上部に取り付けられているバリスタに飛び付いた。
「魔物だ、エンジン音もしない!」
「何っ!?」
バリスタが向く方に目を向けつつ、バリスタの傍らにある受話器を取るガイ。
「こちら、27班のガイだ!グラメウス大陸方向から此方へ向かってくる、未確認飛行物体を発見!エンジン音等は皆無!指示を請う!」
一拍おき、受話器のスピーカーから声が返ってきた。
《こちら、世界の扉防衛本部。了解した。本日、その空域を飛行する航空機は存在しない。姿を確認したのち、魔物と判断出来れば撃墜せ…》
「ガイ!間違いなくあれは魔物だ!翼の付いた人型の何かだ!」
「本部、モアが魔物と確認した!迎撃する!」
《了解。直ぐ様、応援を送る。》
その言葉を聞いたガイは受話器を元の場所に置く事もせず、担いでいたM1903ライフルのボルトを操作して射撃準備を整えた。
「モア、周囲の警戒は俺に任せろ!」
「頼むぞ、ガイ!」
なんとも頼もしい相棒の言葉を聞いたモアは、弾薬箱から矢…誘導兵器バイアクヘーを取り出してバリスタにつがえると、照準器である燃える三眼を覗いた。
「まだ…まだ……もう少し…」
有効射程は1km程あるが、必中を求めるのであれば500mまで引き付けた方がいい。
だからこそ、逸る気持ちを抑えながらトリガーに指を掛け…
「……今ッ!」
照準器の視野の半分が魔物の姿で埋まった瞬間、トリガーを引いた。
──カシュゥゥンッ!
張りつめた弦が矢を射出する。
魔石により空気を噴出させながら飛翔する矢は、形代により気流を制御してロックオンした対象へと軌道を修正し…
──バンッ!
魔物に直撃し、鏃に仕込まれた魔石が炸裂した。
「よしっ!」
「当たった!」
命中に喜んだガイとモアがハイタッチを交わす。
しかし、そんな事をしている暇は無かった。
「…あれ?こっちに向かって…」
「ヤベッ!ぶつかるぞ!」
ボロボロになった魔物が、黒煙の尾を引きながら此方に向かって落ちてくる。
せっかく迎撃したというのに、落ちてきた魔物に当たって死ぬのはゴメンだ、とばかりに落下地点から一目散に逃げ出す二人。
──ガシャァァンッ!ガラガラ…
危機一髪、なんとか二人がヘッドスライディングで回避した次の瞬間、魔物がバリスタに落下してきた。
「ガイ、大丈夫か!?」
「大丈夫だ!あー…ビビったぁ…」
互いの無事を確認しながら立ち上がりガイはライフルを、モアはP-38拳銃を抜いて構えながら墜落した魔物へと近付く。
「うっ……ぐぅぅぅっ…」
苦し気な声がする。
思わず足を止め、遠巻きに観察する。
「おーい!大丈夫かぁ!?」
応援の兵士が来た。
皆、サブマシンガンやライフルを持っている。
「魔物は撃墜しました!ですが、まだ息があります!」
ガイが魔物へ銃口を向けたまま、兵士達に警戒を呼び掛ける。
ギョッとした様子で各々の銃を構える兵士達だったが、モアがポツリと呟いた。
「マラス…トラス…?」
その言葉にガイも、兵士達も目を見開いて一歩後ずさった。
漆黒の翼に、黒く染まった凸凹のある肌…そして、醜悪な顔は見間違えようもない。
魔王の側近にして、100人を超える騎士を葬ってきた恐るべき魔物、マラストラスである。
「お…のれぇ…っ!何故…何故、貴様らのような下等生物が…!」
そんな強大な存在はどこへやら。
マラストラスの脇腹は大きく抉れ、苦し気な呼吸に合わせてドス黒い血が流れ出している。
「チィッ!しぶとい!」
「待て、ガイ!」
トリガーに指を掛けたガイをモアが制した。
「何故…貴様らがぁ…誘導…魔光弾を!」
口からゴボゴボと血を吐き、体をガクガクと震わせながら立ち上がるマラストラス。
その濁った眼には、激しい怒りが見てとれる。
「ザマァ見やがれ!テメェはもう終わりだ!」
「お前には散々苦しめられたが…散っていった騎士達の無念、晴らさせてもらうぞ!」
チラッ、と兵士達に目配せするモア。
それを合図に、マラストラスに向かって幾つもの銃口が向けられる。
「ふ…ふ…ふはははは!魔帝様の技術を手に入れたようだが、所詮は猿真似!その程度では復活した我が主、魔王ノスグーラ様には敵わぬ!せいぜい、悪あがきをしてみろ!ふはははは!」
「撃てぇぇ!」
──パパパパパパッ!ダンッ!ダンッ!ダンッ!
勝ち誇ったように高笑いするマラストラスに、モアの号令により放たれた銃弾が殺到する。
合計100発以上の9mmパラベラム弾と30- 06弾をまともに食らったマラストラスは、弾痕からドス黒い血を吹き出しながら倒れ…息絶えた。
「モア…こいつ、魔王が復活したって…」
倒れ、もの言わぬ骸と化したマラストラスをライフルの先で突っつくガイ。
モアはそれに頷き、兵士達に指示を出した。
「皆、魔王復活の知らせを本部と王都に!…ガイ、お前からもアズールレーンに伝えてくれ!」
「そうだな、本当に魔王が復活したとするなら一大事だ!港に居るロシアさんを通して伝える!」
力強く頷くガイと兵士達。
その日の午後にトーパ王国政府は『国家緊急事態』を宣言、世界の扉へと戦力を集めると共に翌日にはアズールレーンへ応援を要請した。
………(リーン・ノウの森の下りをどうしようか悩んでるうちに辺境の魔王編まで来てしまったのは不味いかな?と思ってる顔)
今後、お色気シーンは…
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今より増やせ
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このぐらいでいい
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もう少し減らしていい
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もっと減らして
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無くていい