投稿が大幅に遅れてしまい申し訳ありません
活動報告にも書きましたが、豪雨の影響で様々な対応をしていました
私自身は被害を受けていませんので、ご安心下さい
2ヶ月ぶりの執筆なのでクオリティ低めになってしまいました
一刻も早く感を取り戻せるように努力します
──中央暦1640年6月22日午後1時、ムー首都オタハイト──
神聖ミリシアル帝国の使節団がロデニウス連邦を視察している頃、ムー首都オタハイトに置かれたとある企業の本社の応接室で会談が行われていた。
「国際共同開発…ですか?」
目を丸くし、驚嘆したように告げたのは初老の男性…ムーの航空機製造メーカー『アクア発動機』の代表取締役であるランセット・アクアだった。
「はい。貴社と我が社の技術と資金を持ち寄り、我が国で進められている計画…『多目的高速航空機計画』に提出する為の航空機を開発しようと考えています」
ランセットの言葉に応えたのは、これまた初老の男性。元ロウリア王国三大将軍の一人、ミミネルである。
彼はロデニウス統一後、軍務を退いた後にサモアからもたらされた技術を用いて民間向けの小型飛行機や、一部軍用機の委託生産を請け負っている半官半民企業『ロデニウス・エア・インダストリアル』のCEOとして活躍していた。
「その…『多目的高速航空機計画』とは一体どのような物なのですか?」
ミミネルに問いかけたのはムー海軍機動部隊提督、レイダー・ミレールだ。
何故、企業同士の会談の場に居るのか?
その答えはミミネルの言葉にあった。
「はい、今回レイダー殿にもご臨席頂いた事からも察せられるかとお思いですが、この計画は軍用機…戦闘機は勿論、攻撃機・爆撃機・練習機を1機種で賄おうという計画であるのです」
「戦闘機と爆撃機を同一の機体で…?」
「概要は聞いていますが…果たして本当にそんな事が可能なのですか?」
ミミネルの言葉を聞いてもイマイチ理解が及んでいないようなレイダーと、半信半疑といった様子のランセット。
だが、それも無理は無いだろう。
何せ戦闘機と攻撃機と練習機を1機種で賄う事はまだしも、爆撃機まで兼任させるというのは無理難題としか思えないからだ。
ムー統括軍でも現主力戦闘機である『マリン』に小型爆弾を搭載して簡易的な攻撃機として運用する場合もあるが、その搭載量は爆撃機とは比べ物にならない程に少ない。
かと言って十分な搭載力を持つ爆撃機型『ラ・カオス』では戦闘機のような空戦機動は行なえない。
それ故、ミミネルからの提案は机上の空論としか思えなかった。
「はい。お二方の仰る通り1機種で多数の任務を兼任させようとすれば無理が生じ、中途半端な性能になってしまいます。しかし、サモアより提供された技術によりこれまでより遥かに高性能な航空機の開発が可能となりました。こちらをご覧下さい」
そう言って新型機の簡易的な三面図と、性能諸元が書き込まれた図面を机上に広げて見せるミミネル。
「なっ…!」
「こ、これは本当なのですか!?」
溢れ落ちそうな程に目を見開き、驚愕に顔を歪める二人。
彼らの目に映るのは、鏃のような主翼と水平尾翼を持つ洗練された機体…しかし、外見だけではなく性能諸元にある数値も信じ難いものであった。
それが以下の通りである。
・全長×全高×翼幅12.22 m×4.57m×8.38m
・空虚重量4,750kg
・最大離陸重量11,136kg
・最大速度1,077km/h
・航続距離3,220km
・実用上昇限度12,880m
・固定武装20mm機関砲2門
・爆弾等最大4,490kg
…と、余りにもこの世界の平均を大きく引き離すような性能である。
もし、これが実現出来るのであればムー統括軍の航空戦力は飛躍的に向上するだろう。
だが、それはあくまでも実現出来ればの話…理想のスペックを羅列するだけなら誰でも出来る。
だからこそ、レイダーは渋い顔で問いかけた。
「大変魅力な機体ですが…これは実現可能なのですか?ロデニウス連邦…サモアの技術を疑う訳ではありませんが、如何せん現実離れしたスペックですので…」
「それに関しては問題無いと思います。現にアズールレーンでは超音速機が既に配備されており、その機体『F8クルセイダー』は素晴らしい性能を示しています」
「ちょ…超音速…!?」
ミミネルの答えを聞いたランセットの顔が引きつったが、レイダーはそれに構わず再びミミネルに問いかける。
「既に超音速機を配備している事は驚きましたが…しかし、そのような機体が既に存在しているのであれば我が国と共同開発する必要は無いのでは?」
レイダーの疑問も当然の事だ。
科学技術立国であるムーの人間として認めたくはないが、ロデニウス連邦やアズールレーンの技術はムー統括遥か先を行っている。
そんな技術力を持つ彼らがムーの技術を宛にしているとは思えない。
その問いかけに対し、ミミネルはやや恥ずかしそうに応えた。
「それがですね…予算が…足りないのですよ」
「「は?」」
彼の口から飛び出た予想外の言葉に、ランセットとレイダーから間の抜けたような声が出た。
「実を言うと我が国は新型空母や新型戦車、更には歩兵用小銃の開発・配備を進めているのですが…攻撃機や訓練機に必要な予算が不足しているのですよ。そこで…」
「なる程…つまり、我が社と共同開発する事で開発費用を折半し、生産数を増やして単価を下げる…と言う事ですか?」
「はい、仰る通りです」
ランセットの問いかけに応えるミミネル。
それを聞いてランセットもレイダーも合点がいった。
確かに兵器開発は多額の資金が必要であり、軍に採用されたとしてもある程度の数が採用されなくては開発費を回収する事が出来ずに開発企業が困窮する可能性がある。
しかし、多数が採用されれば企業は開発を回収した上でそれなりの利益を確保出来、量産効果によって単価が安くなれば採用する側としても大きな利点となる。
そして大量採用を目論むのであれば一ヶ国だけではなく、多数の国家に採用される方が良い。
「しかし、我が社との共同開発という事は我が社…我が国に貴社と貴国の技術が流出するという事になりますよ?」
「それに関しては問題ありません。政府は勿論、サモアからの承諾も得てこの計画を進めています。とは言っても、共同開発によって得た技術を他国に許可なく提供しないと言った契約を結ぶ必要はありますが」
ランセットの言葉に、ミミネルがそう応えた。
確かに共同開発は他国に最新技術を与える事になってしまう。
しかし、ロデニウス連邦政府やアズールレーン上層部は近年緊張が高まっている第二文明圏の安定…最大の貿易相手であるムーの安全こそが安全保障や経済活動において重要だと判断し、ムーの航空戦力向上計画と自国の練習機配備計画を統合して提案する事にしたのだ。
「なるほど…しかし、これ程高性能な航空機の共同開発、我が社の一存で決定する事は出来ません。一度、統括軍上層部に話してみませんと…」
「私も同感ですな。私としては是非とも共同開発を行い、我が国の主力戦闘機をこの機体に更新したいのですが…」
ランセットが腕を組みながら眉間に皺を寄せ、レイダーが図面を見ながら苦笑する。
ムーが立憲君主制国家である以上、このような国家の命運を左右するようなプロジェクトを企業の一存で決定する事は出来ない。
それ故、政治部会や軍部に話を持って行く事にした。
「畏まりました。では、貴社と貴国の回答があるまで本プロジェクトは一時停止と致します」
「申し訳ありません。せっかく提案を頂いたというのに…」
二人の立場を十分に理解しているミミネルが頭を下げて了解の意を示すのに対し、申し訳なさそうに深々と頭を下げるランセット。
一方のレイダーは図面に書かれたとある文字を口にした。
「『A-4スカイホーク』…これがこの機体の名称なのですか?」
「えぇ。高い運動性と搭載力…そして簡素な構造で整備性に優れ、値段も安く済ませられるそうです」
「なるほど…これは私見ですが、この機体は非常に優れた航空機となるでしょう。この共同開発の承認を得るため、私も微力ながら全力を尽くしましょう」
「ありがとうございます。ムー統括軍の方からそのような言葉を頂けるとは…感無量です」
そうしてランセット、レイダー両名と固い握手を交わすミミネル。
その後、ロデニウス連邦とムーによる共同開発計画はムー政治部会と統括軍上層部により承認される運びとなった。
これによりロデニウス連邦は新型艦上攻撃機と練習機として、ムーは陸上型マリンを更新して『A-4スカイホーク』を陸上機として多く配備する事となるのだった。
アズレンももうすぐ3周年ですね
それにしても25時間生放送とは…一体何をするんですかねぇ…
今後、お色気シーンは…
-
今より増やせ
-
このぐらいでいい
-
もう少し減らしていい
-
もっと減らして
-
無くていい