限定キャラに着せ替えに新曲…MVも公開されて気合い入ってますよねぇ…
あのMV、イラストリアスがヤバいです
何がとは言いませんが
──中央暦1640年11月23日午後4時、輪状山脈南西5km──
「ほう…そうなるとその女性はカルアミーク王国なる国の公爵家の娘だと?…あぁ、ともかく第一印象は良いものになったのは幸運だ。彼女の招待に応じては如何かな?…いや、こちらは急に風が出てきてな。戦闘機ならまだしも、ヘリコプターを飛ばすのは難しそうだ」
荒れ始めた海上に浮かぶ空母エンタープライズの艦橋では、指揮官が通信機片手に空を見上げていた。
ムーラが飛び立ってからヘリコプターを飛ばそうと準備をしていたのだが、急に風が強まり始めたため天候が回復するまで待機となったのだ。
「あぁ…あぁ…分かった。くれぐれも失礼の無いようにな。…天候が回復次第そちらに向う。あぁ…通信終わり」
輪状山脈の内側で現地住民との接触に成功したムーラとの通信を終え、腕を組んで空を睨みつける。
そこらのチンピラなら逃げ出す程の眼力だが、相手は大自然…風は強さを増し、雨まで降ってきた。
「ハリケーンか?こんな緯度の高い海で…」
「いや、違うみたいだよ」
溜息混じりにぼやく指揮官の言葉に、今回の調査に同行したノーザンプトンが応えた。
「気象レーダーを見るにハリケーン特有の雲は確認出来ない。おそらくは、あの山脈と気流…そして、南方から流れてくる暖かい海流のせいで山脈の外側は荒れやすくなっているんだと思うよ」
「確かに…とんでもない地形だしな。そういう未知の気象現象が起きても不思議じゃない」
ノーザンプトンの言葉に納得したように頷く指揮官。
すると、艦内電話のベルが鳴り始めた。
──ジリリリリリリリッ!…ガチャッ
「俺だ。どうかしたか?」
《あぁ、指揮官。私だ。エンタープライズだ》
電話の主は、格納庫に向かったエンタープライズだった。
《さっきよりも揺れが強くなっているのは分かるか?そのせいで、搭載している航空機が格納庫内で暴れそうなんだ。ワイヤーやチェーンで確りと固定はするが…万が一に備えて搭載機銃の弾薬を下ろしておきたい》
ややノイズのかかったエンタープライズの声と共に、金属やゴムが軋むような音が聴こえる。
確かに彼女の言う通り船体の揺れは徐々に強くなり、船酔いしそうな嫌な揺れを感じる。
満載排水量9万トン近い巨体がこんなにも揺れるのだ。万が一に備えるべきだろう。
「分かった。何かの拍子に暴発でもしたら大事だしな。安全対策には万全を払え。人手が必要なら俺も手伝うが?」
《いや、問題は無い。元々、外交の為に出港したんだ。艦載機はそこまで搭載してはいないし饅頭達も居る。…私としては相手国に渡す贈り物が壊れないか心配だ》
「確かにな…沖の方に出るか。下手に流されて座礁でもしたら大変だしな」
《了解。では、艦載機の固定作業をしながら沖へ向かおう》
そんな言葉を交わし、艦内電話の受話器を置く。
すると、いつの間にかノーザンプトンが通信内容を書き記したメモ帳を読んでいた。
「ムーラ特務中尉が接触したのは、カルアミーク王国でも有力な貴族、ウィスーク家の一人娘…魔獣らしき生物に襲われている所を助け、とても懐かれていると」
「らしいな。まあ、人間第一印象が全てだ。命の恩人ともあれば無碍には出来んだろ。それにムーラ特務中尉は儀仗隊として各国を巡っている。いい所のお嬢さんの取り扱いには慣れているだろう」
「そう。まあ、指揮官がそう言うなら大丈夫だね。それにしても…嫌な予感がするね」
口元を手で覆い、眉をひそめるノーザンプトン。
指揮官も荒れる海を睨みながら同意した。
「あぁ、俺もだ。こりゃきな臭い事が起こりそうだ…」
──同日、ウィスーク公爵家邸宅──
「いやはやムーラ殿、我が娘を助けてくださってありがとうございます」
「いえいえ、人として当然の事をしたまでですので…」
燭台によって照らされた食堂で初老の男性がムーラに頭を下げていた。
彼はウィスーク公爵、エネシーの父である。
「あぁ…ムーラ様…なんて謙虚なお言葉。素敵過ぎますぅ〜」
一方、ウィスーク公爵の隣の席に座るエネシーは、ウィスーク公爵の頭の動きに合わせてペコペコと頭を下げるムーラの言動をうっとりした表情で見詰めていた。
伝説の魔獣を容易く屠る程の力を持ちながらも驕らず、顔も良いムーラは彼女が理想とする"救国の騎士"であった。
「コラッ!よくもそんな呑気な事を…次からは護衛無しでの外出は禁止にせんとな…」
デレデレしているエネシーを嗜めるウィスーク公爵。
それだけを見れば正に子を叱りつける親だが、残念な事にエネシーはもう20歳…こんな風に親から叱られるのには恥ずかしい年頃だ。
「ははは…」
結構痛々しいやり取りを見せられたムーラは苦笑以外に何も出来ない。
するとウィスーク公爵は彼の乾いた笑いに気付いたのか、咳払いして話題を変えた。
「おほん…それでムーラ殿。貴殿は本当にあの山脈の向こう…"外の世界"に広がる海からやって来たのですか?」
「はい、正確にはロデニウス連邦…この地から南西に5000km程離れたロデニウス大陸を国土とする国からやって参りました。私の上官も同行する予定だったのですが…悪天候に遭遇したせいで大幅に遅れるとの事です」
「ふむ…」
ムーラの言葉を聞いたウィスーク公爵は、腕を組んで難しそうな表情を浮かべた。
「娘の命の恩人であるムーラ殿の言葉を疑う訳ではないのですが…どうにも信じ難いのです。5000kmもの距離を一息で行ける300m以上の船や、伝説の生き物である竜を操る竜騎士…」
「確かに、いきなりこんな話をしても信じて頂けないのも仕方のない話です。山脈の外側の天候が回復すればヘリコプターという空飛ぶ機械を使ってそれらをお見せ出来るのですが…」
「まあ、どのみち我が国の外交部が本格的に動くには1週間程はかかると思います。何せ"外の世界"からの来訪者というのは前代未聞ですからね…それまで我が家に滞在して頂いても構いません」
彼らにとっての世界とは、この輪状山脈の内側…カルアミーク王国、ポウシュ国、スーワイ共和国の三国の事である。
そんな小さな世界で生きてきた彼らにとっては"外の世界"の住人と言うのは、例えるなら地球に異星人がやって来たような衝撃だ。
そんな前代未聞の事態の前では慎重にならざる負えない。
「お気遣い、感謝致します。では、お言葉に甘えてお世話になります」
ヘリも飛ばせないような悪天候であればどの道帰還する事は困難だ。
それなら自分の出来る範囲で情報収集をしたり、現地住民との交流を行うのも悪くはない。
そう判断したムーラは、ウィスーク公爵の提案に乗る事とした。
「ムーラ様、一つ…お伺いしてもよろしいかしら?」
短い間だがムーラと一つ屋根の下で過ごす事となったエネシーは、歓喜の表情でムーラに質問を投げかけた。
「はい。私にお答え出来る事なら」
にこやかに、他国の要人に向けるような営業スマイルを浮かべるムーラ。
そんな彼にエネシーは顔を赤らめながら問いかけた。
「ムーラ様は…独身でいらっしゃいますか?」
「…あー」
その質問なムーラは言葉を濁した。
何も貴族の娘からこんな事を聞かれるのは初めてではない。寧ろ、儀仗隊として各国を巡っているとこんな事を聞かれるのも少なくはない。
そもそもムーラは非公式に行われた儀仗隊人気投票で男性部門一位に輝いた事もある程に顔立ちは良く、更には正義感と紳士的な態度も兼ね備えた正に騎士といった人物だ。
それ故、言い寄られる事もしばしばある。
しかし、彼は既婚者で子供まで居る。しかも大層な愛妻家であり、ロデニウス連邦では重婚が認められているとはいえ、妻と子供の為に人生を捧げようとする一途な男であった。
だからこそ、求婚されてもキッパリ断っていたのだが、そのたびに女性側は非常に傷付くようでムーラとしても心苦しい思いをしていた。
「あー…こういう事です」
故にやんわりと突き放すようには断らず、察してくれとばかりに左手薬指に嵌めた指輪をエネシーに見せた。
「まあ…っ!」
それを見た瞬間、彼女は口元を両手で覆って顔を真っ赤にした。
ムーラはそれを、既婚者に無粋な質問をしてしまった事を恥じる態度だと判断した。
しかし、それは違った。
というのも、カルアミーク王国では"未婚男性は左手薬指に指輪を嵌め、結婚したらその指輪を妻に贈る"という風習があったのだ。
「そう言う訳なので…」
苦笑し、軽く会釈するムーラ。
彼はサモアから伝わったロデニウス連邦の風習がすっかり身に染み付いていたらしく、国毎に既婚者を表す風習は違うという事を失念していた。
儀仗隊として各国を巡る者としてあってはならぬ失念だ。
しかし、いきなり他国に一人で放り出されるという予期せぬ事態で頭が一杯になっていたせいもあり、彼は最後までそれに気付く事はなかった。
もう一つの作品の筆がどんどん進んでしまいます…
今後、お色気シーンは…
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今より増やせ
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このぐらいでいい
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もう少し減らしていい
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もっと減らして
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無くていい