そう言えばやっとSuperGroupiesのアズレンコラボグッズが届きました
思ったより良さげです
──中央暦1640年12月5日午後6時、王都アルクール──
マウリ・ハンマンによるクーデター、後に『マウリの乱』と呼ばれる戦乱から一夜明け、生き残った人々は自らの幸運に感謝しながら胸を撫で下ろしていた。
いくつもの街が焼かれ、多数の尊い命が失われたものの王国騎士団の奮戦と"外の世界の軍隊"が見せた圧倒的な力、今回の戦乱の首謀者であるマウリ・ハンマンとその一味が捕らえられたというニュースは、人々に希望の光を与えていた。
そんなカルアミーク王国の王都アルクール。戦いの傷跡が生々しく残る街並みの中でも被害の少なかった一角に建つ迎賓館では、騎士や貴族が集まって酒宴を開いていた。
「ブランデ陛下に!」
誰かが志半ばで反乱軍に討ち取られた国王ブランデの名を高らかに呼びながらグラスを傾け、酒を一気に飲み干す。
カルアミーク王国では、死者が安心してあの世へ旅立てるように明るい雰囲気で宴をする事が風習となっていた。
そしてこの酒宴は戦勝記念と新たな王の誕生…国王ブランデの弟、リキュルが兄の意思を継いでブランデ二世として戴冠した事を祝う宴でもある。
「泣きながら笑ってやがる…忙しい奴らだ」
酒宴会場の一角、グラス片手に壁に寄りかかっている指揮官がポツリと呟いた。
この宴は先にも述べた通り戦勝記念も兼ねており、反乱軍鎮圧に多大なる貢献をした"外の世界の軍隊"…つまり、指揮官達も招待されているのだ。
「でも、湿っぽい雰囲気になって殉死する人が出るよりはいいんじゃないかな?」
そんな指揮官の隣にしゃがんでいるノーザンプトンが苦笑しながら肩を竦める。
二人の言う通り、酒宴の参加者の殆どは多数の命が失われた悲しみにより涙を流しながらも、勝利の喜びで笑顔を浮かべている。
何ともアンバランスな光景だが、これがカルアミーク王国の風習なのだろう。
「指揮官」
「おう、エンタープライズか」
不可思議な光景を見ていた指揮官の元へエンタープライズが早足で歩み寄る。
「とりあえず搭載していた物資と人員の輸送は完了した。今はテントを設営して負傷者の治療や、憲兵隊が市街地に展開して残党狩りの支援を行っているところだ」
「おう、ご苦労さん」
今回の国交開設交渉の為に派遣されたのは、指揮官達だけではない。
輪状山脈により隔離された特異な環境に興味を示した学者や、その護衛の為に同行した憲兵隊。そして彼らをサポートする医療スタッフも同行し、調査隊の拠点とする為の野営テントや食料・医薬品等もエンタープライズやノーザンプトンに積み込んでいたのだ。
そんな事もあり現在彼らは、憲兵隊を中心として人道支援という名目で負傷者の救護や死者の収容、王国騎士団による反乱軍残党狩りの手助けを行っている。
「ムーラ殿!是非、是非ともこの私を弟子にして下さい!」
ふと、会場に男の声が響き渡った。
皆が何事かと声の方へ目を向けると、そこでは一人の男が見事な土下座を披露している。
「か、顔を上げてください…いきなりそんな事言われても…」
土下座を披露された相手、ムーラは平伏するラーベルに戸惑いを隠せない様子だ。
「貴殿の一騎当千の活躍…このラーベル、感激しました!私は近衛騎士団長という地位に居ましたが、自らの主君すら護れずに生き恥を晒しております!最早、近衛騎士としては相応しくない!故に、貴殿の元で騎士見習いから再出発したいと考えております!」
ラーベルは国王ブランデを護れなかった事を悔いており、自ら近衛騎士団長の職を辞して1からやり直そうと考えているらしい。
しかし、現在ムーラが所属するアズールレーンは近代的な軍隊であり、前時代的な騎士の師弟制度等は既に廃止されており、弟子入りを志願されてもどうする事も出来ない。
「ですが私は弟子をとりませんので…」
「であれば、召使いでも構いません!」
「いや、だから…」
引き下がる様子の無いラーベルの様子に困り果てるムーラ。
そんな時、ムーラの肩が軽く叩かれる。
「ムーラ殿、少しよろしいか?」
それは酒に酔い、赤ら顔となったウィスーク公爵であった。
ムーラはこれ幸いとウィスーク公爵に向き直り、尚も土下座を続けるラーベルからそっと距離を取る。
「えぇ、何でしょうか?」
「私は…大事な一人娘のエネシーを貴殿の嫁にやっても良いと考えているのですよ」
「……はい?」
反乱軍鎮圧に協力した事に対する礼でも言われるのかと思いきや、まさかの言葉である。
「エネシーもそれを望んでいますし…どうでしょう?」
「どう…って…」
ウィスーク公爵の邸宅でムーラは、自身の左手薬指に着けている結婚指輪を見せた筈だ。
もしやよく見えていなかったのか?と思って左手をウィスーク公爵に見せる。
「こういう事なのですが…」
「だからこそ、ですよ。失礼かもしれませんが、ムーラ殿程の騎士が何時までも独り身というのは世間体も悪いでしょう?確かにエネシーは夢見がちなところこそありますが、それなりに美人なのでムーラ殿と並んでも見劣りはしないでしょうし…」
「んん…?」
どうも会話が噛み合わない。
まさかウィスーク公爵は泥酔しているのではないか?と思ったムーラは彼を休ませようと考え、座れそうな場所を探す為に辺りを見回す。
(どこか座れそうな所は…それにしても国王が亡くなったってのにパーティーとはな。まあ、こんな環境だから独自の文化が…ん?)
思考していたムーラがとある可能性に行き着き、まさかと思いぎこちなくウィスーク公爵に問いかける。
「あ、あの…ウィスーク公爵…この指輪の意味…」
「ん?それは"未婚の成人男性"が身に着ける指輪では?」
そのまさかが的中した。
「やってしまったぁぁぁぁぁ!」
とんでもないミスをやらかした事を自覚し、天を仰ぎながら膝から崩れ落ちるムーラ。
それを見たウィスーク公爵は、驚きのあまり酔いが覚めてしまったようだ。
「む、ムーラ殿!?」
「ウィスーク公爵!申し訳ありませんでしたぁぁぁぁぁ!」
そのまま土下座し、事情を話すムーラ。
自身が住まうロデニウス連邦における左手薬指の指輪の意味と、はっきりと既婚だと言わなかった理由…それら全てを包み隠さず話した。
戸惑いながらも話しを聞いていたウィスーク公爵だが、聞いていく度にその顔から赤みは徐々に消えてゆく。
「お二人には多大な勘違いをさせてしまった事は全て、このムーラの不覚のせいです!どの様なお怒りの言葉も受け入れます!さあ、如何様にも罵って頂いても構いません!」
全ては自分の失念が生み出した勘違いだ。
その失念のせいでウィスーク公爵には恥をかかせ、エネシーの恋心を弄んでしまった。これは立派な外交問題であろう。
最悪、ムーラは不名誉除隊となるかもしれない。
「い、いや…この国の危機を救ってくれた英雄を罵るなぞ出来ません。これは互いの勘違いが起こした不運なすれ違い…この件は、水に流しましょう…」
しかし、ウィスーク公爵は器の大きな男だったようだ。
ムーラの立場や境遇を理解し、彼の失念を赦すと言った。
「あ、ありがとうござい…」
──パリンッ!
ウィスーク公爵の寛大な言葉に感謝の言葉を述べるムーラだが、会場に響いたグラスの割れる音がそれを中断させた。
「え…エネシー…」
「ムーラ…様が…既婚者…?」
恰幅の良いウィスーク公爵の体に遮られていたため見えなかったが、いつの間にやらエネシーが父の背後で立ち尽くしていた。
「エネシーさん…申し訳…ありません…」
地に額を擦り付けながら深く謝罪するムーラ。
それに対し、エネシーは怒るでも悲しむでもなく、ただ逃げるようにその場を後にした。
「やらかしたな」
エネシーが去った後も頭を下げ続けるムーラの側に歩み寄った指揮官が、彼の前でしゃがみながら声をかけた。
「はい…とんでもない事を…」
「何があったかは大体分かったが…まあ、こんな見知らぬ地で一人放り出されればミスも起こす。いくらトラブルがあったと言え、お前を一人にした俺にも多少の責任はある」
「そう…でしょうか…」
漸く顔を上げたムーラだが、その顔は一目見て分かる程に落ち込んでいる。
責任感が強いムーラの事だ。きっと、全て自分の責任だと思っているのだろう。
「だが、ミスはミス…情状酌量の余地があるとは言え、処分は受けてもらうぞ?」
「はい…」
「一ヶ月の謹慎と減給だ。ただし、謹慎中は監視等は特に付けない。あと、減給は謹慎中給料の1%をカットだ」
「え…?それって…」
監視もなく、給料を1%だけカットされるだけ…つまり、一ヶ月丸々休暇を言い渡されたも同然だ。
しかし、指揮官はさらに付け加えた。
「ただし、儀仗隊としての練度維持の為に自主訓練を怠らないように。それさえ守っておけば、他は何しようが知らん」
「あ、ありがとうございます!」
感謝の言葉と共にムーラは再び深く頭を下げた。
──同日、ウィスーク公爵家邸宅エネシーの部屋──
逃げるように迎賓館を後にしたエネシー。
幸いにも迎賓館からウィスーク公爵家邸宅までの道のりは戦闘の影響が少なく、足を取られたりする事なく辿り着いたが、それでも彼女はボロボロだった。
体や衣服がではない、心がボロボロだった。
「うっ…うぅっ…」
召使い達の出迎えも振り切り、自室へ駆け込んだエネシーの目には大粒の涙が浮かんでいる。
(ムーラ様に…もう奥様が…なんで…私の…運命の人が…よりによって…!)
様々な感情が入り混じり、涙が溢れ出す。
(こうなれば…我が家の騎士に命じてムーラ様を監禁して…)
何やら不穏な考えに至るエネシーだが、ふと自らの右手に握られている物が目に入った。
それは、クリスなんとかと名乗ったムーラの上司が配っていた外の世界の国、ロデニウス連邦を紹介するパンフレットだった。
「…?」
握りしめていたためページがズレ、書かれている文章の一部が見えているのだが、その一部が妙に気になってそのページを開いていたみた。
「これって…!」
エネシーが開いたページ。それはロデニウス連邦の文化を紹介するものであり、そこにはこう書かれていた。
──ロデニウス連邦では既婚者は左手薬指に指輪を着ける風習があります。なお法律では重婚が許されていますが、実際に重婚する方は少なく、殆ど形骸化した法となっています。
「ふふふ…うふふふ…」
エネシーの顔に涙は既に無く、代わりに黒い笑みが浮かんでいた。
次回からはアズールレーンの介入によって変化した国々の様子やら何やらの話を書きたいと思います
今後、お色気シーンは…
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今より増やせ
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このぐらいでいい
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もう少し減らしていい
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もっと減らして
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無くていい