異世界の航路に祝福を   作:サモアオランウータン

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そう言えば12月にセイレーン作戦やるって話ですが…そうなると通常イベントはどうなるんですかね?
いや、そもそもセイレーン作戦予定通り出来るのか?


157.残党狩りと祝福の鐘

──中央暦1640年12月5日午後8時、某所──

 

とある都市の郊外に建ち並ぶ倉庫の内の一棟。

外壁に蔦が絡み換気窓も板が打ち付けられており、長らく使われていないように見える。

しかし、そんな倉庫の中では隙間から射し込む月光に微かに照らされた十数人の人影が蠢いていた。

 

「ふん、簒奪者共め…蛮族に尻尾を振るような輩が大手を振って表を歩いているのはガマンならん」

 

その内の一人がまるで吐き捨てるように呟く。

 

「そうだな…正に厚顔無恥とは奴らの為にある言葉だ。だが、連中の運命も明日には終わる」

「あぁ、皇国はまだ負けていない。蛮族共に洗脳された連中が…あの売国奴達さえ排除出来れば同志達も立ち上がり、皇国復興の悲願は成されるであろう」

「噂によれば皇族女性が奴らの本拠地に連行された、とも聞く…おそらくは、ルディアス陛下の婚約者であったレミール様だ。ルディアス陛下が崩御された今、皇国の求心力を取り戻すにはあのお方を奪還せねば」

 

ボソボソと小さな声で話し合う男達。

その場に集まっている男達は皆、瞳をギラつかせておりその手には剣やマスケット銃を携えていた。

 

「よし、では作戦を確認するぞ。明日、パラディス城跡地にて行われる式典を奇襲、火薬を詰めた樽を満載した馬車を突っ込ませ爆破する。それと共に各地に潜伏しているであろう同志達に決起を促す魔信を流し、同時多発的に蛮族の基地を制圧し兵器を鹵獲して連中をフィルアデス大陸から追い出し、逆侵攻をかける…完璧な作戦だ」

 

リーダー格と思わしき男が放置されていた木箱に腰掛け、得意気に述べる。

それを聞いた男達はニヤニヤとした笑みを浮かべた。

 

「奴らの本拠地を占領したら、そこに居る連中は好きにしていいんですよね?」

「ヘッヘッヘッ…蛮族のクセに中々にソソる女がいるんだ」

「俺はあの女がいいなぁ…デケェ鉄の箱と筒を運んできた乳がバカデカイ、牛みてぇな女だ」

 

下品な笑みを浮かべ、飢えた獣のように舌なめずりをする男達…だが、それは謎の落下物により中断された。

 

──カランッ…

 

「あ?」

 

男達の輪の中心に落下した物体。

それは筒のような形をしており、側面にはいくつもの穴が空いている。

それが何か確かめるべく手を伸ばすが…

 

──バンッ!

 

耳が聴こえなくなる程の轟音と、視界が真っ白に塗り潰される程の閃光が迸り男達の聴覚と視界を奪う。

 

「ぐあっ!な、何がぁっ!?」

 

防衛本能から反射的に蹲ってしまうリーダー格の男。

しかし、それが不味かった。

後頭部を思いっ切り殴られたかのような衝撃に襲われ、そのまま何者かによって地に組み伏せられた。

 

「動くな!治安維持隊だ!お前達をテロ未遂容疑で逮捕する!」

 

冷たい金属の腕がリーダー格の男を押さえ付け、有無を言わせぬような言葉が投げ掛けられる。

 

「なっ…貴様らは売国奴の走狗ではないか!えぇい、離せ!」

 

「ふんっ…理想に酔い、無差別殺人を企てるような畜生よりは売国奴の狗の方が数倍マシだ」

 

リーダー格の男を取り押さえ、その頭に黒い金属の筒を突き付けた黒ずくめの男が呆れたように応えた。

 

「隊長!密告の通り、火薬や武器が大量にありました!」

 

すると、黒ずくめの男の仲間らしき者が荷馬車に掛かっていた幌を捲って積荷を指差す。

そこには剣やマスケット銃、いくつもの樽が積み上げられており、物々しい雰囲気が漂っていた。

 

「密告…?密告だと!?」

 

黒ずくめの男の仲間の言葉に驚愕し、目を見開くリーダー格の男。

それに対し、黒ずくめの男は諭すように告げた。

 

「そうだ。お前達のテロ計画を我々に知らせてくれたのは一般市民だ。お前達は国を思って行動を起こそうとしたのかも知れんが…市民はそんな事、望んでいない。今のままでも人々は不自由無く暮らし、平和と繁栄を甘受する事が出来るんだ。お前達がやろうとした事は…無差別殺人を引き起こし、市民を戦乱に巻き込む事にしかならない。もう諦めろ」

 

「嘘だ…そんな筈は無い…人々はパーパルディア皇国の栄光を…」

 

黒ずくめの男の言葉に消沈してしまったのか、脱力するリーダー格の男。

それは彼だけではない。この廃倉庫に集まった男達全員が取り押さえられ、或いは銃口を突き付けられ全てを諦めたような表情を浮かべていた。

 

「よし、全員拘束しろ。抵抗したら射殺も止む無しだが…全員に裁判を受けさせ、罪を償わせるんだ」

 

「了解!」

 

黒ずくめの男からの指示を受け、彼の仲間が男達を手錠で拘束してゆく。

その光景を見ながら黒ずくめの男は、胸を撫で下ろしながら呟いた。

 

「お嬢様とカイオス様が掴んだ平和…こんな事で潰される訳にはいかんな」

 

 

──中央暦1640年12月6日午前10時、自由フィシャヌス帝国首都エストシラント──

 

『パーパルディア皇国解体戦争』より1年弱、パーパルディア皇国の後継国である『自由フィシャヌス帝国』の正式な建国より凡そ10ヶ月…再び首都となったエストシラントは8割方復興され、市街地は活気を取り戻していた。

そんなエストシラントの中心部に位置する丘の上、かつてパラディス城が聳え立っていた場所は芝生や広葉樹が植えられ、緑溢れる公園となっていた。

 

「それでは皆様、本日の主役の登場です!大きな拍手を!」

 

しかし、今日は少し様子が違った。

公園の敷地には椅子が整然と並べられており、そこには礼服に身を包んだ政治家や各国の大使が着席し、設置された演台では可愛らしい声の若い女性…元皇軍通信士パイが笑顔で参列者に拍手を促した。

彼女の言葉に従い、割れんばかりの拍手をする参列者。

すると、椅子の間に敷かれたレッドカーペットを踏み締めながら一組の男女が姿を表した。

 

「カイオス首相、エルト外相。どうぞ前へ!」

 

一層強くなる拍手。

それを受けタキシードを着用したカイオスと、純白のドレスを着用したエルトは手を繋いで一歩一歩踏み締めるように演台へと向かう。

 

「ふっ…まさか、私とお前がこうなるとはな…」

 

「私も同じ気持ちだ。もう結婚は諦めていたのだが…人生、何が起きるか分からんものだ」

 

前を向いたまま小さな声で言葉を交わすカイオスとエルト。

そう、今日はカイオスとエルトの結婚式なのだ。

若かりし頃に交際し、互いの仕事によってすれ違っていた二人だが、首相と外相という地位になった事で共に仕事をする事が多くなり、今まで以上に親密になった結果いつの間にかヨリを戻して結婚まで漕ぎつけた。

 

「では、皇帝ファルミール陛下より祝福のお言葉を頂きます。もし、宜しければ参列者の皆様もご起立をお願いします」

 

演台の前にカイオスとエルトが立ったのを確認したパイは、演台から見て右側に最敬礼すると静かに演台を降りた。

そしてパイの代わりに演台に登ったのは、簡素な式典用ドレスを着用した自由フィシャヌス帝国初代皇帝のファルミールだ。

彼女は静かな笑みを浮かべると一礼し、口を開いた。

 

「まずはカイオスさん、エルトさん。ご結婚、おめでとうございます」

 

「ありがとうございます」

 

「ありがとうございます」

 

ファルミールからの祝福に、深々と頭を下げて感謝するカイオスとエルト。

 

「そして、本日お集まり下さいました皆様。二人の門出を祝福して下さる事に感謝致します。ありがとうございます」

 

続いて起立した参列者に頭を下げ、感謝の意を示すファルミール。

それに対し参列者も頭を下げて応えた。

 

「さて…先の戦争から凡そ1年。町並みの復興は大きく進みましたが、人々の心には戦乱の爪痕が深く残っています。しかし我々は立ち上がり、新たな未来へと歩まなければなりません。そんな中、お二人が手を取り合い、共に歩む姿は人々に希望を与える事となるでしょう。私はそれを期待し、お二人の新たな門出を祝福致します。改めまして…ご結婚、おめでとうございます」

 

祝辞を述べ、頭を深々と下げて締め括るファルミール。

それに合わせてカイオスとエルトも頭を下げ、参列者は静かに拍手をした。

 

「ファルミール陛下、ありがとうございます。では続きまして、祝報のご紹介を…」

 

ファルミールが演台から降り、代わりに再びパイが登壇して各国から寄せられた祝報を読み上げる。

 

「エルト」

 

「どうした?」

 

読み上げられる祝報を邪魔せぬように小声でエルトに声をかけるカイオス。

 

「私は…この国を真の先進国にしてみせる。私の任期中には難しいかもしれんが…」

 

「何を言うか。お前は私の夫…妻の仕事は夫を支える事だぞ?一人で気負うな、私も全力で手伝うさ」

 

何とも力強いエルト…妻の言葉にカイオスは少し困ったような、しかし幸せそうな笑顔を浮かべた。

 




エロバレーコラボのキャラって運の数値がヒップサイズと同じらしいですね
ヨースターは変態しか居ないのか…(今更)

今後、お色気シーンは…

  • 今より増やせ
  • このぐらいでいい
  • もう少し減らしていい
  • もっと減らして
  • 無くていい
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