異世界の航路に祝福を   作:サモアオランウータン

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前話のあとがきについてのアドバイス、色々とありがとうございます
やはり大戦型駆逐艦にターターは厳しいですねぇ…
となると、対空は機銃や速射砲に任せて魚雷の代わりにP-15でも搭載しますか。あれ、ミサイル艇でも使えるぐらいですし
あ、でもシースパローなら行けたりするんですかね?元になったスパローは戦闘機に搭載出来る装備で運用出来ますし。…素人の考えですかね?


159.木製の驚異

──中央暦1640年12月3日午後1時、神聖ミリシアル帝国ルーンズヴァレッタ魔導学院──

 

世界最強と名高い神聖ミリシアル帝国だが、その技術力を支えているのは魔導学院と呼ばれる学術研究機関である。

帝国領内の主要な都市に置かれ、学生達の憧れの的になっている魔導学院だが、その中でも一際格式高い魔導学院が2校存在する。

一つは首都にあり、帝国最高学府の名を欲しいままにする『ルーンポリス魔導学院』。そしてもう一つは、二番手ながら航空機開発においてはルーンポリス魔導学院をも上回る『ルーンズヴァレッタ魔導学院』である。

エリート中のエリート揃い、人々の羨望を集める魔導学院の技術者や研究者だが…今日ばかりは一様に阿呆のように口をポカンと開け、空を見上げている。

 

──ゴォォォォォォォ…

 

彼らの視線の先にある空に響き渡る轟音…その轟音を響かせているのは、銀翼を煌めかせ複雑な空戦機動を行う二機の航空機だった。

1機は逆ガル翼とT字型尾翼が特徴的な戦闘機、神聖ミリシアル帝国が誇る戦闘爆撃機型天の浮舟『ジグラント2』である。

最高速度510km/hを誇り、最大520kgの魔導爆弾を搭載可能という汎用性の高い機体である。

対するもう1機は、幅広の主翼に前後に短い卵型の胴体。後方に伸びた二本の桁と主翼端に取り付けられた流線型の燃料タンクが特徴的な戦闘機『シーヴェノム』だ。

そう、一時期アズールレーンが使用していたジェット戦闘機、シーヴェノムである。

しかし、何故アズールレーンの戦闘機が神聖ミリシアル帝国の空を飛んでいるのか?それには理由があった。

 

「ありえん…文明圏外国の戦闘機に我が国の天の浮舟が負けるなぞ…」

 

顔を青くした中年男性、ルーンズヴァレッタ魔導学院主席…つまりは最高責任者であるジンドリン・マレマヤが震える声で呟いた。

彼の言う通り、ジグラント2はシーヴェノムにより追い回され、或いは容易く追い抜かれたりと明らかに弄ばれている。

確かにジグラント2は純粋な制空戦闘機ではない為、運動性も最高速度も制空戦闘機『エルペシオ3』には劣る。

しかしジンドリンの目には、エルペシオ3を以てしてもシーヴェノムには勝てないであろう事が理解出来た。

 

「我々が苦心して開発した天の浮舟が…陛下のお言葉は、紛れも無い真実だったという事か…」

 

膝から崩れ落ち、模擬戦を終えて着陸する両機に目を向けるジンドリン。

 

──「ロデニウス連邦及びアズールレーンと協力し、対魔帝兵器の研究開発をせよ。彼らの技術力は確かなモノであるため、対等な関係で向き合うべし」

 

凡そ2ヶ月前、そんな内容の書簡がミリシアル8世の名で届けられた。

始めはジンドリン以下学院の面々皆が驚き、困惑した。

ロデニウス連邦とアズールレーンの名ぐらいは知っている。パーパルディア皇国を下し、新たなる列強に名を上げた国家と、ロデニウス連邦を中心とする第四文明圏の防衛軍を名乗る組織だ。

確かに、パーパルディア皇国を下した事は目を見張る事実だろう。しかし、所詮パーパルディア皇国は下位列強…上位列強から見れば地域大国の域を出ない。

そんな下位列強を下したからと言って、確かな技術力を持っているとは考え難い。良くてマギカライヒ共同体、悪くて数ばかり揃えたレイフォルぐらいだろうと言うのがルーンズヴァレッタ魔導学院の面々の認識だった。

それ故、彼らはとうとう皇帝が錯乱したと思い、国の行く末を憂いた。

 

「魔帝の模倣しか出来ない我々に…陛下が試練を与えて下さったのか…?」

 

実際にロデニウス連邦とアズールレーンの兵器を見た時も、その認識は変わらなかった。

輸送船で運び込まれたシーヴェノムの姿は彼らから見たら珍妙で、コミカルな形に思えた。

その時点では模型か、或いはグライダーのような物だと思い込み、幾人かは笑いを堪えていた。しかも、機体の観察をしてみれば操縦席周りが木製だという事が判明した時には笑いを堪えられなくなり、皆クスクスと嘲笑してしまった。

しかし、来訪したアズールレーンの技術者は嘲笑に怒る事もなく、彼らにこう提案した。

 

──「どうですか?そちらの戦闘機と、こちらの戦闘機…模擬戦で性能を比べてみませんか?」

 

その言葉を聞いたジンドリンは二つ返事で承諾し、学院に配備されている試験用のジグラント2と偶然居合わせた軍で同機を操っているパイロット、オメガ・アルパを以て模擬戦に挑む事となったのだが…結果は散々なものであった。

まず、離陸からしてシーヴェノムの方が短距離で離陸し、飛び立った後も加速・速度・運動性能でジグラント2を圧倒した。

自分達が苦心して作り上げた戦闘機が、ぽっと出の新興国の戦闘機に惨敗する…そんな信じ難い現実を目の当たりにした学院の面々は頭を抱え、シーヴェノムを嘲笑した自らを恥じていた。

 

「どうです?我々の戦闘機は。中々のものでしょう」

 

すっかりお通夜モードなジンドリン達に一人の老紳士が声をかけた。

アズールレーンに兵器を供給するヴィスカー社の技術者だ。

実はヴィスカー社だが、シーヴェノムの開発成功に気を良くして制式採用前に大量生産に踏み切ったまでは良かったが、直後にクロキッド社が超音速機の開発に成功し同機が制式採用されたため、大量の不良在庫を抱える羽目になってしまったのだ。

それ故、在庫処分の為に指揮官へ直訴して輸出許可を得た後、各国に売り込みをかけている。

 

「は…はは…確かに…素晴らしい性能ですね…どのようなエンジンを使用しているのですか?」

 

「あれに使われているのは、遠心式ターボジェットエンジンと呼ばれる物です。そちらの戦闘機のエンジンは見たところ軸流式のようですが…遠心式は軸流式に比べ、高出力化が難しいという欠点こそありますが、部品点数が少なく頑丈かつ低コストな仕上がりとなります。まあ、出力が低いと言っても900km/hは出せるので現状、大きな問題はありませんがね」

 

「なんと…」

 

ジンドリンとヴィスカー社の技術者が話していると、駐機場に停まったジグラント2とシーヴェノムからパイロットが降りてきた。

ジグラント2のパイロットを務めたオメガ・アルパは傍から見ても分かる程に憔悴しきっており、一方シーヴェノムのパイロットはまだまだ余力を残しているように見える。

 

「それに、今回は"猫目"の腕前のお陰でもありますね」

 

「猫目…?そちらのパイロットの異名か何かですか?」

 

「まあ、そんなところです。それより…どうです?このシーヴェノム、買いませんか?今ならお安く…そちらの液体魔石に対応出来るように改修も致しますよ」

 

「液体魔石も使えるのですか!?」

 

「はい。そちらから頂いたサンプルを解析したところ、我々が使用する燃料と非常に似通った性質を有しておりました。我々の見立てでは、多少の改修で液体魔石に対応出来る筈です」

 

液体魔石も使えると言うなら少なくとも燃料問題は解決だ。

後は武装の問題だが、これは国産の魔光砲に換装してしまえばよい。

 

「なるほど…私としては是非導入したい所ですが…軍に採用されるかは私の一存では決めかねます。しかし、評価試験用として数機購入したいのですが…よろしいでしょうか?」

 

「勿論です!いやー、良かった良かった」

 

満面の笑みを浮べ、ジンドリンに握手を求める技術者。

ジンドリンはそれに応え、彼の手を握った。




多分、ミ帝は無理にターボファン使うより遠心式使った方がいいと思うんです

あと、今年もやって参りましたアズレンクリスマス生放送!
セイレーン作戦の詳細がついに!?
あの世界一カッコいいウサミミこと闇落ち飛龍早く使わせてくれ!

今後、お色気シーンは…

  • 今より増やせ
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  • もう少し減らしていい
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