セイレーン作戦βテストで公開された情報が色々来てますね
ダーク飛龍とか、新アイテム『ナノセラミックアルミニウム合金』とか、ワイバーン戦闘雷撃機とか…
これで遠慮なく次世代素材やらターボプロップを使えるんですね(今更)
──中央暦1640年12月11日午前11時神聖ミリシアル帝国エリア48──
神聖ミリシアル帝国領内、南西部に広がる荒れ地…バネタ地区と呼ばれる地域には『エリア48』と呼ばれる秘密基地が存在する。
外見上は岩石に覆われた低い丘にしか見えないが、その地下は広大な空洞となっており、そこには魔帝の遺跡から発掘された超兵器が秘匿されている。
そんな秘密基地の一角、魔帝の兵器を解析する為に併設された研究所では騒動が起きていた。
「ぶべらぁ!!」
白衣を着た男性研究者が背中から床に叩き付けられ、肺の中の空気を全て吐き出しながら名状しがたい悲鳴をあげる。
彼は衝撃のせいか白目を剥いて失神しており、数人の研究者が遠巻きにそれを見ていた。
「貴様らぁ!なんだこの体たらくは!?」
研究者達の視線を集めながらも、それを気にする事もなく今にも火を噴きそうな程に怒り狂っているのは七色に輝く銀髪に金銀のオッドアイが神秘的な美女、魔帝のKAN-SEN『テュポーン』だ。
「こんな物、ただの土人形ではないか!いいか、帝国の『機甲ゴーレム』はより優れた装甲と運動性を持ち、なおかつ様々な武装を搭載出来る汎用性が特徴だ!これでは的にしかならんぞ!」
烈火の如き怒声と共に傍らに立つ人形をバンバンと叩く。
身長10m程もある人形だが腕は無く、代わりに『アクタイオン25mm連装魔光砲』が直接取り付けてあり、脚は何故か3本もある。
その外見と土を固めて作られた外装のせいで不格好な埴輪か土偶のように見えてしまう。
これこそ神聖ミリシアル帝国の威信を賭けて開発した陸戦兵器『ディオティマ機甲ゴーレム』であるのだが、如何せん魔帝オリジナルのゴーレムは未だに発掘されておらず壁画しか参考に出来る物が無かった為、性能的にはかなり残念な事になっている。
具体的に言うと装甲は12.7mm弾で貫通出来、速度は全力でも10km/h程度しか出ない。更に操縦方法はマスタースレイブ式…つまり操縦者と機体の手足が連動するタイプであるため操縦者への負担が多く、しかも機体に直接埋まる形で搭乗するため土に埋められるような形となってしまう。
要は装甲も薄く動きも遅く、搭乗者は生き埋め状態で激しい動きを要求される…性能的にも運用性的にも"最低"と言わざるを得ない物だった。
「し、しかし…」
「しかしもカカシもあるか!こんな物は兵器とは言わん、巨大な着ぐるみと何が違う!?」
反論する技術者の言葉を遮りテュポーンが吠える。
魔帝由来であり、KAN-SENという未知の存在であった彼女は始めこそ冷ややかな目で見られていたが、確かな技術力と厳しいながらも何だかんだで面倒見がよい性格、何よりも絶世の美女と言っても差し支えない容姿のお陰で今ではすっかり研究所に溶け込んでいた。
「まったく…こんな物にリソースを費やすよりもやるべき事があるだろうに…」
「君も怒鳴り散らすよりもやるべき事があるんじゃないかね?」
腕を組み、ブツブツとボヤくテュポーンに向かって一人の男が声をかけた。
テュポーン建造のトリガーとなった男、メテオスだ。
「貴様か」
「貴様か、って…君が問題を起こす度に呼び付けられる身にもなってくれたまえよ。お陰で研究に集中出来ないではないか…」
憮然とした様子のテュポーンに対し、ガックリと肩を落として溜め息混じりに告げるメテオス。
と言うのもテュポーンは形式上、メテオスの部下という事になっている。その為、今回のように彼女が揉め事を起こした際には彼が呼び出され、彼女を落ち着かせなければならなかった。
「そんな事より、"アレ"の解析はどうなっている?発掘品ではなく、今でも使われているともなれば解析なぞ容易いであろう?」
「それならどうにか解析出来たよ。一部、解析出来ない物こそあったが…そこはゴーレム技術の転用でどうにかなりそうだ」
そう言って小脇に抱えているバインダーを開いて見せるメテオス。
そこにあったのは、半球状の頭に三つ眼が特徴的な鋼の巨人…『スコープドッグ』の三面図と透過図だった。
これもまた対魔帝兵器共同開発の為にアズールレーンからミリシアル側へ提供されたものであり、駆動系である『マッスルシリンダー』や『ポリマーリンゲル液』、装甲材である『魔導合金』の製造ライセンスまで提供されている。
始めはライセンス生産どころか部品を輸入して製造するノックダウン生産すら難しいと思われていたが、メテオスを始めとした魔帝対策省や軍の技術者による解析により、どうやらこの兵器は意外とシンプルで設備さえ整えれば生産出来そうだという事が判明した。
流石に制御系統…コンピューター等は製造出来ないと結論づけられたが、代わりに以前より作業用に運用していた自律ゴーレムの技術を流用する事で解決する事が出来た。
「ほう…中々にやるではないか。であれば、あの土人形は即刻破棄すべきだな。あんな物に固執するよりも、見込みのある兵器にリソースを割くべきだ」
「そ、そんな!我々の努力はどうなるのです!?」
何とも冷酷なテュポーンの言葉に抗議する技術者達。
しかし、彼女は彼らの抗議もバッサリと切り捨てた。
「阿呆か。帝国の模倣では帝国を超える事なぞ出来ん、と以前に言ったであろう。戦力評価の為に研究すると言うのなら理解は出来るが、大枚叩いて戦力化するのは分の悪い賭けにもならん」
「そ…そんなぁ…」
床に手を突き項垂れる技術者達だが、テュポーンはそんな彼らに対して言葉を続けた。
「ウジウジするな。貴様らは曲がりなりにも帝国の兵器を解析し、運用しているではないか。その熱意と技術を用い、帝国には無い兵器を開発せよ。さすれば、帝国の度肝を抜く事ぐらいは出来るであろうさ」
「テュポーン殿…」
確かにテュポーンは高圧的ではあるが、こうして不器用ながらも激励してくれるる。
所謂ツンデレである事も彼女が受け入れられた要因なのかもしれない。
だが、彼女としては自身が好かれているかどうかは大した問題ではない。
ただ新たな技術を探求し、それが魔帝に通用するかを自らの目で見届けたい…そんな好奇心と探求心が満たされればそれで良いとしている。
それ故、項垂れた技術者への興味は直ぐに失われ彼女はメテオスに目を向けた。
「それで、あの兵器の見返りはなんだ?」
「見返り…とは?」
首を傾げ、問いかけるメテオス。
それに対してテュポーンは溜め息混じりに応えた。
「はぁ…決まっているだろう。あの人型兵器の現物は勿論、各種製造技術の供与の見返りに何を奴らに…アズールレーンに与えた?」
「あぁ…それか。私も詳しくは知らないが…船舶や航空機の航行をサポートする機材の設置を許可したそうだ。その機材の使用権は勿論我が国にも与えられ、機材を運用するための技術も与えられたようだよ」
「なるほどな…確かに貴様らは天測航法や地測航法に頼っていると言う話だったな?となると…奴らが設置するのは電波航法の機材か」
「その通り。確か、ロラン…と言う名だった筈。空軍や海軍も航法の誤りで少なくない遭難事故を起こしているからね…ああいった天候に左右されない航法システムは渡りに船だったようだね」
メテオスの言葉通り、ミリシアルにはマトモな航法システムが存在しない。
そこに目を付けたアズールレーン及びロデニウス連邦は、スコープドッグのサンプルとライセンス生産権をチラつかせながらロラン基地局建設許可を求めた。
始めは自国内に他国の大規模建築物を置く事に難色を示していたミリシアル側であったが、アズールレーン側から提出されたロラン航法使用による効率的な航行実績と、低い事故率のデータを見せ付けられたミリシアル側…特に航法の誤りによる遭難事故が多発していた空軍や海軍、民間船舶会社がロラン航法導入を熱望し基地局建設の許可が下りる事となった。
「自らの位置を正確に把握し、効率的な道筋を立てる事は何事においても重要だ。戦争でも、技術開発でもな…」
メテオスを始めとした周囲の技術者に、そして自らに言い聞かせるように告げるテュポーン。
幾人かがそれに対し同意の声を上げようとするが、彼女はそれだけ言って興味を失ったのか、幾つもの工具を挿したコートを翻らせ自身に与えられた研究室へ向かって歩み始めた。
「まったく…少しは協調性という物を身に着けてほしいね…」
呆れたように呟くメテオス。
その言葉に技術者達は頷きながらも、自らの仕事に戻るべく各々与えられた研究室に戻って行った。
久々に登場したスコープドッグです
今後、お色気シーンは…
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今より増やせ
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このぐらいでいい
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もう少し減らしていい
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もっと減らして
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無くていい