投稿が遅れてしまい申し訳ありません
年末が色々と忙しかったり、セイレーン作戦が楽し過ぎたり、鉄血イベントを走ってたりしてたら時間があっという間に過ぎ去って行きました…
あ、新年明けましておめでとうございます
──中央暦1641年7月11日午前8時、ムー国デヴァルポート軍港──
──ドンッ!ドンッ!
ムー国北方海域、護りの要であるデヴァルポート軍港に腹の底まで響くような砲声が響き渡る。
近年グラ・バルカス帝国の航空機や艦艇が領空・領海侵犯を行い、スクランブル発進したムー軍機が発砲を受ける事件も発生したという事もあってデヴァルポート軍港は何処かピリピリした雰囲気にあった。
そんな中で響き渡る砲声ともなれば、軍港に配属されているムー軍兵士達は蜂の巣を突っついたような騒ぎとなるだろうが、今回はそうはならなかった。
「おぉ…凄まじい爆音だな…」
入港する艦艇を誘導する為の管制室で双眼鏡を覗き込んでいる男性、管制官のクルムスが驚嘆したように呟いた。
それもそのはず、彼の視線の先には波を切り裂きながら航行する黒鉄の大艦隊の姿があった。
──ドンッ!ドンッ!
艦隊を構成する軍艦の砲口から爆炎が吹き出し、数秒遅れて轟音が響き渡る。
しかし、砲弾が着弾する事は無い。というのもこれは空砲…古き良き慣例に倣った礼砲だ。
そして、その礼砲を放った軍艦のマストにはムー国旗がはためいており、艦尾にはそれぞれロデニウス連邦海軍旗やアズールレーン旗が海風に揺れている。
そう、この艦隊は来週より行われる国際合同演習に参加する為に派遣されたロデニウス連邦軍とアズールレーンの艦隊である。
「ロデニウス連邦軍とアズールレーン…合わせて戦艦7隻、空母8隻、巡洋艦22隻、駆逐艦35隻、その他に輸送艦や揚陸艦が多数…まるで戦争だな。これ程の戦力であれば、並の文明国ならば数日で灰になってしまうだろう。いや…我が国でさえも渡り合う事は不可能であろうな…」
感心したように、それと同時に悔しそうに述べるクルムス。
彼は管制官として軍港に長らく勤めてきたが、自身の目に映る艦隊はどれも先進的であり、ムーの艦隊では太刀打ち出来ないように思える。
友好国で良かった…と思うと同時に、祖国の軍事力が新興国に劣っているという現実を目の当たりにし、若干の劣等感を覚えてしまう。
「ミリシアルであればあの艦隊に対抗出来るだろうか…うーむ…是非ともブロントと語らいたいものだな」
神聖ミリシアル帝国に住む友人の顔を思い浮かべつつ、腕を組む。
とは言ってもクルムス自身は、神聖ミリシアル帝国が誇る第零魔導艦隊でも勝てるかどうかは怪しいと考えている。
「ですが、我が国とて指を咥えて見ていた訳ではありませんよ。確かにアズールレーンの協力こそありましたが、新型艦艇の開発と建造に成功したではありませんか」
考え込むクルムスの背に声がかけられた。
穏やかで柔和な声色はこのような軍港ではなく、迎賓館のような空間こそが似合うように思える。
「っ!?で、殿下!?」
その声に聴き覚えがあったクルムスは素早く振り向き、ビシッと背筋を伸ばして敬礼する。
管制室にいる人員も同じく姿勢を正して敬礼しているのを見るに、どうやらクルムスは思考に熱中する余り来訪者に気付けなかったようだ。
「ははは…大丈夫ですよ、楽にして下さい」
管制室に満ちた緊張感を和らげるように柔らかな声で告げるのは、紺色の海軍士官服に身を包んだ40代半ばの男性。彼の名はアウドムラ・ムー…その姓からも分かる通りムー王家に連なる者であり、現国王ラ・ムーの弟である。
「いらっしゃるのであれば迎えを…」
「いえいえ、今の私は一人の軍人です。それに加え、私は所詮お飾り艦長…そこまで特別扱いしてもらっては申し訳が立ちません」
ぎこちない動きで敬礼を解くクルムスに苦笑しながら応えるアウドムラ。
ムー王家は政治には関わらないスタンスを取っているものの、何もせずに血税を浪費してタダ飯喰らいをしている訳ではない。
その多くは大学のような学術機関で様々な研究に励んでいたり、軍に入隊し軍務に従事している。そして、アウドムラもその一人だ。
王太子時代から海軍の船乗りとして活躍し、今では戦艦の艦長を務めるまでになっている。しかし、実際のところアウドムラは決して才能があるという訳ではない。
確かに無能ではないが、彼より優れた士官は多数居るであろう。だが自身の出自を鼻にかける事なく、部下の提言にしっかり耳を傾けつつも自らの考えも持っている…人から好かれるタイプの人間だと言えるだろう。
「ですが…」
「そんな事より」
食い下がろうとするクルムスの言葉を遮り、窓から軍港を見下ろすアウドムラ。
桟橋には十数隻もの軍艦が停泊しており、どれもが艦首からマストを経由し艦尾まで信号旗を連ねて掲揚してある。所謂、満艦飾というものだ。
だがムーが誇る最新鋭戦艦ラ・カサミ級戦艦二番艦『ラ・エルド』や、『ラ・ヴェニア級航空母艦』、『ラ・デルタ級装甲巡洋艦』が連なる中、一風変わった艦艇が数隻停泊している。
その姿はムーの既存艦艇をより洗練させたようであり、一番小さな艦でもラ・エルドに近い全長を持っている。
「アズールレーンより贈られた"スクラップ"を整備した艦隊…私が艦長を務める『ラ・カガ』は勿論、アズールレーンとライセンス生産契約を結んでサモアのドックを借りて建造した新鋭空母『ラ・ヴォルト』に"魚雷"という新兵器を装備した小型艦…『ラ・シナア級駆逐艦』等、我が国の海軍も中々に進歩しています。確かに、ロデニウス連邦やアズールレーンとは未だに差がありますが…今のペースで努力して行けば、必ずや彼らに追い付けるでしょう」
アウドムラの視線の先にある軍艦…それは、『コロッサス級航空母艦』と『フレッチャー級駆逐艦』をムー海軍向けに設計を改め、建造したものだ。
それらを簡単に説明するなら、ムー版コロッサス級であるラ・ヴォルトは原型と比べて弾薬庫や航空用燃料タンクの装甲が増加しており、ムー版フレッチャー級であるラ・シナア級駆逐艦は原型とほとんど差異は無いが、ムー海軍の伝統に則り居住性を重視したものとなっている。
「私もそう思いますが…やはり、あの艦隊を見てしまっては自信が失われてしまいます。建造ドックの拡張や"油圧カタパルト"や"レーダーFCS"の研究・開発は順調らしいのですが…その間にも彼らは先へ先へと行ってしまいます。…失礼、当事者でもないのに差し出がましい言葉を…」
「いえいえ。それほどまでに国を思ってくれる民が居るのは喜ばしい事です。自らの力を絶対的な物だと考え、何の疑問も抱かないようになってしまうのは非常に良くない事です。貴方のように一人一人が自分の事のように考えてくれる…素晴らしいと思いますよ」
「お褒め頂き、光栄でございます」
腰を45°に曲げて頭を下げるクルムス。
「クルムス管制官、神聖ミリシアル帝国艦隊より入電。およそ1時間程でこちらの視認距離に入るとの事です」
すると、管制室の人員の一人がメモ用紙を片手に敬礼しながら報告してきた。
今回行われる演習の中心はムーとロデニウス連邦とアズールレーンだが、それ以外の国々も観戦武官や艦艇を派遣している。
何せ、このような形で演習が行われる事は非常に珍しく方や第二列強、方や列強国を下した実質的列強…注目を集めない訳がない。
故にこうして各国の代表が演習を一目見ようと集まっており、それは神聖ミリシアル帝国も例外ではない。
「分かった。…殿下、申し訳ありません。ミリシアル海軍の受け入れ準備がありますので…」
「私には構わず、自らの責務を全うして下さい。私もこれ以上邪魔しては悪いので、艦に戻ります」
申し訳なさそうに頭を下げるクルムスに対し、笑顔を浮べて応えたアウドムラは管制官達に一礼するとゆっくりとした足取りで管制室を後にした。
演習ですが、模擬戦とかではなく各国の最新兵器お披露目会のようなカジュアルなものになります
今後、お色気シーンは…
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今より増やせ
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このぐらいでいい
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もう少し減らしていい
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もっと減らして
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無くていい