異世界の航路に祝福を   作:サモアオランウータン

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シャルとグナ様より評価8を頂きました!

なんだかドンパチシーンが上手く書けないようになってます…
最近書いてなかったせいですかねぇ…グ帝戦までには確り書けるように努力します


あと自動周回が快適過ぎてザラ砲堀りが捗りまくります
ただし、燃料は枯渇する


167.異界の海賊

──中央暦1641年7月18日午前8時、ムー国デヴァルポート軍港沖合上空──

 

『ラ・エルド』や『ラ・カガ』等が砲撃により標的艦隊を攻撃している頃、その海域からやや離れた位置にある空域では航空機部隊による演習が行われていた。

 

「3番機は私に、2番機は4番機を率いてくれ」

 

プロペラと翼が奏でる風切り音と、大出力エンジンから鳴り響く重低音が響くコックピット内で小隊長であるヤンマイ・エーカーが酸素マスクに内蔵された無線機を通して僚機に指示を出した。

 

《了解!3番機、長機の援護に入ります!》

 

ヤンマイの指示を受けた3番機が離れた位置に移動し、それと同じく2番機と4番機も互いの間隔を十分に空けた陣形をとる。

 

(よし…あとは標的機が来るのを…っ!)

 

左右を見回し警戒していたヤンマイの目に派手なカラーリングをした4機の航空機が映った。

低翼配置の幅広い主翼に、まるで鳥籠のようなキャノピー。カラーリングは黒と黄色のストライプとまるで虎のようで、軍用機と言うよりは工事現場で活躍する重機を彷彿とさせる。

それこそが今回の演習において標的機に指定された戦闘機『零式艦上戦闘機二一型』である。

 

「長機後方4時の方向、下方に敵機4!"ゼロ"と呼ばれるタイプだ。上昇力と低速での格闘戦能力に気を付けろ!」

 

無線機に向かって鋭く呼びかけながら操縦桿を右に倒し、プロペラが生み出す反トルクを利用して右にロールさせる。

以前、サモアに留学していたヤンマイは『改良型マリン水冷タイプ』こと『アビス・マリン』を操っていたのだが、留学中に経験した"ゼロ"の圧倒的とも言える運動性に度肝を抜かれ、その悔しさをバネに様々な空戦技術をモノにしていった。

 

(着いてきたのは…2機!)

 

「3番機、事前に打ち合わせた通りに!」

 

《3番機、了解!》

 

まるで金魚鉢のように丸みを帯びたキャノピーの視界は良好そのものであり、標的機の派手なカラーリングも相まって自機を追いかけてくるのが2機だと言う事が良く分かる。

そう、彼が操縦しているのは改良型マリンではない。

サモアやロデニウス連邦との共同開発や技術支援により国産化した2000馬力級エンジンを搭載し、機体自体もライセンス生産した『F4Uコルセア』だ。

元々はロデニウス連邦と共同開発している新型エンジン搭載機『A-4スカイホーク』が本格的に配備されるまでの間、改良型マリンで凌ぐというプランであったがスカイホークの開発は予想以上に難航、更には開発が完了したとしても調達コストの問題や運用面での問題解決に更に時間がかかるという事が判明した為、急遽従来通りのレシプロエンジンを搭載した全金属製単葉機の配備計画が発令されたのだ。

当初は急な方針転換に混乱した開発陣だったが、サモアの軍需企業である『クロキッド社』から2000馬力級エンジンと過給器の設計図供給を受けられた為、あとはすんなりと開発・製造が出来た。

そんな事もあり、ムーのパイロット達は新たな機体を思う存分動かせるこの演習を待ち望んでいたらしく、士気は十分過ぎるほど高い。

 

「来た…!」

 

コックピット内に装備された後方確認用のミラー越しに自機を追いかけるゼロの姿を捉えたヤンマイ。

右ロールし一回転した機体を更に右へバンクさせ、右旋回に移る。

するとヤンマイ機を追いかける2機のゼロは、それに追従するように右旋回を始めた。

今回の標的機は無人機であり、人間のパイロットの代わりにサモアで製造された作業支援ロボットである饅頭の訓練支援型が搭乗し、操縦している。

基本的には有人機の後方の一定距離を保ちながら飛行するように設定されているため実戦とは程遠いが、それでも射撃訓練用の吹流しよりは実践的な演習が行える。

 

──ブゥゥゥゥゥゥゥンッ!

 

スロットを開け、加速しながら更に操縦桿を倒してより鋭く旋回する。

勿論、饅頭が操縦するゼロもそれに追従するが速度性能に差があるため突き放されてしまう。

それでも饅頭達は自らに課せられた使命を果たす為に追い縋ろうとするが…

 

──ダダダダダダンッ!ダダダダダダンッ!

 

青い空を切り裂くように曳光弾混じりの火線が走り、横合いから1機のゼロを切り裂いた。

 

《撃墜確実!》

 

無線機から3番機のパイロットの声が聴こえる。

それを聞いたヤンマイは、素早く首を捻って後方を確認した。

彼の視線の先に見えたのは、火達磨となって墜落するゼロ。そして、それを飛び越えるようにして飛び去ってゆくコルセア…ヤンマイ機の指揮下に入った3番機が左旋回をし、ヤンマイ機の背後に着いた2番のゼロを真横から殴り付けたのだ。

これこそ彼らがサモア留学中に身に着けた新戦術、『サッチ・ウィーブ』だ。

これは簡単に言えば2機1組の部隊で行うもので片方が囮となり、もう片方が囮に引っ掛かった敵機を攻撃するというシンプルなものだ。

しかしそれ故に付け入る隙は少なく、いくらでも応用が効く。

 

「次は私だな」

 

残ったゼロは目標を変更したらしく、3番機に追い縋ろうとしている。

それを撃墜すべくヤンマイは、フラップを用いた旋回を行って機首をゼロの方向に向けにかかる。

 

「ふぅぅぅぅぅぅんっ!」

 

体に強いGがかかり、脚に血液が集まって頭がクラッとするが視界が暗くなるブラックアウトは発生しなかった。

これもまたサモアから入手した『対Gスーツ』のお陰でである。

 

(やはり…この対Gスーツは素晴らしいな。もうこれ無しでの空戦は考えられん)

 

今までより快適な空戦にほくそ笑むヤンマイだが、そうしている間にも彼の乗機は既に方向転換を完了し、3番機を追いかけるゼロへと徐々に接近していった。

 

「後方から撃つぞ!合図をする!」

 

《了解、急降下して避けます!》

 

3番機に呼びかけつつ、操縦桿に取り付けられた機銃のトリガーに指を掛ける。

 

「3!2!1!シュート!」

 

《降下!》

 

3番機の機首が下方を向いた瞬間、トリガーを引き切った。

 

──ダダダダダダンッ!

 

コルセアの特徴的な逆ガル翼に装備された12.7mm機銃が火を噴いた。

空を切り裂く4本の火線…それは寸分たがわずゼロの主翼に直撃し、燃料に引火させた。

 

──ボンッ!

 

直ぐに火の玉となって黒煙の尾を引きながら墜ちるゼロ。だが、その中から黄色いヒヨコのようなモノが飛び出し、小さな翼をパタパタと羽ばたかせながら緩やかに降下しながら演習空域を離れてゆく。

 

「あんなぬいぐるみのような物が戦闘機を操れるとは…分かっていても違和感があるな」

 

脱出した饅頭を一瞥したヤンマイは、目の前に広がる幾つもの計器を確認する。

 

「速度よし、高度よし、燃料よし。残弾は…各370発、まだまだ行けるな」

 

計器から得られた情報からまだまだ戦えると判断するヤンマイ。

と言うのも今まで彼が操っていたマリンは燃料搭載量も機銃の弾数も少なく、1回か2回の空戦が精一杯だった。

しかし、このコルセアは900リットルにも及ぶ燃料と大威力かつ弾道特性の良い12.7mm弾400発を装填した機銃を4門搭載している為、継戦能力はマリンとは比べ物にならない程に優れている。

因みにオリジナルのコルセアの機銃は12.7mm6門か20mm4門だが、ムーの飛行場や空母でも無理なく運用出来るように12.7mm4門とされており、火力低下と引き換えに反動軽減による精度向上や軽量化による運動性能向上を実現している事からパイロット達からの評判は上々である。

 

《2番機・4番機、目標撃墜!燃料、残弾共に余裕あり!》

 

コルセアの性能に満足した様子のヤンマイが小さく何度も頷いていると、無線機のスピーカーから2番機パイロットの嬉しそうな声が聴こえてきた。

どうやら彼らも標的機を撃墜出来たようだ。

 

「よし、まだまだ戦えるだろうが他の部隊の演習もある。一度帰投して反省点等を確認しよう」

 

《了解、帰投します》

 

僚機達からの応答を聞いたヤンマイはコンパスを確認し、母艦から発せられるビーコンを捉えて帰還して行った。




そう言えばチャイナ服の季節こと、春節の時期ですね
今回の着せ替えも良い物が揃っているのでダイヤが溶けます

今後、お色気シーンは…

  • 今より増やせ
  • このぐらいでいい
  • もう少し減らしていい
  • もっと減らして
  • 無くていい
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