今回から対グ帝戦編です!
久々の本格的なドンパチに、初めての対称戦…上手く出来るかは分かりませんが、努力はしますので、改めましてよろしくお願いします!
177.会議に向けて
──中央暦1642年4月2日午前9時、サモア基地母港──
年が開け、早くも春となった。
世間一般では桜の季節であるが、あいにくサモア基地には一年中満開状態である『重桜』がある上、熱帯気候であるため春という実感は中々湧かない。
「それでは、今月開催されるサミット…『先進11ヶ国会議』についてだが…」
そんなサモア基地の中でも最重要施設の一つとされている総司令部、その中のブリーフィングルームの壇上で指揮官がそう切り出した。
「この会議は、この世界における有力国…つまり、列強国や選出された文明国合わせて11ヶ国が集まり、世界秩序の流れ等を決定する世界で最も権威のある会議だ。参加国は…各々の端末で確認してくれ」
そう、今年は『先進11ヶ国会議』の開催年であり、何事もなければ今月の22日に開会する運びとなっている。
「また、この会議に参加する国は外交官の護衛として最新鋭の艦艇等も一緒に派遣するのが慣例となっているらしい。そこで、今回は会議初参加となるロデニウス連邦を護衛する為の艦隊編成を決めようと思う。普通なら適当なパトロール艦隊でも編成して最低限の体裁を整えるだけでいいが…」
「ふむ…例の"予言"の件かね?」
指揮官の言葉に先んじて発言するのは、切り揃えた銀髪に琥珀色の瞳、緑を基調とし金の装飾を取り入れた豪奢な軍服を纏ったKAN-SEN、サディア所属の『コンテ・ディ・カブール』だ。
「あぁ、そうだ」
カブールの言葉に頷く指揮官。
彼女の言う"予言"とは厶ーのKAN-SEN『ラ・ツマサ』が並行世界で経験した出来事の記憶である。
「確か彼女の言う通りなら…グラ・バルカス帝国は先進11ヶ国会議の最中に突如として全世界に対して宣戦布告を行い、外交官を乗せてきた戦艦『グレードアトラスター』を以て会議場がある神聖ミリシアル帝国の港町カルトアルパスの入口となっているフォーク海峡を封鎖、各国外交官の護衛艦隊を殲滅した…で正しかったか?」
「あぁ、それで概ね問題ない。代わりに説明してくれて、ありがとうな」
自身に代わって"予言"の内容について述べてくれたカブールに礼を言う。
勿論、ラ・ツマサの体験はあくまでも並行世界での話…この世界でもそうなるとは限らない。
「お前達の中にはラ・ツマサの言葉に懐疑的な奴も居るかもしれん。だが、グラ・バルカス帝国の動きは現状でもかなりキナ臭い。厶ーからの話では去年…丁度、国際演習が終わって一週間後、厶ー大陸と西方世界を繋ぐ海上交通の要所である『イルネティア王国』がかの国によって滅ぼされたそうだ。未確認の情報だが王族は全員処刑、国民は虐殺されるか奴隷となるかの二択だとさ。可哀そうな事に厶ーに救援を求めて国外に居た王子は暫く寝込んでしまったらしい。少なくとも俺は、そんな事する連中が大人しく話し合いをするとは思えん。だからこそ、ラ・ツマサの言葉を真実だと考えて艦隊を編成する。…異議は?」
ブリーフィングルームを見渡し、挙手する者が居るか確認する。
しかし、誰も手を挙げない。
「よろしい。では、艦隊編成についてだが…まず、グレードアトラスターなる戦艦の性能だ」
手元のリモコンを操作し、スクリーンに画像を表示させる。
映し出されたのは『大和型戦艦』のシルエットだった。
「外見は不明だが、集まった情報から便宜的に大和型を出している。で、結論から言うと…少なくとも38cm以上の三連装砲を3基装備、多数の機銃やアンテナを備えていると思われる。対空戦闘能力もそれなりにはあるだろうな」
映し出されたシルエットの主砲と艦橋を指すように矢印が伸び、"?"が表示される。
これらの情報は今は亡きレイフォルの首都レイフォリアの郊外に住み、グラ・バルカス帝国の苛烈な支配に耐え兼ねて厶ーへ亡命した者達から集めた証言や、厶ーの領海ギリギリに進出してきた艦艇の姿から技術体系を推測して予想したものだ。
「まあ、さっきは便宜的にと言ったが、グレードアトラスターとやらは大和型に非常に近しい性能を持っていると考えている。厶ーにあったレイフォリアを撮影した写真を見るに、あれだけの都市を完全に破壊するには少なくとも40cm…出来ればそれ以上の砲が必要だろう。そこで、46cm砲を搭載しているという推測を立てた。あと、グラ・バルカス帝国は重桜の『零式艦上戦闘機』と酷似した戦闘機を保有しているんだが…」
「指揮官、そのゼロに酷似した戦闘機についてだけど名称が判明したわ」
タブレットを操作していたビスマルクが挙手と共に発言した。
「それは…いつぞやの潜水艦から回収した書類から分析した情報か?」
「えぇ。固有名詞が多くて翻訳に手こずっていたのだけれど…『アンタレス艦上戦闘機』が例のゼロに酷似した戦闘機と思われるわ」
「なるほど。合ってるかは不明だが、"ゼロモドキ"や"ニセゼロ"では味気ない。ではアンタレスと呼称しよう。…話を戻そう。とにかく、ああいった戦闘機を配備している以上、防空に無関心とは思えん。もしかしたら『ノースカロライナ級』に匹敵するような対空戦闘能力を持っているかもしれん。勿論、対空戦闘能力も大和型に準じている可能性もあるが…目撃情報によると多数のアンテナらしき物を装備しているようだ。艦隊旗艦を務める為の通信用アンテナかもしれんが…対空レーダーという点も捨てきれん。そうなるとより高性能な射撃指揮装置や近接信管も保有しているだろう。…我々が出来る事は相手にも出来る、同じ人間なんだからな。ともかく、楽観視は禁物だ」
ブリーフィングに参加しているKAN-SENが一様に頷く。
彼女達とてセイレーンという恐るべき敵と対峙してきた猛者…敵が誘導弾どころか、荷電粒子ビームや天候操作を行う事すらも想定の範囲内だ。
「で、会議が行われるカルトアルパスは細長い湾…フィヨルドのような地形だ。幅は最大で湾の入口であるフォーク海峡で14km。ここを封鎖されてしまってはどうしょうもない」
続いてスクリーンにカルトアルパスの地図が表示される。
この地形であれば外海が荒れていても湾内の内海は穏やかなままであるため、商業港として見れば中々に良港だと言える。
しかし、軍港として見ると微妙だ。
確かに一見すると出入り口となる海峡の防衛に注力すれば良いように思えるが、出入り口が一つしか無いと言う事は"そこを封鎖されれば終わり"と言う事だ。
例えば海峡に機雷を敷設されたり、潜水艦により待ち伏せされれば港へ出入り出来なくなってしまう。
「そこでだ。封鎖を突破する為に近接戦闘能力に優れた奴を連れて行く事にした。封鎖される前に逃げてもいいんだが…連邦政府からの要望は、逃げずに戦ってほしいとの事だ。まあ、友好関係を築けているミリシアルを見捨てる事は勿論、他国の目があるのに逃げ出すのは心象がよろしくないからな…はぁ…面倒な話だよ」
溜息をつき、肩を竦めると幾人かのKAN-SENから笑いが起きる。
今回は新たなる列強国であるロデニウス連邦の護衛として…そして、新たなる文明圏の防衛軍であるアズールレーンとして会議に参加するのだ。
それなのにいの一番に逃げてしまっては各国から大顰蹙を買ってしまうだろう。
「で、今回は…アイリスとヴィシアの艦隊で行こうと思う。リシュリュー、いいか?」
「構いませんが…理由をお聞きしてもよろしいですか?」
指揮官からの問いかけに対し、立ち上がって質問を返すのは神々しさを感じる風貌のKAN-SEN、アイリス所属の『リシュリュー』だ。
「構わんよ。簡単に言えば穏やかな内海での戦闘に慣れ、貫徹力に優れた主砲と一定以上の対空戦闘能力があるからだ。特にお前達…リシュリュー、ジャン・バール、ガスコーニュ、シャンパーニュに搭載されている主砲は大和型以外では防ぐ事も困難だ。…どうした、ジョージア」
リシュリューの質問に答えていた指揮官だが、挙手している『ジョージア』に気付いた。
「確かにリシュリュー達の主砲も魅力的だが…それなら私の457mmの方がいいんじゃないか?」
彼女の言う通り、大和型に準じていると想定されるグレードアトラスターを沈めるのであれば、かつて大和と砲撃を交わし、彼女に打撃を与えたジョージアが適任であろう。
しかし、指揮官の考えはジョージアとは違った。
「確かにな。もし、グレードアトラスターが大和型と似たような性能を持っていて、それを沈めるのならお前を連れて行くのがいいだろうな。だが、沈めはせん。ある程度痛い目を見てもらうぐらいで済ませようと考えている」
「それは…何故ですか?」
怪訝そうな表情でリシュリューが問いかける。
それに対し、指揮官は不敵な笑みを浮べて答えた。
「何、連中に道案内してもらうのさ。まあ、それは後で詳しく説明する。後は…沿岸警備隊が新型警備船の試験航海の為に途中まで同行するそうだ。カルトアルパスには入港せず、手前で引き返す予定だから彼らが戦闘に巻き込まれる事は無いだろう」
そう言えば新しいタイトル絵…あんな青春を過ごしたかった…
今後、お色気シーンは…
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今より増やせ
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このぐらいでいい
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もう少し減らしていい
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もっと減らして
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無くていい