さて、今回からいよいよドンパチ…ですが、先ずはマグドラ群島沖海戦ですね
上手く出来るだろうか…
──中央暦1642年4月23日午前8時、神聖ミリシアル帝国マグドラ群島沖──
カルトアルパスより西方へ500kmの海上に浮かぶいくつかの島で構成されたマグドラ群島。
そこは海流の乱れや濃い霧が発生するため地元民でも立ち寄らず、その殆どは無人島となっている。
唯一人の営みがあるのも離島防衛用のミリシアル海軍飛行隊が置かれた島のみ…
──ドンッ!ドンッ!
普段は静かな海域に轟音が響き渡る。
その轟音の主こそ、ミリシアル海軍『第零式魔導艦隊』である。
『ミスリル級魔導戦艦』が2隻に、『ゴールド級魔導戦艦』が1隻、『ロンギヌス級重巡洋装甲艦』が2隻。軽巡洋艦相当の『ファルシオン級魔導艦』が3隻に、魚雷を装備していない駆逐艦のような『ダガー級小型艦』が8隻とこの世界においては最強と言っても差し支えない艦隊だ。
本来であれば第零式魔導艦隊はカルトアルパスを母港とし、新たに開発された各種兵器をテストする任を帯びているのだが、先進11ヶ国会議開催中は他国を無用に刺激しない為にこうしてマグドラ群島で演習を行う事となっていた。
「ん…?っ!魔力探知レーダーに反応あり、機械動力艦と思われます!12時の方向、距離およそ60km!戦艦級2、重巡洋装甲艦級3、巡洋艦級2、小型艦級5の合計12隻!推定速度27…いや、増速しました!推定速度29ノット!」
旗艦であるミスリル級魔導戦艦『コールブランド』の艦橋にレーダー手の叫ぶような報告が響き渡る。
「何…?機械動力艦でその速さ…厶ーではないな。話によればロデニウス連邦とアズールレーンの艦船はそれぐらいの速度が出るらしいが、彼らの艦隊が通るという通告は受けていないな」
コールブランドの艦長であるクロムウェル・インフィールが眉根を寄せて思案する。
「だとすれば、グラ・バルカス帝国かもしれん。全艦、戦闘配備!これは訓練ではない、実戦だ!繰り返す!全艦、戦闘配備!これは訓練ではない、実戦だ!」
第零式魔導艦隊司令官バッティスタ・アルテマが鋭く指示を飛ばす。
グラ・バルカス帝国が先進11ヶ国会議にて理不尽極まりない要求を行い、一方的に退場した事は本国からの通信で彼らの耳にも届いていた。
国際会議の場でそのような事をするような連中であれば何をしてもおかしくはない…頭の片隅にそんな考えを置いていたバッティスタは、これをグラ・バルカス帝国の奇襲だと断定し、迎撃の準備に応らせた。
「司令、確か離島防衛隊の基地に『ジグラント2』が配備されていたはずです。彼らにエアカバーを要請しましょう」
「そうだな、地の利は存分に活かさねばなるまい。離島防衛隊に支援要請!不明艦隊の所属を確認し、グラ・バルカス帝国艦隊と確認次第攻撃せよ!」
クロムウェルの提案をバッティスタは了承し、通信士に指示を出す。
それを受けた通信士は素早く離島防衛隊に対して出撃を要請する通信を送った。
──同日、グラ・バルカス帝国東征艦隊旗艦『ベテルギウス』──
「敵レーダーに捕捉された模様。敵艦隊、増速」
全世界に対して宣戦布告とも取れる一方的な通告を宣言したグラ・バルカス帝国は、早々に次の一手を打っていた。
目標は"世界最強"を自称する神聖ミリシアル帝国の威光を失墜させる事であり、その第一段階としてマグドラ群島にて演習を行っている第零式魔導艦隊に対して威力偵察を実行する事が彼ら『東征艦隊』の任務であった。
「気付かれたか…なら仕方ない。全艦に通達!第一種戦闘配置!」
艦隊司令であるアルカイド・アトレイが苦々しい表情を浮かべながら命令を下す。
「まったく…諜報部の情報はこんな時に限って正確ですな」
アルカイドの隣に控える『ベテルギウス』艦長、バーダン・マーが苦笑を浮かべながらぼやく。
というのも東征艦隊は高速戦艦2隻を中心とし、重巡洋艦3隻、軽巡洋艦2隻、駆逐艦5隻という編成であった。
空母は無く、主力となる戦艦も速度は優れているものの旧式の『オリオン級戦艦』…無論、前時代的な帆船相手ならば問題なく勝てる相手だが、今回の相手はこの世界において最強と名高いミリシアル海軍である。
『グレードアトラスター級戦艦』とまでは言わないが、せめてより大型かつ重装甲な『ヘルクレス級戦艦』を主力に据えたいところだ。
「本来なら倍の戦力が欲しいが…ミレケネス様の意向だからな」
溜息混じりのアルカイドの言葉。
今回の東征艦隊による第零式魔導艦隊強襲は、グラ・バルカス帝国三将の一人にして帝国海軍特務軍司令長官であるミレケネス・セーブルスが、反対意見を押し切って"この戦力でどの程度戦えるのかを見てみたい"と敢えて少ない戦力で挑ませているという背景がある。
勿論負けるつもりは無いが、戦場に絶対は有り得ない以上、可能な限り戦力は欲しいところだ。
「上の思惑で苦労するのは何時だって現場です。我々に出来る事は…帝国の栄光に泥を塗らぬように、全力で戦う事のみですな」
「そうだな。今は勝つ事だけを考えよう」
バーダンの言葉に力強く頷いて気持ちを切り替えるバッティスタ。
ここでいくら愚痴をこぼしても仕方ない。
後々抗議するにしても勝って生き残らねば出来はしないのだから。
「対空レーダーに感あり!12時の方向、数は25!」
「対空戦闘準備!」
レーダー手の報告を受けたバーダンが対空攻撃の準備を命じる。
「艦長、敵機はまだ居るかもしれない。本隊にエアカバーも要請すべきだな」
「承知しました、司令。通信士、本隊に艦載機を出すように伝えてくれ」
──同日、マグドラ群島沖上空──
──ゴォォォォォ…
第零式魔導艦隊からの要請を受けて出撃したジグラント2中隊25機は、その腹に225kg魔導爆弾を抱えて400km/hという速度でグラ・バルカス帝国艦隊へと向かっていた。
「見えた…あれか」
編隊の先頭を飛ぶ中隊長機に搭乗したオメガ・アルパが目を細めて海面を見下ろす。
彼の目に映ったのは黒煙を吐き出しながら白波を切り裂いて進む黒鉄の艦隊…紛れもなく石油や石炭で稼働する機械動力艦だ。
ヘルメットのバイザーに埋め込まれた望遠魔石でマストの天辺ではためく旗を確認する。
白地に、白十字が描かれた赤い丸…間違い無い、グラ・バルカス帝国だ。
「全機に通達。未確認艦隊はグラ・バルカス帝国艦隊だ。第零式魔導艦隊からはグラ・バルカス帝国艦ならば攻撃せよと要請されている。連中は先進11ヶ国会議中に全世界に対して植民地になれと要求したそうだ。そんな礼儀知らずの野蛮人に遠慮は要らん。全機、突撃!」
《了解、突撃します!》
オメガの命令に従い、警戒を担当する5機を除いた20機が急降下を開始する。
ジグラント2は最大で520kgの魔導爆弾を搭載出来る戦闘爆撃機であり、制空型である『エルペシオ3』より最高速度では劣るが機体構造が頑丈であるため急降下爆撃が可能となっている。
「まだだ…まだだ…」
高度計の針がグルグルと回り、メーターがカウントダウンしている。
命中させるには高度1000m以下で投弾する必要があり、機体を引き起こす為には高度500m以上は欲しい所だ。
そこで、オメガを始めとしたジグラント2部隊は訓練通り高度700mで投弾しようとしたのだが…
《うぁ…ザーーーー》
「何!?」
編隊を組んでいた1機が爆発した。
事故…ではない。
「対空射撃か!」
見ると敵艦隊を構成する艦船の所々がチカチカと瞬き、空にいくつもの爆煙が花開く。
そう、オメガが言ったようにグラ・バルカス艦隊がジグラント2部隊の攻撃を阻止すべく対空射撃を開始したのだ。
「くっ…よくも!」
苦楽を共にした仲間の無念を晴らすべく、戦艦と思しき艦船に狙いを定めるオメガ。
しかし、彼と共に急降下していた僚機に敵弾が近付いた瞬間、敵弾の炸裂と共に僚機が爆裂した。
「!?ま、まさか…近くを通っただけで爆発するのか!」
オメガの顔が驚愕に染まり、麾下のジグラント2部隊は対空射撃を恐れて想定よりも高い高度で投弾してしまう。
だが、そんな中でオメガは隊長としての意地を見せるべく更に高度を下げてゆく。
「800…700…600!」
──ガコンッ!
必中させるべく想定よりも低い高度で投弾レバーを引く。
225kgの荷物を捨て身軽となった機体は、その頑丈な構造を活かすように無理やり引き起こされ、海面ギリギリを這うように飛び去って行った。
──ドンッ…
エンジンの轟音に紛れて辛うじて聴こえた爆発音。
とりあえず命中した事に安堵しながらもオメガは生きて帰るべく全力で基地へと急いだ。
ミリシアルとか厶ーの小型艦ってやっぱり非対称戦とかに使うんでしょうか?
今後、お色気シーンは…
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今より増やせ
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このぐらいでいい
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もう少し減らしていい
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もっと減らして
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無くていい