やっぱりアクィラはいいですねぇ…
あとヴェネトの声で脳が融けそうです
──中央暦1642年4月23日、グラ・バルカス帝国東征艦隊旗艦『ベテルギウス』──
「な…何だあれは…!」
「分かりません!しかし、兵器である事は間違いないでしょう!」
撃沈された駆逐艦こそ出たものの、水雷戦隊による雷撃は魚雷を放てずに全艦撃沈という最悪の事態を避けられた為、一先は最低限の成功を収めたと言ってもよいだろう。
後は敵艦に魚雷が直撃する事を祈りつつ、砲撃戦と再出撃するであろう敵機との対空戦闘を繰り広げるだけ…と思っていたアルカイドだったが、敵艦隊が放った謎の兵器らしき物体に戸惑っていた。
「とにかく魚雷を避ける要領で回避運動を行うんだ!取り舵いっぱーい!」
「了解!取り舵いっぱーい!」
海上を回転しながら爆走する円筒の正体を見極めようとするアルカイドを余所に、艦長であるバーダンが操舵手に指示を出して艦を左へと転じさせる。
海面に見える謎の円筒は凡そ30弱…派手に水飛沫を掻き上げている為、魚雷よりも軌道が分かりやすいのが幸いだが、未知の物体と言うのは何とも気味が悪い。
「『アシュタール』、回避間に合いません!被弾します!」
双眼鏡を覗いていた見張り員が切羽詰まったような声を上げる。
それに釣られるようにアルカイドは、撤退する水雷戦隊から落伍しつつある駆逐艦『アシュタール』に目を向けた。
どうやら先程の敵小型艦艇との砲撃戦により被弾し、浸水してしまったらしい。
明らかに動きが鈍く、突っ込んでくる円筒を避けられそうもない。
(くっ…あれではアシュタールに直撃してしまうな…乗組員には申し訳ないが、あの兵器を見極め…)
アルカイドは部下を大事にする軍人であるが、何も全員にどうしても生きていて欲しい訳ではない。
必要があれば部下を死地に向かわせる事も厭わない、冷徹さも持ち合わせる優秀な軍人であると言えるだろう。
それ故、彼はアシュタールの事はスッパリと諦めて敵艦隊が放った謎の兵器を見極めようとしていた。
それは間違いなく、その時点では最良の判断であろう。
しかし次の瞬間、彼は驚愕する事になった。
「ダメです!直撃します!」
見張り員の言葉と共に、アシュタールの艦尾に謎の兵器らしき物が接触した。
──ズゴガァァァァァンッ!!
閃光が迸り、それから数拍ほど置いて腹の底が揺さぶられるような轟音が響き渡った。
「……は?」
まるで落雷を思わせるような現象を目の当たりにし、誰かが間抜けな声を上げた。
だが、そんなベテルギウスの乗組員の都合なぞ知ったこっちゃないとばかりにアシュタールは、"消し飛んだ"艦尾から浸水してあっという間に沈没してしまった。
「か…」
ワナワナと震え、顔を真っ青にしたアルカイドが乾いた唇を開く。
「回避ぃぃぃぃぃぃっ!全艦、全力で回避しろぉぉぉっ!」
あの轟音と閃光、そして駆逐艦の艦尾が消し飛ぶ程の威力から、あの兵器は少なくとも魚雷に匹敵…或いは上回ると判断し、すぐさま全力回避を命じた。
「副砲と機銃はあのドラム缶の化け物を狙え!水上にある分、魚雷よりも迎撃しやすい筈だ!」
アルカイドに続いてバーダンが命令を下す。
どうしても魚雷が回避出来ない事態に陥った場合、苦し紛れに海中に向かって発砲する事がある。
あんな威力の兵器が直撃すれば戦艦でも無事では済まない…そう考えたが故の命令であった。
──ドンッ!ドンッ!ドドドドンッ!ドドドドンッ!
爆走する円筒の進行方向に対して船体を平行にしながら、射線が通っている副砲や機関砲が火を吹く。
未知の兵器に対してパニックになっている事を示すように、その砲火は統制を欠いているように見える。
「プ…プロキオン、回避間に合いません!」
見張り員の悲鳴混じりの報告。
落伍していた筈のプロキオンに目を向ければ、丁度ノロノロと回頭している最中であった。
「不味い…っ…!」
このままでは直撃だ。
無論、プロキオンも必死に機関砲を撃って迎撃しているが、どうやら兵器の回転のせいで機関砲弾が弾かれてしまっているようだ。
──ズゴガァァァァァァンッ!!
回避も迎撃も虚しく、プロキオンの左舷やや艦尾よりの部分に円筒が接触して炸裂した。
魚雷や主砲の直撃を上回る程の水柱と爆炎…アルカイドは演習で見ていた『グレードアトラスター』の主砲や、爆撃機から投下された1トン爆弾の着弾が脳裏を過ぎった。
「敵兵器、回避出来ました!」
冷や汗を垂らしながら操舵輪を動かしていた操舵手がホッとした様子で告げた。
しかし、アルカイドやバーダンの意識は水柱の中から現れたプロキオンの姿に向けられている。
「プロキオンが…」
バーダンが震える声で呟いた。
それも無理は無い。
長年グラ・バルカス帝国海軍を支え続けた古豪の一角であるプロキオンは、見るも無惨な姿と成り果てている。
強固な装甲は接合部が破断してしまい、そこから大量の海水が流入して徐々に傾斜してゆく。
「な…なんという威力だ…」
傾斜が増し、そのまま転覆してしまったプロキオンを目にしたアルカイドは更に顔を青くした。
──同日、神聖ミリシアル帝国第零式魔導艦隊旗艦『コールブランド』──
「敵戦艦撃沈!繰り返します!敵戦艦、撃沈!」
「いよぉぉしっ!」
通信士の報告に、バッティスタがガッツポーズをして喜びを露わにする。
「ハハハ!司令、ご覧下さい!あの無礼な連中が尻尾を巻いて逃げて行きますよ!」
そんなバッティスタの側で、クロムウェルが手を叩いて撤退して行く敵艦隊を如何にも痛快といった様子で笑う。
「いやはや、対沿岸要塞用ではあるが…速度も十分だから対艦用にも使えるな。これは魔導学院に報告しなければな」
満足気に何度も頷くバッティスタ。
「そうですな。新興国が開発を諦めた兵器だから使えるかは心配でしたが…我が国の優秀な技術者達の手にかかれば実用化なぞ容易いものです」
バッティスタに同意するように、クロムウェルは誇らしげに胸を張る。
先程、ミリシアルの小型艦が放ったのはかつてアズールレーンに兵器を供給する軍需企業『ヴィスカー社』が開発し、実用性等の問題から開発中止となった対沿岸要塞兵器…色んな意味で有名な迷兵器『パンジャンドラム』をミリシアルの技術者達が実用化させた代物なのだ。
「あれ程の威力があれば、小型艦でも主力艦に対抗出来る…素晴らしい!」
ニヤニヤとした笑みを浮かべながらもバッティスタは新兵器…その名も『ゼノン』を使った戦術を考える。
このゼノン、元になったパンジャンドラムは巨大な車輪にいくつものロケットを取り付け、その推進力で車輪を回転させて転がすというものだったが、ロケットの推力が安定せずに真っ直ぐ進まないという致命的な欠点があった。
しかし、ミリシアルからしてみれば回転…つまり円運動は魔力制御の基本であり、必要に応じて回転力を増減させる事は容易い事だった。
そこで技術者達は、単純なドラム型の外装に大量の爆裂魔石を封入し、両端には魔力を流す事により回転するリングを装備、中心部に傾きを感知するジャイロを搭載して傾きに応じて左右のリングの回転を制御する機能を付けた。
これにより波や陸上の凹凸によって傾いても真っ直ぐ進む事が出来る仕組みだ。
しかも爆薬となる爆裂魔石の量は凡そ1トン…威力に定評のある『酸素魚雷』こと『九三式魚雷』でも炸薬量490kgである事から、その威力は完全な水中爆発でないにも関わらずこうして戦艦を一撃で仕留める事が出来る程だ。
「今は艦艇に搭載する物しかありませんが…将来的には更なるバリエーションを開発する予定なのでしょう?」
「うむ。今は天の浮舟に搭載する物の開発が進んでいる他、回転により発生する揚力を利用した飛行型に、誘導型も視野に入れているらしい」
クロムウェルの言葉に、バッティスタが応える。
彼の言う通り、各魔導学院ではゼノンのバリエーションとして天の浮舟から投下するタイプや、回転により揚力が発生するマグヌス効果を利用した飛行型、更にはそれらに誘導装置を搭載した物の開発が行われている。
飛行型や誘導型は手こずっているらしいが、天の浮舟搭載型は先行量産型の生産が始まっているらしい。
「素晴らしいですな!この兵器があれば、魔帝にも対抗出来るでしょう!」
「うむっ!我が国…世界の未来は明るいぞ!」
余裕を持って魚雷を回避する艦上で、クロムウェルとバッティスタは自国が世界の国々を率いて対魔帝戦において華々しく活躍する様を空想していた。
そろそろ大陸版4周年ですが、どうなるんでしょう?
新URとか…SSRの改造なんかも欲しいですね
今後、お色気シーンは…
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今より増やせ
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このぐらいでいい
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もう少し減らしていい
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もっと減らして
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無くていい