異世界の航路に祝福を   作:サモアオランウータン

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Zakuweru様より評価10、蓬月 瞠様より評価3を頂きました!

アズールレーン配信4周年おめでとうございます!
いやー、今年の生放送も情報盛り沢山でしたね
待ちに待った島風の実装に、初期からエネミー限定だった筑摩の実装…さらには久々のSSR改造で夕立改!
そして14章実装や新コンシューマーゲームの発表と、グリッドマン&ダイナゼノンコラボ…
個人的には大和型が来るか?と思ってましたが…まあ、それは5周年に期待しましょう


199.意識外から

──中央暦1642年4月25日、カルトアルパス近海──

 

ムー艦隊の旗艦を務める最新鋭空母『ラ・ヴォルト』の艦橋に設けられた司令部では、司令官であるレイダーがアズールレーン艦隊から発せられた"敵戦艦接近"の報を受け、分厚い本を片手に机上の海図を睨み付けていた。

 

「敵戦艦…グレードアトラスターの主砲は46cm3連装が3基9門、最大射程は最低でも42km。威力は…言うまでもないな…」

 

レイダーが目を落とす海図…それはカルトアルパス周辺を描いたものであり、海図上には木製の船を模したブロックが幾つも置かれている。

 

「司令、やはりここは艦載機による雷撃を行うべきでしょう。我々の艦隊に残った戦艦…ラ・カサミではおそらく敵戦艦に対する有効打は与えられません。しかし、魚雷なら…」

 

レイダーに意見を述べたのは、ラ・ヴォルトの艦長であるケネス・ユーラティネンであった。

彼の手にもまた、レイダーが持つ物と同じ分厚い本がある。

 

「確かにそうだな。この本が正しければ、敵戦艦の舷側装甲は最大で410mmもある。ラ・カサミの主砲では弾かれてしまうな」

 

一旦本を閉じ、ハードカバーの表紙をコンコンッと拳で叩くレイダー。

その表紙には箔押し加工で『ジョーンズ海軍年鑑』と記されている。

この本はアズールレーンが発刊した各国軍艦の基礎情報を纏めた物であり、情報共有の一環としてムーに配付されている物だ。

基本的には寸法や基本武装等が記載されているだけなのだが、グラ・バルカス帝国軍艦に対しては速力や装甲厚、搭載機数等が詳しく記されている。

勿論、グラ・バルカス帝国が親切に情報を寄越した訳ではないし、アズールレーンがスパイを使ったという訳でもない。

 

「確か…アズールレーンに所属する『重桜』の『大和型』と呼ばれる戦艦と似通っているんでしたね?」

 

「あぁ、そうだ。何故、グラ・バルカス帝国の軍艦と彼らの軍艦が似通っているか気になる所ではあるが…まあ、今はそれは気にしない事にしよう。こんなに詳細な情報が手元にあるんだ。それを活かし、無礼な連中の鼻を明かしてやる事にしよう」

 

そう、実はアズールレーンに所属する重桜艦隊のKAN-SENのスペックを丸写ししただけなのだ。

無論、細かい点は違っている可能性が大いにあるが、ムー大陸周辺でのグラ・バルカス帝国軍艦の目撃情報から得られた姿や、ロデニウス大陸近海で鹵獲された潜水艦の解析結果から重桜艦に非常に酷似している事は間違いない為、このような事になった。

 

「司令、では…」

 

「うむ、雷撃機を用いた魚雷による攻撃を敢行せよ」

 

現在のムー海軍には魚雷があり、航空魚雷を搭載できる雷撃機が存在する。

如何に優れた防御力を持とうが、魚雷によって喫水線に幾つもの穴を空けられては如何なる船も沈む筈だ。

それを理解しているからこそ、レイダーは雷撃機の発艦を命じた。

 

「了解!攻撃隊に通達!準備が出来次第、発艦を…」

 

「あぁっ!」

 

命令を下そうとしたケネスだったが、その声は通信士の悲鳴のような声によって掻き消された。

 

「おいっ!どうし…」

 

──ボンッ!

 

命令を阻害した通信士を怒鳴り付けようとしたケネスは、言葉が続かなかった。

それもその筈。

通信士の視線の先には、大きな水柱に包まれる『ラ・コスタ級空母』の1隻『ラ・ラシュコ』の姿があったからだ。

 

「なっ…何だ…?まさか…敵の砲撃…?」

 

あっという間に傾斜が増し、転覆してゆくラ・ラシュコの姿に理解が追い付かないケネス。

いや、ケネスだけではない。

司令部に居る士官達皆が驚愕の余り目を見開いている。

そんな中、レイダーは額に冷や汗を浮かべながら鋭い声で叫んだ。

 

「敵機!敵雷撃機だ!攻撃隊、発艦中止!回避行動に移れ!」

 

大きな水柱により発生した水煙の向こうに見える幾つかの影。

それは海面スレスレを這うように飛び、ムー艦隊へ向かってくる。

 

「っ!回避!回避ー!」

 

気を取り直したケネスが叫ぶように指示を飛ばす。

それを受けた操舵手の操艦により、ラ・ヴォルトの艦体は傾斜しながら大きく時計回りに旋回した。

 

「うぅぅぅっ…!くっ…一体どこから…っ!?」

 

海中を進む白い航跡の軌道から逃れられた事に胸を撫で下ろしながらも、素早く思考を巡らせる。

轟沈したラ・ラシュコはラ・ヴォルトの3時方向、西側に居たはずだ。

そして、敵機から飛来したのは西側…つまり、敵機は西側の岬を飛び越えて来たという事になる。

しかし、レイダーは腑に落ちなかった。

元々ムー艦隊はグレードアトラスターがレーダー射撃を行う可能性があると判断し、敵レーダーが地形で乱反射する事を狙って西側の岬の側に布陣していた。

しかし、そうなると岬の向こう側から敵艦載機による奇襲を受ける可能性も生まれる。

それ故、ムー艦隊は岬を飛び越えて飛来する敵機を警戒する為に対空レーダーを向けており、レーダーで敵機を捉え次第艦隊の近くで待機しているディープ・マリン部隊による迎撃を行う手筈となっていた。

だが、レーダーは敵機の姿を捉えられずに奇襲を許してしまった。

レーダーの故障か、はたまたレーダー手の練度不足か…様々な可能性を探っていたレイダーだったが、ふと机上に広げていた海図が目に映った。

 

「…っ!こ、これは!」

 

艦隊の動きを把握する為のブロックが置かれていた海図は、先程の回避運動の傾斜によりブロックが全て滑り落ちてしまっている。

そして、無駄な情報が無くなった為かレイダーは自らの"見落とし"に気付く事が出来た。

 

「た…"谷"だ!奴ら、岬の谷を縫って来たというのか!?」

 

レイダーの考察は当たっていた。

カルトアルパスへ向かったグラ・バルカス海軍航空隊は、濃密な防空網を前にして攻撃は難しい判断すると、攻撃隊の一部を迂回させていたのだ。

しかも、岬の地表にある波と風で侵食されて出来た複雑な谷を縫うように飛行し、レーダーと肉眼による観測を避けるという念の入れようだ。

これはレイダーも面食らった。

確かに可能性の一つとして考えられたが、重たい魚雷を積んだ雷撃機がそのような曲芸じみた機動をする訳が無いと判断し、自軍の雷撃機パイロット達もそんな芸当は不可能だと言い切った。

しかし、現状はこのザマだ。

グラ・バルカス帝国のパイロットはムーのパイロットを上回る技量と度胸で、不可能と思われた奇襲を成功させたのだ。

 

「奴ら…何て腕前だ!くっ…ディープ・マリン部隊を直ぐに呼び戻せ!」

 

「了解!」

 

ケネスが指示を出し、それを受けた通信士が艦隊の前方やや東側の低空で空中待機していたディープ・マリン部隊へ呼び掛ける。

 

「司令、ミリシアルの都市防衛隊から緊急通信!読み上げます!《敵機により攻撃を受けている。至急、応援求む!》…以上です!」

 

「ミリシアルから!?」

 

別の通信士からの報告を受け、カルトアルパス市街地に目を向けるレイダー。

よく見ればカルトアルパスの一角には黒々とした煙が立ち昇っており、低空には何機かの敵機が飛んでいた。

 

「っ……ど、どうすれば…!」

 

レイダーは2つの選択肢を前にして迷っていた。

ミリシアルの要請を受け、応援を送れば自分達に危険が及ぶ。

かと言ってミリシアルの要請を蹴って自分達を守れば、カルトアルパスに住まう何の罪も無い市民が命を落とす。

軍人として部下を守るか他国の一般市民を守るか…

 

「ミリシアルより再び緊急通信!スピーカーに繋げます!」

 

《─ザッ…こちら、カルトアルパス防衛隊!頼む、誰でもいいから応援を頼む!敵機が向った方向には学校があるんだ!このままでは…未来ある子供達が!》

 

防衛隊の誰が話しているかは不明だが、この上なく切羽詰まったような言葉だ。

 

《私が行こう!》

 

「き、貴官は!?」

 

無線機から聴こえたのは、何とも頼もしい渋い声。

それと同時に、4機のディープ・マリンが1000馬力のエンジンを轟かせながらラ・ヴォルト上空をパスしてカルトアルパスへ向かった。

 

《第一航空小隊、カルトアルパス救援へ向かう!》

 

ムー屈指の飛行士であり、英雄と名高いアックタ・ローメルと彼が率いる3機からなる第一航空小隊であった。




そう言えばメンテ情報にありましたが、どうやら今年中に建造URがもう1隻来るそうで…
新規なのか、それとも信濃復刻なのか…

今後、お色気シーンは…

  • 今より増やせ
  • このぐらいでいい
  • もう少し減らしていい
  • もっと減らして
  • 無くていい
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