そろそろ初期実装組に改造を実装してほしい所です
──中央暦1642年4月25日、カルトアルパス近海──
「右舷中央部、高角砲群にて火災発生!消火班は速やかに消火活動を!」
「医療班からの報告!《後艦橋、壊滅!》い、以上!」
「なんだって!?もう一度…っ!?機関室より報告!煙突損傷により排煙がスムーズに行えないとの事!機関出力低下!」
帝国海軍最大最強…いや、"世界最大最強"である戦艦『グレードアトラスター』は竣工してから初めての危機に瀕していた。
肉薄した敵戦艦…アズールレーン所属の『ダンケルク』によるゼロ距離射撃を艦の右舷中央部に喰らったからである。
「後艦橋…壊滅…?馬鹿な!副砲術長は?」
「消息不明です!」
「副航海長は!?」
「死亡が確認されています!」
各部署からの報告が引っ切り無しに飛び込んでくる司令室では、冷や汗をダラダラと流す副艦長のカーベンが報告を受ける通信士へ確認を取っていた。
しかし、伝えられるのはどれもこれも絶望的なものばかり。
具体的には、
・後艦橋に直撃弾。副砲術長及び副航海長以下、後艦橋要員が死亡もしくは重傷。
・煙突に被弾。これにより排煙に問題が生じ、機関出力低下と艦後方の火砲の照準精度低下。
・右舷中央部付近の高角砲及び対空機銃群破損と、火災発生。
である。
この世界に転移してから…いや、前世界『ユグド』でも味わった事の無い被害にカーベンを始めとした多くの乗組員は浮き足立ち、慌てふためいている。
しかし、そんな中でも冷静さを保っているのが艦長のラクスタルである。
「慌てるな!先ずは消火活動を優先させる為に転舵せよ!左舷を敵方へ向けるのだ!」
「りょ…了解!」
右舷中央部の高角砲群で発生した火災は最優先で対象すべきだ。
何せ揚弾機を伝って炎が弾薬庫まで回ってしまえば、如何に最強の装甲を持つグレードアトラスターであっても沈没は免れないであろう。
しかし、消火を優先させてしまうと主砲発射が不可能となる。
というのも、グレードアトラスターの主砲である46cm砲は発射時の衝撃が桁違いであり、主砲発射時に甲板に居ようものなら命の保証は無い。
それ故ラクスタルは消火活動をさせつつ敵艦隊への攻撃を続行する為、左舷を敵艦隊へ向ける事を決断した。
こうすれば主砲発射時の衝撃波は艦橋構造物によって遮られる筈だ。
「ほ…報告!測距儀、旋回不可能!繰り返します!測距儀、旋回不可能!」
「何っ!?」
これにはラクスタルも面食らった。
グレードアトラスターは主砲の威力を存分に発揮する為に、艦載型としては最大級となる15.5mもの測距儀を艦橋の上部に装備している。
本来なら射撃する方向に向かって測距儀が旋回し、光学的な照準を合わせるのだが被弾の衝撃で旋回機構が破損してしまったらしい。
これでは左舷方向に照準を合わせる事が困難になる。
しかも、グレードアトラスターの不運はこれで終わらない。
「報告!方位盤破損!こちらも旋回不可能です!」
「なっ…!?」
続けて発せられた通信士からの悲痛な報告に、ラクスタルは思わず絶句した。
方位盤は測距儀の上部に取り付けられており、言ってしまえば主砲の照準装置のようなものだ。
極めて高度な技術によって作られた方位盤は精密機器であるため振動等に弱く、振動を軽減する防振装置と組み合わせられていたが、流石に近距離から戦艦の主砲斉射を喰らっては意味が無かったらしい。
(不味い…不味いぞ…!)
"目"と"脳の一部"を失ったに等しい状況に、ラクスタルが抱く焦りは最高潮に達する。
「そ、それならば後艦橋にも測距儀と方位盤が…」
「後艦橋は敵の攻撃により滅茶苦茶です!」
「ならばレーダー射撃…」
「レーダー照準単体では大幅に精度が落ちます!そもそもレーダー射撃は測距儀との併用で…」
──ドォォォォォンッ!
「うわぁぁぁぁっ!?」
カーベンと通信士がどうにか状況を打破すべく議論しているが、それを悠長に待っている敵なぞ居ない。
艦尾から数十メートル程離れた位置に敵弾が落下し、巨大な水柱と共に轟音が響き渡る。
このままでは、攻撃もままならずに一方的に撃たれるだけだ。
(どうする…?測距儀と方位盤は使えず、効果的な砲撃は見込めない。その上、煙突の損傷により機関出力が低下し、消火活動を阻害しない為に動きも制限されている…。まさか、グレードアトラスターがこんなに被害を受けるとはな。アズールレーン…やはり、奴らは油断ならぬ相手だ…!)
窮地を脱する為の知恵を絞り出しながらも、ラクスタルの脳裏に浮かんでいたのは、此方をここまで追い詰めた敵への称賛だった。
(全力航行しながら砲撃し、それを援護するように煙幕を展開する…凄まじい操艦技術だ。そして、何よりもそれを躊躇いなく実行する士気の高さ…死を恐れぬ、高い練度を持った兵士か…。何とも恐ろしいものだ)
敵艦隊が見せた突撃は、ラクスタルの目から見ても素晴らしいものと言わざるを得ない。
あんな戦闘機動を行える者は、帝国海軍でもそうそう居ないだろう。
(しかも、類似の戦艦があと2隻!同様の戦法を…しかも2隻同時に強行されれば…)
敵方に残った2隻の戦艦…『リシュリュー』と『ジャン・バール』の姿に、ラクスタルは内心頭を抱えた。
カルトアルパスの港に停泊していた際に観察していたが、その2隻は先程撃沈した戦艦よりも大口径の主砲を搭載しているようだ。
しかも、敵は何も戦艦だけではない。
まるで付き人のように随伴する駆逐艦や巡洋艦の魚雷もかなりの脅威であるし、ムーの空母に搭載されている艦載機の存在もある。
如何にグレードアトラスターが強かろうが、多勢に無勢はハンデとしては余りにも重い。
(…ん?)
ふと、ラクスタルの視界に何か違和感を覚える物が映った。
遠くに…しかし、火のついた油が浮かぶ海では非常に目立つ。
無性にそれが気になったラクスタルは首から掛けていた双眼鏡を手にし、ピントを"何か"に合わせる。
「…人?」
拡大された視界に捉えたのは、海面を滑走する人のような物体だった。
銀色の長い巻毛を海風に踊らせながら海面を滑るように走る人型の物体は、もう一つの人型物体と身を寄せ合っている。
まるで、負傷した者に肩を貸しているかのように見えなくもない。
そして、それは人間の女…しかも、とびきりの美女のようにも見える。
「艦長!」
「っ!?…な、何だね?」
意味の分からないモノを目撃し、固まっていたラクスタルであったが、砲術長であるメイルの言葉によって現実へ引き戻された。
「幸いにも、各砲塔の測距儀は無事です。確かに精度は下がりますが、私の部下であれば必ずや命中弾を与えられるでしょう」
メイルの言う通り、グレードアトラスターの各主砲塔には前艦橋に搭載されている測距儀と同等の物が搭載されている。
これにより、上部構造物を破壊され尽くしたとしても最低限の攻撃力を維持する事が出来るのだ。
しかし、そうなると主砲の精度は各砲塔の射手の腕前に頼る事となってしまう。
「…分かった。こちらも、測距儀と方位盤の修理を可能な限り早く済ませるようにする。それまで…」
「はい。撃たれっぱなしというのも性に合いません。この戦艦の力、思い知らせてやりますよ」
砲術課の腕を信じ、託してくれたラクスタルにメイルは不敵な笑みで応えた。
戦艦のダメージ描写がこれで正しいのかは分かりませんが、まあ本作はあくまでも仮想戦記ではなく娯楽作品ですので細かい事は気にしないで下さい
今後、お色気シーンは…
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今より増やせ
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このぐらいでいい
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もう少し減らしていい
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もっと減らして
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無くていい