異世界の航路に祝福を   作:サモアオランウータン

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いやー…今回の生放送も情報盛り沢山でしたね!
グリッドマン、ダイナゼノンキャラがあんなに実装されるとは…
それに、ブレマートンとインディペンデンスの新規着せ替え!
あれは買わないと…(使命感)


204.男の意地

──中央暦1642年4月25日、カルトアルパス近海──

 

カルトアルパス近海に展開した連合艦隊の一角を成すムー艦隊に所属する戦艦『ラ・カサミ』。

相対する敵戦艦よりも遥かに小さい彼女は、友軍であるアズールレーン戦艦より遅い速度ながらも徐々に距離を詰めていた。

 

──ズドォォンッ!ズドォォンッ!

 

「くぅ…っ!怯むな、全速力で敵艦との距離を詰めろ!」

 

敵戦艦の副砲から放たれたと思われる砲弾が周囲に着弾し、艦橋へ大量の水飛沫が浴びられる。

しかし、ムーの男達はそれに恐れる事も無く、黒鉄の艦体を操り続ける。

 

「ダンケルク殿達が…アックタ大佐達が命を懸けたというのに、指を咥えているだけでいいのか!否、断じて否である!撃沈は無理でも、せめて一太刀浴びせて見せるぞ!」

 

ラ・カサミの艦長であるミニラルが、喉が張り裂けんばかりに声を張り上げて乗組員を鼓舞する。

先程までラ・カサミは迫り来る敵艦載機の襲撃から自衛する為に苛烈な対空射撃を行っていたが、アズールレーン艦隊の優秀な艦載機の活躍と、アックタ達第一航空小隊の壮絶な捨て身の攻撃により空襲はすっかり散発的なものとなっていた。

そして、それを好機と見たミニラル以下、ラ・カサミの乗組員達はダンケルク達の決死の突撃に続けと言わんばかりに、全速力でグレードアトラスターへの突撃を開始した。

 

「このままでは、ムーの船乗りは腰抜けだと笑われてしまうぞ!機関室、エンジンが破裂してもいい!全速前進だ!」

 

《了解ぃぃぃぃぃぃぃっ!》

 

艦内電話を用いて機関室へ指示を出せば、機関士長が叫ぶように応える。

すると、煙突から大量の黒煙が吐き出され、排水量1万5千トンの艦体が徐々に加速してゆく。

一見すると、何とも無謀な突撃であるが何も考え無しに突撃している訳ではない。

というのも、正直言ってこれまで活躍しているのはアズールレーンや航空隊…ミリシアルの地方隊は既に空襲によって行動不能となっているが、彼らの本隊である『第零式魔導艦隊』はマグドラ群島にてグラ・バルカス帝国艦隊へ大きな出血を強いたと聞いている。

そんな中、ムーの水上部隊は自衛するのに必死で大して活躍出来ていないのだ。

無論、面子の問題もあるが一番の問題は"敵から侮られる"事である。

 

「敵艦発砲!」

 

「面舵一杯、回避!」

 

見張り員の報告を聞くや否や、すぐ様回避の命令を下す。

敵から侮られるという事は、付け込まれる隙を与えてしまうという事だ。

つまり、ムーの戦艦は弱いと思われれば敵の士気を上げてしまう要因となりかねない。

それを回避するには、敵国の中でも有力な戦力を持つと思われる戦艦に損傷を与え、ムーは決して侮れない敵だと知らしめる必要がある。

それ故、ミニラルは無謀とも言える突撃を敢行したのだ。

 

──ドォォォォォンッ!

 

「ぬぉっ!?」

 

回避運動虚しく、敵弾が艦首付近に直撃して艦体が大きく揺さぶられる。

現在、敵艦の主砲はアズールレーンの戦艦に向けられているためラ・カサミは副砲を喰らった訳だが、副砲言えどかなりの被害を被ってしまった。

艦首はまるで食い千切られたかのような有様であり、それによって水の抵抗が増してガクンと速度が落ちた。

 

「艦首損傷!速度低下!」

「このままでは、狙い撃ちにされます!」

「浸水発生!隔壁を…」

 

──ドォォォォォンッ!

 

「うわぁぁぁぁぁぁっ!」

 

甚大な被害を受け、フラフラとした航跡を描いて航行するラ・カサミへ再び砲弾が降り注いだ。

それは艦尾に直撃し、ほぼ垂直に着弾した為か甲板を貫いた。

 

《こ…こちら機関室!被害甚大!繰り返す、被害甚大!スロットルが言う事を聞かない!》

 

「何っ!?どういう事だ!」

 

《出力最大から下がらない!このままじゃ、速度が落とせん!》

 

敬語を忘れ、乱暴な口調になっている機関士長の言葉からも切迫した事態だというのが分かる。

艦首が破損した現状では、速度を落として艦内に流入する海水の水圧を抑えなければ浸水が進んでしまう。

しかし、速度が落とせないとなると押し寄せる海水に隔壁が破られ、そのまま沈没してしまうだろう。

 

「か、艦長!」

 

「次は何だ!」

 

切羽詰まったような航海長の言葉に、ミニラルはもううんざりだとでも言いそうな態度で応える。

 

「こ…このルートは…暗礁があります!」

 

航海長が指差す方向に目を向ける。

その方向には、赤い旗が取り付けられたポール付きのブイが幾つも浮いている。

記憶が正しければ、あれは暗礁を示す標識であった筈…本来なら座礁を避ける為に舵を切らねばならない。

しかし、ミニラルはその暗礁が神より与えられた救いの手に見えた。

 

「進路そのまま!総員、衝撃に備えろ!」

 

「そっ…そのままぁ!?座礁しますよ!?」

 

ミニラルの発言に、操舵手が情けない声を上げる。

それも無理は無い。

座礁すれば他の船で引っ張ってもらわねば脱出出来ないだろうし、ましてやこんな状況では牽引を頼む事なぞ出来ない。

つまり、座礁すればラ・カサミは戦列から離脱してしまうのだ。

 

「このままでは沈む…だが、座礁させれば少なくとも沈没は避けられる筈だ!…奴に、一太刀も浴びせられなかったのは屈辱だが…今は生きて帰り、この悔しさをバネにして再び奴と相見えるぞ!」

 

当初は刺し違えてでも敵戦艦に損傷を与えるつもりであったが、現状ではそれもままならない。

であれば、このまま無駄死にするよりも生き恥を晒してでも生き残るべきだと考えたのだ。

生きて帰れば、今回の教訓を活用出来る機会もあるだろう。

使命を貫く事も重要であるが、固執する事は愚行だ。

 

「…分かりました。次こそは、勝ちましょう」

 

「うむっ…」

 

沈黙を守っていた副長がミニラルに賛同する。

 

「暗礁まであと僅か!総員、何かに掴まって下さぁーい!」

 

膝をガクガクと震わせる操舵手が、何とも情けない声で呼びかける。

それに合わせ、ミニラルを始めとする艦橋要員が皆、手近な物に掴まって頭を庇い…

 

──ガゴォォォォォォォンッ!

 

満身創痍のラ・カサミは暗礁に乗り上げ、下から衝き上げるような衝撃に晒される。

 

「ぬぐっ…!」

 

一瞬、足が床から離れて不愉快な浮遊感に襲われるが、ミニラルはしっかり固定されている羅針盤に掴まっていたお陰で床を転げる事にならずに済んだ。

 

「くっ…総員、被害の確認と負傷者の救助を!」

 

指示を出しながらも遠くに見えるグレードアトラスターの挙動を気にするミニラル。

確かに沈没こそ免れたが、砲弾を撃ち込まれては一溜まりもない。

しかし、幸運な事に敵戦艦は座礁したラ・カサミを戦闘不能と判断したのか、副砲をアズールレーン艦隊へと向けた。




そう言えば、スキルでインスタンス・ドミネーションが再現されるようですが…あれって召喚世界の魔獣とかにも使えるんですかね?
ほら、グ帝戦の裏で起きてた騒動に出てきた危険生物とかに…

今後、お色気シーンは…

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