今回は色々と詰め込み過ぎましたかね…?
ちょっと読み難いかもしれません
ただ、勢いがある内にどんどん書き続けないと失速してしまうので…
──中央歴1642年5月12日午前10時、グラ・バルカス帝国領パガンダ島──
かつて列強国レイフォルの筆頭保護国であり、同国と文明圏外国の外交窓口及び交易中継地として栄えていたパガンダ王国。
だがグラ・バルカス帝国の皇族を理不尽極まりない理由で処刑し、帝国の怒りを買ってしまった故に滅ぼされ、現在はグラ・バルカス帝国領として帝国本土とムー大陸を結ぶ中継地として利用されていた。
そういった事もあってこのパガンダ島には帝国軍の大規模な拠点が設けられ、帝国海軍の泊地となっている。
「ラクスタル君、随分と手酷くやられたな」
「申し訳ありません、閣下。単に私の油断と判断の誤りによる被害ですので、乗組員達に落ち度はありません。彼らは良く戦いました」
泊地に置かれた司令部施設。
その最上階にある長官室では、『グレードアトラスター』の艦長であるラクスタルが長官室の主へ深々と頭を下げていた。
「いや、君もよくやった。戦艦は沈まなければ修理して戦列に復帰出来る。被害を受けたとはいえ、撤退の判断を下せたのは英断と言えるだろう。…そもそも、カルトアルパス奇襲作戦立案には私も関わっていたのだ。そんな私が君にとやかく言う資格は無い」
頭を下げるラクスタルに対して頭を上げるようにジェスチャーを交えて指示するのは、東方艦隊司令長官にして帝国三将に数えられる"軍神"カイザル・ローランドである。
「お気遣い、感謝致します。…しかし、まさかこの世界の国家があのような兵器を持っていたとは…。やはり、諜報部はアテになりませんな」
「まったくだな。このような戦艦や航空機があるなぞ一言も言わなかった。連中の目は節穴か?」
ラクスタルとカイザルが二人してそれぞれが着席しているソファーの間に置かれたローテーブル、その上に広げられた多数の写真を見て溜め息混じりに言葉を紡ぐ。
その写真に写し出されているのは、グレードアトラスターに同乗していた従軍記者が撮影したカルトアルパスに停泊する各国の護衛艦隊である。
多くは木造帆船でありどう過大評価しても脅威と成りえないが、ムー艦隊とアズールレーン艦隊は彼らの危機意識を喚起させるに十分なものであった。
「神聖ミリシアル帝国がそれなりの脅威になるのはある程度予想していましたが…まさか旧世代の兵器ばかり運用していたムーと、情報が少ない遥か東の新興勢力が帝国に匹敵する兵器を保有しているとは夢にも思いませんでした」
「ムーの戦闘機は複葉機だった筈だぞ。だと言うのに、なんだこの艦載機は!?空母にしても我が軍の空母に匹敵する規模…むっ?この戦艦は…ダイモス級巡洋戦艦にそっくりではないか!」
今一度写真を確認するカイザルの胸中は驚愕と共に、ろくな情報を持ってこない諜報部への怒りが渦巻いている。
「閣下、それだけではありません。戦闘詳報はもうお読みになられたかと思いますが、奴らの戦艦は我々が用いるあらゆる索敵手段をすり抜ける何らかの技術を持っているようです」
「あぁ…信じ難い事だが、君が嘘を言う訳がない。レーダーならともかく、目視による索敵からも逃れるとは…。どんなカラクリかは分からないが、その技術を解明しなければ我々は一方的に撃たれてしまう。技術畑に分析を要請しなければな…」
これから対峙する敵国が予想以上に手強い相手だと認識したカイザルは、まるで頭痛を堪えるかのような顰めっ面で唸り、これからの対策に思考を巡らせる。
「……そう言えば閣下。これは誰にも見せていないのですが…こちらを…」
暫く頭を悩ませるカイザルを見ていたラクスタルであったが、ふと思い出したかのように持参した鞄から封筒を取り出す。
「こちらも、それらの写真を撮影した従軍記者が撮影したものなのですが…。撤退する此方を暫く追跡してきた相手方の航空機らしき物です」
「これは…オートジャイロか?」
ラクスタルから差し出された封筒を受け取り、中の写真を取り出して被写体を観察するカイザル。
カイザルの言う通り写真に写し出されている航空機らしき物は、オタマジャクシを連想するシルエットを持ち、高速で回転しているらしい巨大なプロペラを胴体上部に備えていた。
「そのように見えますが、どうやら我々が知るオートジャイロとは違うようです。空中停止や機首を前方に向けたままの後進等…オートジャイロとは全く異なる挙動を見せていました。ですが、本題はその機体ではありません。二枚目の写真をご覧下さい」
「ん…?んん!?」
ラクスタルの言葉に従い、先程まで見ていた写真を捲って二枚目の写真に目を向けるカイザル。
それはどうやら先程の航空機の胴体部分を拡大したものらしい。
「これは…!?」
胴体部分にはスライド式の扉があるらしく、その扉を開いて一人の人間がこちらを見下ろしているのがハッキリと分かる。
そして、その人物の姿がカイザルへ強烈な衝撃を与えた。
「る…ルーメン陛下…?」
写真に写し出された人物と、長官室に掲げられた2つの肖像画の内の1つを見比べる。
その肖像画は1つは現皇帝であるグラ・ルークス…そして、もう1つは前皇帝であるグラ・ルーメンの若かりし頃を描いた肖像画であった。
「他人の空似だとは思いますが…初め見た時には私も腰を抜かしかけました」
グラ・バルカス帝国では若い時期に肖像画や写真を残し、それを遺影とする風習がある。
それは皇族も例外では無く、多くの国民は崩御した先帝の姿を若かりし頃のものしか知らなかったりするのだ。
そのため、何も知らない一般人がこの写真を見れば、「先帝が生きてて新兵器の視察をしている」と思い込んでしまうだろう。
「うむ…確かにルーメン陛下に瓜二つだが、陛下はもっと御歳を召しておられた…。しかし、これを兵達が見てしまったら余計な混乱を招く事になる」
「えぇ、未だにルーメン陛下生存説を信じる者は少なくありません。なので、これは内密の事としましょう。この写真を撮影した従軍記者にもしっかりと口止めはしてあります」
「うむ、それがいい…」
この写真の人物は敬愛する先帝とは違うと確信する事で冷静さを取り戻したカイザルは、ラクスタルの提案を承諾する。
──コンッ…コンッ
帝国を混乱の渦へ巻き込みかねない事案について話し合う二人の邪魔をするように、長官室のドアが特徴的なリズムノックされた。
そのノック音を聴いた瞬間、カイザルは顔を顰め、ラクスタルは頭を抱えつつも件の写真を封筒へ戻す。
何故ならこのノックは、二人にとっては聞き覚えのあるものであったからだ。
「失礼しますよ、カイザル長官。おや…おやおや、ラクスタル艦長もご一緒でしたか」
入室の許可も待たずに扉を開け、長官室へ遠慮なく足を踏み入れたのはカイザルとラクスタルにとっては最も会いたくない人物…帝国近衛兵団所属のエルザン・ドープルスであった。
漆黒の軍服に赤地に白い十字が描かれた腕章、黒い革手袋にインテリっぽい丸眼鏡越しの視線は二人を嘲笑しているかのようだ。
「これはこれはエルザン殿…。本日は如何なされた?」
自分の息子と同年代…いや、下手をすれば年下であろう若造に対し敬語で挨拶をするカイザル。
何とも歪な関係性であるが、これはグラ・バルカス帝国の歴史によるものである。
というのも帝国が産業革命を果たし、世界有数の強国へと成り上がる道程の途中…先々代皇帝グラ・シャールの治世で、地方の貧困を無視して植民地経営に傾倒する政府と皇帝に直訴すべく帝国軍の一部将校とそれに同調した部隊がクーデターを起こし、一時帝都を占拠した『ラグナ事変』と呼ばれる事件を受けてグラ・シャールは軍部を監視する組織を発足した。
それこそが帝国近衛兵団であり、彼らは帝王府…ひいては皇帝直属の軍事組織として軍部を威圧する立場にあるのだ。
それ故、大将という最高クラスの地位にあるカイザルでさえ、エルザンに対しては腰を低くして対応しなければならない。
「いえ、少し"狩り"をした帰りに近くを通ったので立ち寄ったまでですよ。今日は中々の成果がありましたね」
カイザルの言葉に応えつつエルザンは、背負った最新鋭セミオートライフルを指差し冷酷な笑みを浮かべ、それを聞いたラクスタルは苦々しい表情を浮かべた。
実を言うとエルザンが言う"狩り"とは野生動物を狩猟するという意味での狩りではない。
彼の獲物は人間…パガンダ島中央部に広がる森林に潜むパガンダ人の生き残りだ。
帝国の怒りを買ったパガンダ王国が滅ぼされた事は先述の通りだが、その怒りの矛先はパガンダに住まう人々にも向けられ、軍民老若男女問わず凄惨な虐殺の犠牲者となった。
それでも生き残った者は未開の森林に逃げ込んだものの、帝国近衛兵団の手段を問わない虐殺…戦車や攻撃機は勿論、対トーチカ用の毒ガス兵器まで動員した"狩り"により着実に数を減らしている。
「おや、ラクスタル艦長。そのお顔は我々の狩りにご不満があるように見えますが?」
「…いえ、そのような意図は御座いません」
「ふむ…そうですか。まあ、激戦の疲れが出たのでしょう。次は決して"油断"なさらないようにお願いしますよ」
ラクスタルもレイフォリア攻撃時に無差別砲撃を行って多数の民間人を殺害しているが、それでも毒ガスのような残酷極まりない兵器を何の躊躇いもなく使用する近衛兵団のやり方は許容出来るものではない。
それ故の表情だったが、そんな事を口に出せば"愛国心欠如者"というレッテルを貼られ、家族もろとも被差別階級となってしまうだろう。
「ん?あぁ、もうこんな時間ですか。私はこれにて失礼しますよ。少々"客人"と話をしなければならないので…」
客人と話…それが意味する言葉を察したカイザルとラクスタルは、どこか上機嫌なエルザンの背を見送る事しか出来なかった。
皆さんは誰からチョコを貰いました?
私は、今年は信濃から貰いました
今後、お色気シーンは…
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今より増やせ
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このぐらいでいい
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もう少し減らしていい
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もっと減らして
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無くていい