異世界の航路に祝福を   作:サモアオランウータン

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いやー…今回の生放送も色々ありましたね!
今回はURのクロンシュタットに、北連初の空母であるヴォルガ…
私的にはアルハンゲリスクも中々に好みです


216.変革の風

──中央歴1642年6月30日午後2時、ロデニウス連邦旧クイラ王国南方──

 

荒涼とした砂漠の只中に存在する塩湖。

そこは太古の昔に地殻変動により内陸部に取り残された湾であったとされ、地下から湧き出す真水によって海水と同じ塩分濃度の塩水をなみなみと湛えている。

かつては小規模な漁業と製塩が行われるだけの塩湖であったが、現在ではアズールレーンによる新兵器開発の為の実験場として用いられていた。

 

「北連流奥義!12連誘導弾!」

 

──バシュゥゥッ!バシュゥゥッ!

 

湖面を疾走するようなよく通る声と共に、塩湖に浮かぶ駆逐艦が盛大な白煙と共に飛行物体を撃ち出す。

その数12…その飛行物体は高度200m付近を編隊を組むように、整然と飛翔してゆく。

 

「おぉ〜…これは壮観ですな!発射時の反動も気にならない程度ですし…あとは当たってくれれば、文句なしです!」

 

あっという間に遥か彼方へと飛び去る飛行物体を見送りつつ満足そうに頷くのは、重桜所属の駆逐艦『島風』である。

長い白髪に前髪は兎の目を模したように一部を赤く染め、頭の上に兎耳を生やした可愛らしい少女だが、彼女は重桜艦屈指の速力と全駆逐艦中最高峰の雷撃能力を持つ事から『夜戦では最も出会いたくない駆逐艦』と呼ばれたりしている。

しかし、現在の彼女は自慢の『五連装魚雷発射管』3基を下ろし、とある新兵器の慣熟訓練を行っていた。

 

「おっと、見惚れてる場合ではありませんでした!えー…あー、あー…指揮官殿ー『P-15対艦誘導弾』12発、全弾発射完了です!」

 

《おう、こちらからも確認した。やっぱり派手だな…どうにかして発射煙を無くせないものか…。あぁ、そうだ。前の5連装ランチャーと比べて4連装はどうだ?》

 

「はいっ!軽くなったお陰で、以前より安定感が増したように思います」

 

島風が通信機を手にし、湖畔の実験監視施設で訓練を見守っている指揮官へ報告する。

そう、今しがた島風が発射した飛行物体とは北連系軍需企業『グラーニン記念設計局』が開発した対艦誘導弾『P-15 テルミート』である。

これは、自身が持つレーダーを用いた『アクティブ・レーダー・ホーミング(ARH)』もしくは『赤外線ホーミング(IRH)』によって目標へ誘導され、弾頭重量450kgの榴弾をマッハ0.9で目標へ叩き付けるというこれまでの海戦の常識を覆すような兵器なのだ。

しかも射程は46km、一般的な戦艦の交戦距離が20〜30kmな事を考えれば、これまで海の王者として君臨してきた戦艦を駆逐艦が…いや、より小型の魚雷艇クラスの艦艇でも一方的に攻撃出来てしまう。

正に夢の最強兵器…と言いたい所だが、残念ながらそうとは言い難い。

 

《もうじき着弾するぞ。3…2…1…着弾。効果の確認をするから少し待っ…いや、待たなくていい。標的艦、大破。ただし、撃沈には至らず》

 

指揮官の通信と共に、島風が持つタブレットへ何枚かの画像が送信される。

送信された画像は、もうもうと黒煙と炎を上げる無惨な姿と成り果てた艦船…『量産型サウスダコタ』が写し出されていた。

だがよく見れば副砲や機銃類は壊滅状態だが艦橋や主砲塔は無事であり、喫水線も殆ど変化が無い事から戦闘能力を維持したままであると推測出来る。

 

「12発も撃ったのに…魚雷だったら3発も直撃すれば轟沈でしたよ?」

 

《弾頭が榴弾だからな…軽装甲相手なら間違いなく沈められたが、重装甲相手じゃこんなもんか》

 

落胆したように肩を落とす島風に、想定内と言わんばかりの指揮官。

指揮官の言う通り、P-15の弾頭は榴弾である上に目標艦船の喫水線より上にしか当たらない為、戦艦のように強固な装甲を備えた艦船に対しては効果が薄いのだ。

しかし、その欠点を補う方法は幾つか提示されていた。

 

《メーカーからは弾頭を徹甲弾にするとか、成形炸薬弾にするとか提案されている。一応、弾頭の変更で重巡ぐらいなら対処出来るって話だが…まあ、戦艦相手を相手にするなら伊勢型ぐらいならどうにかって感じらしい》

 

「むぅ…。ならば島風達駆逐艦は敵主力艦の僚艦に対して攻撃すべきですね。そうして重巡や戦艦の皆さん、陸上基地から飛び立つ航空隊の皆さんが大型誘導弾で主力艦艇を攻撃すると…」

 

《そうだ。対艦ミサイル駆逐艦隊はお前達、重桜駆逐艦隊が中心となるからな。今のうちからしっかり取り扱いと戦術を確認しておけ》

 

「島風、了解しました!」

 

指揮官の言葉に、島風はビシッと敬礼して応える。

現在、アズールレーンに所属するKAN-SEN達は誘導弾の開発完了を受けて順次改装を行っており、各々の適正に合わせて各種誘導弾を装備しているのだ。

例えば重桜の艦隊決戦型駆逐艦の集大成として対艦攻撃への適正が高い島風はこのように対艦誘導弾を装備し、対空攻撃が得意な『アレン・M・サムナー』は対空誘導弾、対潜攻撃が得意な『Z23』は誘導魚雷を弾頭としたロケット弾をと言った具合にだ。

とは言っても島風とて主砲を対空攻撃に適したものに換装したり、『ヘッジホッグ』のような対潜兵器も装備している為、完全に特化させている訳ではない。

 

《よし、ならば次は巡洋艦と軽空母によるパトロール艦隊を目標とする。補給と休憩の後、『北風』『江風』『山風』を率いて攻撃しろ》

 

「率いて…という事は、島風が旗艦ですね!島風、旗艦の任を承りました!」

 

湖畔に建設されたドックから出撃する量産艦と入れ替わりに、島風はドックへと帰っていった。

 

 

──同日、塩湖畔実験監視施設──

 

「よし、とりあえずミサイルとジェット機はどうにかなりそうだな。まあ、戦争にならないのが一番だが…」

 

モニターに映し出されている島風へのミサイル再装填風景に目を向けつつそんな事を呟いていた指揮官だが、そんな彼の耳にノックの音が届く。

 

──コンコンッ

 

「どうぞー」

 

「指揮官殿、失礼します」

 

「おや、大統領。お疲れ様です」

 

ドアを開けて入ってきたのは、ロデニウス連邦大統領であるカナタだった。

 

「指揮官殿こそお疲れ様です。新兵器開発は順調ですか?」

 

「えぇ、多少の改良等は必要ですが、概ね順調ですよ。KAN-SEN達による訓練も進んでいるので、じきに連邦軍へ引き渡す事も出来るでしょう」

 

「それは心強い。KAN-SENの方々による運用データがあればスムーズに実戦配備が出来ますからね。もっとも、戦争が起きないのが一番ですが…」

 

「奇遇ですね。私も同じ事を考えていました。…立ち話もなんなので、此方へどうぞ」

 

カナタと言葉を交わしつつ、コンソールの前に置かれた椅子へ座るように促す指揮官。

それに対してカナタは会釈しながら、静かに腰を下ろした。

 

「指揮官殿、現在我々がグラ・バルカス帝国に対して宣戦布告の撤回と、『ロマネス』が消息を絶った事に関しての事情聴取を要請している事はご存知でしょうが…」

 

「相変わらずのらりくらりと躱されているのでしょう?連中、カルトアルパスであれだけ損害を受けても戦うつもりとは…」

 

「もしかしたら、あの戦艦以上の切り札があるのかもしれません。少なくとも交渉の為にレイフォリアへ向かった外交官からは、そのような兵器を目撃したというような話は聞きませんが…」

 

「ふむ…。ともかく、警戒すべきでしょうね。我々が考えもつかないような兵器を保有しているかもしれません」

 

「ですが、そうなると真っ先に攻撃を受けるであろうムーは危機的な状況にあります。ムーから依頼されたラ・カサミの改修を速やかに…」

 

対グラ・バルカス帝国戦について話し合う指揮官とカナタの元へ、カナタの護衛を勤めるシークレットサービスが耳に付けたイヤホンから聴こえる音声に耳を澄ませながら歩み寄ってくる。

 

「大統領、指揮官殿。グラ・バルカス帝国が世界のニュースを通じて声明を発表するとの情報が…」

 

「指揮官殿!」

 

「モニターを切り替えろ!世界のニュースを映せ!」

 

カナタと指揮官の言葉を受け、監視施設の職員がコンソールを操作してモニターの一つを切り替えて世界のニュースを映す。

 

《皆さん、こんにちは。今日の世界のニュースですが、グラ・バルカス帝国が重大な声明を発表するとの事ですので、特別番組を編成してお送り致します》

 

世界のニュースの看板アナウンサーである女性の何時になく緊張したような口調…それは、視聴する全ての人々の感情を代弁しているかのようだった。




北連艦も増えましたねぇ…
そろそろ北連の計画艦も実装されそうで楽しみです

今後、お色気シーンは…

  • 今より増やせ
  • このぐらいでいい
  • もう少し減らしていい
  • もっと減らして
  • 無くていい
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