今年もエイプリルフールがやってきましたが…いつぞやのケッコンモーションは復活しないんですかねぇ…
やっぱりアプリストアとかから怒られたのでしょうか
──中央歴1642年6月30日午後4時、ロデニウス連邦旧ロウリア王国東部──
捕虜収容所の中央広場、そこに置かれた集会所は殺気立った喧騒に包まれていた。
「急げ!急げ!」
「クソッ、外務省の連中め!余計な事を!」
「俺たちは見捨てられたのか…?」
『フォーク海峡海戦』の前哨戦である航空戦にて撃墜され、捕虜となったグラ・バルカス帝国海軍航空隊の搭乗員達、約30名は集会所の要塞化を進めていた。
ある者は自室から持ち出したマットレスを盾のように構え、ある者は支給された作業服に土を詰めて土嚢のようにして積み重ね、ある者は集会所に置かれている椅子の脚を折って棍棒にしている。
そう、彼らは自らの祖国が捕虜を虐殺したというニュースを受け、ロデニウス連邦が報復の為に自分達を処刑しにくると考え、せめて一矢報いる為にこうしているのだ。
しかし、彼らは航空機の搭乗員である。
白兵戦に関しては最低限の知識しかなく、見様見真似で拠点を構築する事しか出来ないでいる。
「どうせ近衛兵団が何かを企んだに違いない!」
「奴らは俺たちが必死に戦ってる時に横槍を入れてくるからな…」
「けっ!連中にとっては、俺達の命なんざゴミ同然なんだろ」
彼らの胸中は、ロデニウス連邦による報復の恐怖もあるが、それ以上に帝国上層部の軽率な行動に対する怒りが大部分を占めていた。
そもそも、グラ・バルカス帝国がこの世界の国々に対して武力で訴えるようになったのは、パガンダ王国が皇族ハイラスを処刑した事がきっかけであった。
その事は帝国本土の各種メディアでもセンセーショナルに報じられ、帝国臣民達は異世界の野蛮さに憤っていたはずだ。
しかし、捕虜を公開処刑するなぞこの世界の野蛮人と変わらない…いや、海軍航空隊を撃滅し、グレードアトラスターを撃退した軍事力を持つ国々が存在すると分かった以上、そのような相手を刺激するような真似は避けるべきであるだろう。
だというのに捕虜を処刑しながら植民地になれと要求する帝国のやり方は、一介の下士官である彼らでも明らかに間違っていると判断出来る。
だが、捕虜の身ではどうする事も出来ない。
それ故に自らを殺しに来るであろう死神を少しでも食い止める為に、こうして稚拙な陣地を作る事が彼らにとっての最大の抵抗なのである。
「おーい!お前ら、何やってんだ!?」
「ケルか!お前も手伝え!早くしないと、ロデニウスの兵士が俺達を殺しに来る!」
汗だくになりながらバリケードを作っている捕虜達の元へ、ベローとスーンに呼び出されたケルが駆け寄ってきた。
「そんな事無駄だ!この収容所を見張ってるロデニウスの連中は小銃や機関銃どころか、戦車や"鉄の巨人"まで持っているんだぞ!?こんな事やってる暇があるなら、全力で逃げる方がいい!」
「逃げるって言ってもどこに!?外側には3mはあるフェンスと有刺鉄線に深い空堀!それを乗り越えたって、回りは何もない平原なんだぞ!逃げたって直ぐに見つかって、嬲り殺しだ!」
ケルとしては下手に抵抗するより、どうにか脱出すべきだと考えたが、この収容所ではそれも難しいだろう。
確かに収容所の敷地は上端に有刺鉄線を巻き付けた高さ3mものフェンスが三重に囲っており、フェンスとフェンスの間と外縁部にはコンクリートで塗り固められた深さ2m幅4mの空堀が存在する。
それだけでも脱走は困難だが、それらを乗り越えても収容所の外側は短い下草が生えた広大な平原が広がっており、一番近い市街地まで30kmはあるのだ。
つまり、脱出は絶望的と言えるだろう。
「うぅ…し、死にたくないよぉ…。せっかく助かったのに…おいら、何も悪い事してないのにぃ…」
ケルと両手を土で汚した捕虜が言い争っていると、スーンが大粒の涙をボロボロと溢しながら崩れ落ちた。
そもそも彼らは世界の解放者として、野蛮で悪しき国々から人々を解放すると聞かされて作戦に従事していたのだ。
故に彼らにとっては忠実に命令に従ったのに、その命令を下した者の行いによって殺されるという理不尽極まりない状況に置かれていると言えよう。
泣きたくなるのも当然だ。
「うぇぇぇ…お母ちゃぁぁん…お父ちゃぁぁん…」
「スーン、泣かないで下さいよ…。誉れある…ぐすっ…帝国軍人がそんな…」
まるで子供のように泣きじゃくるスーンを宥めるベローだが、彼も故郷に残してきた両親の姿が脳裏に過ぎって思わず涙ぐんでしまう。
そして、それはスーンとベローだけではない。
「俺だって…俺だって死にたくねぇよ…」
「故郷には体の弱い母と、まだ小さい弟を残してるんだ…。私が死んだら、あの二人はどうなる…?」
「せめて…帝国軍人として立派な最期を!」
如何に軍人であろうとも彼らとて人間である。
差し迫った死の気配に恐怖し、郷里に残した家族の今後を想像して悲観的になるのも仕方無い話だろう。
──ブロロロロロロ…
悲壮な雰囲気に包まれる彼らの元へ、収容所の警備をしているアズールレーン憲兵隊のジープがやって来た。
それを見た瞬間、捕虜達はとうとう自らの死期がやってきたと覚悟をしたが…
「グラ・バルカス帝国の諸君!私はアズールレーン憲兵隊司令官のモイジだ!本日は君たちに伝えたい事がある!」
ジープから降りてきたのは、偶然収容所の視察の為に訪れていた憲兵隊司令官モイジである。
「先ず、君たちの命を奪う事は無いと断言しよう!これはアズールレーン戦時法第13条"捕虜は常に人道的に扱い、暴行または脅迫並びに侮辱及び大衆の好奇心から保護しなければならない。また、捕虜に対する報復措置は全面的に禁止する"に則るものである。我々はこれを全面的に遵守し、ロデニウス連邦政府及びアズールレーン上層部から君たちに対する処刑命令が下ったとしても、我々はそれを拒否して君たちを守る為に戦う事を宣言する!」
それを聞いた捕虜達は、信じられない事を聞いたという風な表情である。
何せ自分達を殺す為に来たと思っていた者達が殺さないと明言したばかりか、上層部の命令に逆らってでも自分達を守ると宣言したのだ。
しかし、グラ・バルカス帝国ではあり得ない話である為、捕虜達の態度は半信半疑である。
「…確かに、君たちの気持ちも分かる。君たちの祖国の手で処刑された者の中には、私の友人も居たからな…。しかし、彼らの処刑を命じたのは君たちではない。真に憎むべきは処刑を命じたグラ・バルカス帝国上層部であり、君たちは全くの無関係だ!いわば、君たちは愚かな政府によって命の危険に晒された被害者である!故に、私は君たちを庇護する為に全力を尽くす!だから、どうか冷静になってほしい」
モイジの瞳には一切の曇り無く、捕虜一人一人をしっかりと見据えながら語り掛ける。
それだけではない。
モイジの護衛として同行する憲兵達も、携えたサブマシンガンをスリングで肩に掛けたまま、弾倉を挿し込む事もしていない。
「…なあ、もう止めようぜ」
暫し無言で対峙していた憲兵隊と捕虜達であったが、捕虜の中から前に出たケルの言葉によって沈黙が打ち破られる。
「モイジさんも、憲兵隊の人達も俺達を殺す気は無いってはっきり分かった。確かに、信用出来ない奴も居るかもしれねぇ…。でも、収容所の中だけとはいえ、俺達はかなり自由に快適に暮らさせてもらってるじゃないか。それはきっと、この人達が俺達を信用してくれたからじゃないのか?そうだとしたら、俺達はその信頼に応えないといけない。帝国軍人としてじゃない、男として…人としてだ」
「ケル…おいらもそう思うよ」
「ケル…確かに、貴方の言う通りかもしれませんね」
ケルの言葉を聞き、スーンとベローがバリケードの陰から出てきた。
そして、それに続く他の捕虜達…
「…ありがとう、我々を信用してくれて。私も君たちの信頼を裏切らない為に、命を賭してでも君たちを守ってみせる!」
全ての捕虜が前に出て整列した光景を前に、モイジは憲兵隊としての責務を全うする事を改めて誓ったのだった。
因みに捕虜収容所の周辺は憲兵隊所属のスコープドッグ(カブリオレカスタム)とM24軽戦車が彷徨いてます
今後、お色気シーンは…
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今より増やせ
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このぐらいでいい
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もう少し減らしていい
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もっと減らして
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無くていい