いやー、とうとう近接攻撃が実装されましたね!
最近は色々とバタバタしているので新機能はあまり触れていませんが、手段が増えるのはいい事です
それと、ふと思い立って拙作と同じ日本国召喚×アズールレーンクロス作品の推薦を書いてみました
皆様もよろしければ他作品も読んでみて下さい
──中央歴1642年9月30日午前7時、バルチスタ海──
《こちら索敵1号。各機、状況を報告せよ》
まだ夜の残り香が残る朝の時間帯。
やや波立つ海を見下ろしながら高度3000mを約260km/hで飛行するグラ・バルカス帝国海軍航空隊のリゲル型雷撃機の無線機が静寂を破った。
《こちら索敵2号。現在、異常は無し。どうぞ》
《索敵3号、こちらも異常は無し。どうぞ》
艦隊より東方へ展開した海軍航空隊の偵察小隊による定時連絡だ。
「こちら索敵4号、何の異常もありません。どうぞー。…ふぅ〜」
パイロットの後ろに座る航法士兼無線手がお決まりの報告を行い、深い溜息をつく。
一応パイロットが機長であるため、そのような態度をとる航法士へ注意するべきであろうが、生憎彼はそんな気にはなれなかった。
何せ行けども行けども海と空が広がるばかりであり、今はまだ良いがこれから日が昇ってくれば巨大なキャノピーを持つリゲルの内部は蒸し風呂状態となってしまう。
暑さに耐えながら退屈な索敵任務を行う…そう考えれば航法士の憂鬱も理解出来る。
「…腹減ったな」
「乾パンと代用コーヒーが支給されてるからそれを朝食にしよう」
機内に立ち籠める憂鬱な雰囲気を吹き飛ばそうと、今にも鳴きそうな腹の虫を宥めるように呟けば、航法士がゴソゴソと荷物を漁り始める。
「…乾パンと代用コーヒーか。少し前まではちゃんとしたサンドイッチとコーヒーだったのになぁ…」
うんざりしたように呟くのは、最後尾で退屈そうに空を見上げていた機銃手であった。
彼の言う通り最近、長時間任務を行う空中勤務者へ支給される機内食は徐々にグレードが下がっている。
事実彼らが入隊した頃は肉や野菜がたっぷり詰まったサンドイッチとコーヒーが支給されていたが、暫くすれば具材が少なくなった雑穀パンのサンドイッチと薄いコーヒーとなり、今では陸軍向け乾パンと植物の根を焙煎した代用コーヒーとなっていた。
「はぁ〜…近衛兵団の連中が予算を横取りしてるって話だからなぁ…。連中は景気良く新型機やら美味い飯を楽しんでるってのに、俺達はオンボロの中で粗末な飯か…」
何もグラ・バルカス帝国の物資が欠乏している訳ではない。
軍部に分配される筈の予算が近衛兵団と、その下部組織によって横取りされている為だ。
「まったくだ。本当なら専用の偵察機を開発配備する予定だったのに、近衛兵団の横槍で開発は中止。そのくせ自分達は新型雷撃機やら新型戦闘機をバンバン開発させてるってんだから、やってられんよな」
物悲しい表情で硬い乾パンを見詰めながらぼやいたパイロットへ、航法士が魔法瓶に入った代用コーヒーをコップに注ぎながら同意する。
現在のグラ・バルカス帝国海軍は敵艦隊をいち早く発見する為にリゲルを使用している。
いち早く発見する為というなら戦闘機であるアンタレス型艦上戦闘機や、同機に次ぐ速度を持つシリウス型爆撃機が適当ではないか?と思われるかもしれないがそうではない。
というのも索敵任務に必要なのは単純な速度ではなく、"目"なのである。
つまりは可能な限り多数の搭乗員が居た方が有利であり、それを考えれば複座であるシリウスはともかく単座のアンタレスでは効果的な索敵は難しい。
それに加えて航法士が搭乗するリゲルであれば、発見した目標の正確な位置を味方へ伝える事も可能だ。
それ故に帝国海軍は伝統的に雷撃機へ偵察機としての任務を与えている。
しかし、雷撃機は魚雷を搭載せずとも鈍足かつ鈍重であり、敵戦闘機からの迎撃を受ければ為す術もなく撃墜されてしまうだろう。
だからこそ帝国海軍は高速な専用偵察機を開発しようとしたのだが、そこで近衛兵団が難癖をつけ、海軍は泣く泣く開発を諦めざるを得なかった上に、開発費用まで奪われてしまったのだ。
その後もリゲルの後継となる雷撃機の開発計画も奪われてしまった為、海軍は徐々に旧式化してきたリゲルを騙し騙し使う羽目になっているのである。
「ん。ふー…ふー…んぐっ。最近ではその新型機を演習で出して、俺達やら陸さんをいたぶってるしな…。帝国が世界を統一するのはいいが、近衛兵団がますますデカい顔をすると考えるとイヤになってくるぜ」
コップに注がれた代用コーヒーを受け取った機銃手は吐息で黒い水面を冷まし、唇を湿らせると心底うんざりしたように述べる。
「その割には前線には出て来ない。いい機材を持ってるなら実戦で使って……あれ?」
「どうした?」
近衛兵団への愚痴を溢そうとしたパイロットであったが、ふとした違和感を覚える。
「なぁ、索敵1号からの返信って…あったか?」
違和感の正体…それは長機である索敵1号からの返信が無い事だった。
「確かに…もしかしたら上手く通じてなかったのかも。もう一度…」
「おいおい、しっかりしてくれよ」
一旦乾パンとコーヒーを置いて再び無線機と向き合う航法士を茶化す機銃手。
「間違いぐらい誰にでもあるだろ。…あー…あー…こちら索敵4号、先程の通信は通じたか。どうぞ」
しかし、返答は無い。
帰ってくるのはサー…というホワイトノイズのみ…
──ガキュゥンッ!ガキュゥンッ!バスッ!バスッ!
「っ!?」
航法士へ何があったか訊ねようと首を捻って横目で彼を覗おうとしたパイロットの視界が、衝撃と共に赤く染まった。
「敵だ!敵機襲来!敵機襲来!」
慌てふためいた機銃手が乾パンの袋を引っ掛けていた機銃を動かし、高速で飛び交う群青色の影へ銃口を向ける。
──パパパパパッ!パパパパパッ!
7.7mm機銃の軽快な連射音の中、パイロットは目元を拭って操縦に集中する。
さっきから何の反応も示さない航法士はもう役に立たないだろう。
何せパイロットが拭ったのは鮮血…しかも自分のものではなかったからだ。
「クソっ!まさか…全員やられたの…」
同僚を喪った事に動揺しつつも、最悪の可能性を見出すパイロットであったが、それは現実のものとなった。
──ダダダダダダンッ!
空を切る黄色い光の線がリゲルの主翼をズタズタに引き裂いた瞬間、軋みながらも飛んでいた同機は一瞬だけ白煙を引き…
──ボンッ!
火だるまとなり、爆発しながら海へと墜ちて逝った。
──同日、バルチスタ海東方──
「迎撃部隊、敵偵察機と思わしき飛行物体を全機撃墜。所定の哨戒行動の後に帰投させます」
グラ・バルカス帝国海軍の偵察機が撃墜された空域より凡そ500km程離れた海域を航行するムー海軍艦隊。
その艦隊の中心である『統括艦隊』所属の巡洋艦『ラ・ヘレナ』の艦内で、レーダースコープを前にしたレーダー手が淡々と報告した。
「上出来ね。だけど、奴らも偵察部隊からの通信が途絶えれば何があったかは察する筈…次の迎撃も上手く行くとは限らないわ。早期警戒機にはこれまで以上の警戒をお願いして頂戴」
「かしこまりました」
報告を受けてそう応えたのは、女性士官であった。
名はアリシア・トワネロ、カルトアルパスにて壮絶に散ったムーのパイロットであるテレジアの娘だ。
彼女はもともと母親と同じくパイロットを志していたのだが、心肺機能が弱く空中勤務者としては不適格とされ、泣く泣く航空管制官となっていた。
しかし、彼女は管制官としては非常に優秀でありこうして新設された『早期警戒管制隊』の隊長として手腕を振るっているのだ。
「それにしてもロデニウスの技術は素晴らしいわね。今までの私達ではきっと為す術もなく見つかっていた筈よ。やっぱり、レーダーは空中に有るに限るわ」
バルチスタ海の海図が描かれたガラス板へ水性ペンで『敵偵察機、撃墜4』と書き加えながら感心したように述べるアリシア。
というのもムー艦隊はロデニウスより輸入した『TBF アヴェンジャー』に100km先の戦闘機を発見出来るレーダーを搭載した『TBM-3W グッピー』を艦隊の各方向、凡そ400kmの地点、高度9000mに合計8機展開させ、敵機や敵艦隊を捜索しているのだ。
そうした捜索の結果、もし敵機を発見すればグッピーが捉えたレーダー情報が早期警戒管制隊のあるラ・ヘレナへ送信され、そこから空母へ迎撃に必要な情報が与えられるという訳だ。
その結果、グラ・バルカス帝国偵察隊は自機の距離や高度まで丸裸にされた挙げ句、それらを知っているムーの迎撃機によって味方艦隊へ通信を送る暇もなく撃墜されていたのだ。
「隊長、第一・第二警戒小隊を帰投させ、第三・第四警戒小隊と入れ替えさせます」
「ええ、よくってよ。彼らは夜明け前から飛んでいるもの。休息が必要だし、何より燃料が減っているのでしょう?そうして頂戴。私は席を外すわ。帰ってきた彼らに、母様から教わったサンドイッチを作ってあげたいの」
「かしこまりました。何かあったら連絡するので、なるべく艦内電話の近くに居て下さい」
「分かってるわ。…勿論、みんなの分も作ってくるから待っててくれないかしら?」
「アイ・マム」
「ふふっ、いい子ね」
ロデニウス風の返答をする管制官達の姿を見て上品に笑ったアリシアは、軽やかな足取りで艦内にある厨房へと向かって行った。
何だかムーを持ち上げ過ぎか?と思わなくもないですが、原作でも好きなのはムーなので、そのバイアスのせいだと思って下さい
今後、お色気シーンは…
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今より増やせ
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このぐらいでいい
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もう少し減らしていい
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もっと減らして
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無くていい