というわけでプリマスも建造して計画艦5期、コンプリートです
あとは5周年記念に備えてキューブと資金を備蓄しないと…武蔵、来るんだろうなぁ…
──中央歴1642年10月1日、バルチスタ海──
時は少し遡り、グラ・バルカス帝国艦隊が飛来する世界連合航空隊を発見した頃、帝国艦隊の中心やや後方に位置する戦艦の艦橋では、黒ずくめの重厚な物々しい軍服を着用した男達が冷笑を浮かべていた。
「全く…本当に軍部の連中は愚鈍だな。こんなにも接近されるまで発見出来ないとは…」
黒ずくめの男達の中でも一際身なりの良い、いわゆる"偉そうな"が男が嘆息しながらそう述べた。
「はい、ルーマン艦長。これなら我々が初めから出るべきでしたな」
ルーマンと呼ばれた男の傍らに控えていた男が彼に同意するかのように声をあげる。
彼らはグラ・バルカス帝国にて民族主義を掲げて活動する特権階級集団、近衛兵団の海洋活動部の構成員であり、此度の作戦において帝国海軍を監督するという名目で戦艦と空母を1隻ずつ、巡洋艦を3隻、駆逐艦を5隻という艦隊を派遣しているのだ。
しかし、"監督"とは言うものの実態は「近衛兵団が参戦した事で勝利出来た」とプロパガンダに利用する為の実績作りだったりするのだが…
「全くだな、この改ヘラクレス級戦艦とペルセウス級装甲空母…更にはアルゴル艦上戦闘機と、ミルファク艦上攻撃機を以てすれば異世界の蛮族なぞ鎧袖一触に出来るというのに…。見栄っ張りな軍部には呆れてしまうな」
慌てて戦闘機を発艦させる海軍所属の空母を嘲笑しながらも、少し遠くに見える空母へ目を移して誇らしげな表情を浮かべるルーマン。
今回の近衛兵団艦隊の派遣だが、プロパガンダの効果をより高める為に最新鋭兵器を惜しみなく配備していた。
まずルーマンらが乗り込んでいる戦艦だが、帝国海軍において主力戦艦と位置付けられている『ヘラクレス級戦艦』の対空能力を向上させた『改ヘラクレス級戦艦』と呼ばれるものであり、対空火器を管制する高射装置を更新したり一部の副砲を撤去して長砲身の高角砲を装備した謂わば"対空戦艦"とも呼べる戦艦である。
次に新型空母である『ペルセウス級装甲空母』であるが、これまた帝国海軍の主力大型空母である『ペガスス級空母』をベースとしており、空母の戦闘力の源であり最大の弱点である飛行甲板を装甲化したという挑戦的な特徴を持ったものである。
また、同空母へ搭載する艦載機として『アルゴル艦上戦闘機』と『ミルファク艦上攻撃機』があるのだが、アルゴルは2000馬力級エンジンを搭載した頑強な機体を持つ戦闘機であり従来のアンタレスを凌ぐ速度性能を持ちながらも格闘戦能力も高いという最強の名に相応しい戦闘機であり、ミルファクはこれまで分かれていた艦上攻撃機と艦上爆撃機を統合する為に開発された事もあって雷撃も急降下爆撃も可能という次世代攻撃機なのだ。
更には巡洋艦・駆逐艦共に対空・対潜能力を向上させた新型であるが、今回は割愛させていただこう。
とにかく、同数の帝国海軍艦隊が相手なら鎧袖一触、倍の数が相手でも負けはしないという優れた"質"を持つ艦隊こそ、近衛兵団艦隊なのだ。
「しかし、敵方に先制された事は由々しき事態です。航空隊へ直掩機の増加を要請すべきではありませんか?」
ルーマンは戦艦『ラス・アルゲティ』の艦長でありながら、派遣艦隊の司令官も兼任している。
それ故、彼の右腕である副官は万が一を想定して空へ上げる戦闘機を増やすように進言した。
「ふーむ…以下に軍部が腑抜けと言えど、異世界の蛮族共に負けるとは思えんが…。まあ、君の懸念も尤もだ。既に直掩機としてアルゴルが4機展開しているが、万が一があっては近衛兵団の名に傷が付く。通信士、メンキブへ戦闘機部隊の展開を要請せよ」
「はっ!」
副官の進言にルーマンも同感らしい。
少しばかり逡巡した後、通信士へと命令を下す。
「こちらラス・アルゲティ。メンキブへ司令官より通達。制空権を絶対的なものとするため、戦闘機部隊を展開せよ。繰り返す、こちらラス・アルゲティ…」
「まあ、不要だとは思うが…」
ペルセウス級装甲空母『メンキブ』へ自身の命令を伝える通信士を一瞥しながらルーマンは、これより戦闘機を発艦させるであろう同艦へ目を向ける。
「う〜ん…やはり素晴らしいな。あの力強いエンジン音がここまで響いてくるようだ。あのアルゴル部隊が一度空へ上がればワイバーンは勿論、ムーやミリシアルの戦闘機すらも羽虫の如く…」
「あぁっ!」
自信たっぷりに自国が開発した戦闘機の素晴らしさを語るルーマンの言葉を遮る短い悲鳴…それはプロパガンダに使用する写真や映像を撮影する為に同乗させた従軍記者のものだった。
「どうした。貴様も優等種たるバルカス人ならそのような情けない悲鳴は…」
顔を顰めた副官が従軍記者を嗜めつつ、彼が何を目にしたのか視線を手繰るように追う。
その先にあるのは今まさに戦闘機を発艦させようとするメンキブの姿と、その上空から襲いかかる濃紺の機影…
──ドンッ…
「……は?」
濃紺の機影から白煙の帯が伸びたかと思えば、メンキブの艦体の中央部からドス黒い煙を伴った爆炎が立ち昇り、それから少しばかり遅れて腹の底を叩くような轟音が響き渡った。
何が起きたか分からずフリーズする近衛兵団員達と従軍記者…彼らが活動を再開したのは爆炎を背によたよたと飛び立ったアルゴルが、急激な切り返しと上昇を行った濃紺の機影から伸びた火箭によって火だるまとなった時であった。
「め…メンキブ!メンキブ!損害は!?」
《こちらメンキブ!敵機のロケット弾による攻撃を受けた!うわっ!…か、火災が発生している!救援を求む!至急救援を求む!》
一足先にフリーズが解けた通信士がメンキブへと呼び掛けるが、メンキブ側はそれに応答するのもやっとな様子だ。
何故なら濃紺の機影ことムーのコルセアが放った大型ロケット弾タイニー・ティムは1発が開きかけていた甲板のエレベーターに飛び込み格納庫内で炸裂、もう一発は発艦を待っていたアルゴル部隊へと飛び込んだのだ。
それによって発艦待機中の機体は勿論、反撃の為にミルファクへ搭載しようとしていた魚雷や爆弾が次々と誘爆し、メンキブは噴火した火山のような有様となってしまった。
「なっ…なななっ…何が起きた!?メンキブはっ…ペルセウス級は800kg爆弾の直撃にも耐える装甲甲板を持っていた筈だ!蛮族共の兵器では傷すら付けられぬ、鉄壁の空母の筈だ!」
視線の先で小さな爆発を起こしながら蛇行するメンキブの姿を捉えてしまい、ルーマンは額に脂汗を浮べて酷く狼狽えている。
このとき、彼の胸中にあったのは二つの恐怖であった。
一つは指揮下にある最新鋭空母を大破させてしまった事に対する近衛兵団上層部からの処罰…もう一つは、メンキブをあのようにした敵機の攻撃が自身が乗艦するラス・アルゲティへ向けられるという恐怖だ。
「艦長!一旦落ち着いて…」
「た、対空射撃用意!」
「艦長!?」
副官が何とか宥めようとする言葉も振り切り、ルーマンは唾を飛ばしながら叫ぶように命令を下した。
確かに通常なら彼の命令は納得出来るものだろう。
しかし、現在の艦隊上空は敵味方入り乱れての混戦である。
そんな中、対空砲火を打ち上げれば味方機を巻き込んでしまうかもしれない。
それ故、副官はルーマンへ考え直すように呼びかける。
「艦長、冷静になって下さい!現状、高角砲を用いた対空射撃は味方への誤射の危険性があります。今は対空機銃を用いた近接防御を…」
「軍部の連中なぞ誤射しても構わん!我々、近衛兵団に危険が及んでいるのだぞ!?我々は優等種たるバルカス人、その中でも選ばれしエリートなのだ!巻き込まれた軍部の連中も、我々の血を守る為となれば納得する!」
「しかし…」
「私はっ!艦長で艦隊司令だぞ!命令に逆らうか!?」
「…はっ」
血走った目を見開きつつ青ざめた顔で暴論を力説しながら権力を振りかざすルーマンに、副官は渋々ながら同意するしかなかった。
「高角砲、用意!…撃て!」
──ドンッ!ドンッ!ドンッ!
艦体の各部に据え付けられた65口径10cm高角砲が火を噴き、近接信管付きの砲弾を空へと放り投げた。
──バンッ!バンッ!バンッ!
遥か高みで炸裂する砲弾。
いくらレーダー技術を用いた近接信管と言えど、高速で三次元機動を行う航空機に対して百発百中とはいかない。
少なくない数が青空に黒煙の花を咲かせるだけであったが、不運にも1機のコルセアが撒き散らされた弾片の網に絡め取られ、ジュラルミンの体をズタズタに引き裂かれた。
「はっはっはっ!見たか蛮族め!我らバルカス人を愚弄するからだ!」
被弾した敵機は当たりどころが悪かったのか、漏れ出したガソリンの尾を引きながら急速に高度を落としてゆく。
その姿を見たルーマンは小躍りしながら歓喜するが…
「か…艦長…。あの敵機…こっちに向かってませんか…?」
「…え?」
そのまま海へ真っ逆さまだと思われた敵機だが、急に進路を変えるとガクッと機首を下げながらラス・アルゲティへと向かってくるではないか。
「まさか…っ!あの敵機を撃ち落とせ!操舵手、回避!取舵いっぱい!」
ある可能性に思い当たった副官は艦長であるルーマンに指示を仰ぐ時間も惜しいといった様子で防空指揮所と操舵手へと命令を下す。
──ドドドドドドッ!ドドドッ!
「取舵いっぱーい!」
25mm機関砲が雨霰の如く砲弾を打ち上げ、操舵手は操舵輪を思いっ切り回す。
25mm砲弾は回避機動なぞ行わず真っ直ぐ突っ込んでくる敵機を貫き、炎上させる。
だが、間に合わなかった。
──ドォォォォンッ!
「うぉぉぉぉっ!?」
炎に包まれた敵機はそのままラス・アルゲティの最も前方にある第一砲塔へと突っ込み、盛大な爆発を起こした。
「被害報告!応急修理班、すぐさま消火活動を!」
迎撃と回避を指示した勢いでダメージコントロールの指示を出す副官。
しかし、本来そのような命令を出す立場であるルーマンはその場にへたり込んで消え入りそうな声でこう告げた。
「…回頭せよ」
「艦長…?」
「6時方向へ回頭するんだ!我々、近衛兵団艦隊はこの戦域から離脱する!」
「て、撤退ですか?」
「違う!メンキブ乗組員の救助と、本艦の応急修理の為に転進するのだ!」
「了解…しました」
腑に落ちない様子ながらも、副官もこの場は撤退が最善と判断したのだろう。
他の乗組員にもそう伝え、応急修理の指揮を執る副官の影でルーマンは小さく震えていた。
というのも、彼の胸中には新たな恐怖心が芽生えてしまったのだ。
ラス・アルゲティへ突っ込む敵機…そのコックピットに見えたパイロットの鬼気迫る表情を見たルーマンは、すっかり怖じ気付いてしまったのだった。
そういえば今回のブリュッヒャー、いいですよね
よく懐いた大型犬みたいで
今後、お色気シーンは…
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今より増やせ
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このぐらいでいい
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もう少し減らしていい
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もっと減らして
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無くていい