あ、感想の返信は割と体力使うので今後は適当に選んだ感想のみ返信致しますので悪しからず
──中央歴1642年10月3日午前2時、ニグラート連合・レイフォル海上国境付近──
夜も更け、僅かな見張り以外寝静まった深夜…ラジールの目を覚まさせたのは、寒気と尿意であった。
「うぅ…なんだ…やけに冷えるな…」
肩をブルッと震わせ、ベッドから起き上がったラジールは靴を履いて艦長室からやや離れた位置にあるトイレへと向かう。
「…霧?」
トイレの近くにある艦内から甲板へと出る為の水密扉、それが楔形に切った木材で半開きのまま固定されている。
それ自体はトイレの近くであるため悪臭を籠らせないように許可しているが、その扉の向こうは10m先も見えない程の濃い霧が発生していた。
「この時期に、こんな時間帯に霧とは…やはり異世界は気象条件もユグドとは違うのか?」
怪訝に思いながらもラジールはトイレに入りさっさと用を済ますと、手を洗って再び艦長室で睡眠を摂るべく戻って行く。
「あっ、臨時司令。如何なされました?」
すると通路の向こうから見回りをしている砲手の一人が歩いてきた。
「いや、小便をしたくてね。…ん?君、それはなんだね?」
砲手の問いかけに答えつつ、彼の手にある物が気になって問いかけを返すラジール。
「これですか?甲板を見回ってたら、機銃の銃身に引っ掛かっていたんですよ」
そう言って砲手は自身の手にあった何か…一枚の紙を広げて見せた。
それは黄ばんだ質の悪い紙に炭で描かれた"絵のようなもの"であった。
「これは…この世界の文字だな。えー…"おとーさんとおかーさんとわたし"…子供が描いた絵のようだな」
絵の具や色鉛筆が使われず、炭しか使われていない為最初は何が描かれているか全く分からなかったが、言われてみれば確かに父と母と子供を描いたものに見える。
「どこからか飛んできたんですかね?」
「いや、ここは海のど真ん中、陸地からは随分と離れているぞ。ここまで飛んでくるなんて考えられん」
──タタタッ…
「!?」
砲手とラジールが謎の絵に頭を悩ませていると、通路の曲がり角の向こう側から小さな足音が聴こえてきた。
「…誰かいるのか!?」
砲手が足音のした方へ呼び掛けるが、何の返事も無い。
「君、これを」
「ありがとうございます」
ダメージコントロール用に通路の各所に備え付けてある斧を砲手に渡しつつ、ラジール自身もバールを持ち二人してジリジリと足音の方向へゆっくりと歩みを進める。
──うっ…うっ…
「……」
曲がり角の向こう側から聴こえてくる微かな声に、砲手とラジールは互いに目を合わせ、小さく頷く。
「誰だ!」
斧を振りかぶり曲がり角の向こう側に飛び出した砲手に続き、ラジールもバールを中段に構えて飛び出す。
「……子供…?」
しかし、砲手とラジールの目に映ったのは配管の下でこちらに背を向けて蹲っている小さな人影…10歳になるかならないかの年頃の少女であった。
「ど、どこで乗り込んだんだ…?」
夜陰に乗じて乗り込んだ敵工作員だと思い込んでいたラジールはすっかり予想を裏切られ、構えていたバールを下ろすと恐る恐る少女に近づく。
「あー…お嬢ちゃん、どこから来たんだい?」
しゃがみ込み、少女の肩に手を伸ばした瞬間だった。
──おとーさん…おかーさん…どこ…うっ…うっ…
啜り泣きながら両親を探す言葉を発する少女。
それだけなら迷子だと思えるが、ここは絶海の孤島も同然な軍艦…その中に居る時点で普通ではない。
何より、ラジールはその少女から得体の知れない雰囲気を感じ取っていた。
──おとーさん…おかーさん…あついよぉ…あついよぉ…
ゆらり、と立ち上がり二人の方を向く少女。
華奢な体つきを黒いふんわりしたドレスに身を包んだ長い黒髪の少女…しかし、その顔は醜く焼け爛れており、顔の右半分は金属の破片がいくつも突き刺さっていた。
「なっ…!?」
あまりの衝撃に絶句するラジール。
しかし、少女はラジールに縋り付くようにして啜り泣きながら怨嗟の声を上げる。
──おじさん…なんでおじさんのおともだちは…わたしのおとーさんとおかーさんを…ころしたの…?なんで…?なんで…?
爛れた顔からどす黒い血を垂らしながらラジールの脚に爪を立てる少女。
それに対しラジールは絶句したまま何も出来ずにいたが…
「うわぁぁぁぁぁぁっ!!」
半狂乱となった砲手が斧を振り下ろし、少女の脳天に刃を食い込ませた。
「臨時司令!ご無事ですか!?」
「あ…あぁ…」
脳天に斧が食い込んだ少女は倒れてピクリとも動かない。
おそらくはレイフォリア攻撃で両親を喪った少女が、復讐の為に上手いこと艦内に身を潜めていたのだろう。
そうとしか考えられない…いや、可能性はもう一つあるがそんな非科学的な事は信じたくない。
信じたくないのだが…
──うっ…うっ…いたいよぉ…いたいよぉ…おじさん…なんでわたしもころすの…?わたしわるいことしてないのに…
「う…そだ…ろ…?」
倒れ込んだ少女が身動ぎ一つせずに、まるで糸で吊られているかのようにムクッと起き上がり…そのまま宙に浮かんだ。
その様子をラジールと砲手は目を見開き、全身を震わせて見る事しか出来ない。
──ゆるさない…ゆるさない…ゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさない
「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」
宙に浮かび、怨嗟の声を撒き散らしながら向かってくる少女にラジールと砲手はすっかり怖じ気付き、情け無く喚き散らしながら脱兎の如く逃げ出し…気付けば甲板へ出て来てしまった。
「はぁ…はぁ…き、君…今のは…」
「まさか…ゆ、ゆうれ…」
──あぁぁぁぁぁぁぁ…
真っ青な顔を突き合わせながら自身が見たモノが見間違いや幻覚でない事を確認し合っていると、霧の中から女性の悲鳴のような音が響いた。
「こ…今度は何だ…?」
全身を震わせながら音が聴こえた方向に目を向けるラジール。
正直言って見たくはないが、臨時艦隊司令として確認しなくてはならないが…
「あ…あ…あぁ…!」
砲手が腰を抜かし、少しでも"それ"から離れようと這ってでも逃げようとする。
その姿は帝国海軍人として恥ずべきものだが、今のラジールにはそれを咎める事も出来ない。
「ゆ…ゆ…幽霊船…?」
タイゲタの右舷20m程度の距離、そこには不気味な"帆船"が並走していた。
引き裂かれた帆に折れたマスト、穴の空いた船体に、舷側からぶら下がった錆び付いた大砲…青白い篝火がいくつも燃え盛る中、いくつもの人影が蠢いている。
「ひ、人が居る…?なら幽霊船では…」
人影が見えた事に安心したのもつかの間、次の瞬間にはラジールの顔は恐怖により凍りついた。
──イタゾ…イタゾ…シネ…シネ…カゾク…コロシタ…シネ…シネ…ワスレナイ…ウラム…シネ…
「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!助けてぇぇぇぇぇっ!」
幽霊船の舷側からこちらを覗き込んでいたのは、ボロボロの軍服を着たガイコツ…それら全てがラジールを指差しながら恨みがましい言葉を吐いていると気付いた瞬間、彼は恥も外聞も無く逃げ出し、そのまま海に飛び込んだ。
今回のイベント、良かったですね
ロイヤル・フォーチュン、結構好きになりました
今後、お色気シーンは…
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今より増やせ
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このぐらいでいい
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もう少し減らしていい
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もっと減らして
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無くていい