ピックアップ分は確保したので後はイベントを走るだけです
早くモガドールを触りたいですねぇ
──中央歴1642年10月3日午前8時、バルチスタ海──
「被害報告は!?」
「ダメです!軽巡でも一瞬で轟沈してしまって報告が追いつきません!」
「重巡洋艦『ワダラク』傾斜!このままでは…あぁ!」
艦隊旗艦であるパルサーには艦隊のあらゆる情報が舞い込み、それを処理するだけの能力を持った人員が配置されている。
しかし、現状はそんな優秀な人材を以てしても全く処理が追い付いていない。
というのもミリシアルの空中戦艦、パル・キマイラから放たれる15cm級と思われる砲弾によって艦が次々と轟沈している為だ。
駆逐艦は文字通り一撃で轟沈し、軽巡は当たり所が良くても二斉射もされれば轟沈、防御に秀でた重巡であっても三斉射もされれば轟沈という有様だ。
「くそっ、あんな化け物が出てくるとは聞いていないぞ!流石は世界最強の国というだけはある」
冷や汗で顔を濡らしたカイザルが、駆逐艦を次々と屠るパル・キマイラを睨み付けながら吐き捨てる。
見るに40mm機関砲は当たっているが、効いてはいないようだ。
高角砲ならば効果があるはずだ、とばかりに8cm高角砲や12.7cm高角砲が放たれるが、パル・キマイラから発せられる強力な電磁波によって信管が誤作動を起こして遥か手前で起爆するか、起爆せずに空を切るかだ。
「どうにかしなければ全滅だ…だがどうすれば…!?」
軍神と謳われるカイザルだが、所詮は人だ。
人智を超えた存在にどう対処すべきかなぞ全く検討がつかない。
「く、空中戦艦、進路を変更!進路上には…『ラス・アルゲティ』と麾下の艦隊が!」
「戦艦を狙い始めたか!」
見張り員から報告を受けた砲術長が叫ぶように報告する。
ラス・アルゲティはグレードアトラスター級就役前までは帝国最大最強の戦艦であり、現在でも十分通用する性能を持っている。
加えて遠距離砲撃戦を想定している為、撃ち下ろされる砲撃には耐えうるはずだ。
──ゴォォォォォォォンッ!
凄まじい衝撃音が鳴り響き、ラス・アルゲティの艦上に火柱が立ち昇る。
しかし、耐えた。
次々と着脱する砲弾に耐え、ラス・アルゲティはさながら浮かぶ廃墟となりながらも浮力を失う事もなく耐えている。
「よし!ラス・アルゲティは耐えているぞ!空中戦艦は戦艦を沈められるだけの火力は無い!」
それは絶望の中に現れた一筋の希望であった。
パル・キマイラの砲撃は重巡を沈めるのに複数回の砲撃をしなければならない事からもしやと思っていたが、やはり戦艦に対しては有効打を与えられないらしい。
これを上手く利用すれば、戦艦を囮にして他の艦で攻撃する事が出来るだろう。
しかし、その希望は次の瞬間には裏切られる事となるのであった。
──中央歴1642年10月3日午前9時、バルチスタ海──
「なんと…パル・キマイラの斉射を20回以上受けてまだ沈まないとは…やれやれ、敵ながら天晴れだ」
一際大きな空中投影ディスプレイに映し出されたラス・アルゲティを見て純粋に感心したような態度のワールマン。
それは自信が圧倒的優位に立っているからこその余裕なのだろう。
「ふむ、確か連中の戦艦はムーやロデニウスと同じく物理的な素材の厚さに頼った装甲を持っているという話だったな。こうやって見るとコストを度外視すれば厚さがある装甲というのは中々に悪くないのかもしれない」
ミリシアルの戦艦等は自国の軍事的プレゼンスの為に、そして何よりも対魔帝の為に数を揃えるべく、装甲はコストを抑える目的で薄くして魔力強化で補う形としている。
しかし、その設計思想はマグドラ群島での戦いで揺らぐ事となり、今回の件で決定的なものとなった。
今後ミリシアルの戦艦は物理的装甲も採用したものとなるであろう。
「ふん、だがいかに装甲があっても意味は無い。『ジビル』用意」
「艦長、お言葉ですがジビルを使用する為には静止か直線飛行を長時間行う必要があります。その隙を狙われれば…」
「心配するな。連中の主砲は対艦と対地用の照準しか出来ない。当たりはしないさ」
パル・キマイラには大型魔石爆弾『ジビル』を搭載しているが、普段は安全に運搬する為に魔石を不活性化してある。
それを使えるようにする為に活性化するには、振動や横Gが厳禁であり、活性化させた後はすぐさま投下しなければ再び不活性化してしまうのである。
その為、ジビル使用直前はゆっくりと直線飛行をする事となり、大きな隙を晒してしまうのだ。
だが、余裕を通り越して慢心しているワールマンは部下の提言を握りつぶしてしまった。
「それに我々の手で戦艦を沈めなければムーに横取りされてしまう。そうなれば帝国の汚点になる…帝国は世界最強でなければならないのだよ」
「はっ、ジビル活性化作業開始します」
ワールマンに押し切られ、コンソールを操作してジビルの活性化を始める部下を満足そうに一瞥すると、ワールマンは再びディスプレイに映るラス・アルゲティを睨みつけた。
「くっくっくっ…帝国に泥を塗った報いを受けさせてやる…ジビルの活性化は?」
「はっ、現在の活性化率は70%。敵艦隊直上に差し掛かる頃には100%に到達します」
「よろしい。ではあの戦艦の真上に投下せよ」
「はっ、では並行して水魔法防壁を展開します」
パル・キマイラ全体が霧に包まれ、ラス・アルゲティへと向かってゆく。
それに対抗すべく、ラス・アルゲティ麾下の巡洋艦や駆逐艦が対空射撃を行うが、射程外からの砲撃で次々と撃沈されてしまう。
「帝国の力を思い知れ、野蛮人共。ジビル投下!」
ラス・アルゲティの直上に到達したパル・キマイラの下面中央部が開き、内部から細長く巨大な爆弾が姿を現した。
「ジビル活性化率100%」
「水魔法防壁展開完了」
「照準良し」
「これが神罰だ!」
コンソールのカバーを叩き割り、赤いボタンを押すワールマン。
次の瞬間には吊り下げ金具が外れ、ジビルはラス・アルゲティの真上へと投下、高度50m付近で起爆した。
──ドゴォォォォォォォッ!!
薄い弾殻に詰め込まれた火魔石が激しく燃焼し、巨大な火球が生まれて周囲の周囲の酸素を奪うと同時に凄まじい高熱と衝撃波を生み出した。
パル・キマイラ自身は水魔法防壁により傷一つ無いが、爆心地直下にあったラス・アルゲティと、同艦に寄り添うように展開していた麾下の艦隊はそうはいかない。
先ず、ラス・アルゲティと近くに居た艦はジビル起爆時に発生した火球の影響をもろに受けた。
高熱によってラス・アルゲティの艦橋は一部が融解する程に熱せられ、これによって艦橋自体が巨大な窯のようになってしまい、艦長を始めとした艦橋要員は全滅。
艦内に居たものは熱の影響こそ免れたが、燃焼によって発生した低酸素状態によって昏倒し、そのまま新鮮な空気を得られる事無く死亡した。
少し離れた位置にあった艦も高熱による魚雷の誘爆や、衝撃波に叩かれ例外なく爆沈してしまったのである。
「くっくっくっ…はーっはっはっはっ!素晴らしい!素晴らしい力だ!見ろ、異世界の野蛮人共!貴様らは神罰の炎によって生きながら焼かれるのだ!」
ディスプレイに映し出された無惨な姿のラス・アルゲティを目の当たりにしたワールマンは体を捩りながら高笑いを響かせる。
「よし、次はあの巨大戦艦だ!グレードアトラスター級とか言ったか…あの戦艦にジビルを当て、帝国まで持ち帰って晒し者にしてやる!」
狂気を宿したワールマンはパルサーに狙いを定めると、再びジビルの投下準備を開始するのであった。
バルチスタ海戦は次回で本筋は終了、2〜3話程エピローグ的な話をして次に進みます
今後、お色気シーンは…
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今より増やせ
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このぐらいでいい
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もう少し減らしていい
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もっと減らして
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無くていい