異世界の航路に祝福を   作:サモアオランウータン

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ハーメルンも攻撃を受けてアクセス出来ませんでしたね…
運営さんは頑張ってください!


264.オタハイト防衛戦【3】

──中央歴1642年10月9日午後1時、オタハイト北東沖──

 

──カコーン!

 

「な…んだと…?」

 

不機嫌さを隠さないまま昼食のサンドイッチを食し、薄いコーヒーを飲んでいたオスニエルは、驚愕に顔を歪ませてまだ半分ほどコーヒーが入った金属カップを床に取り落とした。

 

「もう一度言います。…フルドと全駆逐艦との通信が途絶しました。5隻との通信が途絶するなんて無線の故障とは考えられません。恐らくは撃沈…しかもこちらに通信する間もなく撃沈されたものと思われます」

 

──ガタンッ!

 

通信士の言葉が聴き間違いでなかった事を確認したオスニエルは、溢したコーヒーで尻が濡れるのも構わずに床に崩れ落ち

てしまう。

 

「な…何があった!?如何に優れた艦載機があれど、通信する間もなく撃沈されただと!?あ、ありえない!ありえない!」

 

現実逃避するように頭を横にブンブンと振るが、あいにくこれは現実だ。

何をどうしようが覆されるものではない。

 

「ど、どうしますか、艦長…」  

 

おずおずと副長が問い掛ける。

それに対してオスニエルは予想外の回答をした。

 

「……ウラニアに旗艦を移し、撤退させる!」

 

「は?旗艦を移す…?」

 

「この艦隊の司令は俺様だ!俺様はウラニアに移り、本艦隊と合流して艦隊を再編成する。この艦の指揮はお前に任せたぞ!」

 

「はぁぁぁぁ!?」

 

呆れた事にこの男は逃げるつもりだ。

確かに全ての艦載機を失ったウラニアを逃がすのは理解出来るし、本艦隊に合流して戦力を補充するのも分かる。

だが、自らの艦から降りて逃げるなぞ船乗りの風上にも置けない、正にクズとしか言いようがない。

 

「いいか?お前は残った巡洋艦の『ヴァリエス』と共にオタハイトへこのまま向かい、攻撃するのだ。俺様は本艦隊から艦載機と艦を融通してもらって合流するから心配するな」

 

「逃げるおつもりですか!?」

 

「逃げるのではない!艦隊司令たる俺様に万が一の事があったら、誰が指揮をするのだ!」

 

「艦に残って下さい!」

 

「えぇい、離せ!おいっ!ボートを用意しろ!」

 

オスニエルを羽交い締めにして、留まらせようとする副長。

しかし体格が良いオスニエルは副長をズルズルと引き摺って艦橋から出ようとする。

 

「逃げんのかよ!このクズ!腰抜け!インポ野郎!テメェなんざ居なくてもやってや…」

 

──バンッ!

 

止まらないオスニエルへの怒りが最高潮に達した副長が、上官相手とは思えない罵倒を投げかける。

だが、それは一発の銃声によって終わりを迎えた。

 

「何だとぉ…!テメェ…言わせておけば調子に乗りやがってぇ!このっ!テメェみてぇなクズ野郎が役に立てる機会をやったってのにっ!上官に向かって!なんだその態度はっ!!」

 

心臓を撃ち抜かれ、絶命した副長を執拗に踏み付けるオスニエル。

その狂気の沙汰に他の乗組員達は絶句するしかない。

 

「あ…の…」

 

そんな中、レーダー手が意を決したように声を上げた。

 

「あ"ぁ"ん!?」

 

「ひっ…!あ…ああああ…あの…れ、レーダーに敵艦が…」

 

「何だと!?早く教えろ、ボンクラが!」

 

「お忙しそう…だった…ので…」

 

「チッ…数と距離は!」

 

「か、数は1、距離は約30kmです…」

 

萎縮して小声でしか喋れなくなったレーダー手に苛立っていたオスニエルであったが、その言葉を聴いた途端に若干上機嫌になった。

 

「はっ、単艦でわざわざ出向いてくるとは馬鹿な連中だ。そんなカビの生えた戦艦でメイサに勝てる訳ねぇだろ。おい、奴が20kmに近付いたら撃ち始めろ」

 

「はっ!」

 

「くくくく…俺様をコケにしたんだ…楽には殺さねぇ…」

 

「た、対空レーダーに反応!低空を小型の何かがこちらに向かって高速で…」

 

──ドンッ!ドンッ!ドンッ!

 

ムーの戦艦をどう沈めるか、それを考えていたニヤついていたオスニエルはレーダー手の言葉と、それから殆ど間を置かずに響いた爆発音によって表情を凍りつかせた。

 

「……は?」

 

油が切れた機械のようにぎこちなく爆発音がした方を見る。

そこには、飛行甲板に大穴が開いてそこから火山のように炎を噴き出すウラニアと、松明のように燃え盛るヴァリエスの姿があった。

 

──ドゴォォォォォォォォンッ!!

 

呆然とその光景を見ていたが、ウラニアが大爆発を起こした。

というのもウラニアの乗組員は爆弾による空爆だと聞いていたのだが、直前になってオスニエルが燃焼弾による空爆に切り替えた為、格納庫や甲板上に爆弾と戦闘機用の増槽が置きっ放しになっていたのであるが、それが誘爆してしまったのだろう。

元客船で殆ど装甲を持たないウラニアはそれが致命傷となり、瞬く間に沈んでしまった。

 

「な…何が…」

 

「また来ました!本艦に向かって…」

 

──ドゴォォォンッ!!

 

「うわぁぁぁぁっ!?」

 

上空から落ちてきた"何か"がメイサの第二砲塔に直撃し、轟音と衝撃が艦全体を揺さぶる。

 

「第二砲塔火災発生!」

「急降下爆撃か!?」

「違う!敵機の姿は無い!」

 

正体不明の攻撃にパニックとなる艦内。

そんな中、オスニエルは艦長としての責務を果たす事もせずに真っ青な顔で、砲塔の天蓋に開いた小さな穴から炎が噴き出す様を震えながら見ていた。  

 


 

──同日、オタハイト北東沖──

 

《……着弾確認。敵戦艦、火災が発生しています》

 

「よしっ!流石はアズールレーンの最新兵器だ。30km先だと言うのに全弾当たったぞ!」

 

メイサから30km離れた位置にあるラ・カサミのCICでは冷静に報告したラ・カサミの虚像と、小躍りするミニラルの姿があった。

 

《やはりミサイルの力は絶大です。威力はやや不足ですが…それでも1発で空母を沈めて戦艦に火災を起こし、2発で巡洋艦を戦闘不能とするのですから》

 

「そうだな。アズールレーンにはもっと威力の高いミサイルがあるらしいが…だが、1発であの威力なら残り16発を叩き付ければいくら戦艦でも致命傷だろう」

 

ラ・カサミがメイサらに撃ち込んだのは、後甲板に搭載されたP-15対艦ミサイルだ。

しかもメイサに対して撃ったのは、弾頭を成型炸薬弾とした対戦艦用の派生型であり、それが砲塔の天蓋に直撃したためメイサの砲塔内は高圧高温高速のメタルジェットで焼き尽くされてしまった事だろう。

 

《残りを撃ち込みますか?》

 

「対戦艦弾頭ミサイルはあといくつだったか?」

 

《半分を対戦艦弾頭にしてありますので、あと9発あります。一応はターターミサイルもその気になれば対艦攻撃出来ますが…》

 

「いや、もしかしたら敵の艦載機が来るかもしれない。ターターミサイルは温存して、対艦ミサイルを弾頭に関係無く叩き込んでやれ」

 

《それでも沈まなかったら?》

 

ラ・カサミの問い掛けに、ミニラルは不敵な笑みを浮かべる。

 

「君の主砲が飾りではない事を教えてやろうじゃないか」

 

《ふふっ…ええ、そうですね。では命令を!》

 

「目標、グラ・バルカス帝国戦艦!対艦ミサイル、全弾発射ぁぁぁぁ!」

 

──バシュゥゥゥゥッ!バシュゥゥゥゥッ!バシュゥゥゥゥッ!

 

後甲板に装備された発射機から16発のP-15が斜め上に向かって次々と発射され、高度100mをロケットモーターの燃焼煙の尾を引きながら飛んでゆく。

 




イシュタムの連中、やり過ぎなぐらいクズですよね…?
まあ、分かりやすく悪役してくれた方が書きやすくはありますね

今後、お色気シーンは…

  • 今より増やせ
  • このぐらいでいい
  • もう少し減らしていい
  • もっと減らして
  • 無くていい
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