今回は誰が実装されるのか…そろそろ潜水艦の計画艦が欲しいところですが、経験値集めが大変そうです
──中央歴1642年10月19日午前9時、グラ・バルカス帝国植民地レイフォル州、州都レイフォリア──
レイフォリアの省庁街の一角に聳え立つ外務省出張所。
そこには今回行われた全世界への宣戦布告を受け、『戦時外交局』という部署が新設されていた。
「わはははは!」
「こりゃ傑作だ!」
「やれやれ、ムーも自棄っぱちだな」
「うるさい!業務中だぞ!」
戦時外交局のオフィスの一角で起きた笑い声を、出勤してきたばかりのシエリアが叱責する。
「あ…申し訳ありません、シエリア様」
「すいません、諜報部が持ち込んだ新聞を読んでいて…」
「シエリア様もご覧下さい。面白いですよ」
姿勢を正した事務員達へ呆れを含んだ視線を向けつつ、彼らが読んでいた新聞に目を通す。
「オタハイト・タイムズ…ムーの大手新聞社か。一面は…なっ…!?」
『大勝利!グラ・バルカス帝国艦隊、大洋に没す』
大文字で書かれた見出しにシエリアは驚愕する。
より詳しく読み進めていくと、シエリアは更に驚愕する事となった。
──去る10月9日、我が国の首都であるオタハイトと経済都市であるマイカルへ向けグラ・バルカス帝国の艦隊が攻撃を意図して接近した。
しかし、精強なるムー海軍と盟友たるアズールレーン艦隊がこれを撃滅、両都市への被害はおろか、友軍への被害も無い完全勝利を収めた。
「なんだと!?」
普段なら荒唐無稽なプロパガンダだと切り捨てるところだが、フォーク海峡での一件が未だに記憶に新しいシエリアにとっては切り捨てるなぞ出来なかった。
「はっはっはっ、そんなに驚かなくてもいいじゃないですか。どうせプロパガンダですよ」
「だが…!」
「ほら、ここを読んで下さい」
何とも楽天的な事務員の言葉を否定しようとするシエリアだが、彼に指差された記事に目を通す。
──今回、我々はアズールレーン第二文明圏派遣軍最高司令官であるロデニウス連邦軍上級大将クリストファー・フレッツァ閣下に、この戦いでどのような兵器が使われたかを独占取材する事が出来た。
フレッツァ閣下曰く、今回使われたのは誘導兵器とジェット機であり…
「は?誘導兵器?ジェット機?」
見慣れぬ言葉に疑問符を脳裏に浮かべながら読み進める。
──まず誘導兵器だが、航空機を攻撃するための対空型、そして艦船を攻撃するための対艦型があるとの事だ。
これらの兵器は航空機或いは艦船に搭載され、今回の戦いではグラ・バルカス帝国の艦載機及び艦船を一方的に攻撃、撃破した事で友軍の航空機と艦船への被害を皆無にする事が出来た。
また、フレッツァ閣下によれば対空誘導弾を用いずともアズールレーン所属空母の艦上ジェット戦闘機は約1200〜2400km/h、つまり最大で音速の2倍の速度を発揮する事が可能であり、マイカルでの戦闘においてはグラ・バルカス帝国の艦上戦闘機を一方的に撃墜したとの事であり…
「ぷっ…あっはっはっ!何だこれは!」
「でしょう?笑っちゃいますよねー」
笑いを堪えていたシエリアだが、とうとう堪えきれなくなったらしく吹き出した。
世界最高の技術力を持っている帝国ですら開発されていない誘導兵器を用いて帝国艦隊を一方的に撃破したなぞ…夢物語にしてもあり得ない話だ。
しかもシエリア達が嘲ったのはそれだけではない。
「ふふふ…音速の2倍…音速の…ふふっ…2倍…!」
「きっと異世界人は基本的な物理学すら知らないんですよ」
脇腹を押え、身を捩りながら笑うシエリアに事務員の一人が嘲笑しながらそう述べる。
というのもグラ・バルカス帝国の物理学では"人間は音速以上の速度で飛行出来ない"というのが定説だ。
我々からしてみれば彼女達の嘲笑をそっくりそのまま返してやりたいところだが、これには事情がある。
グ帝が本格的な産業革命を迎えた頃、後装式の近代的な大砲が軍に配備され始めた頃の話だ。
とある科学誌の記者がとある学者に「巨大な大砲を作り、中身をくり抜いた砲弾に人や物を乗せれば離れた場所まで速く移動出来るのではないか?」と質問した事がある。
それに対する学者の回答は「そんな巨大な大砲や砲弾は作れない、という前提を無視したとしても不可能。砲弾は場合によっては音より速く飛び出すのだから、そんな急加速をすれば人間は耐え切れずに命が危ない」と至極真っ当なものだったのだが…二つの要素がグ帝に間違った認識を植え付けてしまった。
まず一つはその回答が科学誌を引用した新聞記事等によってより簡略化…つまり「音速まで急加速したら死ぬかもしれない」が「音速まで加速したら死ぬ」という風に歪められてしまった事だ。
これに関しては以後の研究によって否定されるだろうが、もう一つの要素がそれを許さなかった。
それこそが、その回答をした学者が当時の皇帝の娘婿だったという事だ。
民族主義が横行しているグ帝にとっては皇帝と血縁たる皇族は最上級の特権階級であり、直系ではない娘婿であっても例外ではない。
皇族の研究結果を否定するなぞあってはならない!…そんな思想の下で積み上げられたグ帝の物理学会は超音速有人飛行に対する研究は全く進んでおらず、高名な物理学者であっても超音速有人飛行は不可能だと断言しているのだ。
「しかもこっちも可笑しい事書いてますよ」
「何々…?」
──また今回活躍したのは各種誘導兵器やジェット機だけではない。
KAN-SENと呼ばれる新たなる種族の活躍は外せないだろう。
このKAN-SENとはなんと信じ難い事に人間の女性の姿に変身出来る軍艦であり、普通の人間のように陸地を歩いたり自動車に乗ったり、飛行機に乗ったり出来るのである。
本取材中にフレッツァ閣下の護衛として同席した女性もKAN-SENであり、取材終了後は実際に軍艦の姿に変身してくれた。
また、我が国も数は少ないもののKAN-SENを運用しており、オタハイトでは彼女達が活躍したとの事である。
「ぶふっ!」
「ね?傑作でしょう?」
百歩譲って誘導兵器や超音速機は分かるが、人の姿に変身出来る軍艦なぞ荒唐無稽や夢物語を通り越し、もはやギャグだ。
「くふっ…ふふっ…どうやらムーは大打撃を受けたようだな!そうでなければ、こんな腕の悪いSF作家が書いたようなプロパガンダを公にするなんて出来ない!」
「まったくですね。ムーは今頃、首都も経済都市も焼かれて国民に虚勢を張るのが精一杯なんでしょう」
「はっはっはっ!」
事務員達に混ざってシエリアが嘲笑していると、電話のベルが鳴った。
──ジリリリリリ!
「はっはっはっ…はぁ〜…ふぅ。はい、こちら戦時外交局。……はい…はい…分かりました。諸君、噂のアズールレーンが来たようだ。昼過ぎには入港するそうだ」
「ほう…ムーがアズールレーンに加盟したとかいう話ですし、ムーとの連名で帝国に赦しを請いに来たのかもしれませんね」
「戦艦1隻だけ…との事だ。精一杯の虚勢なのだろう。だが…哀れだがプロパガンダとは言え帝国を虚仮にしたのだ。それ相応の代償は払ってもらうとしよう」
そう言ってシエリアは自身のデスクに戻ると、アズールレーンの代表がやってくるまでの間、書類の作成を行うのであった。
まあ、普通はKAN-SENなんて存在信じませんよね
今後、お色気シーンは…
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今より増やせ
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このぐらいでいい
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もう少し減らしていい
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もっと減らして
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無くていい