異世界の航路に祝福を   作:サモアオランウータン

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ちょっと明日から忙しくなるので更新が遅くなるかもしれませんがご了承下さい


338.巨人の骸【3】

──中央歴1643年3月1日午前5時、リーム王国西部──

 

──ダダダンッ!ダダダンッ!ダダダンッ!

 

「機関銃だ!伏せガァッ…!」

「タガイがやられた!」

「なんでこの暗さで…ぐっ!」

 

爆撃隊がほぼ壊滅し、意気消沈といった空気が漂っていた飛行場だが、それは直ぐに大きな混乱へと変わった。

この飛行場には人員約600名の警備大隊が配属されていたが、暗闇の中でまさか空挺降下してくるとは思わず、混乱が発生したのだ。

 

「照明弾を打ち上げろ!」

 

そんな中、大隊長である『オーレン・ドーラン』少佐は無線を使い、麾下の迫撃砲小隊へ照明弾を打ち上げるように命令した。 

 

──ボンッ!ヒュウゥゥゥゥゥゥ……

 

迫撃砲小隊に配備されている6門の81mm迫撃砲から照明弾が打ち上げられ、マグネシウムの燃焼による白く眩い光で闇を塗り潰す。

 

「あれは…!」

 

敵の正体と規模を確かめるべく、照明弾の光を頼りに双眼鏡を覗き込む。

すると此方に一心不乱に駆け寄ってくる兵士の姿が見えた。

 

「あれは…アズールレーンとトーパ王国か!」

 

彼らの胸元にはアズールレーン所属を示すワッペンとトーパ王国旗のワッペンが貼り付けられていた。

 

──バスッ!バスッ!

 

「うおっ!?」

 

警備大隊本部建屋のオーレンが顔を覗かせていた窓の直ぐ下にいくつかの弾痕が穿たれる。

最も近い敵とは300m程の距離があり、それでもなおコンクリートの外壁を深く抉る威力があるという事は…

 

──ダダダダッ!ダダダダッ!

 

「ま、まさか奴らは全員に軽機関銃を装備させているのか!?」

 

敵方から聴こえる連続した射撃音…始めはサブマシンガンだと思っていたが、これほどの距離を飛翔して尚もこれだけの威力。

拳銃弾ではなく、ライフル弾であろう。

そしてオーレンが知り得る限りライフル弾をフルオート射撃出来るのは重・軽機関銃しかない。

そして敵は能動的に此方を攻撃している事から比較的持ち運びが容易な軽機関銃を全員ないし大多数が装備しているようだ。

 

「えぇい…野蛮人らしい考えだな!」

 

オーレンの言葉には罵りというよりも畏怖が多く含まれていた。

というのも当然ながら軽機関銃という代物は色んな意味で"重い"。

例えばグ帝の軽機関銃は単純な重量は小銃の2倍以上、コストは5倍以上、弾薬消費量ともなれば比較するのも馬鹿らしい。

そして何よりも空挺部隊に装備させているというのも彼を驚愕させた。

何故ならグ帝における空挺部隊とは使い捨て前提の一種の懲罰部隊であるからだ。

空挺部隊は敵の後方に軽装備で降下するため損耗率が高く、そんな部隊に長い訓練期間と高価な装備を与えるのは無駄であるため、グ帝の空挺部隊は犯罪者や二等国民と呼ばれる税制や福祉的な優遇を受けられない異民族や混血へ、恩赦や一等国民への格上げという餌をチラつかせて志願させ、パラシュート降下を含めた訓練を施し、旧式兵器を装備させて文字通り使い捨てとするのだ。

しかし、現在襲撃している空挺部隊はそんなオーレンの常識とは違うらしい。

 

「戦車!?」

 

間もなく照明弾が消えるといったタイミングでオーレンの目に映ったのは巨大な砲を備えた回転砲塔を持ち、履帯で走行する車両…紛れもない戦車の姿だった。

空挺部隊の最大火力と言えばせいぜい軽機関銃か軽迫撃砲程度…戦車なぞ輸送機の積載能力を考えれば不可能である。

 

「そんなバカな…奴らはグティマウン並みの輸送機を持っているのか!?」

 

──ドンッ!

 

驚愕するオーレンを嘲笑うように敵戦車が主砲を放ち、漸く射撃準備が完了したトーチカを吹き飛ばす。

その威力は近衛兵団に配備されている重戦車の主砲を上回っているだろう。

 

「うっ…各小隊!敵はアズールレーンとトーパ王国の連合空挺部隊!戦車も複数展開している!直ちに迎撃態勢を…っ!」

 

消えかけた照明弾の光でかろうじて見える敵戦車の姿。

その巨大な砲が自身の方向を向いている事に気付いたオーレンは、無線機のマイクを投げ捨て、一目散に逃げ出そうとするが…

 

──ゴッ……

 

彼が聴いたのは轟音の僅か一部。

全てを聞き届ける前に彼は爆風により四散し、大隊本部と運命を共にしたのであった。

 


 

──同日、同地空域──

 

オーレンが麾下の小隊へ呼び掛け始めた頃、飛行場の上空を大きく旋回している2機のC-130の内の1機の機内ではヘッドセットを装着している通信士が機内に設置されたクリアボードにペンで丸を書き込んだ。

 

「探知完了しました。20-66地点が発信源と思われます」

 

「よーく見付けてくれましたね、同志!おそらくはそこが敵守備隊の本部でしょー!さっそく戦車隊に伝達して、ドッカーンとやっちゃいましょう!」

 

件のC-130だが、本機は機内に無線機材を多数配置し、機外には大型暗視装置を装備した空中指揮所として運用されている。

そんな空中指揮所にて傍受した無線通信から発信源を特定した通信士へ、空中指揮所の責任者であるKAN-SEN『オレグ』が怪しげなゴーグルを光らせながらテンション高く答えた。

 

「はっ、各車へ通達。座標20-66が敵守備隊本部だと思われる。主砲にて攻撃し、敵の指揮系統を破壊せよ」

 

《こちら2番車、了解。我々が一番近い。攻撃する》

 

地上に展開したシェリダンの1両からそんな応答があった次の瞬間、地上に大きな爆炎が発生した。

 

「おぉ〜、流石は新型炸薬ですねぇ!爆発力が違いますよぉ!」

 

《こちら3小隊、前方の機関銃陣地を突破出来ない!支援を要請する!》

 

「はい〜、ではこちらから支援しましょうねぇ!よろしいですかぁ?」

 

《了解。3小隊、信号弾を》

 

《了解!》

 

地上から赤く光る信号弾が上がり、3小隊の居場所を示す。

それを受け、旋回していたC-130の内残りの1機が信号弾の方向に機体左舷を向け…

 

──ヴォォォォォォォォッ!

 

まるで布を引き裂くような音と共に盛大なマズルフラッシュが闇を照らし、地上に鉛玉の雨を降らせた。

上空に残ったC-130の内1機は機体左舷に『M134 7.62mmガトリング』通称『ミニガン』とM61バルカンを4門ずつ、そして機体下部に空中指揮所型と同じ大型暗視装置を装備したガンシップ型だ。

そんな本機から放たれるミニガンの銃撃は暗闇ごと機関銃陣地に立て籠もっていた敵を引き裂いた。

 

「おほ〜っ!流石の火力ですねぇ!いや〜…でもも〜ちょっと火力が欲しいので100mm級の榴弾砲を搭載するとかもありですかね〜」

 

まさに圧倒的な制圧力を見せたガンシップに満足した様子のオレグ。

彼女の頭には次なる発明のアイデアが浮かんでいるようだった。

 




しまった…そろそろB★RSコラボなのにダイヤが無い
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