今年は大和が来るかと思いきや、まさかの改大鳳型の白鳳に、伊400型の未成艦である伊404…他の新艦も未成艦で統一してきましたねぇ
──中央歴1643年3月4日午後7時、ムー南東沖──
日も沈み辺りも暗くなってきた頃、ミレケネス艦隊の先鋒である『第166警戒艦隊』に所属する駆逐艦『ナッソス』は迎撃に現れるであろう異世界連合を警戒していた。
「今日も敵は現れず…か。ここまで来ないとなると、敵は…ムーは本土近海で防衛線を敷いているのだろうな」
墨を流したかのような漆黒の海を眺めつつナッソスの艦長である『オージ・ロルバーン』はそう呟いた。
ミレケネス艦隊は旧式駆逐艦や補給艦を多数抱えており、それらに歩調を合わせる為に普段より遅く航行しているが、それでも明日の昼頃には先行した潜水艦隊が展開する会敵予測海域に到達するだろう。
しかし、ここまで敵艦隊はおろか偵察機すらも現れず、遠巻きに少数の帆船が姿を現すぐらいだ。
ここまで敵が姿を見せないと逆に不安にもなる。
「艦長、間もなく交代時間です。お休みになりませんと戦闘に響きます」
「分かった。後は頼んだぞ」
副長から投げ掛けられた言葉を受け、懐中時計を取り出したオージは時刻を確認した後に副長に艦の指揮を引き継ぐ。
ナッソスを始めとした警戒艦隊所属艦はレーダーを増設、或いは高性能型に換装しており謂わばレーダーピケット艦が占めており、その優れた索敵能力で敵艦隊および敵航空機を先んじて発見する事が使命だ。
その使命を果たすためにも十分に休息を取るのも仕事である。
「はっ、何かありましたらお呼びしま…」
「副長、あれはなんでしょう?」
目を細めて遠くを睨んでいた見張りが副長に問い掛ける。
対する副長は話を遮られた事が不愉快だったのか、若干顔を顰めながらも見張りが指差した方を見る。
「……現地漁民の漁火だろう」
北北西の海上に見えるいくつかの光…砲撃なら瞬くような光である筈だが、件の光は数秒間に渡り輝いている。
それを見て副長は漁民が篝火等によって海面を照らし魚介を集めているのだろうと推測した。
「ですが戦時にあれほど大規模に漁火を焚くでしょうか?」
「副長、確かに彼の言う通りだ。レーダー、何か映っていないか?」
嫌な予感を覚えたオージは艦長室に向かうのを止め、レーダー手へ問い掛ける。
「いえ、何も…はっ!こ、高度500m以下に反応!数は10以上!速度は…」
驚愕の表情を浮かべたレーダー手が言葉を続けようとした瞬間だった。
──ドンッ!ドゴォォォォンッ!!
「なっ…!?」
漆黒の海を照らす赤黒い爆炎と静寂を切り裂く轟音。
それが味方の方から、しかも警戒艦隊旗艦である軽巡洋艦『ガドフィン』が発生源である事を認識し、オージ達ナッソス乗組員は顔を青褪めさせた。
「ガドフィンが沈んでいきます!い、いったい何が…!」
「レーダーに反応があっただろう!ならば空襲だ!」
「しかし、こんな暗闇で空襲なんて自殺行為です!それにレーダーに映った反応は航空機にしては小さ過ぎますよ!」
酷く狼狽えたレーダー手と副長が口論するが何があったのか、その場に居る者はもちろんおそらくガドフィンの乗組員自身も分かっていなかっただろう。
しかし、残念ながら彼らが頭を捻っている間にも事態は悪化の一途を辿る。
──ドゴォォォォンッ!ドンッ!ドンッ!
「な…なんだこれは…」
"何か"が直撃し、爆沈し行く僚艦達。
しかし、そんな中で"光の線"が飛び交うのが見えた。
その様はまるで流星…天から降り注ぐ星が艦隊を襲っているかのようだ。
「いったい…いったい何が起きているんだ!」
天を仰ぎ崩れ落ちるオージ。
それが彼の…そしてナッソスと乗組員の最期であった。
──ドゴォォォォンッ!
高度300m付近から急降下した"何か"はナッソスの艦橋根元に突入し大爆発を起こし、ナッソスに搭載されている砲弾や魚雷を誘爆させ、巨大な火の玉と化したのだった。
──同日、同海域──
「ミドリ司令、敵艦隊にて多数の爆発を確認!少なくとも10隻近くは沈めていますよ!」
「よしよし、流石はアズールレーンの最新兵器だ。このまま波状攻撃を仕掛けるぞ!」
「はっ!」
ミレケネス艦隊より北北西30kmほどに展開した艦隊…彼らはロデニウス連邦海軍の艦隊だが、その陣容は一般的に想像される艦隊とは懸け離れていた。
というのも艦隊に所属するのは"艦"というにはあまりにも小さい…軍艦の中でも小さな駆逐艦よりも遥かに小さいその"船"は北方連合で開発された『オーサ型ミサイル艇』である。
全長は40mにも満たず、排水量に至っては200トン程度…駆逐艦にも圧倒される小柄な船であるが、本船の強みはなんと言っても両舷に2基ずつ装備されたミサイル発射管と搭載されたP-15対艦ミサイルだ。
この最大射程40kmにも及ぶ対艦誘導弾と小型かつ高性能なレーダー、40ノット近くにもなる速力により本船はこうした夜間の奇襲や島嶼部での襲撃において格上すら屠る力を秘めているのである。
「ははっ、見ろ。奴ら手当たり次第に対空砲を打ち上げているぞ。どうやらミサイルを航空機だと思っているらしい」
遠くに見える曳光弾の光の尾を見て軍船ピーマの艦長からミサイル艇戦隊司令官へと昇進したミドリが愉快そうに述べた。
P-15は航空機と比べて遥かに小さく、1000km/h程度の速度が出ている。
回避運動をするといった複雑な動きこそしないが、この闇夜で撃ち落とす事は困難を極めるだろう。
「ミドリ司令、奴らの電波をバッチリ捉えられていますよ。これなら此方がレーダーを使う必要はありませんね」
「うむ。各艇には引き続き逆探知による索敵を行うように指示を」
オーサ型は元々小柄な上に汚染物質の洗浄を目的とした丸められた角のお陰で意図せずある程度のステルス性を持っている。
30kmも離れているのならば敵レーダーに映る事は殆ど無く、例え捕捉されても全力で逃げれば良い。
唯一、航空機相手は厳しいものがあるが、グ帝の技術では夜間に高速で走るオーサ型を攻撃する事は不可能だろう。
「攻撃可能な艇はあとどれほどだ?」
「はっ!現在ミサイル艇戦隊全31隻の内、18隻が攻撃を行いましたので残りは13隻…本船は司令艇でミサイルは搭載していないのでミサイルは48発となっております」
ミドリが座乗するオーサ型『ピーマ2世』はミサイル発射管を撤去し、代わりに通信機器や戦隊司令部要員を搭乗させている。
そのためピーマ2世には艇の前後に搭載された30mm機関砲以外の武装が無い。
「性能諸元では1隻につき2発で戦艦および重巡洋艦以外の敵艦を無力化出来るとある。ならば最大で24隻を無力化出来るが…」
「それでは撤退時に丸腰となってしまいます。せめて1組は残して置くべきです」
「うむそうだな。では1組のみ残し、他は攻撃を」
「はっ!」
ロデニウス連邦においてミサイル艇は3隻を1組として運用しており、これを踏まえれば撤退時に万が一敵艦隊に出くわしても12発のミサイルで煙に巻く、或いは撃退する事が出来る筈だ。
そんな副官からの進言を受け入れたミドリは1組以外への攻撃を指示した。
その後、ミサイル艇戦隊はミドリの指示通りの攻撃を行い多数の敵艦を無力化或いは中破以上の損害を与える事に成功したのだった。
実を言うと大和が実装されるかどうかでグ帝大海戦のあれこれを変えるつもりだったので、情報発表まで更新を控えてました
まあ大和はストーリーで出る可能性もあるのでもう少し粘ってみましょうかね