異世界の航路に祝福を   作:サモアオランウータン

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デート・ア・ライブコラボ、皆さんの進捗は如何でしょうか?
私はとりあえず全員確保出来ましたので、後はポイント交換の為に周回するぐらいですね


366.新超大国の余裕

──中央歴1643年3月4日午前11時、レインボーヤード捕虜収容所──

 

──ガタンゴトンッ…ガタンゴトンッ…キィィ…

 

レインボーヤードと外界を繋ぐ唯一の出入り口である収容所駅に列車が到着した。

この列車には収容所で使われる食料を始めとした各種物資が積み込まれている他、新たに捕虜となった者が客車に乗せられている。

 

「長旅ご苦労!案内に従い、大人しく行動せよ!」

 

看守の言葉と共に外側から施錠された客車の扉が開けられ、中から30名程の捕虜となったグ帝の将兵が姿を現した。

 

「ここがロデニウス連邦の捕虜収容所か…」

 

窓が塞がれた客車に長時間揺られたせいで日光の眩さに目を細めるのは、第8軍団所属の砲兵であった『テルス・マーロン』伍長である。

彼は『アルーの戦い』にて重傷を負ったもののムー陸軍に救助され治療を受けた後、ムーに派遣されていたアズールレーンの病院船で療養し、この捕虜収容所に送られたのだ。

 

「立ち止まるな。早く歩け」

 

「分かった」

 

看守の言葉は高圧的であるが、それは威圧していると言うよりも風紀を守る為に厳しく言っているように思えた。

 

「新規収容者は此方に並ぶように」

 

案内の看守に促されるまま、駅構内に設置されている受付に並ぶテルス達捕虜。

そこでは捕虜達の身分確認と収容所内での身分証の配布が行われていた。

 

「次っ!」

 

「私か」

 

受付の看守に呼ばれ、一歩前に出るテルス。

 

「姓名と階級、捕虜となった場所は」

 

「テルス・マーロン伍長だ。ムーのアルーという町の近くで捕らえられた」

 

「テルス・マーロン伍長…アルー近郊…これか」

 

看守がカウンターに置かれたケースから1枚のカードを取り出し、テルスの前に置いた。

そのカードにはテルスの姓名はもちろん、療養中に撮影された顔写真と12桁の番号が印刷されている。

それを見たテルスはカードの質感の良さと印刷の鮮明さに舌を巻くが、看守はそのような反応は慣れたものなのか淡々と簡単な説明を行う。

 

「これが貴官の姓名だ。上段は我々が使用する共通語、下段は貴国の言語だ。下段の表記で間違いないか?」

 

「……あぁ、問題ない」

 

「よろしい。このカードは収容所内で様々な形で活用するから、その事について説明がある。そこのロビーで指示された通りに並んで待機するように」

 

「分かった」

 

看守の言う通りテルスはロビーに並び、しばらく待機した。

そうしていると新たにやって来た捕虜全員にカードを配り終えたタイミングで、説明役の看守が並んだ捕虜達の前に立った。

 

「全員、身分証カードは受け取ったな?受け取ってない、或いは記載された姓名に間違いのある者は申し出るように。……居ないな?ではこのカードについて説明する」

 

そう言って看守がサンプルのカードを掲げ、説明を始めた。

 

「このカードには貴官らの姓名及び顔写真が印刷されている為、収容所内での身分証として使用出来る。しかし、このカードには様々な情報が記録されている。これに関しては実際に見てもらった方が分かりやすいだろう。あの機械の光っている箇所にカードを触れてくれ」

 

看守が指差した先には樹脂の外装を持つ人の腰ぐらいの高さの角柱状の機械が5台程設置してあった。

その機械の天板には確かにカードと同じサイズの四角い光るスペースがあり、その上には小さなモニターらしき物が埋め込まれている。

 

──ピッ

 

「おぉ?」

 

看守の言う通りにすると、モニターに以下のような文言が表示された。

 

──テルス・マーロン伍長

  アルー近郊にて保護

  治療歴・あり

  所持金・0

  特記事項・負傷により右肺一部摘出──

 

「そのようにカードには個々人の個人情報が記録されている。もし無くした際には印刷されている12桁の個人番号とこの後設定してもらう暗証番号が必要となるが、再発行は非常に面倒な為、可能な限り無くさないように。それとこのカードはこの後説明する労働にも必要になるからな」

 

「これはスゴイな…こんな薄っぺらいカードを翳すだけで情報が出てくるなんて」

 

タッチ式ICカードの技術に舌を巻くテルス達捕虜だったが、驚きも束の間、看守の声が響いた。

 

「間も無く昼食だ!案内に従い、食堂へ向かえ!」

 

時計を見ると11時45分を指している。

ちょうど空腹を覚えていたテルス達は不安と期待が織り交ぜになった心境で、案内に従って食堂へと向かった。

 


 

──同日、レインボーヤード捕虜収容所駅構内食堂──

 

「これは…」

 

収容所駅の構内に設置された食堂。

そこに集められた捕虜達はトレーを手に持ったまま驚きの表情を浮かべていた。

食堂に集められた彼らは先に石鹸で手を洗うように指示され、洗った後はアルミ製らしい幾つもの窪みがあるトレーを渡され、カウンターの前に並ぶように指示された。

そうするとトレーにはカウンターの向こう側に居る配膳員によって茹でた長くて太いウインナーが2本、蒸したブロッコリーと人参、半分に切ったリンゴ、全粒粉パン、バター、パックの牛乳が次々と盛り付けられたのだ。

これには捕虜達はいい意味で裏切られた。

最低限、食える物が出てくれば御の字だと考えていた彼らはそれこそ軍隊よりも質の良い美味そうな食事にありつける事は何よりも有り難い事だ。

 

「各自、好きな席に座れ!テーブル上の調味料、食堂内のサーバーは好きに使って良いが、後に使う者の事を考えて使うように」

 

看守からの指示を受け、捕虜達は思い思いの席に座る。

 

「これが使い放題!?」

 

テルスが座った席の目の前には卓上調味料セットが置かれていたが、これもまた捕虜達を驚愕させた。

塩はもちろん、ソースに胡椒、ケチャップにマヨネーズ…何よりも砂糖がある事は驚きだ。

帝国で砂糖はちょっとした贅沢品であり、軍でも作戦前の特別糧食として限られた量が出されるだけに過ぎない。

だと言うのにこの収容所では上白糖を精製した余りで作った三温糖でこそあるが使い放題…ロデニウス連邦の国力の高さにはただただ驚嘆するしかないのが本音だ。

 

「しかもこれらも飲み放題なのか!?」

 

卓上調味料使い放題だけでも十分過ぎるが、各所に設置されたドリンクサーバーを見てテルス達は更に驚愕した。

ドリンクサーバーは我々が住む現実世界でもお馴染みな病院や薬局の待合室に置かれている物であり、冷水はもちろん、白湯やお茶、コーヒーまで供給出来、サーバーの横には紙コップとコーヒー用の粉末クリームと砂糖が置かれている。

最早テルス達にはここが捕虜収容所とは思えなくなってきた。

まるで一流企業の社食…あるいはそれ以上かもしれない。

 

「ろ、ロデニウス連邦はいったいどれほどの国力を秘めているんだ…こんな国に果たして帝国は勝てるのか…?」

 

捕虜に対してこれほど上質な待遇を与えるだけの余裕があるロデニウス連邦…そんな国と戦火を交える事を決断した祖国の行く末を憂うテルス。

 

──パリッ

 

「……美味い」

 

しかし、そんな心配も口にしたウインナーの弾ける皮と溢れ出す肉汁の旨味の前で霧散してしまうのだった。

 




そういえば大陸ではデアラが人気かつ、デアラ一番人気は狂三らしいですが…もしや大鳳って狂三の系譜だったりするんですかね?
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