そろそろ年末イベントの時期ですが、URは誰になるでしょう?
やっぱりストーリーで言及があったレキシントンⅡになりそうですが…あとは配布がどうなるか
配布があったらそろそろ主力艦の配布URが欲しい所です
──中央歴1643年3月4日午後1時、カルトアルパス──
世界でも有数の港町として知られる神聖ミリシアル帝国カルトアルパス。
普段は各国の商船が出入りするこの港は戦時下という事で商船のみならず軍艦も多数出入りしている。
そんな中、カルトアルパスの特徴である細長い湾の出口に程近い位置に整備された給油施設では、ロデニウス連邦のムー支援輸送船団が給油と積み荷の確認を行っていた。
《東ミリシエント海の南西に低気圧が発生する為、これより1週間程度は時化になるでしょう。続いて……》
「これは面倒だな…積み荷の固縛を補強しないと」
給油施設に停泊する輸送船団の1隻、ロデニウス連邦の海運会社『大東洋郵船』所属の『第3大東洋丸』の航海士『アンデル・ペレスマン』はラジオから聴こえる天気予報を受けて顔を顰めた。
第3大東洋丸が所属する輸送船団はムーへ兵員や物資を輸送した帰りであり、現在は第3大東洋丸も搭載しているムー製の船舶用ディーゼルエンジンを積み込んでいる。
多少の時化では満載排水量14000トンを超える本船はビクともしないが、積み荷は別だ。
船の傾きで家より大きなディーゼルエンジンが滑ればエンジン自体も船も破損してしまうだろうし、運が悪ければバランスが崩れて転覆しかねない。
それを防ぐ為にも固縛を補強せねばならない。
しかし、彼らの行く手に立ちはだかるのは天候だけではない。
《2月28日、午後8時に東ミリシエント海南東部にて第62輸送船団が敵潜水艦と遭遇し、これを撃沈しました。今後も敵潜水艦には細心の注意を払って下さい》
「グ帝の潜水艦が彷徨いているのか…おっかないな。だけど我々には心強い護衛が居る。必要以上に恐れる事もないか」
ラジオから聴こえるグ帝潜水艦の発見情報にアンデルは再び顔を顰めた。
大東洋郵船を始めとした戦時輸送に関わる海運会社はロデニウス連邦軍やアズールレーンから講師を呼び、通商破壊の危険性や戦術を船員に教育しており、潜水艦の厄介さはアンデルも熟知している。
しかし、船橋から外に目を向けた彼の顔には余裕の笑みが浮かんでいた。
そこにあったのは湾内を警戒するように彷徨く小型駆逐艦『ハーコット級護衛駆逐艦』である。
本級はアズールレーン所属の『エルドリッチ』、つまり『キャノン級護衛駆逐艦』を元に設計されており、その諸元も殆ど変わらない。
しかし対艦攻撃用の魚雷は降ろされ代わりに対潜用短魚雷を搭載している為、対潜能力は非常に高いと言って良いだろう。
そして、アンデル達商船乗組員に安心感を与えるのは護衛駆逐艦の存在だけではない。
「ハロー、カリフォルニアのデリバリーサービスだよ〜。皆、アイスとコーラは如何?」
「カリフォルニアさん、ありがとうございます!積み荷の固縛補強が済んだら頂きます!」
そんな折、船橋に入ってきたのは保冷カートを押す小麦色の肌と色素が薄い金髪の美女、アズールレーン所属のユニオン戦艦『カリフォルニア』であった。
そう、船団護衛にはなんと戦艦が着いているのだ。
これだけ聞くと何とも勿体ない…十分戦力になり得る戦艦を護衛にしか使わないというのは戦力の無駄遣いに思えるが、これには理由がある。
というのもカリフォルニアを始めとした一部のユニオン戦艦は最大速力が20ノット程度しかなく、30ノットを発揮出来ると見積もられているグ帝艦艇と正面から戦うには少々心許ない。
しかし彼女達は巡航速力、つまり最も経済的な速力が商船の巡航速力と同等であり、輸送船団の護衛としてはピッタリなのだ。
これに加えて『ボーグ』や『カサブランカ』といった護衛空母、『龍驤』や『ベアルン』と言ったベテランの小型空母や新造された護衛空母も輸送船団を護衛している。
つまり、ロデニウス連邦を始めとした異世界国家軍の輸送船団は戦艦、空母、護衛駆逐艦による護衛艦隊に護られているのだ。
「君が航海士?」
「はい、本船の航海士アンデル・ペレスマンと申します」
「さっき船長さんに話したけど、南回り航路…東ミリシエント海南東でグ帝潜水艦の目撃情報があったから注意してね〜」
「その件ならさっきラジオで聞きました。ですけど撃沈されたようですし…何よりカリフォルニアさん達もいらっしゃいますから怖い物知らずですよ!」
潜水艦に対抗する為の護衛ならば護衛空母及び護衛駆逐艦だけで十分であるというのに戦艦まで護衛に回す理由、それこそが"安心感"である。
というのも海上輸送は多くの民間船が徴用されており、乗組員も殆どが民間人だ。
いくら軍から徴用に対する報酬として危険手当を貰えると言えど、いつ攻撃を受けるか分からない海で長期航海したいと思える者は限られるだろう。
しかし、巨大な戦艦が護衛につくとなれば心強く思え、戦時下での海上輸送に対する忌避化も薄れるという訳だ。
「だけどここから先はペンシルベニアかアリゾナの艦隊に引き継ぐから、私はここまでだね〜。夜に南回り航路の往路便が来るから、私は往路便の護衛をしないと」
「そうですか…でも戦艦が護衛について下さるんですから心強い事に変わりありませんよ!」
そして戦艦が護衛としてついているのは、ミリシエント大陸の東に広がる東ミリシエント海の航路だけではない。
ロデニウス大陸からアルタラス島、ミリシエント大陸南部、ムー大陸を繋ぐ南回り航路には以下のような護衛艦隊が船団護衛を行っている。
西ミリシエント海(ミリシエント大陸西側の大洋)
・第4護衛艦隊(旗艦テネシー)
・第5護衛艦隊(旗艦カリフォルニア)
東ミリシエント海(ミリシエント大陸東側の大洋)
・第6護衛艦隊(旗艦ペンシルベニア)
・第7護衛艦隊(旗艦アリゾナ)
大東洋(ロデニウス大陸西側の大洋)
・第8護衛艦隊(旗艦ネバダ)
・第9護衛艦隊(旗艦オクラホマ)
と主要な護衛艦隊は南回り航路だけでこれだけあり、戦艦を含まない"常識的な"護衛艦隊ともなればこの何倍もの艦隊がそれぞれの海を行く船団を護衛しているのだ。
しかも主要なムー往航路である北回り航路には第1護衛艦隊(旗艦コロラド)、第2護衛艦隊(旗艦メリーランド)、第3護衛艦隊(旗艦ウェストバージニア)の他、トーパ王国に駐留する北方連合艦隊が遊弋している上に対グ帝で連帯する国家が航空戦力を展開、或いは航空戦力の展開に協力している為、グ帝潜水艦隊は強力な護衛艦隊のみならず航空機からの哨戒網の中で圧倒不利な状況で通商破壊に挑まねばならないのである。
「そ〜お?そう言ってくれると嬉しいな〜♪そうだっ!時間があるから何か手伝おっか?遠慮なく言ってよ」
「それは悪いですよ。…と言いたい所ですけど交代の護衛艦隊が到着次第出港したいので、積み荷の固縛の補強を手伝って下さいますか?」
「お安い御用っ♪そうと決まればちゃちゃっとやっちゃお〜」
そう言ってカリフォルニアは船橋を後にすると、甲板へと向かって行った。
「さて…こちらも航法装置の点検を完璧に仕上げるか!」
一方、アンデルもカリフォルニアに負けじと自身に任されているLORAN航法装置のチェックを開始するのであった。
10隻近い戦艦を船団護衛に使うアズールレーンとか言う頭のおかしい軍隊