日付変わりましたし
──中央暦1639年9月25日午前9時、フェン王国首都アマノキ上空──
地上で各国の武官が交流を深めている頃、その上空をガハラ神国の風竜騎士団長スサノウは相棒の風竜に跨がり旋回していた。
《眩しいな…》
「それは仕方ない話だ。パーパルディアが軍祭を妨害しにくる可能性が高いから、アズールレーンのKAN-SENが警戒してるんだからな。」
念話で愚痴る風竜に応えるスサノウ。
確かに今日は、良い天気であり太陽と海からの反射で眩しいかもしれない。しかし、風竜の言う眩しいとは太陽光の事ではない。
風竜が使う不可視の光…レーダー波に酷似したものの事だ。そのような力を持つ風竜はレーダー波を察知する事も可能であるが故に、フェン王国に大使として派遣されているKAN-SENのレーダーを眩しく感じてしまうのだ。
《いやぁ、悪いね。指揮官から警戒しろ、って言われてるからさぁ…》
《いや、気にしてくれるな。飛ぶ事に支障が出る程ではない。》
チラッと風竜が王城の方を見る。
フェン王城の天守閣、その頂上で二人のKAN-SENが鯱に寄りかかっていた。
どちらもピョンッと猛禽類の飾り羽のように跳ねた紫色の髪に、露出度の高い着物を着た『飛鷹』と『隼鷹』である。
風竜の愚痴に応えた飛鷹が肩を竦めつつ続ける。
《そう言ってもらえると助かるよ。》
ガハラ神国は重桜艦に対して友好的だった。
どうもガハラ神国に伝わる『神通力』が重桜のミズホの神秘と似通っているらしく、同じ力を使う同志として。また、ガハラ神国の元首である当代アメテラスと長門が意気投合した為でもある。
「はぁ…どうして指揮官は私を大使役にしたのかしら…"小さな頃に"ずっと一緒に居よう、って約束したのに。」
と、隼鷹が呟く。
「仕方ないだろ。連絡窓口として大使館は必要なんだから。」
「それは分かってるけど…私は指揮官の"オサナナジミ"なんだから、側にいるべきじゃない?」
「……そうだな。」
KAN-SENは成り立ちからして、幼馴染なぞ存在しないはずなのだが隼鷹は何故か自分の事を、指揮官の幼馴染だと思い込んでいる。
いくら否定しても聞かない態度を貫く隼鷹は、長時間委託等に駆り出されている事が多い。大使役に選ばれたのも仕方ない話だろう。
「……!」
飛鷹と隼鷹、二人の跳ねた髪が同時にピクッと動いた。
「隼鷹!」
「えぇ!西方に未確認機、20!」
「到達まで時間がある!隼鷹、避難誘導を頼む!」
「分かったわ!」
隼鷹が天守閣の屋根から飛び降りる姿を横目に、飛鷹は通信機を手に取り呼び掛けた。
「こちらアズールレーンの飛鷹!西方より未確認機の接近を確認、パーパルディア皇国のワイバーンである可能性大!」
《こちらフェン王国、モトム。承知した。各国武官をシェルターに誘導しつつ、対空部隊の展開を行う!》
「了解、いざってなれば私達も加勢する!心配は無用だ!」
《感謝します。飛鷹殿と隼鷹殿が居れば百人力ですな!》
モトムからの通信を受け取った飛鷹は、隼鷹と同じように天守閣から飛び降りた。
パーパルディア皇国で配備されているというワイバーンの上位種、ワイバーンロード。飛鷹と隼鷹が持つ艦載機なら余裕で殲滅出来る相手ではある。
だが、今回はフェン王国軍主体で迎撃を行う事になっている。
「さあさあ、皆さん!窓付きシェルターはこちらですよ!」
そう言って、コンクリート製のトーチカのようなシェルターに各国の武官を誘導して行く飛鷹。
今回の迎撃がフェン王国軍主体で行われる理由。それは、ロデニウス連邦が第四文明圏構想参加国に貸与した兵器の実用性を実証する為であった。
そう、謂わばフェン王国に攻めてくるパーパルディア軍は、兵器の実験台の役目を知らず知らずの内に押し付けられてしまったのだった。
──同日、アマノキ付近上空──
20騎のワイバーンロード、パーパルディア皇国の国家監察軍所属の部隊はフェン王国に懲罰攻撃を加える為に、アマノキに向かって飛行していた。
「チッ…ガハラの風竜が居る!手は出すなよ!」
部隊長である特A級竜騎士レクマイアが部下に指示する。
風竜はワイバーンロードですら敵わない世界屈指の航空戦力だ。迂闊に手を出せば大損害は間違いないし、そもそもワイバーンロードが風竜を恐れている。
「いいか、とりあえず王城に半数を。残りは……」
第一の攻撃目標はフェン王城。そして、もう一つばかり…具体的には船を狙おうとした。
今日は軍船の日。第三文明圏外国の武官が集まっているはずだ。そんな武官達の前で、パーパルディア皇国に逆らった愚か者がどうなるかを見せ付ける。ならば派手に燃える船がいい、そう考えたレクマイアはどの船を狙うか吟味しようとしたが…
「な……なんだ…同じ船ばかりだ!」
アマノキの港に停泊している船は塗装や掲げた国旗等、他にも細かな差異はあるものの殆ど同じような見た目をしている。
本当に他国の船が混ざっているのか怪しいものだった。
レクマイアが戸惑っていると鞍に取り付けた魔信から声が響いた。
《こちら、フェン王国騎士長マグレブである。そちらはパーパルディア皇国の者であるな?》
「なっ…魔信だと!?馬鹿な、フェン王国には魔法は存在しないはず…!」
《そちらは我が国の領空を著しく侵犯している。即刻、引き返せ。さもなくば撃墜する。》
魔信から聴こえるマグレブの声にレクマイアは嘲笑する。
「はっ、魔信を使えるようになったからと言って調子に乗るな!ワイバーンも持たぬような蛮国中の蛮国が、我々のワイバーンロードを撃墜するだと!?」
だが、マグレブは繰り返し警告した。
《繰り返す。即刻、引き返せ。さもなくば、攻撃の意思があると見なし撃墜する。》
「ほざくな、蛮族めが!」
思い上がった蛮族に馬鹿にされた。そう思ったレクマイアが魔信を強制的に切ろうとした瞬間、僅かに声が聴こえた。
《是非もなし…》
レクマイアは気を取り直して攻撃目標を選定する。
ふと、3隻の船が目に入った。
どれも4機のバリスタを空に向けており、それが見えた瞬間には矢を発射していた。
「ふっ…馬鹿め。バリスタごときが当たるか。」
無駄な抵抗…そう思ったレクマイアだった。
だが次の瞬間、6騎程がガクッと高度を落とした。
【急募】隼鷹の対処法
今後、お色気シーンは…
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今より増やせ
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このぐらいでいい
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もう少し減らしていい
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もっと減らして
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無くていい