今年の新規実装は中々フェチ度が高いお姉さん方で…
改造と着せ替えも来ますし、期待大ですねぇ
──中央歴1643年3月6日午前7時、ムー北方海域──
「……遅いな」
西方より東方へ進撃する1000隻近い大艦隊、それを率いるカイザルは旗艦グレードアトラスターの艦橋で苦々しい表情を浮かべて呟いた。
「仕方ありません。艦隊の多くは旧式艦と輸送船を改装した急造空母です。それらと足並みをそろえる為には致し方ないかと」
カイザルの言葉にラクスタルがそう応えた。
「そうだな、しかし異世界国家の戦闘機は非常に高い性能を持っている。正直言ってアンタレスやアンタレス改では太刀打ち出来んだろう。となれば性能を数で補うしかない」
苦虫を噛み潰したような表情でカイザルはラクスタルにそう返した。
これまでの戦訓から帝国の航空戦力では異世界国家の航空戦力に対して敵わない事は骨身に染みており、それを打開すべくカイザルは対抗策を編み出していたのである。
「爆撃機と雷撃機を一挙に集中させ、敵艦隊の防空能力以上の数を以て攻撃し、防空能力を飽和させる…謂わば"対艦飽和攻撃"ですな」
「うむ」
その対抗策というのが敵の戦闘機及び対空砲火が対処可能な数以上の爆撃機・雷撃機を集中投入する飽和攻撃である。
これならば戦闘機同士の制空戦で勝ち目が無くとも一定の戦果が期待出来、上手く敵空母を無力化する事が出来れば勝ちの目が見えるかもしれない。
故にとにかく爆撃機・雷撃機の数が重要との事で行軍が遅くなる事を妥協し、改装空母をかき集めたのである。
しかし、改装空母といえどあくまでも戦時急造…搭載機数は20機満たない物が殆どであり、中にはタンカーに飛行甲板を乗せただけなので4機しか搭載出来ない物もある始末だ。
そして艦載機は約1200機もの数であるが、前述した飽和攻撃を実現する為に内1000機近くが爆撃機・雷撃機となっている。
もはや制空権確保は放棄した編成であるが、これには大きな問題がある。
「……これは外道の手だよ」
軍帽のツバを摘み、目深に被って表情を隠したカイザルは自嘲した。
この戦術の問題、それこそが艦載機の被撃墜を前提としている事であり、これを実行するという事は艦載機搭乗員に「戦友の遺体を踏み台にしろ」と言っていると同義だ。
言うなればこれは破れかぶれの悪足掻き…仮に成功したとしても帝国海軍の艦載機搭乗員はその多くが失われ、再建には5年は必要だろう。
「長官、しかしこれ以外に手はありません。それに南からはミレケネス閣下の艦隊が…」
「ミレケネスの艦隊は存在しない」
「…は?」
ラクスタルの一縷の望みを込めたような言葉をカイザルは無慈悲にバッサリと切り捨てた。
「貴官には話していなかったが、ミレケネスの艦隊とは定期的に特定の周波数で特定の単語のみを発信し合う事で互いの健在を伝達していたのだが…」
タバコを取り出し、火を点けたカイザルは淡々と言葉を続ける。
「昨日の昼からミレケネスの艦隊からの発信が無くなった。おそらくは異世界国家軍によって…」
「まさか…」
ミレケネスの艦隊にはグレードアトラスター級2隻を擁する有力な艦隊であったはず。
それが定期発信を行う事も出来ない状態になったとなれば、壊滅に近い被害を受けたのだろう。
「しかし閣下、ミレケネス閣下の艦隊を撃破したとなれば異世界国家はそちらに戦力を集中させているのかもしれません。だとすれば此方は手薄に…」
「だと良いがな」
ラクスタルの言葉にカイザルは期待していないような口調で返答した。
確かに普通に考えればミレケネスの艦隊を壊滅状態に追いやるとなれば多数の戦力を投入するより他ないだろう。
しかし、これまで異世界国家…特にアズールレーンとムーが見せてきた力を鑑みればその想定は楽観的と言わざるを得ない。
「……いつ接敵するか分かりません。気を張りすぎていてはいざという時に力を発揮出来ません。少しお休みになられては?」
「まだ艦橋に立ったばかりだ。休むにはまだ早…」
「『ラフレス』より入電!「僚艦の『ランレス』が轟沈!」との事です!」
「何!?」
職務を淡々と遂行している最中だった通信士が艦橋中に響き渡るような鋭い声で発した報告を受け、カイザルは思わず目を白黒させた。
通信を飛ばしてきたラフレスと、轟沈したとされるランレスは同じ型の輸送船を改装した空母であり、艦隊の最も後方に布陣する一群に属している。
そんな艦を他の艦に勘付かれずに攻撃するとなれば…
「まさか潜水艦!?」
ラクスタルの顔がサッと青褪める。
これまでの戦訓から異世界国家には潜水艦が存在し、しかも帝国の物に匹敵する性能を持っている事は判明している。
しかし、帝国海軍は有効な対潜装備も戦術も確立していない。
それだけでも尻込みするには十分な理由だが、更に彼らを顔面蒼白にする報告が飛び込んできた。
「ら、ラフレスより更に入電!「ランレスは艦中央部より真っ二つに破断した」との事です!」
「真っ二つ…」
それを聞いたカイザルは額に冷や汗を浮かべつつも状況を冷静に分析し始めた。
というのもランレスの元となった帝国の戦時標準船は多くの植民地と本国、そして前線を繋ぐ為に長大な航続距離を要求されており、燃料となる重油を満たしたバルジを喫水線下に取付けてあるのだ。
そのため速力は低いものの水雷防御に関しては特筆すべきものがあり、3本の魚雷を喰らって尚も沈没を免れたという実例も存在する。
そんな戦時標準船改装空母が1撃で、しかも真っ二つになって轟沈したとなればカイザルには一つの心当たりが思い浮かんだ。
「艦底起爆か!」
「艦底起爆!?あ、あの魚雷を艦底の直下で起爆させるとかいう…」
「うむ。艦底の直下で魚雷を起爆させれば爆発により海中に巨大な泡が発生し、艦はそれによって持ち上げられる。しかし、泡はそのまま留まる訳ではない。泡は直ぐに収縮するが、艦はそれに引き摺り込まれ…それが何度か繰り返される。すると針金を繰り返し曲げたように…」
「艦が…破断する…!」
ラクスタルの言葉にカイザルが恐れ慄いたように説明する。
艦底起爆は帝国でも研究されているが、的確に艦底直下で起爆させる事が出来る信管の開発に手間取って未だ実用化出来ていない。
もし異世界国家が艦底起爆信管を実用化し、大量配備しているとなれば帝国海軍艦底に施されている水雷防御は何の意味も成さない。
無理矢理へし折られるのだから、水密区画やバルジはただの重りも同然だ。
「駆逐艦は対潜警戒を!少しでも違和感があればありったけの爆雷を叩き込め!」
カイザルの命令を通信士が各駆逐艦に伝達する。
未発達とは言えど帝国海軍の駆逐艦にはパッシブソナーと爆雷が搭載されており、対潜戦闘が可能だ。
今は駆逐艦達の努力に期待し、突き進むしかない。
「艦隊増速!潜水艦は潜航状態では10ノットも出ない!対潜警戒をしつつ振り切るんだ!」
背後に敵潜水艦が潜んでいる以上、下がる事は出来ない。
カイザルが率いる艦隊は前進を強いられるのだった。
私事ですが、妻と娘がインフルエンザになりました
私も感染していると思いますが、今のところ全然症状が出てないのが不気味なところです