そしてもうじき大陸版9周年イベント…噂によれば鉄血イベみたいですが、URが誰になるか気になるところですねぇ
──中央歴1643年3月6日午後2時、ムー北方海域──
──ドドドドドッ!ドドドドドッ!
「うっ…!」
異世界国家軍が待ち受けるであろう方向へと全力航行するグラ・バルカス帝国海軍艦隊であるが、その道程は茨の道であった。
「駆逐艦が炎上しています!艦名不明!」
「直掩機が撃墜されました!も…もう直掩機は居ないのか!?」
「クソ…敵機が速すぎる!」
異世界国家軍の航空機による爆弾やロケット弾による空襲は一先ずの落ち着きを見せたが、空襲が終わった訳ではない。
敵機は機銃掃射により駆逐艦や軽巡洋艦を攻撃し始めたのだ。
駆逐艦は元より、物によっては軽巡洋艦の中にはロクな装甲を持たない艦級も存在し、そういった艦にとっては航空機による機銃掃射すら命取りとなる。
その何よりの証拠に、艦隊のワークホースたる駆逐艦と一部軽巡洋艦は機銃掃射により穴だらけとなり、艦の機材はもちろん乗組員も多数が死傷し、ダメージコントロールが不能となって多数が艦隊から落伍していた。
「此方の航空隊はどうなっている…?敵艦隊に被害は与えられたのか?」
そんな中、分厚い装甲に守られた司令塔の中でカイザルは不安げにそう述べた。
無線による交信が出来ないだけでこれだけの不便を強いられる…もちろん無線封鎖訓練は行っているが、それでもここまで無線が使えないという状況は想定外である。
「司令、あれを!」
「あれは…」
ラクスタルが指差した方に目を向けるカイザル。
司令塔に僅かに開けられた視察窓から伺える直ぐ近くの空母、ペガスス級の『レズボーメ』に1機のアンタレスが着艦するのが見えた。
申し訳程度ながらも飛ばした護衛機が何らかの理由で帰還したのだろう。
しかし、これで敵艦隊の状況を少なからず把握出来るかもしれない。
そう考えたカイザルは、見張員へと指示を出した。
「レズボーメへ帰還機のパイロットから戦況を聴き取り、此方に共有するように伝達を頼む」
《はっ!》
見張台に立つ見張員がカイザルの指示を的確に、かつ素早く手旗信号でレズボーメへと伝達する。
すると暫くしてレズボーメの見張員より手旗信号による返答がきた。
《レズボーメからの返答あり!我が方の航空隊は奮戦し、敵駆逐艦と敵空母を1隻ずつ撃沈したとの事です!》
「おおっ!」
その報告に司令塔が沸き上がる。
敵は確かに強敵ではあるが、決して無敵ではない。
それが分かっただけでも大きな戦果だ。
「やりましたな、カイザル司令」
「うむ。我々が受けた被害と比べれば小さいものだが…我が国の兵器と戦術で対抗出来ると分かった。これを他艦隊のみらず陸軍にも共有すればムー大陸を手中にする事は出来るだろう。敵艦を撃沈したパイロット達が無事に帰還してきたら叙勲の推薦を出そうではないか」
それは正に彼らにとっては光明であった。
しかし、その光明は水平線の彼方より飛来した物体により閉ざされる事となった。
《報告!敵艦隊が存在すると思われる方向より何かが此方に向かっています!》
「何か?何かとはなんだ!?」
《わ、分かりません!航空機よりも遥かに小さ…》
──ドゴォォォォンッ!
見張員からの報告が終わらない内に轟音が鳴り響く。
それはグレードアトラスターの側を航行していたレズボーメからであった。
《レズボーメが…レズボーメが爆発炎上しています!》
「何があった!?」
《敵艦隊の方向から飛来した小型の飛行物体がレズボーメに突入して…》
「バカな…」
泡を食うラクスタルとは対照的に、カイザルは静かに顔を青褪めさせた。
大型空母にこれほどの被害を与えるとなれば、大型爆弾の直撃か、戦艦主砲の直撃しか考えられない。
しかし、上空を飛び回る敵機が投弾した様子は無く、敵戦艦による砲撃とも考え難い。
様々な想定がカイザルの脳内を駆け巡るが、彼はある一つの可能性に行き着いた。
「ロケット弾…」
「は?」
「レズボーメを攻撃したのはおそらく大型のロケット弾だ」
「なんですと!?」
カイザルの言葉にラクスタルは信じられないと言うような表情を浮かべるが、続けられた言葉は納得せざるを得ないものであった。
「我が国の一部航空機には自動操縦装置が搭載されている事は知っているな?」
「は、はい。輸送機や中型以上の多発爆撃機は長距離飛行の負担を減らす為に自動操縦装置が搭載されていますが…しかしアレは速度と機上コンパスによる方位を組み合わせておおよその位置まで真っ直ぐ飛ばす物です。まさか異世界国家軍はロケット弾に自動操縦装置を搭載し、我々を攻撃しているとでも言うのですか!?」
「あぁ、そのまさかだ」
「ですが自動操縦装置は風の影響等で少なくない誤差が出ますし、何より常に移動している艦に直撃させるなんて事が…」
「現状はそう考える他無い。そしておそらく異世界国家軍はこの磁気嵐の影響下であってもレーダーや無線を使う事が出来る技術を持っている可能性がある。この仮説を前提とすれば、異世界国家軍は艦載機により我が方の艦の位置を伝達し、ロケット弾の自動操縦装置に諸元を入力して発射しているものと思われる」
「なんと…」
愕然とするラクスタルだが、カイザルには対策があった。
「しかし、この仮説が正しいとすれば対策する事が出来る。自動操縦装置の諸元を飛翔中に変更する事は不可能だろう。ならばロケット弾が此方に向かって来ている事を視認してから針路を変更すれば回避出来る」
「おお…では各艦にそれを伝えませんと!」
カイザルが提示した対策に表情を明るくしたラクスタルはその旨を手旗信号で他の艦に伝達するように見張員に伝えた。
しかし、カイザル自身は言い様の無い胸騒ぎを覚えていた。
(しかし…本当にこれで回避出来るか?視認出来ない距離から自動操縦でロケット弾を空母に直撃させられるほどの技術があるのならもしや…)
《ガムゼイへロケット弾が向かっています!ガムゼイ、回避運動を…》
グレードアトラスターからやや離れた位置を航行する重巡洋艦『ガムゼイ』へロケット弾が向かったようだが、ガムゼイの乗組員はカイザルの対策を実行すべく、舵を大きく右へ切った。
──ドゴォォォォンッ!
「!?」
《が、ガムゼイ被弾!舷側にロケット弾が直撃しました!》
「なんだと!?ガムゼイは回避していたのではないのか!?」
驚愕するカイザルとラクスタル。
しかし、見張員から告げられた言葉は彼らをより驚愕させる事となった。
《そ、それが…自分の見間違いで無ければ、ロケット弾が針路を変えてガムゼイに直撃しました…》
「針路を変えたぁ!?」
「まさか…!」
ここまで状況証拠が揃えば最早荒唐無稽に思えるが、認識を改めねばならない。
「誘導弾…」
──ドゴォォォォンッ!
冷や汗で襟を濡らしたカイザルの言葉と共に、再び轟音が響き渡った。
あ、あと計画艦9期もそろそろですね
果たして9期は誰が実装されるのか…