レミールがあまりにも原作とかけ離れている、というご指摘を頂きましたので、少し改変しました
元々の『42.流血』は『42.流血(before)』として残しておきます
大体の流れは変わらないので、ご安心?下さい
あと、誠に勝手ではありますが、42話に対する感想の返信は予想以上の件数と身体的疲労により厳しいものがありますので行いません
43話からはちゃんと返信致します
──中央暦1639年10月4日午後1時、パーパルディア皇国第三外務局──
応接室のソファーに指揮官とサン・ルイが座っている。
「俺達だけに呼び出しとは…なんだと思う?」
指揮官がサン・ルイに問いかける。
そう、エストシラント港に停泊していた青剣に『出頭命令書』なる礼儀知らずな書状が届いたのだが、そこにはこう書かれていた。
──『アズールレーン』のクリストファー・フレッツァ、及びサン・ルイは速やかに第三外務局へ出頭せよ。
何とも高圧的な文書だが、無下にする事も憚られるので二人で出頭したのだ。
「少なくとも、フェン王国への公式謝罪の件ではない。そうであるならば、トサカ殿にも呼び出しがかかるだろう。」
「そうだな……サン・ルイ、戦術記録カメラを起動しておいてくれ。何か嫌な予感がする。」
「了解。」
指揮官の言葉を聞いたサン・ルイが、一度目を閉じて再び開ける。
KAN-SENは人型兵器であり、戦闘を記録する為のカメラやマイクが肉体に内蔵されている。
基本的には戦闘記録をとる為のものであるが、一部のKAN-SENが盗撮等を行うために悪用していた事が判明、その後は指揮官の許可が無ければ起動出来ないようなプロテクトが掛けられる事となった。
──ガチャッ…
そんな二人のやり取りを遮るように、扉が開いた。
扉を開けたのはバルコ、次にタールが入ってきて二人とも扉の脇に立つと頭を下げた。
タールとバルコ、二人に出迎えられるようにして応接室に足を踏み入れたのは美しい女性だった。その後に護衛と見られる兵士が二名、マスケット銃を持って入ってくる。
そんな女性が指揮官とサン・ルイを一瞥すると、口を開いた。
「ほう、蛮族の分際でそれなりの身なりではないか。…あぁ、名乗らずともよい。貴様らの名は会談の議事録で知っている。」
開口一番、他人を蛮族扱いという礼儀を著しく欠いた言葉を発すると、対面のソファーに腰を下ろした。
「あの…失礼ですがどちら様でしょうか?先日はカイオス殿が対応を…」
「カイオスは更迭された。私はあやつの後任、皇族のレミールだ。」
皇族…つまり、パーパルディア皇国を支配する一族。そんな大物が何の前触れも無く現れた事に、それぞれ驚く二人。
それに対し、レミールは指揮官を指差した。
「今日は貴様に用がある。」
「私…にですか?」
「そうだ。貴様は、アズールレーンなる蛮族達の同盟の者らしいな?」
「はい、貴女達が文明圏外国と呼ぶ国家による軍事同盟です。」
その当たり障りの無い答えに、レミールは何とも愉快そうに笑う。
「ホッホッホッ…そうかそうか。…あれを持って来い。」
レミールがそう指示すると、外務局の局員らしき人物が水晶の板が取り付けられた装置が運び込んできた。
「これは魔導通信を進化させ、音声のみならず映像まで送受信出来るようにした最先端魔導技術の結晶だ。この装置を実用化しているのは、神聖ミリシアル帝国と我が国くらいのものだ。」
「はぁ…?」
何の脈絡も無く、技術力を見せ付けられた為、レミールが何をしようとしているのか分からなくなる。
少なくとも分かったのは、あの装置がテレビ電話のような物である。という事だけだ。
「これを起動する前に、貴様らに最後のチャンスをやろう。」
レミールの言葉に合わせて、局員が指揮官に紙を渡す。
その紙には色々と書かれていたが、要約するとこうだ。
・アズールレーンの代表者には皇国から派遣された皇国人を置くこと。
・アズールレーンは皇国の求めに応じ、軍事力と奴隷を差し出すこと。
・アズールレーンは今後、皇国の許可無くして新たな国を同盟に加えてはならない。
・アズールレーンは現在知りえるあらゆる技術を皇国に開示すること。
等々が書かれていた。
要は、従属せよ、と言っているようだ。
「……これは?」
「どうやら貴様らは、国家監察軍を返り討ちにしたようではないか。皇軍に劣るとは言え、中々にやるではないか。」
まるで狂人を見るかのような指揮官からの視線に気付いていないのか、得意気に話すレミール。
「よって、我が国が貴様らを有効活用しよう、というのだ。皇国に土を付けた事は、それで水に流してやろう。」
圧倒的優位に立っているかのような態度で、一方的な要求を突き付けるレミール。
だが、指揮官の答えは決まっている。
「断ります。我々は文明圏外国による相互扶助を目的とした組織ですので、貴国に従属する事は理念に反します。」
キッパリと、答えた。
それを聞いたレミールは笑みを浮かべる。美女に似合うような静かな笑みではない。例えるなら…そう、悪魔のような笑みだった。
「ホッホッホッ…そう言うと思ったぞ。多少良い船を持っているようだが…やはり、貴様らのような蛮族にはキツイ灸を据えてやらねばならないな。」
──パチンッ
レミールが指を鳴らすと、水晶の板に色彩も画質も悪い映像が映し出された。
「なっ……!」
「これは…!」
そこには、首を縄で繋がれた百名程の男性。
青剣の艦長であるヴァートを筆頭に、外交官のトサカにフェン王国海軍の兵士や犬耳を生やした男性と、金髪碧眼の男性も居る。
「こやつらは、外交という名目で皇軍の武力を探っていた可能性がある…スパイ容疑で拘束させたところだ。」
「人質か…っ!」
「重桜人とユニオン人も…」
指揮官とサン・ルイがレミールに怒りが籠った目線を向ける。
「そうだ、貴様らの返答次第ではこやつらを見逃してやってもよい。」
「卑怯な!彼らはただ我々を送り届けただけの者だ、彼らがスパイだと!?なんの証拠もない!」
指揮官が珍しく激昂し、立ち上がってレミールに詰め寄ろうとする。
しかし、兵士から銃を向けられる。
「これは外交儀礼…いや、人道に反する極めて野蛮な行為だ!即時解放を要求する!」
「要求…?蛮族如きが皇国に要求だと!?不敬者め!」
レミールは魔信のマイクを取って、冷たく告げた。
「そうだな…十名程、処刑しろ。」
「やめっ……」
水晶の板に映る男達の背後に、マスケット銃を持った兵士が立つ。
《──バンッ!》
《艦長ぉぉぉぉ!》
《──バンッ!》
《うぐっ…》
《──バンッ!》
《チクショウ!てめえら…》
《──バンッ!》
「お前達が何をしているのか理解しているのか!?止めさせろ!」
指揮官の怒りの言葉に、レミールは更に逆上する。
「"お前達"だと…蛮族風情が皇国に向かって"お前達"とはなんだ!」
「蛮族はお前達……」
怒りの言葉を吐き出そうとした指揮官だったが、眼前に何かが飛んで来た。
「指揮官!」
サン・ルイが指揮官を庇おうとするが、一瞬だけ間に合わなかった
──バリンッ!
「グッ…!」
水で満たされたガラス瓶…水差しが指揮官の右目の辺りに直撃し、ガラスが割れて水が飛び散る。
「良いか?貴様らの命なぞ、何時でも消し去る事が出来るのだぞ。」
赤く歪む視界に、嫌らしく笑うレミールが映る。
指揮官は後悔した。
列強国…世界に五か国しかない先進国であるならば、野蛮な振る舞いはしないだろう。その判断のせいで十名以上の命が散った。
「何故そのように人の命を弄べる!」
「ふんっ…貴様ら蛮族からすれば、我々列強国は神にも等しいのだぞ?神が家畜の命を弄ぶ事に何の問題があるのだ?」
理性的で、自らの感情を抑える事に定評のあるサン・ルイが感情を露にしている。
レミールの答えを聞いたサン・ルイは怒り、侮蔑、そして哀れみを含んだ視線でレミールと局員を一瞥する。
「罪人よ、神の裁きを心して待つがよい。……指揮官、手を貸そう。」
「あぁ…すまない。」
瞼の薄い皮膚が裂けたのか、鮮血が滴る傷口を右手で押さえながら、差し出されたサン・ルイの手を左手で掴む。
それなりの重量がある物が頭に当たったうえ、右目が見えないため遠近感が掴めずふらつく指揮官。
そんな二人を見てレミールは嘲笑うような言葉を投げ掛ける。
「正真正銘、最後の慈悲だ。半月後、再びフェン王国に攻め入る。今度は監察軍などという二軍ではない。皇国本来の力、皇軍を投入する。」
応接室を後にする二人の背中に向かって続ける。
「ニシノミヤコ、そしてアマノキが陥落する迄に考えを改めておく事だ。そうでなければ…今度は十人では済まぬぞ?」
あまりレミールが変わってないように思えましたら、私の力不足が原因です
今後、お色気シーンは…
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今より増やせ
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このぐらいでいい
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もう少し減らしていい
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もっと減らして
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無くていい