何故だ……
あと、今回も下手な例え話と独自理論が含まれます
以前、KAN-SENという存在を無声映画に例えた。
KAN-SEN自身が映写機、艤装がレンズ、カンレキがフィルム、弾薬が活動弁士。
今回はその中でも、艤装に搭載される『装備』について説明しよう。
手っ取り早く言えば『装備』は映画における、効果音やBGMと同じだ。
例えば、銃を撃つシーンを想像すると良いかもしれない。
──パンッ!パンッ!
──ドンッ!ドンッ!
この二つの効果音を比べて、どちらの銃声が強そうに思えるだろうか?
多くの人にとっては、後者の方が強そうに思えるだろう。
だが後者の効果音が強そうに思えても、実際に投影されている映像は変わらない。後者の効果音を使ってもフィルムの中に描かれた銃が変わる訳ではない。
それでも視聴者からすれば、後者の効果音が付いていた方が強そうに思える。
これを実際のKAN-SENに当て嵌めてみると分かりやすいだろうか?
例えば『三笠』…彼女は前弩級戦艦であり、稼働状態にあるKAN-SENの中では最も旧式と言ってもいい。
彼女の装備と言えば、『40口径30.5cm連装砲』である。だが、『戦艦』というジャンルの『カンレキ』を持つ彼女は同じ『戦艦のカンレキ』を持つ装備…主砲を装備する事が出来る。
これまた映画に例えるなら、ホラー映画の恐ろしい効果音やBGMは別のホラー映画に使い回しても大きな問題は無い。
それと同じく、戦艦の装備は同じく戦艦であれば時代や勢力を無視して使う事が出来る。
そう、時代や言語が違えど同じジャンルの映画なら効果音やBGMを使い回せるかのようなものだ。
それを踏まえて言えば、『三笠』のような旧式KAN-SENであっても40cm級の三連装砲を装備し、扱う事すら可能なのだ。
しかも、見た目には兵装の変化は無いというおまけ付きだ。
更に、一部の『装備』には『スキル』が備わっている。
これを装備する事によりKAN-SENに後付けで『スキル』を増設する事が可能なのだ。
そして、それらを纏めると…
・『伝承打撃』による圧倒的継戦能力。
・『伝承再現』による超常現象の発現。
・『艤装』と『装備』による旧式KAN-SENの容易な戦力化。及び、『装備』に備わる『伝承再現』による新たな力の後付けが可能。
それらを備えているからこそKAN-SENは、最強の海上戦力として君臨しているのだ。
──中央暦1639年10月21日午後2時、戦艦『マサチューセッツ』戦闘指揮所──
艦橋の窓が爆発により発生した閃光と黒煙に覆われ、外の様子を伺えなくなる。
そんな中、艦長席に座った指揮官はヘッドホンのような形をした耳栓…イヤーマフを装着してタブレット端末をぼんやりと見ていた。
「……流石に、機銃はダメか。」
そう呟く指揮官が見ている画面には、マサチューセッツの艦体の三面図が表示されていた。
いくつかの箇所…機銃が赤く明滅しており、右舷では炎のアイコンが表示され火災発生を知らせていた。
パーパルディア皇国海軍の実力を計り、ムーの観戦武官にアズールレーンの戦艦の実力を示す為に行ったマサチューセッツによる単艦突撃…それは概ね成功したと言えるだろう。
1時間にも及ぶ一方的な被弾でもダメージを受けたのは機銃や一部のアンテナ程度で、あとは小火レベルの火災が発生したのみだ。
「指揮官、対空レーダーに反応。ワイバーンロードって奴かな?」
指揮官の隣にアルミ鍛造製の椅子を持ってきて座っていたマサチューセッツが、バケツサイズのアイスクリームを食べながら窓から空を見上げる。
確かに、空に小さな黒い点が幾つか見える。
指揮官も同じように空を見上げたが、ふととある事に気付いた。
「砲撃が止んでるな…弾切れか。」
「みたいだね。応急修理装置と消火装置を起動してもいいかな?」
「許可する。」
──ブゥンッ…
まるで古いブラウン管テレビが映るかのような音がすると、艦内が淡い緑色の光で満たされた。
これにより艦体を構成するメンタルキューブが活性化され、曲がった機銃の銃身は勿論、表面の汚れまでも修復されて行く。
それと同時に高圧の二酸化炭素と、霧状の水が艦体の至るところから噴き出し火災を消し止めた。
マサチューセッツに装備させている『応急修理装置』と『消火装置』の効果だ。
「もう撃っていい…?」
マサチューセッツがアイスクリームを掬っていたスプーンを、徐々にはっきりと見えてくるワイバーンロードに向ける。
それに指揮官は頷いた。
「あぁ、構わん。」
「了解…」
マサチューセッツに搭載されたボフォース40mm4連装機関、18基72門が火を噴いた。
──ドドドドドドドドッ!
ワイバーンロードより遥かに高い飛行能力を持つ航空機を撃ち落とす為に作られたそれは、濃密な弾幕で無謀な勇気を振り絞って突撃してきた哀れなトカゲを絡めとり、撃ち落として行く。
名だたる航空機と比べてワイバーンロードの貧弱な飛行能力と、対空射撃に晒される事に慣れていない竜騎士の組み合わせだ。ろくに接近する事も出来ず、次々と無残な肉塊となって行く。
「これは深海魚が喜ぶな。」
「指揮官…その冗談、趣味が悪いよ。」
「そうかぁ?」
悪趣味な冗談と共に、指揮官の指先がパーパルディア皇国海軍艦隊の一点で止まる。
「あの目立つ船を狙え。信管は抜いておけ。零距離射撃だ。」
「ん…了解。」
マサチューセッツの主砲搭が、戦列艦パールの砲を向く。
仰角も俯角も付けない、砲身が水平となった正しい意味での零距離射撃だ。
──ジリリリリリリ!
主砲発射を報せるブザーが鳴り響き、マサチューセッツが指鉄砲を同じ方向へ向け…
「BANG!」
──ズドドドォォォォォオン!
一番砲搭から特大の爆炎と共に、至近距離に雷が落ちたかのような轟音が鳴り響いた。
──同日同時刻、第二艦隊旗艦『榛名』──
「ハハハハハ…なんだあれ…反則だろ…」
双眼鏡を覗きながらラッサンが乾いた笑いと共に驚愕を口にする。
それも無理は無い。1時間もの間、絶え間無く降り注ぐ砲撃を僅かな損傷で耐えきった事は勿論、その僅かな損傷でさえ瞬時に修復されてしまった。
もはやインチキであり、奇跡に片足を突っ込んでいる。
隣にいるマイラスも、双眼鏡を持つ手が細かく震えている。
だが、そんなマイラスの背中に抱き付くように同じ方向を見ている女性…ラ・ツマサは目を輝かせていた。
「私もアレ…欲しい…」
どうやらラ・ツマサは、応急修理装置と消火装置が欲しいようだ。
そんな彼女に、榛名が話し掛ける。
「頼めば貰えるんじゃない?指揮官ってKAN-SENには甘いし…倉庫に山積みになってるしね。」
「本当!?一式超重量徹甲弾とかも!?」
「一式徹甲弾とSHSを組み合わせたアレ?多分、大丈夫じゃない?」
「そっかー…そっかー…うふふふ…」
「ちょっ…ラ・ツマサ!耳元で笑われると…あひぃっ!」
ラ・ツマサの吐息が耳に吹き掛けられ、マイラスが体を悶えさせる。
その様子に、呆れを含んだ苦笑を見せたラッサンが再び双眼鏡を覗いた瞬間だった。
パッとマサチューセッツの主砲が光った。
それから数秒遅れ…
──ズドドドォォォォォオン!
戦列艦の魔導砲を…そして、ラ・カサミの主砲をも凌駕する程の砲声が海原に響いた。
発射された砲弾は重量約1200kgにもなりそれを、秒速700m…時速にして約2500kmで飛翔させるのだ。
サウスダコタ級等に使われるスーパーヘビーシェル、通称SHSは近距離での攻撃には向かないが、録な装甲を持たない戦列艦相手にはそれでも十分だ。
──ズガンッ!ズガンッ!ズガンッ!ズガンッ!
その圧倒的運動エネルギーの前には、木造船の抵抗による減衰なぞあって無いようなものだ。
射線上に居た10隻程の戦列艦を貫通し、艦体と艦隊に大穴を開けてしまった。
砲弾は最終的に海に着弾し、特大の水柱を上げた。
たった一発で10隻を撃沈…ラッサンはパーパルディア皇国に哀れみを覚えた。
指揮官の生い立ちの話とか…要るかなぁ…
今後、お色気シーンは…
-
今より増やせ
-
このぐらいでいい
-
もう少し減らしていい
-
もっと減らして
-
無くていい