あの着せ替え、ヤバくないですか?
青少年の何が危ない
あ、あと楊貴妃も引けました(FGO)
──中央暦1639年10月31日午後3時、パーパルディア皇国第一外務局──
ムーの駐パーパルディア皇国大使、ムーゲは書類を詰め込んだブリーフケースを持って第一外務局の廊下を大使館職員三人を伴って歩いていた。
四人の前には第一外務局の局員が案内するように歩いている。
今回の呼び出し、理由は容易に察する事が出来る。
(間違いなく、ロデニウス連邦について…だな。)
そう、今日放送された世界のニュースの内容…ムーがロデニウス連邦主導の第四文明圏の設立を支持する、という声明が原因だろう。
世界第二位のムーが支持する…その事の重大さはどんなに外交音痴でも理解出来るだろう。
「ムー大使ご一行が到着されました。」
案内役の局員が、応接室の扉をノックするとそう声をかけて扉を開けた。
その中には、第一外務局長のエルトや次長のハンス…そして、ここにも首を突っ込んできたレミールの姿があった。
「お待ちしておりました。どうぞ、お掛け下さい。」
エルトが四人にソファーを奨める。
ムー大使一行は皇族であるレミールの姿がある事に驚いたが、とりあえず今はそんな事は脇に置いておく。
「それでは、会談を始めさせていただきます。」
ムー大使一行を案内してきた局員が進行役となって会談の開始を宣言する。
すると、エルトを差し置いてレミールが切り出した。
「貴国はロデニウス連邦などという新興国を列強国に推しているようだが、理由をご説明願いたい。」
その言葉に、ムーゲは予想していた議題に余裕を持って頷いた。
「承知しました。この度、我が国がロデニウス連邦を列強国入りを歓迎…及びかの国が主導する第四文明圏の設立を支持する事となったのは、単純な理由です。」
ムーゲは両肘を太腿に置くような形で前のめりになる。
神妙な面持ちで、厳かに告げた。
「ロデニウス連邦には列強国たりえる力がある。我々の分析では、我が国…おそらくは"神聖ミリシアル帝国すら凌駕する力がある"と判断されました。」
パーパルディア皇国側がざわめく。
エルトは挙動不審になり、ハンスはポカンと口を開け、レミールは驚愕のあまり目を見開いている。
「故に我が国は、ロデニウス連邦は新たなる列強国に相応しいとの声明を発表……」
「き……貴国が支援しているではないのですか?」
ムーゲの言葉を遮るように、エルトが振り絞るような声で問いかける。
自らの言葉が遮られた事に、特に憤る事もなくムーゲはエルトの疑問に答える。
「なるほど…我が国が、ロデニウス連邦に支援をして傀儡政権を成立させた…とお考えですか。」
「ち…違うのですか?」
「はい、ロデニウス連邦は少なくとも我が国を凌駕する技術を持っています。」
そう言ってブリーフケースから二枚の写真を取り出す。
「こちらは、我が国の"最新鋭"戦闘用飛行機械のマリンです。ご存知の方も多いでしょう。」
まず、パーパルディア皇国側に示したのはムーのマリン。それに関してはレミールも知っている。
最大速度380km/hで運動性も高く、連射出来る銃である機関銃を搭載している。
この飛行機械の登場は世界に震撼を与えるに至った。
これを受けてパーパルディア皇国ではワイバーンロードを上回る『ワイバーンオーバーロード』の開発に着手する事となった。
「そしてこちらが、ロデニウス連邦の"旧式"戦闘用飛行機械であるバッファローです。」
次に示された写真は、樽のような胴体を持つ飛行機械だった。
マリンとバッファロー…どちらかと言えばバッファローの方が先進的に見える。
「我が国はロデニウス連邦を支援しているのではありません。むしろ、"ロデニウス連邦がムーを"支援しているのです。」
顔色が悪くなって行くパーパルディア皇国側の様子に気付きながらも、ムーゲは言葉を続けた。
「詳しいスペックは明かせませんが…このバッファローは、我が国のマリンを凌駕する性能を持っています。他にも陸戦兵器や軍艦等…全てにおいて我が国を凌駕しています。かの国に無いものは、国際的な地位のみです。」
ムーゲがそこまで言った時、エルトは震える声で問いかけた。
「つ…つまり…貴国はロデニウス連邦から兵器を輸入する見返りに、ロデニウス連邦の列強国入りを歓迎したと…?」
「はい、少なくとも彼らにはそれだけの力と品格があります。……これは、ロデニウス連邦の外交官より伝えられた話なのですが、貴国はロデニウス連邦の同盟国であるフェン王国の国民…そして、ロデニウス連邦内でも"特別な地位"にいる方を殺害し、負傷させたそうですね?」
ムーゲの言葉に、レミールの肩がビクッと跳ねる。
そんな彼女の態度に、ムーゲは全てを察した。
(あぁ…彼女の差し金か…)
たった一人の愚かな行いの為に犠牲となるであろう、パーパルディア皇国民に哀れみを覚えるムーゲであるが言葉を続ける。
「しかも、謝罪や賠償を拒否したうえで宣戦布告と共に彼らが紳士的に提案した戦時協定を破棄……これは、彼らから"何をされても文句は言えない"という事です。」
レミールの顔がみるみる青くなって行くが、ムーゲからすればそれは所詮パーパルディア皇国側の都合だ。
「し…しかし、なぜ彼らがそんな技術力を……?」
緊張のあまり息を荒くしたハンスが問いかける。
「彼ら…いや、ロデニウス連邦の実質的な盟主である『サモア』は我が国と同じ転移国家なのです。」
「貴国は…そんな話を信じるのですか!?」
恐怖を打ち払うように声を荒げるエルトに対し、ムーゲは落ち着いた様子で答える。
「我が国以外ではお伽噺と思われていますが、我が国…ムーも転移国家であり、当時の記録が残っています。そして、その記録によればムー大陸の転移に取り残された土地こそサモア…当時の『サウ・ムー・アー』なのです。それは我が国に存在するサウ・ムー・アー跡地とサモアの地形が一致している事から、裏付けが取れています。」
信じがたい話だが、ムーが公式の会談でそのような戯言を言うはずもない。
ムーは異端ではあるが、不誠実ではない。それは今までの外交記録からも伺える。
「な……んと…」
エルトは力無く項垂れた。
ここで、パーパルディア皇国の現状を纏めると…
・パーパルディア皇国はロデニウス連邦の怒りを買った。
・そのロデニウス連邦はムーに兵器を輸出する程の技術力を持っている。
・そんな怒り狂ったロデニウス連邦が紳士的に提示した戦時協定を踏みにじった。
・戦時協定を結ばなかったという事は降伏も許されず、軍民問わず虐殺される可能性がある。
・ムーを凌駕する技術力を持つロデニウス連邦に、パーパルディア皇国が勝てる可能性は限りなく低い。
それを理解した瞬間、パーパルディア皇国側の脳裏には一つの可能性が浮かんだ。
──『滅亡』
避けられぬ破滅が、自分達のそばまで近付いている足音がはっきり聴こえた。
──カチカチカチカチ…
異質な音が聴こえた。
ムーゲはその正体を探ろうともしなかった。
自分の向かいに座る女性…レミールが小刻みに震えているのが分かったからだ。
「少なくとも、彼らは理性的です。彼らから提示された謝罪と賠償の条件を受け入れれば、まだ間に合うと思います。」
ムーゲはそれ以上、話すべき事も無いため助け船を出しながら立ち上がる。
「我が国は、パーパルディア皇国に滞在する国民を退去させる決定を下しました。貴国とロデニウス連邦…いえ、アズールレーンとの全面戦争が勃発した際は類を見ない程苛烈な戦闘が予想されますので…我々も、じきに退去致します。」
扉を開けたムーゲは、最後に一言告げた。
「もし、貴国が残っていれば我々はまた戻ってきますよ。」
──バタンッ…
扉が閉められた。
それはまるで、パーパルディア皇国の行く末を暗示しているような……未来が閉ざされたかのようだった。
「ふっ……フハハハハハハハハ!」
突如レミールが大声で笑いだした。
その場に居た者が、ギョッとした様子で彼女に目を向ける。
「謝れ!?謝れだと!?文明圏外国にか!?」
バッ、と立ち上がるレミール。
「我が国は世界に名だたる大国っ!誇り高きパーパルディア皇国だぞ!」
怒りに任せて、テーブルを蹴りあげる。
そのほっそりした脚とは裏腹にテーブルは宙を舞い、さっきまでムーゲが座っていたソファーに落ちた。
──ガシャァァァンッ!
テーブルの上に乗っていたティーセットが砕け、ソファーの脚が折れる。
「ムーの後ろ楯がなんだ!所詮は蛮族の集まり、皇国の力を結集すれば容易く打ち破れるはずだ!」
レミールはもともと大して無い冷静さを欠いていた。
ムーからも忠告を受けたレミールは、その歪んだプライドを刺激されていたのだ。
「アルタラス王国に圧力をかけろ!それと同時に、アルデに侵攻作戦の準備をさせるんだ!」
「あ……アルタラス王国にですか!?」
エルトが聞き返す。
「皇国の戦力増大には大量の魔石が必要だ。クーズだけでは補えん。」
「アルタラス王国を占領するのですか!?二正面作戦に……」
ハンスが異論を唱えるが…
「アルタラス如き1週間もあれば落とせるだろう!」
有無を言わせぬ口調で言い切ると、荒々しい歩みで扉へ向かうと乱暴に開けた。
「いいな、アルデに伝えておけ!」
──バタンッ!
開けた時と同じように、荒々しく扉を閉めると第一外務局を後にした。
素人が軍事戦略に口を出すと録な事にならない
今後、お色気シーンは…
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今より増やせ
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このぐらいでいい
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もう少し減らしていい
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もっと減らして
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無くていい