もう二年も指揮官やってるんですがね…
突然ではあるが、ここでサモア基地の地理について簡単に説明しよう。
まず、サモアには3つの大きな島…サバイイ島、ウポル島、トゥトゥイラ島を中心に幾つもの小島が点在している。
その内サバイイ島は火山があり、開発等がしにくい事もあって西側は演習場、東側は火山の地熱を利用した発電所や温泉等がある。
次にウポル島であるが、この島に軍事施設や工場が集約されており、西側に母港や造船所が、東側には様々な工場が建ち並んでいる。因みに、西側にマノノ島とアポリマ島があるが、このマノノ島に所謂『学園』が存在しており、KAN-SEN達の研修やクラブ活動に利用している。アポリマ島には科学部の研究施設が存在している。
トゥトゥイラ島は民間用地が多く、リゾート地や居住地が中心となり警備の為の軍事施設が東側にある程度だ。
この他にも幾つも小さな島があるが、レーダーや重巡洋艦の主砲を流用した沿岸砲が置かれている監視所が点在しているのみである。
──中央暦1637年2月20日午後3時頃、サモア基地・ウポル島──
「つまり、指揮官様はこの赤城にパイロットの育成をお願いしたい…という事ですのね?」
「正確には一航戦…加賀も一緒にだ。頼めるか?」
「それは構わないが…何故、姉様と私に?提供するのはユニオンの戦闘機だろう。ならば、ユニオンの空母に頼むべきではないのか?」
「加賀の言う通りですわぁ、指揮官様。パイロット育成よりも、赤城は指揮官様と赤城の愛の結晶を育成したいと常々考えておりますのよ?」
ウポル島の西側、重桜の国名の元となった桜の木…『重桜』の枝を挿し木して育てた、常に満開の桜と重桜艦が住まう天守閣と城下町が印象的な重桜街の茶屋で、指揮官とそれぞれ焦げ茶色と白の毛並みを持った狐耳と九本の尻尾を持った二人の女性…誉れ高い重桜一航戦、『赤城』と『加賀』が羊羹と緑茶と共に茶屋の軒先で話し込んでいた。
「まあ、そうだが…やっぱり、やるなら徹底的にやる方がいい。世界最高錬度の一航戦なら、ズブの素人でもそれなりにはしてくれるんじゃないかと思ってな。」
毎度、積極的すぎるアピールをかけてくる赤城の言葉をスルーしながらバナナ羊羹…指揮官の好きな食べ物がバナナである事を知った赤城が製菓メーカーと"交渉"して作らせた物…を口にすると不快ではない苦味と渋みのある緑茶で流し込んだ。
「指揮官、具体的にはどれ程まで育てればいい?」
「やっぱり、子供は二人?きっと指揮官様に似て聡明な子になると思いますわぁ…家は平屋の庭付きで…」
指揮官と同じく赤城をスルーする加賀と、トリップしている赤城。赤城に関しては平常運転なので、今更気にしていない。
「お前達がヒヨッ子って言ってる五航戦レベル…と言ったら?」
「むぅ…指揮官、それは酷な話だ。五航戦の子達は確かに未熟だ。だが…」
「えぇ、指揮官様。五航戦もあれで中々努力していますわ。確かに未熟…ですがそれは、この赤城と加賀から見ればという話。五航戦には五航戦の強さがあるのですよ?」
「姉様の言う通りだ、指揮官。単純に比べられるものでもない。」
加賀と、トリップから戻ってきた赤城が指揮官の言葉に意見する。
表面的には五航戦に厳しい一航戦であるが、実はこうして高く評価しているのだ。
その言葉に指揮官は満足そうに頷き、赤城の足下に向かって声を掛けた。
「だってさ」
指揮官の行動に、怪訝な表情を浮かべる赤城に、何かを察したかのように頭を抱える加賀。
赤城が指揮官の視線を辿り、座っていた茶屋の縁側の下を覗き込む。
「あ…あはは…」
「~~~っ!~~っっ!」
そこには、二人の人影が腹這いになって潜んでいた。
一人は、気不味そうに苦笑いを浮かべて小さく手を振る長い茶髪をサイドテールにした少女…瑞鶴。
そして、顔を真っ赤にして悶えている白髪の少女…翔鶴が居た。
「はぁ…嵌めてくれたな、指揮官。意地が悪過ぎるぞ。」
「俺は誉めて伸ばすタイプでな。鶴姉妹には、お前らの口から誉めた方が効くと思っただけさ」
呆れたような加賀からの非難を悪びれもせず、指揮官は立ち上がり茶屋の傍らに停めているバイク…GAMAHAのYZF-R25に跨がって、ヘルメットを被る。
「それじゃあ、クワ・トイネとクイラのパイロット候補生の教育頼むわ。」
エンジンを始動させて頭を抱えている加賀に念押しすると、フリーズから復帰した赤城が、ゆらり…と立ち上がった。
「し~き~か~ん~さ~ま~?」
「弁明はせん、面白そうだったからやった。以上。」
殺気…というよりも妖気を発している赤城に言い訳も何もしない、直球な本心を告げるとスロットルを捻ってバイクを発進させた。
「逃がしませんわよ~、指揮官様ぁ!」
赤城が飛行甲板を展開し、逃げる指揮官を『烈風』を発艦させ追いかける。
そんな指揮官と赤城に、呆れのため息をつきながら縁側の下から這い出してくる五航戦に手を貸す加賀。
「ふんっ!そ…そそそそんな事言われてもちっとも嬉しくありませんよ!今日を記念して新しい曲を作ろうだなんてちっとも、ちぃーーーっとも考えてませんからね!」
「しょ…翔鶴姉、赤城先輩が指揮官に気を取られてる間に行こう?…加賀先輩、それでは失礼しますっ!」
「ああは言ったが、鍛練を怠るんじゃないぞ。」
顔を真っ赤にして軽いパニックを起こしている翔鶴の手を引いて、その場から離れて行く瑞鶴の背中に釘を刺す。
「これからも精進しまーす!」
離れて行く瑞鶴の返事を聴きながら、一人残された加賀は再びため息をつきながら茶屋に代金を支払った。
「領収書を、指揮官宛に。」
ついでに、この混乱を生み出した指揮官へのちょっとした報復も忘れなかった。
次回は、一年後まで時間が飛びます
ロウリア戦は一年前倒しの予定です
今後、お色気シーンは…
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今より増やせ
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このぐらいでいい
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もう少し減らしていい
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もっと減らして
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無くていい