それを理解した上で読んで下さい
OK?
KAN-SENは人型の『機動戦形態』と、艦船型の『重火力形態』という2つの形態を使い分ける事が出来る。
『機動戦形態』は人間程度の大きさに艦船の能力を凝縮したものであり、兵装の威力や装甲の強度等を保ったまま人間と同じような動きを行える。
その為、通常の艦船が入り込めないような浅瀬や暗礁海域にも入り込む事が出来る上、陸上を歩けば陸地を迂回する事無く別海域に艦隊を展開させる事が出来る。
対して『重火力形態』は通常の艦船と同じ形態である。
『機動戦形態』より小回りこそ効かないが同時に使用出来る兵装が多く、長距離航行時の快適性や安定性に優れ、物資や人員等を多数搭載出来る。
その為、基本的にはセイレーンやKAN-SENと対峙する場合は『機動戦形態』に、対通常兵器や哨戒・輸送任務では『重火力形態』といった風に使い分けている。
だが、一部のKAN-SENにはもう1つの形態が存在する。
それは重桜と鉄血、北連所属の一部KAN-SENが持つ特殊能力だ。
──中央暦1639年12月9日午後2時、デュロ基地──
デュロ郊外の街道上あるデュロ基地。
デュロは小高い山と丘に囲まれた盆地であり、その盆地へと入るために山の麓に整備された街道。そこにデュロ基地はあった。
そんな基地の司令官であるストリームは執務机に広げた地図とにらめっこをしている。
「アールダ将軍、ルトス将軍、ブレム将軍……誰も応答しない…か。」
重苦しい口調で呟きながら、羽根ペンでデュロの沖合いと沿岸部、市街地に数本の斜線を描く。
「飛行機械による攻撃と…敵艦隊による艦砲射撃か。次は、揚陸部隊を送り込み占領するつもりだろうな。だが…市街戦ともなれば敵味方入り乱れての戦闘となる。そうなれば武器の性能差は関係ない。地の利がある此方が有利だ。そうなれば、援軍を呼ぶ時間を稼げる。」
地図上に敵部隊の予想進路を描きつつ思考を巡らせる。
──ゴンゴンッ!
ストリームの思考を遮るように、荒々しく執務室の扉がノックされた。
その事に眉をひそめつつも入室を許可する。
「……入れ。」
「はぁ…はぁ…失礼します!」
「どうした?騒々しい。」
雪崩れ込むように入ってきたのは若手の通信士だった。
額には汗が浮かび、息を切らせている。余程の事があったらしい。
「も、申し訳ありません!ですが、緊急です!」
「…敵部隊が上陸してきたか?」
「はい!」
ストリームは軽く頷き、先程立てた作戦を伝えるべく口を開く。
「よろしい。では、敵部隊を市街地まで引き込み……」
「て、敵部隊は"鉄の獣"を6体、"鉄の地竜"と"鉄の巨人"を多数使役している模様!市街地の建物を薙ぎ倒しながら進攻しています!」
余程テンパっているのか、ストリームの言葉を遮って報告を続ける通信士。
本来なら叱責する行為だが、それは出来なかった。
「な……なん…だと…」
ストリームの手から羽根ペンが、フワリと床に落ちた。
──同日、アズールレーン海兵隊上陸指揮艦『アンバーサ』──
『クリーブランド級軽巡洋艦』の準同型艦であり、ロデニウス連邦海軍のワークホースとして活躍している『バグダル級巡洋艦』。
その内の3隻は改装が行われ、アズールレーン海兵隊の上陸指揮艦として引き渡されていた。
そんな艦の艦橋で、一人のムー国人…ラッサンが苦笑いを浮かべていた。
「は…ははは……なんじゃありゃ……」
アズールレーンが持つ驚異的な技術には慣れたつもりだった。しかし、これはどうだろうか?
アズールレーン海兵隊を乗せた揚陸艦を護衛する為に共に航行していた2隻の戦艦と1隻の空母、そして3隻の巡洋艦。
それらのやや過剰に思える護衛艦隊は、揚陸艦が接岸した後は艦砲や艦搭機で海兵隊を援護するのだろうと思っていた。
だが、それは予想なぞ出来る筈もない形で裏切られた。
──グオォォォォォォォォォォォォ……
デュロ沿岸部から獣…いや、怪物の唸り声のような音が聴こえる。
「ラッサン殿。どうですかな?鉄血の技術の粋を集めた艦隊は。」
そんなラッサンに重厚な軍服を来た男性…シュトロハイム大佐が声を掛ける。
それに対しラッサンは、もうどうしようもないと言うように首を振った。
「我が国では、貴国から提供された図面を元に新型戦車の開発を進めているのですが…いやはや、"アレ"と比べればネズミと地竜ですよ。」
「ふっ…何、気を落とす事はありませんぞ。何故ならば…」
──シュバッ!
軍服の衣擦れと空気が切り裂かれる音を出しながら、右腕を斜め上方に突き出すシュトロハイム大佐。
「我ぁぁぁぁぁが鉄血の造船技術はぁぁぁぁぁ…世界一ぃぃぃぃぃぃ!軍艦を陸上兵器に変形させる事なぞ、造作もないわぁぁぁぁぁぁ!」
(この人、本当に煩いな…悪い人じゃないけど…)
いつも通り煩いシュトロハイム大佐に、なんとも残念な人を見る目を向けるラッサンであった。
──同日、デュロ沿岸部──
「あははははは!どうかしらぁ?蛮族と侮っていた相手に蹂躙される気分は。感想を聞かせなさいよ~。」
甲高い声でサディスティックな笑みを浮かべる小柄な少女。
黒と赤を基調とした改造軍服、長い黒髪に赤と白のメッシュを入れたKAN-SEN『ドイッチュラント』だ。
「姉ちゃん、随分楽しそうね。まあ、私も『装甲獣形態』を出すのは久しぶりだから…少し、楽しい。」
そんなドイッチュラントとは対照的に落ち着いた様子で話す少女。
これまた黒と赤を基調としているが、ボンテージ風の衣装に身を包み、その両手を巨大な手甲で覆ったKAN-SEN『アドミラル・グラーフ・シュペー』だ。
そんな2人…いや、デュロに上陸した6人のKAN-SENは皆、とあるモノに搭乗している。
──グオォォォォォォォォォォォォン!
それがこれだ。
ロイヤル本島への上陸と、大地を埋め尽くす程の陸上戦力を誇る北連への対抗を想定した兵器…それこそが『装甲獣形態』を搭載したKAN-SENである。
これは、KAN-SENの『重火力形態』を獣のような姿に変形させる事により、大型艦船を陸上兵器に転用するというものだ。
普通ならそんな事は考えもしないだろうし、考えても実行はしないだろう。
しかし、鉄血の技術力とセイレーンから入手した技術がそれを可能とした。
まあ、北連にコピーされてしまっているのだが。
因みにドイッチュラントとアドミラル・グラーフ・シュペーの艤装は狼のような姿となっている。
「自分は無抵抗の人々を無慈悲に殺しておいて、自分の番になると命乞いですかぁ?そんな身勝手……許せないよね!」
肉食恐竜のような形態となった艤装の頭に乗っている赤みがかった金髪に、ミニスカートの軍服を着用したKAN-SEN『ローン』がおっとりした口調から急に豹変し、逃げ惑うパーパルディア軍兵士を踏み潰して行く。
悲鳴を上げながら次々と、地面の赤いシミとなる兵士達…思わず目を逸らしたくなる光景だ。
「おーおー…ローンの奴も派手にやってるなぁ。」
そんな光景をなんとも微妙な顔で見る紫色の長髪に、眼帯を着用したKAN-SEN『シャルンホルスト』。
それに対し、彼女の妹である『グナイゼナウ』が棒付きキャンディーで街角を指す。
「シャルンホルスト姉さん。艦砲射撃の撃ち漏らしが有ります。相手方にいくらマスケット銃しかないとは言っても、歩兵には脅威となります。排除しましょう。」
「と…なると、あのデカイ建物にも潜んでそうだな…。よし、『びーる』の荷電粒子砲でブッ飛ばすか!」
「ならば、私の『じゃがいも』は2時方向の倉庫らしき建物を狙いましょう。」
ワニのような姿をしたシャルンホルストとグナイゼナウの艤装が口を開き、口内から複雑な形状の砲口を展開した。
──キュィィィィィィィ……
砲口が赤熱し、艤装の背部に搭載されたファンが回転する。
そして、砲口から閃光が迸った。
──ゴォォォォォォォッ!
雷撃を伴った極太の閃光が大気を焼き、石造りの建物を粉砕する。
建物も、建物に潜んでいた兵士も、全てが閃光の中で塵となる。
「鉄と、血の匂い……あぁ、そうだ。ここが…この戦場こそが我らの生きる世界。」
ドラゴンを模した艤装の背に乗る長い癖のある銀髪に、大胆に胸元を開けた軍服姿のKAN-SEN『グラーフ・ツェッペリン』がアンニュイな口調で告げる。
「良い。それが指揮官…卿が望む戦争ならば…」
鋼鉄の竜が口を開け、オレンジ色に輝く砲口を展開する。
「始めよう──我らの戦争を。」
──ゴォォォォォォォンッ!
落雷の如き轟音と共に放たれる炎のように赤熱した雷撃。
それはデュロの街並みに降り注ぎ、区画をまるごと焼け野原にした。
どうしてこうなったか、って?
分からん。私は雰囲気で執筆している
あ、あと装甲獣形態の艤装が鳴くのは色んなパーツの軋みや駆動音が、装甲内で響いてる音が鳴き声っぽく聴こえてるだけです
今後、お色気シーンは…
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今より増やせ
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このぐらいでいい
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もう少し減らしていい
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もっと減らして
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無くていい