今更ですが、ましまろメンバーは漫画の設定です。
アニメの伸姉は大学生だし。
煙草吸ってるし、しょうがないし。
1週間ある曜日の中の最強はやはり土曜日であろう。休日でありながら翌日も休みなんて、なんて贅沢なんだろう。
もう死んでもいい。だな。いや、死んじゃダメだろう。
しかし、夏休みの中での最強曜日はいつだろう?全部休みなんだから違いなんてないって?
なるほど、すべての曜日が休みなんて何かの漫画の悪役が掲げそうな[平等]でいいのではないか?
そう、しかし結局悪役なので最後には倒されてしまう。
小町、世の中には平等なんて無かったんだよ。
まぁ、俺から言わせれば最強は日曜日だ。外へと遊びに繰り出すウェーイ族なリア充どもとは違い、土日に社会人達が休みだから各スポットに人が多くなる土日は最弱だとか、人が少ない平日が最強だとか俺には関係ない事だ。
朝からのんびりスーパーヒーロータイムを過ごし、その後寝てしまえる日曜日が最強に違いない。違いないはずなんだ。
明日の日曜日以外は……。
先日の伸恵の買い物に付き合う件が、明日の日曜日の朝8時からに決まり、伸恵が俺の家の前に来ることになっている。
ねぇ?伸恵さんや?朝早すぎないかい?
もちろん反論したさ、そしたら、最近の小学生共は朝10時には千佳の部屋に揃って居るらしく、そんな中出掛けようものなら、皆着いて来るに決まっているとの事。
そういう訳で、朝早くから伸恵がじいちゃんの車で俺の家の前まで来て、どっかの喫茶店とかで時間を潰してから買い物するのだとか。
そこまでして買い物したいの?丁度日曜日が特売とかで早くいかないと売り切れちゃうとか?
そして、俺の幸せヒーロータイムは無くなり、明日の日曜日が最弱になった。
まだ、うちの親たちが連日の仕事の疲れの所為で寝息をかいている朝。
土曜日もあったのに疲れ取れないのかよ。やっぱ働きたくねぇな。
小町は家族全員の朝食の準備を終えて、部屋に籠っている。
俺は、音を立てないように自分の部屋を出て、静かに小町用意の朝食をとり、静かに外へ出る。
何このスニーキングミッション。ちょっとテンション上がるんですが!
前回の小町との東京わんにゃんショーデートの時の小町セレクションの服で伸恵の運転する車を待っていれば、程なくして見覚えのある車が家の前に止まる。
「よ、よう八幡。待たせたな。さぁ乗れ。」
「あぁ、おはようさん、よろしく。」
「おはよう。」
助手席に乗れば、車内に漂う煙草の匂い。伸恵は煙草を口に咥え、なぜか頬をほんのりと朱くさせて、意外な事にワンピースなんかを着ていた。
「お、おぅ。なんか伸恵がワンピースとか珍しいな。
でも、スゲェ似合ってんじゃね?」
「ぁ、ぁりがとぅ」
馬鹿か俺は!何さらっと歯の浮くような事言ってんの?
リア充なの?爆発するの?
うっかり、伸恵のワンピース姿に驚いて口から言葉が勝手に出やがった。
これは、小町の所為でもあるな。あいつとどこか行けばまず服を褒めさせられるからなぁ。
昼から出かけるって時も朝と同じ服なのに褒めろというし、いったい何なの?
時間潰しの為の喫茶店へ着くまで車内は終始無言でした。
今、俺の足にふてぶてしい顔をした一匹の雌猫が尻尾でぺしぺしを攻撃を仕掛けている。
なにこれ、超可愛いんですけど。うちのカマクラのような憮然とした態度をとりつつ、ちゃんと俺に構ってくれるなんて。俺は人じゃなくて猫に生まれるべきだったのかも知れない。
ここは、本来の目的地となる高校生御用達の東京BAYららぽーとの近くにある猫カフェだ。
特に猫と遊ぶスペースが設けられている訳ではなく、普通のカフェに多くの猫がいるっていうのがコンセプトなのだとか。
ただし、座りながら猫に触れるようにと、席が掘りごたつの様になっていて、テーブルは透明のガラステーブルだ。
伸恵はよくこの店に来るらしく、自由気ままに動く愛嬌のある猫たちを見て癒されているのだとか。
それって美羽に愛嬌が欲しいってことじゃ……いや、俺は何も言うまい。
猫の力もあり、車内での気まずさが無くなって来た頃、俺達の席にクリーム色のカーディガンを着た黒髪の凛とした美少女が近づいて来る。
まぁ、雪ノ下なんだが。そうか、あいつ猫好きだったものな。
最初は俺に気付いていない様だった雪ノ下だが、店内を歩くにつれて俺を見つけてしまい、目が合ってしまった。
「えっ?」
俺を見て、その対面に座っている伸恵を見て、驚きを露わにする雪ノ下。
ちょっと、その反応酷くない?俺と一緒に猫カフェに行く女子がいてもいいでしょ?
……だがまてよ、俺はふと材木座が川なんとさんと一緒にカフェにいる事を想像しようとしてみた。
……無理でした。そうだね、雪ノ下の反応は正しかったよ……。
「よ、よう。」
さすがに、目が合ってしまったのでは、無視も出来ずに声を掛ける。
いや、無視は出来るよ?むしろ普段の俺なら声など掛けないだろう。
しかし、ここで雪ノ下に小町への連絡を取られると面倒臭い事になると思ったんだ。
だから声を掛けたのは間違いじゃないはず。たとえ目の前の伸恵の視線が痛くても!
「え、えぇ、こんにちは。どうして比企谷くんがここへ?」
「ここは伸恵に連れられて来たんだ。俺はカマクラがいるから自分じゃこういう所は来ないんだが、カマクラ以外の猫も意外といいものだな。」
と、伸恵の方を見て、自己紹介を促す。俺が二人を二人に紹介?
するわけないでしょ。俺だよ?
「はじめまして、伊藤伸恵です。そこのとは近所に住んでて幼馴染をしていますね。」
えー、何処から出てんのその声。まるでうちのかーちゃんが電話に出る時の様に声が変わったぞ。
いつものダルそうな声は?
「これはご丁寧に。私は雪ノ下雪乃です。そこの彼とは不本意ながら同じ部活動をしています。」
なぜだろうなぁ、さっきまでいた猫共が全然寄り付かなくなってきたぞ。
「そう、それで……その……雪ノ下さんは八幡と付き合ってたりするんですか?」
本当にお前誰?いいからその作り声止めてくれない?
伸恵の変貌に今の俺はさぞかしマヌケな顔をさらしている事だろう。
開いた口が塞がらない。
「ありえませんよ。
……ひ、比企谷くんっ。どうしたの?そんな人間を辞めたような顔をして、ってもう辞めていたわね。
死んだ魚の目をして、死んだ魚の様に口を開けていると本当に魚に見えて来るわよ?魚企谷くん?」
雪ノ下はピシャリと即答。ありえないですよねー。まぁもし俺に聞かれても即答で否定すると思うが。
まず、友達ですらないからね。
「この世を去る事以外で辞めれるなら辞めてるよ。
世間は俺に辛辣だからな。」
「いえ、世間というのは物事によるけれど大多数に対して厳しいわよ?
ただそれを厳しいと取るか取らないかは本人次第ね。」
「八幡と雪ノ下さんは仲がとてもいいのですね?」
「あり……」
「お客様、お冷をお持ちしましたが、席はこちらで宜しかったでしょうか?」
雪ノ下が入店してからずっと立って話をしているから、店員さんがシビレを切らして出て来ちゃったよ。
というか、こういうときって店員の方も空気を読んでもっと待つようなものじゃないの?
こんなシチュエーション会ったことないから知らんけど。
セリフを遮られて雪ノ下も恥ずかしかったのか、顔を赤くして「ええ……」と答えて席に着く。
……おい、なんで俺の隣に座るんだよ。
「アイスミルクティーを一つ。」
空気の読めなかった店員に注文を終えると、なんとも言えない空気が漂う。
なんだよ、さすがにこの雪ノ下に話を振るのは酷だな。
でも、俺が話を振る方が酷なんだぜ。
「伸恵もそんな声出してないで、普段通りの声だせよ。なんかキモイ。」
「んなっ!キモイってなんだよ!さすがにあたしだって初対面の奴には余所行きの顔くらいするわ!」
「ふふっ。」
雪ノ下が急に笑い出し、俺らは雪ノ下に視線を集める。
「すみません。でも私も作られた伊藤さんじゃない素の伊藤さんと話たいですね。」
「あーーー。わかりました。これでいいですか?」
文字におこすとすると分からないだろうが、伸恵の声からキャピキャピした感じが消えた。
あとは雪ノ下の勘違いを解いてミッションコンプリートだ。
「なぁ、ゆ……」
「雪ノ下さんって、八幡と同級生ですよね?なら、あたしの方が年下なので敬語もやめてくださいね。」
伸恵にセリフをかぶせられたよ。まぁ、言いたかった事を言ってくれて助かったがな。多分雪ノ下は伸恵を年上に見てるから。
そして伸恵は膝の上に乗って来た猫を構いだす。
「えっと、ごめんなさい。あなた達から煙草の匂いがしたから、てっきり二十歳超えているものと……」
「ブッッッ」
やべー、今コーヒー口に含んでたら大惨事だったぞ。
……伸恵さんや、吹いたのは謝るからそんな睨まないで。
「すまん、伸恵。雪ノ下のがなかなかの不意打ちでな?二十歳超えって、プフッ。駄目だ、ヒィー。」
「本当に、ごめんなさい。伊藤さん。あと比企谷くん、女性の年齢の事で笑うのは感心しないわよ。」
「いや、いいよ雪ノ下さん。それは煙草吸ってるあたしが悪いんだし。八幡も笑い過ぎだ!」
「わりぃ。」
いやぁ、笑った。千佳ならきっとまだ笑ってるだろうな。
あれ?なんか隣の空気が変わった気がするんだけど。
「伊藤さん。あなたまさかだけど煙草なんか吸ってるの?
年下と聞いたからてっきりバスの停留所かなにかで煙を浴びたんだと思ったのに、あれは法律で禁止されているのよ。
それに禁止されるにはちゃんと理由がある訳で煙草なんて百害しかないじゃない。
二十歳超えてても身体に害しかないのにそんな若い身で吸うなんて考えられないわ。
おそらく、比企谷くんとかから注意されていると思うからそんな強くは言わないけど、禁煙した方が貴方の身の為よ。」
「ご忠告どうも。そうだなぁ、八幡にもちぃにも言われているよ。
あっ、ちぃっていうのは千佳って言って、あたしの妹な。分かってるんだけど止められないんだよなぁ。
気付いたら吸ってるし。さすがにこういう禁煙の店では吸って無いけど。」
「それは当たり前だ!。でも前に禁煙した時は1週間持ったよな?
俺も千佳も程ほどに注意してんだけど、毎日言ったらお前怒るだろ?
でも、禁煙して欲しいのはいつも思ってるぞ。その……心配だし……」
「んがっ、はっ、はぁ~!止めろよなそんなの、ズルい……禁煙したくなるじゃんか。」
うわ~~~。また何か黒歴史を製造したようですよ八幡さんは。って俺でした。
お前もそんな反応するなよ。俺に気があるかもって勘違いしちゃうだろ。
雪ノ下がごほんっとわざとらしい咳をして場を締める。
「そういう、甘酸っぱいものは私がいない時にお願いできるかしら?」
「「いなくてもやらねぇよ!」」
顔を赤くした二人を余所に、店員が雪ノ下の注文の品のアイスミルクティーと猫じゃらしを置く。
この店は飲み物をオーダーすれば、猫と戯れる道具を置いて行ってくれるシステムだ。
そして雪ノ下は、届いた紅茶を無視して真っ先に猫じゃらしを手に取る。
「では、比企谷くんに伊藤さん。私はこのお店に来た本来の目的を果たすから、私に喋りかけないでね。」
「お、おう。まぁ、がんばれ?
こっちもゆっくりしてるわ。」
こうして、俺達3人は猫に癒された。
猫じゃらしを持った時の雪ノ下の目の輝きを俺は忘れられないだろう。
伸恵とのデートです。
思いのほか長くなってしまい、1話で終わらなかったです。
この話は雪ノ下が登場回でもあって静かですが、
次話のデートの続きは騒がしくなります。