オークになった!   作:ナゾハリ

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第14話

オークの集団が大広間へ向かう階段を上り始める。

先頭にはドゥーヨーと黒ローブがいた。その後ろに気を失っているツーユーの半身たる変なオークを担いでいるオークそしてドゥーヨーの部下と続いてた。

ハルは部下の最後尾が階段を登り始めると静かにその後ろについた。

(気づかれずにすんだ)

ハルは一安心しながらも気を引き締めながら前を歩くオーク達を観察した。

オークの中には頬や頭をさすったり、まだ口から血を流しているのか時々口を拭うようにしている者がいた。おそらくフーユーを逃がしたことでドゥーヨーに殴られたのだろう。

 

一団は扉をくぐり大広間の中心についた。ハルは目立たぬようにしつつも黒ローブに近づける位置につこうとしたが思ったよりも近づけずにいた。

(もう少し)

上手く近づけない。

そうこうしている内に気を失って抱えられていたオークは黒ローブ指示で大広間の中心に下ろされた。

黒ローブが変なオークの胸に突き出ている角に手をかけようとする。

「まてい!」

大声が大広間に響き渡った。

全員がその方向を見る。

ツーユーとフーユーが大広間の入り口の階段を降りきった所にいた。

 

「ナンダアイツハ」

ドゥーヨーが進みだそうとするのを黒ローブが杖を持ってる左手で制した。

「貴様、向こうにいたのではないのか」

「そなたの企みを知って戻ってきたのだ」

「ふふふ、誰が知らせたか知らんが貴様がおっても私を止めることはできんよ。むしろ角を取る手間が省けるというものだ」

黒ローブが呪文を唱える。

(今だ!)

ハルがオーク達を押しのけ黒ローブに近づき金色の杖を叩こうとした。

 

バシ!

ハルが杖を叩くより早く呪文の詠唱が終わりツーユーの周りに炎の壁が立ち上がる。

ツーユーとフーユーはそれぞれの盾でなんとか防げていた。

詠唱が終わった後に杖を叩いたのだが何かの力でハルの手ははじかれた。

(くっ、しまった!)

黒ローブの奥にあるアキの目がこちらを向く。

ハルは黒ローブに乗っ取られたアキの目の奥に一瞬知っているアキの目の光を見た。しかしすぐ禍々しい別の光に覆い尽くされた。

 

「貴様・・」

周りのオークがハルに掴みかかろうとしたがその前に黒ローブが一言「どけ」と言うと素早く呪文を唱え始めた。

オーク達がハルの周りから逃げるように離れる。

さっきよりも早く唱え終わる呪文のようだった。ハルもどうして良いかわからず固まったままだった。

「アキ!」

詠唱が止まった。

「戻ってきてくれアキ!ハルを傷つけないでくれ!」

黒ローブが声の方向を見る。

大広間の入り口の階段上にナツがいた。どうやらオークの一団をつけてきたようだった。

「オレの大好きなアキはそんなやつに負けない!」

黒ローブはナツの方向を見て動かなかった。ハルは黒ローブの口から「ナツ・・」という声が聞こえた気がした。

ハルは動かない黒ローブの持つ杖に向かって両手を右から左へ上下に並べるように振り切った。

 

杖の上か下だけを叩いても手からは離れないかもしれない。

持っている手の上下を同時に叩いて確実に離させる必要があった。

出来れば下に叩きつけるようにすればなお良い。

上に跳ね上がれば誰かが掴んでしまう可能性があるからだ。

ハルはその通りに叩いたはずだった。考えた通りに叩いたつもりだった。

呪文の詠唱途中だったからかもしれない、杖の防御は無くなっていた。

叩かれた杖はハルの手をはじくこと無く黒ローブの手から離れた。

手から離れた杖は下に落ち・・・ずに真横に飛んだ。

焦ったハルが手を真横に振っていた。

真横に飛んだ杖はすぐ隣のドゥーヨーの身につけている金属の容器にぶつかってお互いがはじけ飛んだ。そして跳ね上がりつつハルに向かって飛んでいき・・・ハルの手に収まっていた。

 

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