空隙の町の物語   作:越季

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10-4「春光隊の審神者」

 鯰尾は、初めての脇差として春光隊に顕現した。目の前にいたのは小さな女の子で、鯰尾は大層驚いた記憶がある。何よりも印象に残っているのは――

 

 ――鯰尾藤四郎様ですね? 私が貴方を喚び出した審神者です。どうか、我々の戦いに協力して頂けませんか。

 

 ――大人びた、では足りない程の、様になっているかしこまった挨拶。形式張っている口調では無く、心からそう思っている口調だった。小さな女の子のはずなのに何故か圧倒されてしまって、鯰尾は呆然と了承していた。

 初めての出陣では傷を負ったら状況を見て撤退させ、手入れもきちんと行ってくれた。鯰尾より前に来ていた刀達が審神者への対応に困っている雰囲気を出している事以外は、ごく普通の本丸と言えた。

 普通では無い事が起こったのはその日の夜。鯰尾は初めての就寝をしようとしていた。が、今まで寝るなんて事をしてこなかった刀が、すぐに寝付ける訳が無い。すると、審神者はいきなり服を脱ぎ始めた。

 

 ――ちょちょちょちょ! 何やってるの、主!

 ――何って……眠るには、疲れる事が一番だと聞きます。ならば私が貴方のお相手になろうと――

 ――ああもうマセガキめ! 子供はそんな事考えなくていいの!

 

 審神者は何故拒絶されるのか不思議そうな顔をしていた。後に聞けば、初めての刀である歌仙も同じ洗礼を受けたという。時の政府は子供に意味の分かっていない事をさせるのか、と憤ったものだ。

 この時に気付くべきだった。何故、彼女が躊躇い無く夜伽をしようとしたのかを――

 

「……いち兄は分かる? 何で主がそんな事をしようとしたのか」

「……そうするのが当たり前だと、教育されたから?」

「そうだね。でも、後一歩かな。……続けるね」

 

 彼女には、不思議な習性があった。誰かが喧嘩をすればどんな軽いものでも震えながら止めようとしたし、布団の中ではなく押入れで眠る。食事は取られないように大事に食べていたし、常に誰かの顔色を窺っていた。特に一番最後が問題で、ちょっと誰かが感情的に怒ると、固まって動けなくなる。だから和泉守などは、彼女への接し方に悩んだそうだ。

 

 ――何て言うのかな……オレは主じゃなくて自分に怒ってたりするのに、その感情に反応して怯えられるんだよな。鏡みてぇだ。その様子を見ていると、怒る事も難しくなってくる。……オレは、主にどう接したらいいのかね。

 

 和泉守の談だ。それに違和感を覚えた薬研が、図書館に行って彼女の行動について調べた。その結果――

 

「……聞いた事がある。親から歪んだ感情や暴力を振るわれると、子供はその兆候を表に出すと」

「そう。子供がその感情や暴力を振るわれる事を、世間では『虐待』って言うんだよ」

 

 調べに調べた薬研は、審神者への接し方について具体的なガイドラインを作成した。とにかく、ここは審神者にとって安心できる場所であると教える事、感情的になったら許されないラインを超えない限りはきちんと受け止めてあげる事、パニックになったら安心できる場所へ移動させて対応できるように一振りは本丸に残しておく事……大まかに言えばこうだが、他にも様々なガイドラインを設けた。最初は難しそう、と言っていた刀達だが、少しずつ、少しずつ対応の仕方を覚えていき、審神者も少しずつ、問題行動を起こさなくなった。問題行動を除けば優しい少女なのだ、本丸内の空気は穏やかな物になっていった。

 しかし、一つだけ彼らが知らなかった事がある。審神者は時折、研究所へと赴いていた。そこで何をしていたのか、誰も知らなかったのだ。歌仙はある日、研究所へ行こうとする審神者に強制的に同行した。当然入口で引き離されてしまう訳だが、歌仙はこっそりと審神者の後をつけた。辿り着いたのはとある研究室。そこで見たのは、おぞましい光景だった。

 怒気に満ちた声で、鯰尾は吐き捨てる。

 

「……主、研究員の男に裸の体を触らせていたらしいんだ。中には、いやらしい触れ方をしている奴もいたみたい。胸を、股間を、男達に触らせてた――手篭めにされていたんだ、主は」

 

 その行為を黙って見ている歌仙ではない。歌仙は研究室に乗り込み、男達を全て斬り捨てたのだ。そうして審神者にマントを着せて、泣きながら抱きしめた。けれど、審神者は悲しそうに呟いたのだ。

 

 ――私は、皆様を満足させる事ができていません。それどころか、こうして泣かせてしまう始末。審神者、失格ですね。

 

「……っ」

「……それを聞いた時、俺達は改めて誓った。主が、あんな事をされるのは間違ってるって思わせようって。辛い事かもしれない。けれど、あれを当たり前のように受け入れる自尊心の低さは、見ていて悲し過ぎるよ。主のために、何より自尊心のある主であって欲しいと願った俺達のために、そうする事に決めたんだ」

 

 歌仙は刀剣男士全員に、男性としてのマナーを叩き込んだ。セクハラをしない事、力任せに扱ったりしない事、エスコートをきちんとする事、などを。刀剣男士達は普通の人間とは違うので、その点に関しては心配は無用だったが、審神者の心を守るために改めて行った。

 

「それから徐々に、主は感情を露わにし出したよ。専ら言ってたのは、俺達が離れていくかもしれないのが怖くて仕方ないって事だったかな」

 

 任務をこなしながらも、審神者の心の傷を治そうと励む刀剣男士達。審神者も少しずつ表情が豊かになっていく。少しずつ子供らしさを取り戻していく審神者を、刀達は穏やかな気持ちで見守っていた。

 しかし、その日々は唐突に崩れ落ちる。

 

「……元々体の弱かった主が、酷い咳をするようになった。咳き込んだ勢いで、血を吐く事もあった。病院はどこに行っても見て貰えなくて、次第に主の症状は悪化していったんだ」

 

 何度病院の戸を叩いても、なしのつぶて。しかしその横で、上層部の人間は病院で診察を受けている。見捨てられたのだと、彼らは悟った。

 歌仙は自分が研究員を斬り捨てたからだと言っていた。後悔はしていないが、もっと慎重になるべきだったと。それを否定しないものはいなかった。当然の怒りを表に出しただけ、自分がもしそこに居合わせたら自分もそうすると、慰めではなく上層部への怒りから、仲間達はそう言った。

 その間にもどんどん弱っていく審神者を見て、歌仙は決断した――亡命を図ると。

 

「時々、『町』が他の『町』と繋がる事がある。歌仙さんはそれを利用して、隣の『町』へ助けを求めようとした」

 

 審神者を守る第一部隊は、長谷部、歌仙、薬研、鯰尾、獅子王、石切丸。戦う事は無いだろうと思っていたのだが――現実は残酷だった。端末を手にしていた長谷部が、震える声で告げたのだ――敵の襲来を。

 

「もう平和的解決は無理だと悟ったよ。命をかけて主を守る、それが全員の意思だった。まず最初に、骨喰と弟達が本丸で囮になった」

 

 骨喰達は、最期に薬研と鯰尾に告げた。

 

 ――主殿を、未来へ連れて行ってくれ。

 ――あるじさんを幸せにしなくちゃ、絶対に許さないんだから!

 ――主君に、明るい世界を。お願いしますね。

 

 手が、足が震える。そんな事は嫌だと叫びたかった。けれど、振り向く訳にはいかない。――主を守りたい、それが彼らの願いなのだから。

 

「裏山を登って、森を駆けて……そうしているうちに、次々と仲間が離脱して行った。どんどん少なくなっていく仲間達が、未来を託していくんだ。泣いて立ち止まる余裕なんて無かった」

 

 ――主の晴れ姿が見られねえのが残念だ。

 ――主に、籠の外の世界を見せておやりなさい。

 ――一緒に、成長したかったな。

 

 少しずつ、少しずつ仲間がいなくなっていく。それでも彼らは駆け抜けた。

 しかし、敵から受けた攻撃による傷は蓄積されている。体力が少ない薬研が崩れ落ちるのは、分かりきっていた事だった。

 

「ここまでかって、薬研は力無く言った。慣れない傷の手当てをして、何とか進んで貰おうとしたけど……敵の矢が、薬研に突き刺さったんだ」

 

 もう全員が、薬研の破壊を覚悟したという。しかし、薬研は現在の春光隊に存在している。その意味は――

 

 ――嫌だ。

 

 か細い声だった。そしてその言葉と共に、薬研の体が修復されていったのだ。呆然とする薬研は、足元に転がっていた物――壊れた白い御守りを見た。

 白い御守り――それは、刀剣男士の破壊箇所の身代わりをし、全快させる緊急修理機器が入った物。手に入れるのに大層苦労したはずの物を、審神者は薬研の服に縫い付けていたのだ。

 

 ――私は、あいつらの手にかけられるのだけは嫌だ。

 

 そして薬研は審神者を見る。審神者の目は、衰弱していてもなお力強い光が宿っていた。薬研はそれに何よりも驚き――歓喜したという。

 

 ――お願いします、皆様。私を、あいつらから逃して下さい……!

 

 それは、審神者が命がけでした「お願い」だった。それを聞かない彼らではない。薬研が立ち上がれるのを確認して、再び彼らは駆け出した。

 

「辿り着いた『町』の境界線は、惨憺たる有様だったよ。沢山の刀剣男士が、必死に他の『町』と繋がる場所を探してた。審神者を抱えている刀も、そうでないのもいた。開いてっていう悲鳴が、苦しみに喘ぐ嗚咽が、あちこちから響いていたんだ。俺達も、少しでも穴が無いか探した」

 

 穴がどんな形状なのか分からないまま、彼らは必死に境界線を探し回った。背後から来る敵を押し留めながら、彼らは突破口を見つけようとした。

 鋼の折れる音、泣き叫ぶ声、苛立ちから来る怒号。本当に、あの声達を聞く状況には二度となりたくない。

 

「敵も目の前に迫って、俺達も疲弊して……もうだめだって思った。その時突然目の前の境界線が無くなった。俺達はなだれ込むように境界線を越えた。そして、目の前に沢山刀剣男士がいて、ここもだめなのかなって絶望しかけた。けど」

 

 ――総員に告げる。亡命者を保護し、敵を蹂躙せよ!

 

 初老の審神者がそう命ずると、数多の刀剣男士達は一斉に背後の敵に向かった。次々と切り刻まれていく敵に、切り刻む刀剣男士の姿に、そして一部の刀剣男士にもう大丈夫だと声をかけられ、鯰尾の目からは自然と涙が溢れてきた。――自分達は、主は、助かったのだ。長谷部と薬研は審神者の意識を真っ先に確認していたし、獅子王は大きく吼え、歌仙と石切丸は大きく息を吐いていた。

 それぞれが安堵の表情を浮かべていて、これで審神者が元気になればまたやり直せる、そう思っていた。だが――

 

「……主は病院に搬送されたけど、だめだったんだ。もう体全体にガタが来てて、こうして生きているのが奇跡みたいな物だって、医者には言われた。……俺達は、主と別れを告げなくちゃならなくなった」

 

 服を用意しに行った長谷部以外の五振りは、ベッドの上で横たわる審神者の前で沈痛な面持ちで立ち尽くしていた。皆の願いを叶えられなかった。主に、幸せな未来をもたらす事ができなかった。

 何も話せない彼らに、審神者は小さく微笑んだ。

 

 ――そんな顔をしないで下さい。私は、充分幸せでしたよ。ああ、でも……。

 

 審神者は目を伏せてから、ぽつりと呟いた。

 

 ――私は、こうして生きていた事すら忘れられちゃうんでしょうか。それは少し、寂しいですね。

 

 審神者の言葉はゆっくりと彼らの内に染み込み、そして一つの決意を生み出した。

 

「……主は頑張って生きた。それも歴史の中にいずれ埋もれてしまう。だからね、俺達は主の記憶を大切に語り継ごうと思ったんだ。俺達の主は、こんなに懸命に生きたって」

 

 しかし、彼らには選択が迫られていた。刀解、別の部隊への配属、戦場での破壊。彼らはどれも選ぶ事ができない。審神者は覚えてくれるだけでいいと言ったが、刀解や破壊を選べば語り継ぐものがいなくなってしまう。他の部隊へ行くといっても、上層部への不信感を植え付けられた彼らは、割り切って次の主に仕えられるとは思えなかった。

 すると審神者は、刀達にクマのぬいぐるみを手渡した。

 

 ――これを、長谷部さんに。いざという時に、と言えば分かると思うので。

 

 代表して歌仙が、そのぬいぐるみを受け取った。審神者は受け渡した後、最期の言葉を紡ぐ。

 

 ――私は、貴方達の主に、なれていましたか?

 

 全員が肯定した。否定する理由など無い。彼女は、自分達を大切にして――自分達も、彼女を大切にしていた。戦場にも出してくれたし、手入れも、交流も、彼女なりに頑張って行っていた。

 

 ――そうですか、良かった……。

 

 そうして彼女は、息を引き取った。

 

「……その後、長谷部さんがぬいぐるみを調べて、色々な機材と――審神者権限の移行許可証が入っている事が分かった。主は、四つ目の道を示してくれた――俺達の願いを叶えてくれたんだ。それから俺達は病院から抜け出して、『森』の奥深く、少し崩れていたけどまだ使える家を奇跡的に見つけた」

 

 その家を修復して本丸として使えるようにし、右往左往して本丸を運営しながら、現在に至る。

 

「最初は大変だったよ。今まで考えてこなかった事を、全て考えるようになったんだ。生活費とか、どうやって家事をやるかとかね。でも、その都度調べながら乗り越えてきた。……力を合わせて頑張ったおかげで、連帯感は強まったかな」

 

 鯰尾は頰をかいて笑う。一期は思わず畳の目に視線を落としてしまった。

 ――とてつもない話だ。一期は内容の全てを理解したとは言わない。けれど、目の前にいる別部隊の弟がまだ癒えていない傷を抱えてここにいるのは分かる。そして、彼の仲間も同じ傷を抱えている事も。

 過酷な出来事を乗り越えて、今の彼らがあるのだ。

 

「……お前達は、本当に凄いね。自分が無知である事を、改めて思い知らされたよ」

 

 胸の痛みを感じながら一期が絞り出した言葉に、鯰尾は悲しそうに笑んだ。

 

「知らないのは当然だよ。誰も話してこなかったんだから。語り継ぐと言っても、俺達は相手を選んでる。いち兄なら、この事を他人事にしないで受け止めて貰えると思ったんだ。……その様子だと、俺の考えは正しかったみたいだね」

 

 自分の表情は分からなかったが、心の中で渦巻く事実と感情に、己が振り回されている事は確かだ。他人事とは確かに思えない。自分の主は、一介の審神者でしかない。政府に切り捨てられる事だってあり得るだろう。――自分達が仕えるのは、あくまで審神者。その審神者に何かあったら、守るために動くのが我々だ。その行動で負うリスク、仲間を失う苦しみを、自分は背負い切れるだろうか。

 ――君の大切なものが主に侵されているとして、君は主を許すか?

 不意に、自隊の鶴丸の言葉が頭をよぎる。もしかしたら、亡命したものの中には審神者から逃げていた隊もあったのかもしれない。審神者に裏切られた苦しみもあると思うと、どれだけの痛みが伴うのだろうか。

 少し短気だが優しい審神者と、いい環境に恵まれたと思う。だから審神者には二心無く仕えられるし、戦える事と弟や友達のいる幸せを享受している。そんな自分が傷付いた彼らに接する時に言葉を考えなければ、言葉は棘となって彼らの心に突き刺さるだろう。

 

「……きっと、私は長谷部殿の言う通り、無神経な事も言っただろうね。それでも、何でも知りたいとは言わないからもっとお前達と話をしたい。今日何があったか、楽しかった事とかを語り合いたい。私は、春光隊の方達と友達になりたいんだ」

 

 鯰尾は目を伏せて黙り込んだ。近くから聞こえるはずの喧騒が遠く感じる。部屋の中は静寂が訪れて、僅かな衣擦れの音は拾えてしまう。それが少し不思議だ。

 額を押さえて、鯰尾は小さく言う。

 

「……蒼穹のいち兄の事は、好ましく思っているんだ。こうして長く、俺達だけじゃなくて長谷部さんに好意的に接してくれる刀剣男士は久々だし。でも、好ましく思っているからこそ、あまりこちら側に関わって欲しく無い。俺達は、政府の事を信用し切れて無いから。いち兄がこっちに関わる事で、上の心象が悪くなる事は避けたいんだよ」

 

 その言葉に言いたい事はあるが、言葉が上手くまとまらない。――上の評価など知った事か、いや審神者の目は気になるけれど、関わるなと言われたら間違い無く一期は反抗するだろう。だが、その言葉達は春光隊には不適切だ。あちら側に関わるのが大変なのも察する事ができる。でも、それへの躊躇で友達になれるかもしれないもの達を遠ざけるのか。こちらだって、春光隊の事は好ましく思っているのに――

 

「……私は」

 

 一言だけ発して口を開けては閉じと明確に言葉に出来ずにいる一期は、視線だけでもしっかりと鯰尾を見据えようと顔を上げる。鯰尾は真剣にしている一期を見て、表情を緩ませる。

 

「蒼穹のいち兄は、真っ直ぐだね。俺には眩しいくらい。だからこそ、真実を知った時に苦しまないか心配だな」

「真実……?」

「前に言ったでしょ? 灯台下暗しって。長谷部さんに繋がる真実への手がかりは、実はいち兄の近くに()()。よーく見渡してね、隅々まで見るつもりで」

「それって……」

 

 ――雲霄の鶯丸も、そのような事を言っていなかったか。この本丸に、春光の長谷部に繋がるものがあると言うのか。

 障子が開き、光が一気に差し込んでくる。入口を見ると、春光の長谷部が立っていた。

 

「長谷部さん、お帰りなさい。どうでした?」

「……()()()()()()()()。それとタイムオーバーだ。ここの審神者が俺達の気配に勘付き出してる」

「うわ、やっば! 逃げなきゃ! ごめんいち兄、話の続きはまた今度ね!」

 

 一期が止める間も無く、二つの影は足早に去っていく。

 呆然としていると、審神者が一期の部屋に顔を出した。

 

「一期、ここにいたか。……なーんか変な気配がしたんだけどよ、そっちに行ってないか?」

 

 訝しげにしている審神者に、一期は立ち上がり姿勢を正して進言する。

 

「私の所には来ていません。……それよりも主、ここの警備費を増やすつもりはありませんか」

「えっ、何だいきなり……まあ、資金次第だろうなあ。まずは小判を増やさないと――」

「小判を入手できる遠征場所はどこですか?」

「えっ、何だ張り切って……いででででで! 衿を引っ張るな衿を!」

 

 審神者を力尽くで引きずって、一期は歩幅大きく審神者の部屋に向かった。

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