仮面ライダーW〜受け継がれしE〜   作:プライムビルド

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やっちまった。
でも、後悔していない!!
はじまして、エターナル大好きなプライムビルドです。
未熟者ですが、どうかご贔屓ください。

それではどうぞ!!


第1章 新たなるEの仮面ライダー
《第1話》蘇りしEの記憶〜前編〜


さぁ、地獄を楽しみなぁ……!!

 

 

 

穏やかな風が吹く風都を死人が溢れる地獄へと変えようとした悪しき道へ堕ちたテロリスト

 

 

風都史上最悪の犯罪者 大道(だいどう) 克已(かつみ)

 

 

 

しかし、優しさを喪う前の彼はかつて多くの人々に希望と生きる力を与える英雄

 

 

———————仮面ライダーだった

 

 

 

そんな彼と彼の仲間を襲った悲劇的な運命は彼らの心を大いに狂わせ、絶望させた。この一つの運命によって狂わされた彼らは、まるで自らが味わった絶望を同じく多くの人々へ味合わせるかのように風都へと襲来し、多くの人々は恐怖のドン底へ叩き落とされたかに見えたが、テロリストである彼らは風都の希望の象徴———仮面ライダーによって打ち倒され、恐ろしい野望は潰え、

 

 

 

大道 克己と供に『永遠』を司る記憶(チカラ)も喪われた筈だった。

 

 

 

 

 

▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼

 

 

 

俺の命はある人から貰ったもの(・・・・・・・・・・)だった。

 

だからこそ、その人に恥じない様に生きようと幼い頃の俺はいつものように口ずさんでいた。その恩人にどうしても感謝の言葉を述べたかった俺は余りにもイカすすぎるダンディな探偵さんに貯めまくった貯金をはたき、依頼を出した。数日もかからない内にその恩人を見つけてくれたダンディな探偵さんに付き添われる形で、その人の墓の前で心の底から感謝の言葉を述べさせて貰った。そして、いつのまにか近くにいたオルゴールを持った謎の女性から、涙ながら彼の分まで強く生きて!と言われた。その時の俺は持っていたハンカチを渡し、はい!!と力の限り元気に応えた。その女の人とは、それ以来会うことはもうなかった。

 

それから数年の月日の中、俺は父の様な立派な警察官になると心に決め、そのために必要な努力を積み重ねていこうとした頃。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺に命をくれた人が、

 

 

 

 

 

今度は俺から

 

 

 

 

 

 

大切な家族である父を奪っていった(・・・・・・・・・・・・・・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼

 

 

 

 

〜〜♪♫♪♬♬♪♪〜

 

 

大爆音のダースベイダーの着信メロディーによって、俺————佐久間(さくも) 総志郎(そうじろう)の意識は強制的に覚醒させられた。近くの目覚まし時計の時刻は7時20分。本来の俺の平日の起床時間は8時前であり、こんな早いわけがない。誰だ!俺の安眠を邪魔するのはぁ!!と思う同志がいる筈だ。

 

 

俺の嫌がることを嬉々でする奴はこの世にただ1人。

 

 

「……おかけになった番号は現在使われておりません」

『あら、困ったわ。愛しい彼氏にどうしても助けて欲しかったのだけれど仕方ないわね。私のメールアドレスに登録されている子達全員に探してもらうしか無いわね………個人情報の提供として、容姿、性格の他に………貴方の弱みも提示するべk「すいませんでした!一姫様!!」後、5分でそっちに着くからね』

 

 

ガッチャ。プー。プー。

 

 

「ヤバい!!」

 

 

あのドS大魔王め!!

単なる悪ふざけ(本音)なのに、とんでもないワードを口走りやがってぇ!!一方的に命令して切りやがった。弟の雄二はあんなにも素直なのにどうして、あんなにも最悪な性格の姉がいるんだ。あっ、上があんなのだから弟は素直なのかぁ〜。本来なら、あんな奴の命令なんぞ聴きたくもないのだが、遅れでもすれば内の学校である風都高校の全女子供には精神的に、男子供には物理的に殺され、今こうしている間にも増え続けている死亡者の中に名を連ねる事になる。そして言われもない俺の不評ばかりが世間に流れ、最早死んでも当然の人間扱いになるところまで見えた。

 

まったく不公平だなぁ〜。

あの大魔王様がそういう気分になった時点で、それ以外の選択肢など存在しない。何時だって、あの大魔王様は大魔王様だけの世界で回っているのだから。

 

「……はぁ。さっさと着替えよ」

 

微睡みを振り払い、俺は死地へと赴く兵士のように覚悟を決めた瞳でベッドから這い出て、支度を済ませていく。

 

……やべぇ、マジで行きたくねえよ。

……私は何処で選択を間違えたのでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふふっもう少し5分ちょうどだったのに残念♪」

「あいも変わらずイイ性格しておりますね。

お・姫・様?」

 

「あらあら、ソウジが私をお姫様扱いしてくれるなんて。今日は面白いことを起こそうかしら?」

「ヤメロ。一姫が面白がること(イコール)俺がヤバい目に合うだろうが」

 

「ヒドイわ、ソウジ。私は貴方をこんなにも(オモチャとして)求めいるというのに……」

「おい本音がダダ漏れだぞ。もう少し隠す努力をしろ」

 

「あら、嬉しいわ。貴方がこんなにも私の考えを察してくれているなんて。やっぱり私達は相思相愛ね」

「(((;´゚ェ゚)))ヒェー…その笑みは辞めてくれ。コェーよ」

 

 

俺の目の前で強い衝撃でポッキリと骨を折ってしまいそうな華奢な身体をし、腰に届くほど透き通る様な銀髪を風都の風で揺らし、紅い瞳を細め、普段のいつも眠そう、あるいは気だるそうな雰囲気とは明らかに異なり、ブラックホール並みの黒い笑みを浮かべる美少女は、風見(かざみ) 一姫(かずき)。彼女こそが、俺の安眠を妨害し、こんな冴えない俺を無理矢理自分の彼氏役に仕立て上げた張本人である。容姿だけを見てしまえば、正直に言えば綺麗としか言いようがないほどの美貌を持っている。そのおかげで、朝っぱらにも関わらず、彼女の見てくれに目が絡んだヤロウ供から嫉妬と殺意の視線を浴びてはいるが、流石にもう気にしなくなった。慣れってコワイね。そんな彼女の内面はまさしく現代に復活した第六天魔王、またはレベル1の勇者を即KILLしに来るほどのドSの大魔王。

 

「で、朝から何の用だ?朝食抜き状態の俺をエサに優越に浸りに来たのか?」

「失礼しちゃうわ。それだけではないわよ」

 

「まだあるのかよ……」

「相変わらずのゲンナリ貌ね。私は好きよ、ソウジのそういうストレートな心情を表した貌。それはそうと、今日は私、日直だから色々と手伝って欲しいのよ」

 

「えっ、ヤダけど」

「さっ行きましょ、ダーリン」

 

ますますゲンナリした表情を浮かべる俺の反対意見を普段のアンニュイな表情とは違い、心底可笑しそうな笑みを浮かべながら、周りに通行人達に見せつけるかのように、引っ張った俺の手と自分の手を絡める。そう恋人繋ぎという奴で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺がなぜ、彼女の様な女性の仮面彼氏をすることとなったのは、主に高1の春過ぎのこと。別のクラスにまるで妖精のような容姿をした美少女がいるが安心感と恐怖感を感じさせる不思議っ娘という噂が一時期話題となっており、たまたま廊下で一姫を見かけた時俺は薄々感じていた考えを確信へ至らせてた。

 

……あっ、高嶺の花すぎるな…

 

と、すぐに思い俺とは関係のない存在つまり、対岸の火事のように、俺とは全く関係のないことだと考えてた。そして、クラスの中でも最も仲の良い新功寺(しんくうじ) 蔵馬(くるま)通称くっちー(命名総志郎)とゲームだの、甘いもの巡りだの遊びまくっていた。しかし、どういう訳か彼女に目をつけられ、高校生活謳歌中に突然メアド交換してないはずの一姫から、呼び出されてしまった。何かの罰ゲームなのではと警戒していると、開口一番に………

 

『佐久間総志郎さん。私とお付き合いしてくれないかしら?』

 

この時、俺は正気か?と尋ねなかった自分を胴上げしてやりたかった。そして、改めて彼女と向き合ってみると何となくだが、超然とした物腰の彼女の冷徹な面が見えた。

 

結論から言えば、彼女は明らかに自身の容姿だけ目当てのナンパや告白が鬱陶しく、中にはヤバい目で見てくる野郎が出始めたのを察知したため都合のいい彼氏役を探していたようだ。念のため、くっちーを推してみたが、一姫曰く彼みたいな天然系の善人を利用するのを気が引けるとのことらしい。その時、俺は彼女の中に氷の巨像が見えた時に身体の全細胞の恐怖感に従い、丁重にお断りした。しかし、ドSな彼女は俺を流してはくれなず、数日後には俺たちが付き合っているという噂が流れた。コレを流したのは、当然一姫だ。本人に確認を取ると、それはもう輝かしい黒い笑みを浮かべて肯定した。その時の俺の絶望感は計り知れない。

 

それ以来、彼女はことあるごとに俺を暇つぶし代わりに遊びながら、よく一緒にいる。

 

 

そして、場所は変わり風都高校の教室にて到着すると、

 

「で、今日はどうしたんだ?」

 

一姫を壁際に追い込み詰め寄る。

 

「あら、積極的ね?」

 

だが、今回はいつもとは明らかに違うモノがある。

 

「巫山戯るな。今日は、お前と一緒にいていつもの野郎どもの殺気(笑)とは違う異常すぎる視線を感じた。アレはどう考えても、マジの殺気だ。いつものお前なら、俺を自分の家まで来るように命令するが、今朝は自分から俺の家に来た。それに加えて、お前のカバンには独自にカスタマイズしたスタンガンがあるのが確認できた。何で自分がエサになる様な危険を晒す」

「中々の察知ね。いいわ、教えてあげる。私がエサになる様な真似のしたのは当然雄二を巻き込ませないためよ。姿が見えない以上、警察は動いてはくれない。加えて昨晩に、私の窓の近くに目玉みたいなモノが浮いていたこと、ウチのポストに貴方を襲う脅迫状が来ていたことから、敵は—————」

「ドーパントだな?」

 

一姫の言葉に続く様に総志郎もまた、冷静に自分たちを付け回し、尚且つ命を狙っている相手の正体を看破する。

 

「その通りよ。それと手紙には、貴方が襲われるのを阻止しなければ、次に雄二を襲うと書いてあった。念のためとして雄二と離れるため私が先に家から出てた。そして、あの殺気は私と貴方に向いているから、予告通り貴方を襲う。だから、こうして彼氏の貴方に忠告兼護衛をしているということよ」

「犯人に心当たりは?」

 

ワザとらしく、人差し指を下唇に当て紅い瞳を細めながら頭を傾ける。

 

「そうねぇ……1人は心当たりがあるけど。もう1人は判らないわ」

「ちょっと待て!犯人は2人なのか!?」

 

自分の予想とは違う一姫の返答にソウジは目を丸くするほど驚きを露わにした。そんな分かりやすい反応をしたソウジに対して、一姫はまるでイタズラが成功した悪ガキな様な笑みを浮かべる。

 

「おそらくは2人以上はいるわ。手紙の送り主は、書き癖から現在服役中のはずの私の父親である風見亮二。そして、あの男にこんな手の込んだ策などせず、服役する原因を作った私を真っ先に襲うはず。しかし、それをしていないことに加えて、私のソウジを襲われたくなければ阻止してみせろと宣戦布告している。コレは臆病なあの男にはできない。いくらガイアメモリが人の心を壊し、醜いバケモノのへと変えたとしても、性格の根本的な部分は変わらない。以上の推察から、あの男には最低で1人の協力者かいることが断定される。分かったかしら、ダーリン」

「いやと言うほどに。で、どうする気だ?まさかと思うが、予告通り2人で襲われながら警察のドーパント専門の特殊犯罪捜査課に連絡して助けを待つか?」

 

「今のところは、その選択肢以外に確実性はないわね。カバンの中には、私お手製の閃光弾、スモーク弾くらいしか作れなかったし。それに仮面ライダーだってそんな都合よく助けに来てくれる可能性もないしね」

「………そうだな。仮面ライダーだって誰でも(・・・・・・・・・・・・)助けられる訳じゃないからな(・・・・・・・・・・・・・)

 

仮面ライダーというワードを聴いて僅かに気だるげなソウジの表情に影を落とすことを確認した一姫は、そっと優しげな表情で彼の頰に手を添える。

 

「わかってるわ、ソウジの過去は。だからこそ、できる限り今まで通りの学園生活を送りつつ互いに策を練りましょう。命が危険に晒されている以上、私たちは戦うという選択肢しかない。肉弾戦は残念だけど貴方に任せるしかない。だからこそ、私はどのようにして人外の力を持った相手にうまく立ち回れるかを考えるわ。本当にごめんなさい、こんな風に貴方を危険なことにまきk「今に始まったことじゃない」…最後までキチンと言わせなさいよ。酷いわね」

「はぁ……さっきのだけで充分元気は出たさ。ありがとうな、気遣ってくれて」

 

「あら、珍しく貴方がデレてくれたから今回は貸しにするのは無しにしといてあげるわ」

「うへぇ、一気に有り難みがなくなったわ」

 

ため息をつきながら口上が上がってしまっているためギコチナイ笑みが隠し切れていない。そして、一姫もソウジに釣られるように純粋な喜の笑みを浮かべていると、

 

「おっ?風見に彼氏の佐久間もいるのか丁度いいな。佐久間に小包が届いているぞ」

「え!?」

「あらあら、こんなタイミングは不自然すぎるわね

 

ソウジの担任の教師が段ボールを持って教室へ入ってくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この数時間後にこの段ボールの中のモノがソウジの止まっていた歯車が動き出すことになることを、

 

この時の2人はまだ知らない

 

 




最後まで読んでくださりありがとうございます!
気長に続けていきますので長い目で見てくださると嬉しいです。
ちなみにソウジの容姿はデアラの士道です。ただし、髪は黒髪です。

それではまた次回もよろしくお願いします!

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