ありふれていない世界最強メイド【本編完結済み】   作:ぬくぬく布団

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布団「これから忙しくなるので投稿をしておきます」
深月「この話では私は登場致しません。悪しからず」
布団「投稿間隔が少し長くなるのは申し訳ないです・・・」
深月「・・・ゲームではありませんよね?」
布団「仕事だからね?忙しくなると言われちゃったよ!」
深月「毎日少しずつ書いていけば何とかなりますよ」
布団「そして誤字報告有り難う御座います。とても助かります」
深月「では読者の皆様方寒さに気を付けて、ごゆるりとどうぞ」




お嬢様と南雲さんの回ですメイドは出ません。空気を読みますので

~ハジメside~

 

ハジメの頬に定期的に当たる水が頬を通り口の中へと入って行く感触に意識が徐々にではあるが回復、その事を不思議に思いつつゆっくりと目を開く

 

(生きてる?・・・助かったの?)

 

疑問に思いつつ上体を起こそうとするとガンッと天井に頭をぶつけ、自身に何が起きたのかどうなったのかを少しづつ鮮明に思い出して来た。奈落へ落ち兎の攻撃に吹き飛ばされ爪熊に出会い、そして攻撃をされた・・・そして腕を食われた事を

そして理解したと同時に襲い来る幻肢痛に腕を押さえて有る事実に気が付く。切断された箇所は肉が盛り上がり傷を防いでいたのだ。しばし呆然としているとある事実に気が付いた

 

「そ、そうだ高坂さん!高坂さんも腕を切られたんだ!」

 

慌てて探し自身の横に居りそっちの方にも水滴が滴り口の中へと入っており傷が塞がっていた。この事からハジメはこの水が何処から流れ出ているのかを辿り錬成、すると青白く発光する鉱石から出ていたのだ。しばし見惚れていたが皐月の事を思い出し鉱石の周辺を広く錬成、そして四苦八苦しながらその場へと引きずる形で移動させた

そして錬成していた時に気が付いた点、この水を飲むと魔力が回復し傷も治ると言う事だ。ハジメはこの鉱石についてふと思い出した―――――――皐月と一緒に知識を蓄える為に図書館へ行き文献の中に伝説上の鉱石"神結晶"という遺失物扱いされた鉱石だと言う事。その神結晶から流れ出た水は"神水"、正に自身の欠損を除く傷を癒やしたこれは紛れもなく神水であると確信した瞬間だった

だがしかしこの神水や神結晶があるからと言って何が出来ると言うのだろうか。外は爪熊の様な自身を餌としか見ていない捕食者が集う迷宮、そして助けが来ないこの状況にハジメの心は完全に折れていたのだ

 

「誰か・・・助けてよ・・・・・」

 

小さな呟きと共に襲い来る睡魔の誘惑に勝てずその場で寝るハジメ。この言葉は誰にも届かない・・・皐月も気を失っているからだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから一日が経過、ハジメは殆ど動かず丸まっており絶望していると

 

「うっ・・・ここは・・・何処?」

 

皐月が起きた事に気が付いたハジメ

 

「高坂さん気が付いた?」

 

「え・・・あぁ・・・・・ハジメ君。あれからどうなったか分かる?私はあの熊に腕をやられてからあんまり分からないのだけれど」

 

爪熊からの攻撃で激痛が走る中、必死に死にたくないという思いから壁を錬成し、ハジメを引っ張った皐月のお陰で助かった様なものだ。その事実にハジメは心が痛い気持ちで一杯だった。何よりも目に見えている其れ―――――自身が左腕の肘から先が切られたという点に対し皐月は利き手の右肩から切られているからだ

 

「あれから僕は高坂さんを引っ張って錬成してどんどん奧へと進んでいったんだ・・・そして偶然見つけたこの光る鉱石――――――――文献にあった神結晶で、その流れ出た水で僕たちの傷が塞がったんだと思う」

 

「・・・そう。これからどうしよう」

 

現実を直視している皐月はこの迷宮において自分達が生態ピラミッドの中でどの位置づけがされているのかは十分過ぎる程理解していた。故にハジメ同様心が折れていたのだ

 

「私達死んじゃうのかな・・・」

 

「・・・・・」

 

否定する事が出来無いハジメは沈黙、そして皐月の側で抱きしめる様に横になる。その様子で皐月も理解したのであった。ハジメもまた自分と同じ様に理解し絶望している事に

二人はそのまま眠りに付き起きては神水を飲みと繰り返すだけとなっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

更に数日後、あれからどれ程の時間抱きしめ合っているのか理解出来無い二人は心の中で思っていた

 

(どうして僕(私)がこんな目に?)

 

飢餓感と幻肢痛が襲い来るそれを紛らわすかの様に神水を口にし苦痛の微睡みと覚醒を繰り返し―――――繰り返し――――そしてハジメと皐月は神水を飲むのを止めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もうこの苦痛を終わらせたい・・・・・だけど死にたくない。まだ生きたい

 

 

 

 

 

 

 

 

ただそれだけだった。更に数日が過ぎ頭の中には疑問ばかりが押し寄せていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(なぜ苦しまなければいけない・・・僕(私)達が何をした・・・)

 

(何故こんな目に遭っている・・・何が原因だ・・・)

 

(神は理不尽に誘拐した・・・)

 

(クラスメイトは裏切った・・・)

 

(ウサギは見下した・・・)

 

(アイツは腕を喰べた・・・)

 

(何故僕(私)だけで無く彼女(彼)まで巻き込まれた・・・)

 

二人の思考がドロドロと真っ黒に塗りつぶして行く。無意識に敵を探し求める中でも飢餓感と幻肢痛は治まらず、思考を暗い感情へと導いて行く

 

(どうして誰も助けてくれない・・・)

 

(誰も助けてくれないならどうすればいい?)

 

(この苦痛を消すにはどうすればいい?)

 

更に数日が経ち憎しみや怒りといった感情は無くなっていた。黒く染まった感情を持っても何も期待出来無いし収まる事も無い

 

(俺(私)は何を望んでる?)

 

(俺(私)は"生"を望んでる。)

 

(それを邪魔するのは誰だ?)

 

(邪魔するのは敵だ)

 

(敵とはなんだ?)

 

(俺(私)の邪魔をするもの、理不尽を強いる全て)

 

(では俺(私)は何をすべきだ?)

 

(俺は、俺は・・・)

 

(私の道は・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

更に数日が経過―――――

ハジメの心の中にはただ生きる事だけ。憤怒も憎悪も理不尽もクラスメイトの裏切りも魔物の敵意も今は居ない守ると口にした物も全てどうでも良い。ただ側に居る不出来だった自分を守ってくれた皐月以外は眼中に無い。ただ単に皐月と一緒に生き残ると言う事

皐月の心の中も殆ど一緒で、生き残る以外は殆どどうでも良い。自分の側に居るハジメと一緒に生き残りたいと言う事。二人は確固たる意思を持った時気が付いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皐月(ハジメ)が好きだと言う事に。そして更に記憶を思い出していくと、何故深月が二人だけの空間を作り出していたのか―――――深月は皐月の幸せだけを思い行動していた事を

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「く、くははははははは。あっははははははははは!」

 

「ふふっ、ハジメ笑いすぎ」

 

「いや、すまんすまん。そして気が付いた事があったんだよ。俺は何で今の今まで気が付かなかったんだよって今更ながらに思ったんだよ」

 

「それなら私もよ。気が付かなかった―――――こんな事になるまで気が付かなかった」

 

「それじゃあ俺が考えている事分かるよな?」

 

「分かるに決まっているでしょ?」

 

「なら"いっせーの"で言うか?」

 

「違うでしょ?それは私から言うのが理想でしょ?」

 

「男からすれば理想だな」

 

皐月は一呼吸置いてハジメに告げる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私、高坂皐月は貴方を心の底から愛しています」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてハジメの答えも決まっている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺は高坂皐月、お前を心の底から愛している。何処までも俺と一緒に付き合ってくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい。これから永遠にお願いします」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして二人は晴れて恋人・・・・・いや、結婚前提としたお付き合いを誓い合った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んじゃあいっちょやるか皐月」

 

「勿論よハジメ」

 

「「錬成の特訓の開始だ(ね)」」

 

「そして」

 

「邪魔する奴は」

 

「「殺す!殺して喰らってやる!」」

 

こうして奈落の底で無能と呼ばれた者達は変貌した瞬間であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから幾度も錬成の訓練をし、速度、範囲、正確性、を求め、成果は有り有りと目に見えて分かる程にまでとなった。慎重に慎重を重ねゆっくりと気配を出来るだけ殺しながら二尾狼の後を追跡して行くと四頭の群れを作っていたので、ハンドサインにて一匹一匹確実に壁の中へ閉じ込め引きずり込む作戦に出た

結果は上々、一匹また一匹と消えて行く仲間に疑問を覚え壁を背に警戒していたが仇となったのだ

 

「グルゥア!?」

 

後ろの壁が下半身を飲み込む様に蠢き、固まり、ゆっくりゆっくりと拘束したまま引きずり込む事態に悲鳴を上げる二尾狼。見事に成功したのであった

 

「さぁて、生きてっかな?まぁ、俺達の錬成に直接の殺傷力はほとんどないからな。石の棘を突き出したくらいじゃ威力も速度も足りなくてここの魔物は死にそうにないし」

 

「そうよね。現に錬成で巨大な棘を錬成して刺しても傷なんて無かったし普通じゃ無理ね」

 

「窒息でもしてくれりゃあいいが・・・俺達が待てないなぁ」

 

呻き二人を睨付ける二尾狼だが全く身動きが取れず拘束されている為、怯えもせず淡々とどうやって殺そうか思考中

 

「よし決めた掘削するか!」

 

「良いわねそれ!遠くから安全に捻り込む様に殺せるから安心ね!」

 

ニヤリと笑うハジメと皐月の目は完全に捕食者のそれで、右腕を壁に押し当て錬成を行使。明確なイメージを持って少しずつ加工していくと、螺旋状の細い槍の様な代物が出来上がった。更に、加工した部品を取り付け槍の手元にはハンドルのが取り付けられた

 

「さ~て掘削、掘削~!」

 

二尾狼達に向かってハジメはその槍を突き立てるも硬い毛皮と皮膚の感触がして槍の先端を弾く

 

「やっぱり刺さんないよな。だが、想定済みだ」

 

皐月はハジメの作った掘削槍を興味深そうに観察、ハジメは上機嫌に槍についているハンドルをぐるぐると回し、それに合わせて先端の螺旋が回転を始めた。これは硬い皮膚を突き破るために考えたドリルで、体重を掛けながらハンドルを回して行くと少しずつ先端が二尾狼の皮膚にめり込み始めた

 

「グルァアアー!?」

 

「痛てぇか?謝罪はしねぇぞ?俺と皐月が生きる為だ。お前らも俺らを喰うだろう?お互い様さ」

 

そう言いながら、更に体重を掛けドリルを回転させる。二尾狼が必死に暴れるが、周りを隙間一つなく埋められている為不可能。そして遂に、ズブリとドリルが二尾狼の硬い皮膚を突き破り体内を容赦なくグリグリと破壊して行き断末魔の絶叫を上げた。しばらくするとビクッビクッと痙攣しパタリと動かなくなった

 

「よし、取り敢えず飯確保」

 

「お腹空いたわねハジメ?」

 

「そうだな。取り敢えず残りの三匹も殺しておくか」

 

嬉しそうに嗤いながら、残り三頭にも止めを刺し、全ての二尾狼を殺し終えたら錬成で二尾狼達の死骸を取り出して二人で毛皮を不器用ながらも剥がし、飢餓感に突き動かされる様に喰らい始めた

 

「あが、ぐぅう、まじぃなクソッ!」

 

「うぇええ、不味すぎるよぉ。こういう時に深月が居たら美味しくしてくれそうなんだけどなぁ・・・」

 

愚痴を吐きつつも咀嚼する二人。悪態を付きたくなるのも当然の物で、えぐみのある硬い筋ばかりの肉と言えば理解出来るだろう。二人しておよそ二週間ぶりの食事に胃がビックリしてキリキリと悲鳴を上げるが何のその、生きる為に次から次へと飲み込んでいく。その姿は完全に野生児その物だ。神水を飲み水として食べ続ける二人に突如異変が襲いかかる

 

「あ?――――ッ!?アガァ!!!」

 

「ハジ――――ッ!?ウギッ!!」

 

突如全身を激しい痛みが襲って来たのだ。まるで体の内側から侵食されている様なおぞましい感覚・・・その痛みは時間が経てば経つほど激しくなる

 

「ぐぅあああっ。な、何がっ――――ぐぅううっ!」

 

「いっ、ぎぃいいいいいい!」

 

耐え難い痛みと自分を侵食していく何かに襲われ地面をのたうち回る。幻肢痛など吹き飛ぶような遥かに激しい痛みだ。ハジメと皐月はは震える手で懐から錬成にて作り上げた石製の試験管型容器を取り出すと、端を噛み砕き中身の神水を飲み干すと効果を発揮し痛みが引いていく―――――――がしばらくすると再び激痛が襲う

 

「な、なんで!じんずいがぎがあああ効がな"いの"!?」

 

「ひぃぐがぁぁ!!なんで・・・治らなぁ、あがぁぁ!」

 

二人からドクンッ、ドクンッと体全体が脈打ち至る所からミシッ、メキッという鈍い音が聞こえ始める。体の筋繊維、骨格が悲鳴を上げて破壊、そして神水の効果で治り、またしても襲い来る激痛。二人は絶叫を上げながらのたうち回り地獄を味わい続け、ひたすらに耐える

すると体に変化が現れた。日本人特有の黒髪は真っ白となり、筋肉や骨格が徐々に太く体の内側に薄らと赤黒い線が幾本か浮き出て来たのだ。幾何も続くその苦痛を耐え続け痛みが来なくなった所でようやく地面へグッタリと大の字で寝転んだ

ハジメは筋肉質な体となり以前よりも背が高くなっていた。皐月の方ももの凄い変貌を遂げ、筋肉は目に見えて浮かんではいないが密度が高く、そしてそれの基礎となる骨の密度も上がっているのだ。そしてハジメ同様以前よりも背が高くなっており、胸は大きく、ウエストは引き締まりと女性が羨む体型と変貌したのだ

 

「・・・そういや、魔物って喰っちゃダメだったか・・・アホか俺は・・・」

 

「・・・でもしょうが無いでしょ?食べなきゃ死ぬんだからこうなったのは必然、ハジメが悪い訳じゃ無いわ」

 

「しっかし俺の体どうなったんだ?何か妙な感覚があるし・・・」

 

「私も同じく、変な感覚があるわ」

 

体の変化だけでなく二人は体内にも違和感を覚えていた。温かい様な冷たい様な?どちらとも言える奇妙な感覚で、意識を集中してみると腕に薄らと赤黒い線が浮かび上る

 

「うわぁ、き、気持ち悪いな。なんか魔物にでもなった気分だ。・・・洒落になんねぇな」

 

「こ、こういう時はステータスプレートを見るのが一番よね?」

 

存在その物を忘れていたステータスプレート。二人して入れていたであろうポケットを探ると無くしてはいなかったようで一安心、そしてこの異常について何か表示されていないか確認する為覗くと

 

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南雲ハジメ 17歳 男 レベル:8

天職:錬成師

筋力:100

体力:300

耐性:100

敏捷:200

魔力:300

魔耐:300

技能:錬成 魔力操作 胃酸強化 纏雷 言語理解

 

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高坂皐月 17歳 女 レベル:7

天職:錬成師

筋力:80

体力:250

耐性:80

敏捷:180

魔力:280

魔耐:280

技能:錬成 魔力操作 胃酸強化 纏雷 直感 言語理解

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「「・・・なんでやねん」」

 

二人して驚愕のあまり思わず関西弁でツッコミを入れる。それはそうだろう。ステータスは軒並み上昇、派生技能が三つ追加しかも未だにレベルが一桁台であるからだ

 

「「魔力操作?」」

 

二人は互いを見合い、魔物肉を食べてから感じる奇妙な感覚は魔力なのでは?と推測し、集中して"魔力操作"とやらを試みる。すると赤黒い線が再び薄らと浮かび上がり掌に集中させると、ぎこちないながらも奇妙な感覚・・・もとい魔力が移動を始めた

 

「おっ、おっ、おぉ~?」

 

何とも言えない感覚に戸惑いを覚え、錬成を試みるとあっさりと地面が盛り上がる

 

「マジかよ。詠唱要らずってことか?魔力の直接操作はできないのが原則の筈だが例外は魔物・・・やっぱり魔物の肉食ったせいでその特性を手に入れちまったのか?」

 

「見て見てハジメ!これ凄い!私、某忍者の千鳥を再現出来たわ!」

 

冷静に分析していたハジメが皐月の声に反応しそちらへ目を向けるとバチバチと左手に雷を纏わせて構えている皐月の姿だった

 

「・・・もしかしなくても魔物の固有魔法はイメージが大事って事か?」

 

「多分そうかも。左手で"纏雷"を使用したら静電気みたいにバチバチっと纏わせたらいけるかな~?ってイメージしたら出来ちゃった♪」

 

「成る程なぁ。んじゃあ最後の"胃酸強化"ってのは大体予想が付くんだが・・・」

 

「それしかないと思うわ」

 

二人は再び二尾狼から肉を剥ぎ取り纏雷を使い肉を焼くと悪臭が酷くこれを耐え、こんがりと焼き上げた肉を食べる―――――――

十分程経過しても先程の様な激痛は襲ってこず、次々と肉を焼いて食べる。量を食べても激痛が襲ってこないので理解する二人

 

「胃酸強化なぁ・・・便利だな」

 

「お肉は美味しくないけど、飢餓に苦しむ事が無い分マシね」

 

二人は二尾狼達を食べ尽くした後に一度拠点へと戻り一日は終了、翌日からは錬成や纏雷と言った他の技能鍛錬を行っていると派生技能が備わったのだ

 

"鉱物系鑑定"

王都の王国直属の鍛冶師達の中でも上位の者しか持っていない技能で、この技能を持つ者は鉱物に触れてさえいれば簡易の詠唱と魔法陣だけであらゆる鉱物を解析出来るとても便利な代物なのだ。潜在的な技能ではなく長年錬成を使い続け熟達した者が取得する特殊な派生技能である

それから二人は迷宮内の鉱石を探す為彷徨い調べて行くと、切り札―――打開策となる代物を見付ける事に成功したのだ。その名は"燃焼石"と"タウル鉱石"と言う二つの鉱石で、燃焼石は現代知識で言う所の火薬に近しい物で、一方のタウル鉱石は衝撃と熱に強く冷気に脆い鉱石だ

これらと皐月が見たと言う実物の拳銃を元に錬成を何度も試行錯誤、失敗に失敗を重ねて遂に完成したのだ

 

「・・・これなら、あの化け物も・・・脱出だって・・・やれる!やってみせる!」

 

「私もお荷物にならない程度だけど頑張るわ!」

 

「皐月は無茶してくれるなよ・・・俺と違って肩から切られてんだから体重バランスが悪いだろ?利き手でもないしよ」

 

「それは練習と実戦を持って克服するに決まっているでしょ」

 

「・・・それもそうだな――――――俺の背中は任せたぞ皐月」

 

「私の背中も任せるわハジメ」

 

ハジメと皐月が持つ其れは大型のリボルバー式拳銃、名はドンナー。魔物を食べてから成長したステータスのお陰で力等に関しては問題無く、罠などの知識、経験も学ぶ事が出来たのだ。因みに水の上を歩いていた蹴りウサギを纏雷で感電させた後ドンナーで撃ち殺したりと検証と実戦も兼ねる事も出来たのである。そして二人のステータスはというと

 

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南雲ハジメ 17歳 男 レベル:12

天職:錬成師

筋力:200

体力:300

耐性:200

敏捷:400

魔力:350

魔耐:350

技能:錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+鉱物系探査] 魔力操作 胃酸強化 纏雷 天歩[+空力][+縮地] 言語理解

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

高坂皐月 17歳 女 レベル:12

天職:錬成師

筋力:180

体力:270

耐性:180

敏捷:350

魔力:350

魔耐:400

技能:錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+鉱物系探査] 魔力操作 胃酸強化 纏雷 天歩[+空力][+縮地] 直感 言語理解

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

皐月は殆どがハジメのステータスと同じ位で、魔耐の数値と技能の数だけが上である。天歩は蹴りウサギを食べて得た技能で、何回も地面とキスをしつつも自分の物と出来たのだ

二人は現在の装備を確認、不備等もチェック、無し―――――――

 

「よし、遂に来たぜこの時がよ!」

 

「うふふふ、待っててね爪熊さん♪」

 

「「今度は逆に俺(私)が喰らってやる(わ)!」」

 

途中で遭遇した二尾狼はドンナーにてヘッドショット、頭部を粉砕し奧へと進んで行く。すると響くうなり声と金属音に二人は不思議に思った

 

「あぁん?このうなり声は爪熊の野郎って分かるが金属音ってのが分からねぇ。クラスメイトの連中がチートの集まりだろうとここまで深部へと潜る事なんて不可能なんだが・・・」

 

「それよりも今はこの現状の様子を見なきゃいけないでしょ?可能性としては魔人族って線も否めないし」

 

「あぁそうだった。魔人族っていう奴らが居たんだったな。すっかり忘れてたぜ」

 

「私はあそこの岩陰から様子を見るわ。ハジメは対面をお願いね?いざとなれば挟み撃ちの形で殺せば良いし」

 

「だな。・・・ここで別れるぞ」

 

「気を付けてね」

 

「どっちがだよ。皐月の方こそ気を付けろよ」

 

二人はこの迷宮の階層を庭の様に把握しているので二手に分かれ敵対したならば確実に仕留める為に分けれて岩陰に待機。そしてゆっくりと様子を伺う様に様子を見ると二人は驚愕した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あのトラップから離れ離れとなったメイド―――――――深月が爪熊と戦っていたからだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




布団「エンダアアアアアアア!」
深月「ようやくお嬢様と南雲さんがお付き合いに!私はとても喜ばしいです!」
布団「あの二人は、もう付き合っちゃいなよ。レベルの仲良しさんでしたからなぁ」
深月「作者さん」
布団「何でしょう?」
深月「無理をしてはいけませんよ?」
布団「だ、大丈夫な筈・・・」
深月「体調管理も本人次第ですので、私がどうこう言える事ではありませんが」
布団「頑張って執筆するさ」
深月「ではこの辺りで終わりに致しましょう」
布団「読者の皆!体調管理に気を付けてね!」
深月「感想、評価等もお気軽にどうぞ。それと、寒暖差に気を付けて下さいね?」

お待ちかね!清水君の行く末は!?

  • 撃たれて終わり(原作通り)
  • お説教されて、先生達と行動
  • お嬢様の忠実なる執事に
  • 男の娘となり、テイマーメイドになる

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